オレとアイツの関係 作 K




「よう、エースお姫様のお迎えかい?」
「チャカスなよ、健二。」
そう、おれは長坂健二。スポーツと漫画をこよなく愛する高校二年生。彼女はいないがバスケ部でレギュラーを狙える位置にも居る。まあ,普通の高校生だろう。
そして、俺がエースと呼んだこの男、松橋浩二。こいつは野球一直線、2年にしてエースで四番、賭けね無しの学校の有名人だ。浩二とは一年のときに同じクラスで実際やるスポーツは違ってもスポーツ好き同士、息投合しまあ、親友と呼べるような関係であった。
「浩二、髪の毛伸びてきたなぁ。この前までは五分刈りだったのがスポーツ刈りぐらいまでに張ったなぁ。やっぱり違うねぇ、彼女が出来ると。野球少年が色づきやがった。」
「その件は、健二様さまだよ。」
そのとうりである。浩二と彼女の香織ちゃんの間に入ったのは俺ともう一人、橘明日香である。
今、2年のクラスでは俺と香織ちゃん、そして橘明日香は同じC組みで、浩二はA組みである。親友が違うクラスというのは都合のいいこともある、忘れ物したときに違う授業なので気がね無く借りられる。浩二はまじめ野球少年の割には抜けているところがあり、よく俺に借り物に来ていた。そのあとは俺とだべってから自分のクラスへ帰っていっていた。香織ちゃん達はそれを見ていたのだろう。
一方香織ちゃん、フルネームは水原香織。彼女は浩二にあこがれていた。浩二がうらやましい限りである、香織ちゃんは学年でもトップクラスのかわいい娘である。しかーし、香織ちゃんは引っ込み思案なところがある(そこがまたかわいい)そこで出てくるのが香織ちゃんの小学校からの親しい友達の橘明日香である。彼女は目鼻立ちは整っているが性格が明るすぎる、女の魅力を感じないと言うのだろうか香織ちゃんとは大違いである。その橘は女子バスケ部なのでバスケ部とは俺は顔見知りであった。
一ヶ月ちょっと前だろうか、俺は橘に呼び出されそこには香織ちゃんもいた。
「長坂君、ちょっとお願いあるんだけど。君、野球部の松橋君と仲いいよね、この香織が松橋君にラブレター渡したいんだって仲取り持ってもらえない?」
橘に俺はそう頼まれ、結局浩二と香織ちゃんの故意の仲立ちをしたわけだ。橘と二人で。
「俺がその話をしたとき浩二は乗り気じゃなかったのに、一度あったらもうぞっこんなんだもんなー。相手が香織ちゃんだ当然だけど。でも香織ちゃんを取られるのは悔しかったぜ、あまり話したことは無かったがクラスのアイドルだからなぁ。」
今のが俺の本心である、彼女のいない俺がなぜた他人の仲立ちを。しかし相手が浩二では勝ち目無しである。決して野球部の弱くない我が校で2年にして中心選手、顔もいい(俺よりちょっとだけチクショー)。
「健二はどうなんだよ、橘と気も会ってるようじゃないか。橘は目鼻立ちも整ってるし美人だと思うけどな。」
「冗談、たしかに見た目悪くないけどアイツの性格、あんな騒がしいじゃあな。俺は香織ちゃんみたいにおしとやかな、守ってあげたいような娘が好きなの。」
ちょっと前までは野球一直線だった浩二、ちょっと引っ込み思案な香織ちゃん。こんな両人なので二人っきりではなんなんだろう、俺と橘を含めた四人でよく行動をともにしていた。
四人で行動するとき俺と橘がよくしゃべっていた。俺は浩二と香織ちゃんの仲をより親密なものにしてやろうと考えていた。橘もいつもきっと俺と同じ事でも考えているのであろう、橘は香織ちゃんの親友なんだから。
そして、今日は夏休みも目前に迫った土曜日の放課後。2年C組、つまり、浩二以外の三人のクラスの前に浩二がやってきているのである。
「ところで健二、今日プールに行かないか。」
「ゲ、野郎二人でか? 香織ちゃんと行けよ。」
「もちろん香織も行くよ、二人じゃなんだからお前らも一緒に行こうと言ってるんだよ。」
「そういうことなのよ、長坂君。明日香はもうOKしてくれたから四人で行こうよ。」
俺は後ろから声をかけられた、そこには我が校の夏の女子の制服、白の下地にと紺の半そでのすそと、セーラーの部分であるセーラー服を着た香織ちゃんと橘がいた。どうやら浩二と香織ちゃんは打ち合わせ済み、橘も同行をОK済みのようだ。浩二たちを二人っきりにしてやることも考えたがここまで話が決まっているのではしょうがない、ここはイッチョまた二人を盛り上げてやることに決めた。
「それじゃ、四人で行きましょうかプールへ。試験明けで部活も無いし。」
俺たちは学校を出ていった。


俺達は四人でそれぞれの家に向かっていた。途中までは四人一緒である。
四人で居るときは俺と橘がよくしゃべる。浩二と香織ちゃんは二人の心地よさそうな空間を作りつつも、俺達の話に耳を傾けていた。
「まったく香織も大人になったもんよねー、ラブレターを一人で渡せないくせに彼氏を作るなんて。」
「ほんと二人を始めて会わせたときは笑えたよなー、会うまで乗り気じゃなかった浩二は香織ちゃんを見たとたん顔真っ赤にして。」
「そして、香織も香織で松橋君の顔もみずにうつむいたままで固まってて。娘の二人本当に付き合えるのか不安になっちゃった。」
「そんな恥ずかしいときのこと言わないでよ明日香。始めて浩二君の目の前に立ってもうパニック状態だったんだから。」
俺と橘は四人のときはよく浩二と香織ちゃんをねたによく話している。でも特別親しいわけでもなかった。あまり二人きりでしゃべった覚えは無く、四人のときよくしゃべるのは香織ちゃん達の為に良い空間を作るようにしているのだろう。俺と橘は浩二と香織ちゃんのカップルの為にひとはだ脱いでやっている、という同朋のような関係である。
そんなことを考えながら歩いていると俺は右足が大地を踏みしめていないことにきずいた。階段から足を踏み外していたのである。
「あ、健二!!」
「長坂君!!」
浩二と香織ちゃんの叫び声を耳にしながら、そういえば帰り道の途中に下り坂が急に階段になるところがあったっけ。などと考えながらも転げ落ちようとしていた。
その時、俺の「右手」を誰かがしっかりとつかんだ。しかし、俺の体はもう転げ落ちてしまっていた。


「健二!」「明日香!」
俺は浩二と香澄ちゃんの声に目を覚ました。地面に大の字に上を向いて寝ていることが分かった。目をあけてみると上のほうに階段が見える、心配そうに俺をのぞきこんでいる浩二と香織ちゃんも確認できた。どうやら階段を一番上から一番下まで落ちてしまったようだ。
「橘!」「明日香! 大丈夫?」
浩二と香織ちゃんが目の前にいるのに声が遠くに聞こえる。俺はふと「左手」が握られているのに気がついた。そういえば落ちる寸前誰かに「右手」を握られたような、と思い出し「右手」のほうを見? 今握られているのは「左手」である。途中で握りな直したのか?疑問はさておき「左手」の先に目を移してみた、そこには見慣れたものが見慣れない角度で見えていた。
? 俺の肩に女子の夏用セーラー服の部分が見え、華奢な腕が自分から伸びていてその先には男子生徒が、浩二か? いや、俺!?
「なにー、どうなってるんだー。」
甲高い声を上げながら俺は体を起こした。
「橘、だいじょぶかー。」「明日香ー」
浩二と香織ちゃんが俺に向かって「橘明日香」とよびかける。そう言えばさっきからそう呼んでいたような気がする。目の前におれの左手を握って寝ているのは、鏡ではよく見慣れたしかし肉眼では始めてみる「長坂健二」つまり、俺であった。
その時、俺の前に寝ている「長坂健二」が目をあけた。そして俺を見て、
「え!、あたしー。」
その「長坂健二」は言った。その時俺は状況を理解した。周りを見る、浩二と香織ちゃんが心配そうに「夏用セーラー服を来こんでいる俺」と俺の左手をつかんだ「長坂健二」を見ている。このなんのひねりも無い設定は、じゃなかったこのとんでもない状況は「長坂健二」と「橘明日香」の心と体が入れ替わったのだろうと。
浩二と香織ちゃんはまだ心配そうに俺達の顔を除きこんでいる。多分、橘であろう「長坂健二」は目を丸くして何が起こったか理解できてないようである。ここはまず、橘であろう「長坂健二」と話さないことにはどうにもならない、と俺は考えた。
「香織ちゃん、浩二。俺、じゃなかったワタシ達は大丈夫だから二人は先に帰って用意してきて」
俺も役者だ。いきなり女言葉を使いこなした!。でも自分が女言葉を言うのはお尻のあたりがちょっともぞもぞする感じだ。
「何言ってるんだよ橘、この階段落ちて大丈夫じゃないだろう。」
「そうだよ、明日香」
えーい俺の一世一代のせりふを信じないなんて、「俺」と「外見・長坂健二・中身・橘明日香」であろうと二人きりになりたいのに分からずやめ。
「長坂君、大丈夫だよね。ちょっと話があるからこっちへ。」
俺は俺の体に向かって、俺の名前を呼びかけた。そしてまだ呆然としている「長坂健二」とつないだままの右手を強引に引っ張りながら二人から離れていった。
「2時半にプールの前でねー、長坂クーン、明日香ー。」
振りかぶると香織ちゃんが俺達に叫んでいた、微笑みながら、なぜ微笑むのか? いや、今はそれどころではないこの状況を二人日で相談しなければ「長坂健二」の手を引っ張りながらとりあえず近くの公園へ向かっていった。



「えー、俺は長坂健二である。お前には多分お前自身、橘明日香に見えるんだろ?」
「う、うん。」
「そしてお前は橘明日香、しかし俺には長坂健二つまり俺の姿に見えているんだ。」
「え、あなた長坂君なの? でもさっきは私に向かって女言葉で長坂君と言ったじゃない。」
「あの場で浩二たちに俺達が入れ替わったと言ってすぐ信じるか? 第一あの時点ではお前が橘だとははっきりしていなかったし。早く二人きりになることが大切だったんじゃないか。」
「うーん、長坂君の言うとおりね。でもどうするのこれから、どうしてこうなったかも分からないし。」
「とりあえず。」
「とりあえず?」
「プールに行く準備をしよう。」
俺は俺の姿をした橘に言った。
「な、何言ってるのこんな状況で。どうしてこうなったか、どうすれば戻れるか考えるんじゃないの。」
「そんなこと言っても、原因はあり階段落ちだろ、あんなのもう一回やったらほんとに死んじまうよ。どうすれば戻れるかなんてわかりっこないジャン。浩二と香織ちゃんが待っているんだから早く用意していこうぜ。」
「う、うん。」
「あの二人を俺らでうまく軌道に乗せてやらなくっちゃあな、ここいらであの二人もステップアップすればもうすぐ来る夏休みにゃ二人っきりの思い出を作れるってもんだろう。」
そして俺達はプールへ行く準備をする為、それぞれの家へ向かった。


俺のうちは普通の一軒家だ、そして俺の部屋は二階にある。俺達はまず俺の水着を取るためにウチに帰った。俺の外見、つまり橘のことをどう説明しようかと考えたが都合よく母親は外出中で俺達は俺の体用の準備をさっさと済ませた。水着を準備し、橘をTシャツとジーパンに着替えさせた。
そして、今度は今の俺、橘の用意をする為橘の部屋に着ていた。彼女の両親は共働きとやらで昼間人が来る心配は無かった。
「まずは、これにきがえてね。」
「これって、ワンピースじゃないかスカートはイヤだよジーパンかなんかにしてくれよ。」
「だーめ、香織たちはデート気分で来るんだからあなた、つまり橘明日香が色気無い格好できたら雰囲気ぶち壊しじゃない。長坂君、二人を応援するんでしょこれを着るの。」
うーむ、こんな展開になるとはまったく考えもしなかった。しかし、俺も男だ浩二と香織ちゃんの為に一肌ぬいでやるか。俺はセーラー服の上を引っこ抜きワンピースを取ろうとした。」
「ちょっと待った、一度ブラジャーもはずしてもらえるかな?」
「な、何言ってるんだ橘、何でそんなこと大体恥ずかしいだろう。」
「だってこれからプールに行くのよ、恥ずかしがっても見る気ならどうせ見られちゃうじゃない、それに水着から普段着に着替えるときブラをしなきゃならないのよ、長坂君!ちゃんとできる?」
橘の言うとおりである。こんなことになろうとは、しかーしもうここまで来たら観念するしかない橘の言うとおりブラシャーをはずそうとした。
「くっ、うまくはずせねー。まさか自分のブラジャーをはずすはめにあうなるとは思っても見なかった、くっフロントホックならもっと簡単だろうに後ろの見えないところにあるホックなんて、と、取れねー。」
「もっとこっちをもって、そう、」
橘の講習の甲斐もありやっとブラジャーをはずせた。しかし、それはなんとも言えない感覚だった。今まで胸を包み込んでいたものが無くなった開放感と、下から支えていなかったものの無くなったせいで急に重みを増した胸のふくらみ、男のには分からないものであった。
「そして今度は。」
橘は俺の後ろに回りこみ両手で俺の胸、まあ本当は橘のものだが今は橘になっている俺の両胸をつかんだ。」
「ひゃぁ。な、何するんだよ急に。橘。」
俺は両胸に走った妙な感覚と、そのせいで自分の口からこぼれた声に恥ずかしくなり、声を荒げて言った。
「何って、ブラはこうやって胸を持ち上げて寄せていれるんじゃない、しっかりやってよ。」
橘はさも当然と言った。うーん、俺は一人で変なこと考えたのがさらに恥ずかしくなってしまった。そのまま無言でワンピースを着こんだ。
「さあ、長坂君もうでかけるわよ。あっ、そうだこれからは言葉遣いに気をつけなくっちゃ。私・・・オレが長坂健二で。」
「ワタシが橘明日香ね。うん、わかった。じゃあ行こうか。」
なんか状況がどんどん悪化しているような気がするが、まあしょうがない。俺達はプールに向かって橘の家を出ていった。


俺は今、禁断の地にいる。そうプールの女子更衣室である。橘の家を出て浩二と香織ちゃんと合流しプールにやってきていた。四人が合流してからは言葉づかいが気になって、俺と橘の会話はあまりはずまなかった。香織ちゃん達が気にしなければいいが。
しかし、それがどうした。今この状況をなんと形容しよう。女の着替えが見放題でしかも目の前ではあの香織ちゃんの着替えが展開されている。浩二には悪いが香織ちゃんの着替えをおがませてもらおう。
香織ちゃんは白い清潔なブラウスのボタンを上からひとつづつはずしていった。そしてそれを脱ぐと白い綺麗な肌の上半身とピンクのブラジャーを確認できた、そして・・・? 着替えを中断に俺のほうを向いた。
香織ちゃんは俺に向かって、つまり橘明日香に向かって話し掛けた。
「明日香ー、今日はちゃんと自分の気持ち言おうね、浩二君にも話してあるし。いつもわたしと浩二君の世話を見てもらって嬉しいけど、明日香も早く自分の気持ち言わなくっちゃ。」
香織ちゃんが何を言おうとしているのか俺には分からなかった、浩二も知ってる? 戸惑っている俺の顔を見て香織ちゃんが言葉を続ける。
「明日香がちゃんと言わないと気づいてもらえないよ、わたしと浩二君の間にはいってもらった事で言いづらくしちゃったことは私が悪いけど、明日香も素直に告白しようよ。・・・」
「明日香が長坂君の事・・・好きだって。明日香、あなたこんなにかわいいんだから。」
・・・俺は香織ちゃんに両肩を抱かれ大きな鏡の前に立たされていた。戸惑って、少し困惑気味の表情の橘明日香の表情。整った目鼻立ち、さらさらの髪、シンプルなワンピースに包まれた申し分のないスタイルの体。
こうして冷静に見ると、アイツは橘明日香は美人であった。いつもは浩二と香織ちゃんのことばかりに気を使って、話題のキャッチボール相手ぐらいにしか気にしていなかった。
「明日香、思いきって言おうよ。今のままいい友達でいられるかもしれないけど、つらいよ。気持ちをはっきりさせちゃったほうがいいよ。好きですって言って、この関係が壊れるのが恐くていつも明るく振舞って本心を隠してるけど、わたし明日香の気持ちわかるよ親友じゃない。わたしもつらいよ私達のことばかり良くしてくれて明日香がが自分を押し殺しているなんて。」
・・・俺は、鏡に映る橘明日香とその肩を抱く香織ちゃんをだだ黙ってみていた。
そして、俺は分かった、橘は美人で可愛い。しかしそれに俺は気づかなかった。親友の浩二と香織ちゃんをうまく取り持とうとすることにいっぱいで。橘も俺と同じ感情もあっただろう、その為に俺に対する感情を押し殺してきたのか。橘の俺に対する感情はまったく気づかなかった、まったく彼女のいないわけである、度し難い鈍感野郎だ。


俺達は水着に着替えプールからちょっと離れた木陰の芝生の上にいた。
「なあ、香織。俺達ウォータースライダーのほうへ行って来ないか?」
「うん、じゃあ長坂君、明日香荷物見ていてくれない。」
「ああ、いいよ。」
俺の姿をしている橘が答えていた。そして、浩二と香織ちゃんは俺達から離れって行った。その離れ際、香織ちゃんは俺に向かってウィンクした。「がんばれ」と言う事なんだろう。俺は橘と二人きりになった。
「どうしたの、長坂君・・・」
俺の姿をした橘が俺に話し掛けてくる。しかし、俺はまともに橘のことを見ることが出来ない。うつむいたままである。
「長坂君・・・。香織から聞いちゃったんだ。私の気持ち。」
「ごめん。」
「ううん、謝ることじゃないよ。長坂君はわたしのことなんとも思ってなかったみたいだから自分から聞く分けないし、香織のほうは自分の為に私を踏み台にしているような感じで気にしていたし・・・
でもね、わたし恐かったの、好きと言わなければこのままのいい友達と言う関係をつづけられる、でもね好きと言ってダメだったときどうなっちゃうんだろうって。」
本当はここで俺が何かい言わなくっちゃ行けない、というのは分かっているのだけれど言葉が見当たらず俺はうつむいたままだった。
気がつくと俺のあごを橘の両手でもち、俺の顔を上げ二人の目と目が合った。
「こんな状況で言うのは変かもしれないけど、わたし・・・橘明日香の心は長坂健二のことが大好きです。」
橘は彼女の心を俺にぶつけた。俺は何も言えなかった。でも、たぶん、俺も橘を視界に入れることが出来なかっつただけで更衣室での一件で分かった。今はまだ正直橘のことが好きかどうかわからない、だけど橘のの気持ちを受け入れることは出来る。本当に好きになるのにそういうステップがあってもいいんじゃないだろうか。恋愛に鈍感過ぎる俺にとっては。
そして、「長坂健二」の顔が近ずいてきた。冷静に考えれば気持ち悪いことだろうがこの時そんな感情は無かった。俺は「長坂健二」の肉体でなくその中の「橘明日香」の純粋な気持ちとくちづけしたのであった。


「でも、長坂君。私になっている長坂君てもじもじしててしおらしい女の子みたい。」
「だって、橘の気持ちを香織ちゃんから聞いて自分の鈍感さに恥ずかしくもなって。そんな娘に着替えまでさせてもらって。」
「気にしなくていいのよ、大好きな人だもん。裸くらい見られ立って。でもね、告白して嫌われたらどうし様かと思っちゃった。」
「フフフ、大丈夫だよ橘。まだ確信は持てないけど橘のこと多分好きだよ。」
「ありがとう、でもわたしになった長坂君、かわいいわよ。」
「へ?」
「もう一度キスしない。」
「ま,待ってくれ、さっきは気持ちが盛り上がっていて受け入れたけど、自分の顔とキスすると言うのはチョット。」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。もうすでに一回してるんだし。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。気持ちの整理が。」
俺は橘から逃げる出した。
「チョット待ってよー。もう可愛いんだから。」
「じょ、冗談じゃない俺は今は女だけど、男として女の子と付き合いたいんだー。早く男に戻してくれー。」

そんな俺と橘がガタガタというけたたましい音に目を向けるとある光景が目に入った。浩二と香織ちゃんが絡み合いながら階段を落ちていた。
「まさか、ねえ。」
俺と橘は異口同音につぶやき、目を見合わせた

おしまい




あとがき
お粗末さまでした。はじめて恋愛系書いてみました、どうだったでしょうか。楽しんでいただけたら幸いです。1999,5,20,
k1999@mail.goo.ne.jp
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