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――萌え燃えっ! 白塁学園高校女子ロボTRY部 episode――
放課後は美少女っ
           
CREATED BY MONDO      


 ロボット・トライアスロン [robot triathlon] 全高3メートル前後の人型機械(メガパペット)を使用して行われるモータースポーツ競技のこと。その中でも特に競走、球技、格闘技を指す。ロボトライ、もしくはロボTRY。
 メガパペット [mega puppet] ロボット・トライアスロン等で使用される3メートル級有脚マニピュレーターの総称。人型が主流であり、有線で遠隔操作されるため、パペット(操り人形)と呼ばれる。機動人形。MP。
 〈英談書店 21世紀用語大辞典/第三版より〉



〈PHASE:1〉
 キンッ……、と頭の中に金属音が響いたような気がして少年――飯綱甲介(いずな・こうすけ)は思わず片目を閉じ、こめかみを開いた方の手で抑えた。
 学校から家に帰る途中、近道して公園の遊歩道を歩いていた時のことだ。
 初夏の日暮れ前だというのに、珍しく辺りには誰もいない。
 しかし甲介が顔を上げたその瞬間、人影が唐突に彼の目前に現れた。
 年のころは甲介と同じくらいか少し下。この季節にふさわしいライムグリーンの清楚なブラウス、ベージュのベストとキュロットに身を包んだ髪の長い少女である。
 誰だっけ……と思う間もなく目と目があう。吸い込まれそうなその瞳に、甲介の思考がフリーズした。
 艶やかな唇が微笑む。 「ねえ…………あなた今、悩み事があるでしょ」
 見知らぬ人間にいきなりそう問いかけられて、普通だったらなんだこの娘……と訝しむところであった(そもそも何処から現れたのだろう?)が、甲介はその時、何故だか素直に 「ああ」 と答えていた。
 実際彼女の言う通り、悩み事もあったし。
 「そう、やっぱりね……」
 両の手を腰の後ろで組み、のぞき込むように甲介の顔を見つめる少女。いたずらっぽい表情を浮かべる彼女に、思わず半歩下がる甲介。しかし、思考の一部がマヒしているのか、誰何の言葉は出てこなかった。
 静かに時間が流れる……いや、静か過ぎる。木々の葉をゆらす風の音さえ聴こえてこない。
 そう、まるでこの場だけが現実の世界から遊離したかのように……。
 くすくすと笑いながら、少女は右手を差し出した。 「このブレスレット、つけてみて。……きっと今のあなたの力になってくれるはずよ」
  何わけの分からんことを――頭の中ではそう思っていながらも、甲介の手はその銀色の腕輪をあっさり受け取った。いくつもの直線が複雑に絡み合った、見様によってはメカニカルな印象を受ける代物である。
「……そう、…………腕を前に…………そこを持って…………手に通して……」
 少女の言葉に導かれるように静かに、なんの躊躇もなく右手にそれを通す……すると、その腕輪は突然キュン、と縮んで甲介の手首にくい込み、次の瞬間すさまじい光を放った!
「うっ、うわわわななななんだああああああ!?


「…………お、おいマジでそんなアホな申し入れ受けたのかよ、ほのかっ?」
「受けたわけじゃないわっ。……勝手に決められてたのよ!」
「勝手にって……まさかあんの筋肉ダルマっ、生徒会の執行部まで抱き込んでるのかっ」
 そう言いながら、左の握り拳を右の手のひらに打ちつけ怒りをあらわにする甲介。同じく憤懣やるせなし、といった表情でうなずくボブカットの女生徒は、彼の幼なじみでクラスメイトの藤原ほのかである。
 昼休みの資料室……物置同然だったこの部屋は、現在では女子ロボTRY部(第2ロボTRY部)の部室として使われている。
 ことの起こりは4月――二人がこの私立白塁(はくるい)学園高校に入学した時に遡る。
 中学生の頃からロボTRY(ロボット・トライアスロン)のローカルな競技会にいくつか出場していた甲介とほのかは、この高校に本格的なロボTRY部があることをきいて早速入部届を提出した。ところがそこは部長以下、特殊……というか異様というか、とてもじゃないがまともな高校生にはついていけない一種独特の 『濃い』 世界に支配されていたのだった。
 むろん速攻で入部を白紙に戻し、自分たちで別のロボTRYサークルを旗揚げしようとしたのだが、生徒会側は、「同種のクラブを並行して設立することは原則として認めない」 とストップをかけてきた。甲介は学内でのロボTRYを早々にあきらめ、何処か外部のサークルにでも参加しようかとも考えたのだが、ほのかは部の名前の頭に 「女子」 の二文字をつけて、強引に第2ロボTRY部の設立を認めさせようとしたのである。
 幼なじみの女の子に誘われて……というより、少女趣味丸出しな母親に対する子どもじみた反抗心からそれを始めた甲介よりも、両親がメガパペット(人型有脚マニピュレーター)用チューニングパーツの店を経営しており、いつかはその店の名をつけたチームで全国大会に出場したいと考えているほのかの方が、ロボTRYに対する思い入れがほんの少し強かったのかもしれない。
 だが、納まらなかったのがもとからあったロボTRY部である。あれやこれやと難癖をつけて女子ロボTRY部を潰し、統合と言う名目で、女子部員(というか、女子マネージャーという名の雑用係)を獲得しようとしてきたのだ。
 数々の嫌がらせ――やっている方には罪の意識なんぞこれっぽっちもなく、むしろ学内を混乱させる者に鉄槌を下している気でいるらしい――にも、ほのかは屈しなかった。意地があった。プライドもあった。何より自分の両親が経営している店を、「余所の商品いじって金とる改造屋」 とバカにしたことが許せなかった。
 自分からケンカ売るようなことはしないが、売られたケンカは必ず買う。それが藤原ほのかという少女である。
 そしてついに、連中からの最後通告が伝えられた。曰く、双方の代表によるバトルで決着をつけよう……と。

「負けたら女子ロボTRY部は即廃部、“元祖” ロボTRY部に吸収合併ってか。……あいつらよっぽど唯一の女子部員に逃げられたの根に持ってんだな」
 甲介のその言葉に、ほのかは思わず両肩をかき抱いた。 「冗談っ。甲介はどうか知らないけど、あたしはあんなとこ一秒だっていたくないわっ」
「オレだってついていけんぜあの世界には…………だけどどうする? 試合は公式ルールにのっとってやるんだから、ダブルス(二人組)でないと……」
 問題はそこにあった。たった四人しかいない部員の中でメガパペットの操作ができるのは、ほのかだけである。あとの三人は、悪名高き “元祖” ロボTRY部に敢然と立ち向かうほのかお姉さま(おいおい)のファンクラブに過ぎない中等部の女生徒である。
 ……はっきり言って、戦力外だ。
「向こうは2対1の変則バトルでもかまわないなんて言ってるけど、ハナっからそのつもりでこんなこと提案してきたのよ、きっと」
「しかし執行部も絡んでるとなると、こちらとしても受けざるを得ないってわけか…………くそっ」
 何もできない自分が腹立たしい。“元祖” ロボTRY部がつけてきた難癖の中には、男子、つまり甲介が部室に始終出入りしているなら、「女子」 の名称はおかしい……という言いがかりじみたものまであった。弱腰の生徒会がその訴えを了承した結果、彼は表立ってほのかに、そしてこの女子ロボTRY部に協力できないでいる。
 二人でコンビを組んでいくつもの競技会に参加してきた――たとえ表彰台には縁がなかったにしても。だからこそ甲介は、彼女のロボTRYやメガパペットに対する思いが痛いほどよく分かっている……つもりだった。
「…………こうなったら最後の手段よ。甲介え〜っ、あ・ん・たに女装してもらって……」
 その一言に、腰掛けていた机からずり落ちる甲介。 「お、おい、ほのかっ」
「やーねー。冗談よ、じょーだんっ」 「…………目が本気だったぞ」

 今日の昼休みの会話であった。


       > ts−nanomachine installed /complete
       > body format /complete
       > master command setup /complete
       > tuning and control command setup /complete 
       > transex sequence /.....program drive!


「……わわわっ!」
 光の奔流がおさまり視界が元に戻った瞬間、甲介はよろめくようにその場にへたり込んでしまった。
 なんのこっちゃない。腰が抜けたのだ。
 その腰近くにまで伸びた髪の毛が後ろについた手に触れるが、びっくりしたように息を継ぐ甲介は、どうやらまだそれに気付いていないようだ。
「どう? 気分は……」
 顔を上げると先刻の美少女が見下ろすように尋ねてきた。
「どうって、いった……………………んををっ
!?(←鈴〇真仁風) な、なんだこの声??」
 自分の口から出る声が妙に甲高く聴こえる。といってもヘリウムを吸った時のような不自然なものではない。
 例えるなら……否、正真正銘のソプラノがかった女声。驚きととまどい。
「なな、なんだ
!? ど、どうなってんだ??」
 マインドコントロールされていた思考が徐々に再起動し始める。同時に自分の身体から感じる強烈な違和感を自覚する甲介。
 胸の辺りが窮屈……………………違うっ、胸が膨らんで乳房があるのだ。
 股の間がさびしい……………………違うっ、
ペニスが消失してしまっているのだ。
 肩も、腰も、脚も、腕も、指先も、何もかも違う。そう、変わってしまっているのだ。……に。
「お、おおおおおお女あああ……っ!?

 思わず胸の膨らみに手をやる甲介。つかんだ感覚(興奮?)とつかまれた感覚(快感?)が同時に甲介の全身を走り抜け、彼をさらなるパニックに陥れた。
 自分の頭や胸や腰、身体じゅうをばたばたと意味もなく触りまくる。そんな彼――いや、彼女? の右往左往する様子を見て、謎の美少女は大人びた口調で淡々とつぶやく。 「そう…………それがあなたの望んだ姿よ。飯綱甲介くん……」
「…… ど、どういうことだっ? だいたい、お前一体誰なんだ? なんでオレの名前知ってるんだっ? オレの身体にいったい何したんだっ!?
 可愛らしい声に似合わぬ言葉づかいで一気にまくし立てる。しかし彼女は甲介の疑問に答えることなくきびすを返すと、現れた時と同じように唐突に、
 ……消えた。


「……………………………………………………はっ!」
 居眠りしていて急に目が覚めたような感覚とともに、甲介は我に返った。
 見渡すと、日はとっぷりと暮れている。あわてて胸を押さえるが、そこにあったのはいつもの自分の胸であった。
 人影は見当たらない。が、初夏の夜風を感じることはできた。
「ゆ、夢だった…………のか?」
 そうつぶやく声も、聞き慣れた自分の声だ。もちろん股間には例のものがちゃんとぶら下がっている感覚がある。
「なんだったんだ、今のは……」
 自分にそんな願望があったのか、それも歩いている最中に……と思いながら、地面に落ちたカバンを拾おうとする甲介。その動きが次の瞬間凍りついた。
「……………………夢、じゃなかった……のかよ、おい?」
 甲介の右手首には、銀色の腕輪が鈍い光を放っていた。


〈PHASE:2〉
「…………」
 自分の部屋のベッドに仰向けになり、甲介は右手にはまったままの腕輪を顔の前に持ってきた。
 あの時、手首にくい込んだかにみえたそれだったが、今は皮膚に完全に密着しているわけでもなく、さほどきつさは感じない。
 だが、手のひらが邪魔をして手首から抜きとることはできなかった。はずすためのつなぎ目なども見当たらない。
「…………これのせいだよな……あれって」
 一瞬夢かと思ったあの体験。しかし、甲介の記憶にはその時の強烈な、そして「柔らかくて敏感な」 としか表現できないあの不思議な未知の感覚、加えてこの銀色の腕輪に意識を集中すると、それが遺伝子レベルで甲介の身体を組み換え女性に変身させる、という “知識” が刻み込まれている。
 思わず赤面する甲介。確かめてみたい――いや、できるのならもう一度あの感覚を味わってみたいという欲求が湧いてくる。どうして自分が……とか、この奇妙な腕輪はなんなんだ……といったさまざまな疑問も頭には浮かんだが、答えを出すには情報量が圧倒的に不足している。
「発達した科学の産物は魔法と見紛う」 とは、誰が言った言葉だったろう……。
 考えても分からないのならば行動あるのみ。それが甲介の信条だ。
 物事をあまり深く考えない…………とも言うが。それともあの時、なんらかのマインドセットを施されたのか。
 しかし、心の中では葛藤が始まっていた。お約束の天使と悪魔のアレである。

〈ははは、どきどきしてどーする。あんな非常識なこと、現実にあったことだと思ってるのかよ〉
――じゃあこのブレスレットも幻覚だってーのか? 非常識でもなんでも、そいつの力で女に変身できるって、お前自身認識しているじゃないか。
〈ば、バカなことを。たとえそーだとしても、オレは男だぞ。なんで女になりたいなんて思うんだっ〉
――男だからこそそう思うんじゃないのか? それに、時間が経てば身体が安定して再変身が可能なはずだぞ。元の自分にいつでも戻れるんだったら何を怖がる必要があるっ。
〈そ……そうかな〉
――そーだよっ。考えてもみろ、こんなの普通滅多に……つーか、絶対に体験できないことだぞ。
〈そ、そうだよな……変身しっぱなしじゃないんだし、やってみよう…………かな?〉
――そーそー。問題なし。どんとうおーりーのーぷろぶれむ。やってみなけりゃ分からないっ、ときた。
〈や…………やっちゃおうか……。うんっ、やっちゃえやっちゃえっ〉

 根性なしの天使であった。

 がばっ! と弾みをつけてベッドからとび起きると、甲介は部屋の真ん中に立って大きく深呼吸した。
「お、落ち着け。落ち着くんだっ」
 それでも何故か息が弾んでくる。まるで、内緒で買ったなゲームソフトを夜中に隠れてパソコンにインストールする時のような気分である。
 目を閉じて右手を前に伸ばし、手首に意識を集中させる。キュン……と腕輪の径が縮んで皮膚と密着した。
「あっ――」 次の瞬間全身を緩やかな痺れと火照りが包み込み、甲介は思わず声を上げてしまった。
 インプラントされた “何か” が風船のように膨らんでいく感覚が胸とお尻から、ペニスが縮こまり、逆に身体の内側へと勃起していくような感覚が下半身から、左右からゆっくりと圧されるような感覚が肩と下腹部の辺りから伝わってくる。同時に、身体全体がほんのわずかずつだが小さくなっていく。
「あっ……あっ…………あっ…………ああっ……あ、ああんっ……!」
 甲介の口から漏れる声が、甘く、甲高く変化していく。その口元も、顔つきも、手足の作りも、身体のラインも、柔らかく丸みを帯びたものに変わっていく。
「んっ…………んあっ、あ……ああっ、んっ、んふぁっ……あ、んんっ! ……………………ふううっ」
 髪の毛が微速度撮影のように腰近くまで伸びきり、背丈が一回り低くなったところで腕輪が元のようにゆるくなり、甲介の身体から痺れと火照りがすっと退いていった。
 ゆっくりと目を開く。視点が少し低くなったためか、見慣れた部屋なのに微妙な違和感を感じる。
「……………………ど、どうなったんだ……お、オレ?」
 その声がいつもより高いことに反射的に口元に手をやり、華奢になった指先に触れた唇がいつもよりふっくらしていることにどきどきする。
「す、すごい……ほんとに女――女の子になってる……」
 自分の身体を見回しながらつぶやく甲介。
 ベッドの上に腰をおろし、ぶかぶかになったシャツの上から自分のものになった乳房に両手をゆっくりとのせる。大きすぎず小さすぎず、形のよい半球の感触が手のひらと、そして胸元から同時に伝わってきた。
「あっ…………。 び、敏感なんだ……」
 慈しむようにやさしく二つの膨らみをなでる甲介。じんわり広がる陶酔感に短パンの中で丸みを帯びたお尻をもぞもぞと動かし、無意識のうちに脚をそろえて座り直す。……そして、そんな自分の仕種に気付いて再度赤面してしまう。
「こっ……ここまで来たら、あ、あそこも調べて……、い、行き着くとこまで……………………行ってやるっ」
 甲介の変じた少女は右手をおそるおそる短パンの中に突っ込んだ。一瞬、罪悪感が心に芽生える。だがそれ以上に、『女の子の大切なところ』 に対する興味と好奇心の方がまさった。
 …………鼓動がどんどん早くなる。
 そーっと指をトランクスの中へと這わす。ごくり……と唾を飲み込み、甲介は股の間に指を差し入れた。
「……!!
 頭では分かっていてても、実際に “ない” ことを文字通り身をもって認識してしまったことで、彼(彼女)は再びパニックに陥った。そして、脳天を直撃する女性器からの未知なる刺激が、それにさらなる拍車をかける。
「づわりゃぬおのわわわわああああっっ!!

「ち、ちょっとどうしたのよこうちゃん!?
 間の悪いことに二階に上がっていた母親がそのわけの分からない悲鳴(?)を聞きつけ、ノックもせずに部屋のドアを開け何ごとかと中をのぞき込んだ。そして、
「……………………あ、あなた、…………誰?」
 そりゃそうだろう。見知らぬ少女が息子の部屋で、息子の服着て大事なところに手をやっているのだから。
 甲介の方も一瞬思考がフリーズし、次の瞬間気恥ずかしさ――例えるなら本片手に 『自家発電』 していた現場を見られた時のような――が一気に膨れ上がる。
「かっ……かかか母さんっ」 と、言ってしまってから、しまった……と口を押さえる甲介。しかし彼女の方は、その口調と仕種に何かピン、とくるものがあったようだ。さすが母親。
「も…………もしかして……あ、あなた、こうちゃ……ん?」
 そう言いながらおっかなびっくり近づいてくる母親に、少女の姿の甲介は気圧されたように何度も頷いた。
「…………………………………………かっわいいい〜っっ!!

 目の前まで来た母親にいきなり抱きしめられて、甲介はドツボに思いっきりはまったことを痛感した……。


「ふんふんふ〜ん、ふんふふ〜んっ♪ ふふ〜ん、ふんふん、ふんふ、ふ〜んっ♪」
 心底嬉しそうにハミングしながら、母親が店――ティーンズ向けのブティック&ランジェリーショップ――の方から何やらいろいろと物色して、甲介(少女に変身中)の待つリビングへと戻ってきた。
「あ……あの……か、母さん?」 「ん? ……どしたの、こうちゃん?」
 ニコニコ顔で振り返り、じっとこっちを見つめてくる母親。高校生の息子がいるとは思えないくらい若く、いや幼く見える。
「……あ、あのさ…………な、なんでそんなに落ち着いてられる……わけ?」
「??」 「…………だ、だからさ、息子がいきなり女の子になってんのに、パニクるとか、どーしてそんな姿になってんの……かとか、そういうたぐいのリアクションはないわけ? お、オレが言うのも変だけどさ……」
 こうも落ち着いてられると、当事者側も逆にさめてしまう。と、いきなり母親の細い指が甲介の唇を塞いだ。
「駄目よ。可愛い女の子が 『オレ』 なんて言葉づかいしたら。……それに、今日からは母さんじゃなくて、『ママ』 ――って呼んでね、沙織ちゃん」
「さ……さお、りちゃんっ??」 いきなりそう言われて、思わず目が点になる甲介。
「そうっ。女の子が生まれたらね、ママ、『沙織』 って名前付けようって思ってたのよ。だから今からあなたは沙織ちゃんなの」
 命名...甲介改め沙織ちゃん

「そ…………そういう問題じゃなくてっ」
 と、いう反論を無視して母親は息子、もとい、娘を背中から優しくゆっくりと抱きしめた。 「……心配しなくていいのよ沙織ちゃん。女の子のことはママがみんな教えてあげるから。それに、役所の友だちに事情を話せば戸籍を改ざんしてもらえるし…………そうだ、ほのかちゃんには、こうちゃんはザルツブルクか何処かに留学したとでも……」
「ちょっと待てえええええっ!!
 話がどんどん変な方向へと迷走していく。 「な、なんか思い違いしてるみたいだけど、6時間ほどインターバル置いたら、いつでも元の姿に戻れるんだぞ、この身体っ」
 その知識もまた、何故だか甲介(沙織)の記憶の中にあった。これもあの腕輪の持つ機能のようだ。
「あら、そうなの……」 と、あっさり言う母親。「でも、ということはまた女の子にもなれるってことでしょ。死んじゃったパパも、あたしも娘が欲しかったから、一日おきにでも女の子に変身してくれるとうれしいな〜」
 無邪気な中にも、有無を言わせぬ何かがあった。……いくらその少女趣味でお気楽極楽な性格に閉口し反発したとしても、父親亡きあと女手ひとつで自分を育ててくれた母親にはどうあがいても逆らえない。
 メガパペット購入時の借金、なんてのもあるからなおさらである。
「じゃ、そういうことで、着替えましょっ」 「……は?」
 面食らう甲介(沙織)の目の前に、店から持ってきた女の子の服と下着一揃いが差し出された。
「こ……これ、着るの?」 「そうよ。サイズは多分あってると思うけど」
 伊達にブティック&ランジェリーショップを経営しているわけではない。
「じ、冗談っ。いくらなんでもいきなり女装は……」
「何言ってるの。沙織ちゃんは女の子なんだから、女の子の格好するのはあたりまえでしょ」
「いや…………だから……」 と、引き気味になった甲介(沙織)の頭の中に、その時ひとつの考えがひらめいた。
 軽く咳払いして息を吸うと、姿勢を正して母親を見つめ返す。 「……じゃあ、ひとつ取引といかない? ママっ」


「…………ほら、できた。と〜ってもすてきよ沙織ちゃん」
 ヘアブラシ片手にすっかり某カード回収娘の友人(ほっておくとビデオカメラでも構えかねない)と化した母親に促され、甲介――もとい、沙織はしぶしぶ椅子から立ち上がり、姿見の前へと歩を進めた。
 女の子の下着に身を包まれて、不本意にも一瞬ときめきかけた自分がちょっと恥ずかしい。広がったスカートに太股の辺りがすーすーして、知らず知らずのうちに身体を縮めてしまう。
 姿見にそーっと自分の姿を映してみて、沙織……の中の甲介は本気で驚いた。
「う……うわ……………………か、可愛い……っ」
 思わず頬に手をやると、鏡の中の美少女も顔をほんのり赤らめ同じ仕種をする。客観的に見てもとっても可愛らしい。襟の白いブルーのワンピースがよく似合っていた。
 長い髪はダブルのアップテールにされ、結び目にはレースのリボン。パフスリーブから伸びる細い腕にも、スカートの裾から伸びる脚にも、ぱっちりした目と小ぶりな顔だちにも、甲介の時の面影はほとんどない。
 スカートの裾をつまみ、軽くポーズを取ってみる。自分が女であることを自覚すればするほど、仕種や表情、身のこなしが自然と女っぽくなっていく。言葉づかいさえ気をつければ、今の彼女は中学生くらいの女の子にしか見えないだろう。
「どう、沙織ちゃん。……これがあなたなのよ」
 背中越しに母親が沙織の肩に手を置き、そのなめらかな右の頬を指先で軽くつついた。
「…………こ……これが、……これがあ、あた、し……なの?
……………………………………………………………………なんて言うと思ってたわけ? 母さんっ」
「あら、残念」 と、沙織のツッコミを軽く受け流す母親であった。


〈PHASE:3〉
「おはよ〜っ、ほのか」 「おはよっ、甲介……って、あんたどーしたのっ? その目の下のクマ」
「い、いやその…………ち、ちょっと眠れなくって、さ」
「なーにーっ? またなんかや〜らしーことしてたんじゃないのお〜?」
 す、するどいっ……と甲介は幼なじみのカンの鋭さを再認識した。しかし、いくらなんでもベッドの中で好奇心のおもむくままに、女の子に変身した自分自身をいじり回していたとは思うまい。
 そして今朝、母親のブーイングを無視して元の姿に戻ったのだ。
 なお、甲介の名誉(?)のために明記しておくが、実はあのあと結局 『行き着くとこまで行く』 ことはなかったのである。最後の一線を越えてしまうと二度と元に戻れなくなるのではないかと、怖くなってしまったのだ。
 それが、理性の産物なのか頭の中にインストールされた知識なのかは分からないが。
「…………甲介、あんた香水かなんかつけてない?」
 ほのかにそう言われて甲介は、一瞬ぎくっと顔色を変えた。――し、しまったあああっ。ゆうべ女の子のままで風呂入った時、調子のって女性用の入浴剤とボディソープとシャンプー使ったんだっけ……。
 へたに言い訳して追求される前に、甲介はあわてて本題に入った。 「あ……あのさ、こ、今度の一件なんだけど――」
「今度の件? ……あ、ああ、あの筋肉ダルマとの勝負のこと…………って、ま、まさか甲介っ、マジで女装するつもりじゃ……」「ち、ちちちちちがあああああうっっ!!」

 いきなり真っ赤になって大声を上げる甲介に、ほのかはびっくりして思わず半歩退いてしまう。 「……な、何ムキになってんのよ?」
「あ…………い、いや、……じゃなくて、その勝負で、その……学外から助っ人頼むってのは、どうだろ?」
 白塁学園高校のクラブ憲章には、「学外との交流を活発にすべし」 というのがあり、現にいくつかのクラブは専属の指導員(コーチ)を外部から招いている。甲介はそれを拡大解釈し、他校の生徒を部員扱いにして今回の決戦に望もうと言ってるわけだ。
「あてがあるの、甲介?」 「あ……ああ、えーっと……うちの店の、じ、常連にメガパペット扱える女の子がいてて、……こ、今度のこと話したら助っ人かってもいいって言ってくれて。…………でも、その日バイトがあるからオレに代わりに入ってくれっ、てのが条件で……さ」
「ふーん。……で、メガパペットの操作テクの方は確かなの? その女の子」
 疑わしそうなほのかのその質問に、甲介はリストバンドの下に隠した腕輪を左手でさりげなくつかんで答えた。
「あ、ああ。……少なくともオレと同じだけの実力はあるよ。まちがいなく」


 あっという間に決戦当日の放課後。
「よし……誰もいないな」
 資料室の中を見回した甲介は後ろ手に扉を閉めてカギをかけると、自分んちの店の名前が印刷された紙袋を机の上にばさっ、と置いた。
 袋の中には昨日、母親に頼んで見立ててもらった 「動きやすい」 女の子の服装と下着、スニーカーなどが入っている。
 女子ロボTRY部の面々は、とうにグラウンドの方へと行ってしまったようだ。
 ネクタイをゆるめ、シャツのボタンを胸元まではずすと、息を整え右手を前に伸ばす。すでに甲介のメガパペットは、それとは分からぬように外見を変えて校内に運び込んである。あとは甲介自身が “変わる” だけだ。
 ……待ってろよ…………ほのかっ!



「おっそいわね〜っ、助っ人の子……」
 グラウンドの一角に設けられたメガパペット専用武闘場(これも学校に “元祖” ロボTRY部が無理矢理つくらせたもの)で、ほのかは誰言うことなくつぶやいた。
 遅いのはまだ見ぬ助っ人だけではない。“元祖” ロボTRY部の連中も、武蔵を気取っているのかいまだ姿をあらわしていない。いるのは物見高い野次馬たちだけだ。
 トリガーと呼ばれる、字型のメガパペット用操縦器を持つ右手に力を込めるほのか。トリガーの先端から伸びたケーブルは彼女の横にたたずむ一体のメガパペットの背中に接続されている。
 TX−44型と呼ばれるそれは、曲線を多用したフォルムとその扱いやすさからロボTRYだけでなく、引っ越し荷物の運搬やイベント会場等の設営などにも使われるスタンダードな機種である。
 最大の特徴は、腕部がフレキシブル構造になっていること。ほのかの機体はオレンジとグリーンで塗り分けられており、《キャロット(にんじん)》 という愛称がある。胸部のリボン風飾り装甲が目を引く。
 その時、野次馬たちがおびえたようにあとずさった。その開いた場所を通って、とても日本の高校には似つかわない連中が一糸乱れぬ駆け足でほのかのいる方に近づいてきた。揃いの迷彩柄アーミーパンツに、ごついジャングルブーツ。モスグリーンのランニングはムキムキの上半身にぴちっと張りついており、胸元にはドック・タグ(認識表)が光っている。
 まるでUSアーミーかグリーンベレー。……しかし首から上は老け顔とはいえ、思いっきり日本人のそれであった。
 そしてそんな彼らの後ろをとてもホビーマシンとは思えない、いまどきのリアルロボットアニメでもお目にかかれないような武骨極まりないデザインのメガパペット――また下半身がごていねいにも迷彩塗装――が五体、アクチュエータ(人工筋肉)の伸縮音を響かせオートラン・モードでついてくる。
「全体〜っ、止まれっ!!」 「「いえっ、さーっ!!」」

 号令とともに彼ら……と、五体のメガパペットは、いち、にーのリズムで一斉に駆け足をやめて立ち止まり、そしてこれまた一糸乱れぬ動きで、 びしっ! と 『休め』 の姿勢をとった。
 お上手、と言って手を(皮肉で)たたきたくなる光景であった。
 そう、これこそ白塁学園高校の名物……もとい、「恥部」 といわれる、“元祖” ロボTRY部である。
 先頭のいかにも暑苦しそうな男が一歩前に出る。バタ臭(←死語)い顔、ぶりぶりした身体――甲介やほのかが 『筋肉ダルマ』 などと呼ぶのもうなずける。
「いゃあやあやあっ、わったしが白塁学園高校ロボTRY部部長、女美川武尊(めみがわ・たける)だ〜っっ。
 ……階級は大佐、コールサインはバスター10(胃薬かっ)、認識番号−4649っ!
 おっぼえてお〜きたまえええっ!
 お昼のバラエティ番組に出ていたインチキ臭い外人マッチョマンのような口調でバカ声張り上げて、わざわざ名乗りを上げるこのミリタリーおたく……もとい、戦争バカが、ロボTRY部を私物化、いや、私設軍隊(?)化してしまっているわけだ。
 確かに普通の高校生にはついていけない……。
 だが、ロボット重機業界最大手(おおて)であり、学園に多大な寄付金を納めている女美川重工の御曹司のやることに表立って逆らおうとする者も、止めようとする者もいままで誰もいなかった。そして、将来の “偉いさん” に媚びた部員連中は皆、女美川部長言うところの 『地獄のハードメニュー』(廊下を匍匐前進し、校舎の屋上からロープつたって滑り降り女子更衣室に窓を突き破ってとび込みドア蹴破って脱出する――など、メガパペットの操作に全く関係のない無意味な特訓…………お前らパッ〇ラ隊かっ)を連日連夜やらされて、自分の頭でモノ考える力をずっぽり喪失してしまったわけなのである。
 ……もしかしたら、ハナっからそんなもの持ってなかったのかもしれないが。
「たいちょ〜っ! 前方にメガパペットが一体立ちふさがっているでありまああああすっ」
 かたわらに控えた部員(副部長……らしい)が、しゃちほこばった敬礼とともにそう叫んだ。USアーミーより、旧日本軍の二等兵の扮装の方が似合いそうなノリである。
「おおっ、そ〜こにいるのは自称女子ロボTRY部の藤原ほのかぢゃあ〜ないかっ」
 今気付いた、と言わんばかりにわざとらしく眉をしかめる女美川部長。 「やぁれやれぇ〜っ、た〜った一体のメガパペットで我々に挑むそのガ〜ッツはっ、一応誉めてやらんでもないが〜っ」
 声と口パクが微妙にずれているように見えるのは錯覚である。たぶん。
「あ・ん・た・らの方から勝負申し込んできたんでしょがっ!!
「……しっかあああしっ、ロボTRYは漢(おとこ)の浪漫っ! メガパペットは漢のパワァっ! ゆえに女、子どものするものではなああああああああいいいいいいいいいっっ!!
 ほのかの怒声を完全に無視し、好き勝手なことを自己陶酔気味に吹きまくる女美川部長。後ろにいる部員立ちはそんな部長の一言一言に、『休め』 の姿勢のまま逐一 「「いえっ、さーっ」」 を唱和する。
 彼らの脳に 「ヒトの話に耳を傾ける」 というスキルは存在しないらしい。
たいちょ〜っ! では、いっかがするでありますかあああああっ」
「うむっ! しか〜し獅子はうさぎを倒すにも全力を尽くすと言うっ。ゆえに相手が一体であろうと、敵が女子であろうと、我々は公式ルールにのっとり二体のメガパペットでこれに応戦するものであ〜るっっ!」 「「いえっ、さーっ!!」」
「…………始めっからそのつもりだったくせにっ」
 吐き捨てるようにつぶやくほのか。
ずんっ――と、後方に控えていた五体のメガパペットのうち、左肩に01、02とナンバリングされた機体が前に歩を進めた。“元祖” ロボTRY部内で 《パワーエリート》 と呼ばれているこの機体は、次世代メガパペットのスタンダードにすべく女美川重工が開発したものだ。
 専門家をして 「あと10年はかかる」 といわれた、重機並みの高出力と重装甲、それとヒト同様の動きの両立を3メートルの機体に詰め込んだメガパペットである。もっとも価格が従来機の五倍近くになるため商品化は見送られ、先行量産試作機がデータ収集の名目で “元祖” ロボTRY部に永久貸与されているのだ。
 機体の両肩に仕込まれたスピーカーから流れてくるのは、お約束な 『ワルキューレの騎行』 。女美川部長の操る01機だけは他の機体と違って双眼タイプの “顔” を持ち、その額にVの字型のツノがついている。何をパクッたのかは言わずもがなだ。
 “人型兵器” などというナンセンスなもの――でもやっぱり有線操縦(笑)――を女美川はつくろうとした、という噂まである。……言っておくが、01機の腰部にぶら下がっている手榴弾と腕部に巻いた弾帯、背中に背負ったショットガンはもちろんすべてダミー(飾り)である。本物だったら銃刀法違反だ。
  …………甲介のバカっ。助っ人どうしたのよっ!? こないじゃないっ。
 
《キャロット》 に構えをとらせながら、ほのかは心の中で毒づく。わざとらしい張りつき笑みを浮かべながらトリガー片手に格好をつける女美川部長と副部長。さっきからずーっと同じ格好で突っ立っている背後の部員たち(それだけでも妙にうっとうしい)。もはや2対1でのバトルは避けられない……と、その場にいた誰もが思ったその時!
「ちょっとまったああああっ!!

 ……という可愛らしい叫び声とともに、一体のメガパペットがその場に乱入してきた。機種は 《キャロット》 と同様、TX−44。しかし目の前に着地したそれは、ほのかの見たことのないカラーリングだった。
 機体の左腕に抱えられるように腰かけていた人影がトリガー片手にそこからぴょん、ととび下りる。ダブルのアップテールがはね、ミニのフレアスカートが膨らんでしまって、その人影はあわてて裾を空いた方の手で押さえた。
 そして、『休め』 の姿勢のままで表情を変えずに、股間だけを 「もっこり」 させる “元祖” ロボTRY部の部員たちにずずっ、と退いてしまう。…………が、気を取り直して、
「は……白塁学園高校女子ロボTRY部番外部員、文月(ふみづき)沙織! あたしがダブルスパートナーよっ」
 そう宣言すると乱入美少女、沙織……に変身した甲介はほのかの方へと振り向き、にこっと微笑みかけた。ちなみに文月というのは甲介の母親の旧姓である。
「あ、あなたが甲介の言ってた、文月……さん?」
「沙織でいいよ、ほのか…………さん。遅れてゴメンね。ちょっと手間取っちゃって」
 着替えが――な、と沙織の中の甲介は心の中でそうつけ加えた。女の子のショーツを履くのに躊躇し、ブラジャーに悪戦苦闘し、加えてまさか用意してもらったものの中に、こんなミニドレス(まあ、確かに動きやすいといえば動きやすいが)が入っているとは思ってもみなかったのだ。
 いや、予想しておくべきだったかもしれない。あの母親ならば。
「と……とにかくこのあたしが来たからには、あんたたちのいいようにはさせないわっ」
 “元祖” ロボTRY部の野郎共に人差し指を突きつけながら、ううっ、けっこう順応してる、オレ……などと思う沙織(甲介)。“女の子姿” を大勢の目の前で披露しているわけだから、ある種の開き直り(どーせ元に戻れるんだから、この姿の時は 『女の子』 してやるっ、といった考え)がないとやっていけないのだが、その一方で女の子として見られるのも悪い気はしない、と思ってしまう自分がいるのも事実だ。
 フレアスカートから突き出しているキュッとしまった足首と、ブラに覆われ盛り上がっている胸の膨らみが、恥ずかしいけど……何故か少し嬉しい。
「……!?
 そんな自分に向けられた視線の中に異質なものを感じて、沙織は肩ごしにその相手を見た。野次馬の中にいた女子ロボTRY部の部員――ほのかの追っかけ三人娘が、何やらこっちをじと〜っとにらみつけている。
 う……………………こ、これが女同士の嫉妬ってやつか〜っ!?
 今の沙織は、見た目は彼女たちと同世代なのだ。
 どう対処していいのか分からなかったので、沙織はとりあえずトリガーを握った右手を軽く動かし、三人に向かってウインクしてみた。赤くなってそっぽ向く彼女たちの様子を見て、可愛い♪ ……などとつい思ってしまう。
「まさかそ〜んなシークレットボール(『隠し玉』 という意味のつもりらしい)があ〜るとはなっ。わったしはてっきりあ〜の金魚の糞ボ〜イが女装して出てきた〜とおもったぞおおおっ」
 HAHAHA……と、とってつけたように高笑いする女美川部長。いつか絶対殺す――と心の中で沙織(甲介)は固く誓った。
「……ふっ、だがま〜あ我々ロボTRY部恒例の 『地獄のハードメニュー』 から敵前逃亡したあ〜のボオオオイにはっ、そ〜んな度胸もガ〜ッツもないだろ〜がっ、なっ」
「たいちょ〜っのおっしゃると〜りでありまああああああすっ!」 「「いえっ、さーっ」」
「……………………その兵隊コントみたいなノリについていけなかったんだよっ」
 思わずそうつぶやいてしまった沙織は、隣にいたほのかの視線に気付いてあわてて言葉をつけ足す。「あ、いや…………こ、甲介くんがそう言ってたから……」
 自分に “くん” 付けするのがこんなに恥ずかしいとは思ってもみなかった。沙織はそんな思いを振り払おうと、自分の機体とトリガーを結ぶケーブルを大きくしならせ叫んだ。
「さあいくわよっ、《スカーレットプリンセス》 ! ……ほのかさん、OK?」 「あ、うん。……いつでもいいわよっ」
 ほのかの方も気をとりなおして、女美川部長たちに対峙する。さすがにカンの鋭い彼女も、目の前の助っ人美少女の正体が男の甲介であるとは思いもしない。
 普段は灰白色と浅黄色で塗り分けられているその機体も、今は変色素子の力で 『プリンセス』 の名にふさわしい薄いピンクと深紅色にカラーリングが変わっている。人間の耳に相当する部分にあった飾りツノは、沙織の髪型に合わせた大きめの羽根飾りにつけ替えられており、それだけでずいぶん印象が違って見える。……なお、それらの改造費は、「週に最低一回は沙織に変身して娘になる」 という約束のもと、甲介が母親に立て替えさせたのだ。
 ちなみに元々の愛称は 《マシンノート(機械音)》 という。
「…………」 美少女の乱入にざわついていた野次馬たちが、バトルの開始を察して静まり返った。表立って口には出さないが、彼らもむくつけき野郎共より美少女二人に肩入れしているのは明白だ。
「さあ〜ああっ、くうぉいいいいっ!」 「……で、ありまああああすっっ!」
 そんなことは全く意に介さず(そもそもヒトの気持ちなんざ考えようともしない)、芝居がかったツクリ声を上げて女美川部長と副部長がトリガーを構えた。沙織とほのかも両手でトリガーを持ち直し、互いのメガパペットもそれに反応してファイティングポーズをとる。
 次の瞬間出し抜けに、がんがんがんっ――と音をたてて手榴弾と弾帯、それと背中のショットガン……のダミーが 《パワーエリート01》 からはずれ落ちた。
「……ウエイトを排除することでっ、わったしの機体は通常の三倍のパワアを発〜っ揮できるのだ〜っ」
「「嘘こけっ!!」」 間髪入れずに同時にツッコむ沙織とほのか。そして思わず互いの顔を見つめ合う。

「…………な、なんかあなたとは気が合いそうね、沙織ちゃん」
「お、おう…………じゃなくて、え……ええ、そうね」
 一瞬の静寂――『ワルキューレの騎行』 だけはしつこく鳴り響いているが――。そして、
「Ready、 …………Go !!


〈PHASE:4〉
「……相変わらず、バカのひとつおぼえな体当たりしか芸がないわけっ
!? 筋肉ダルマっ!」
「はっ! せ〜こせこした小細工より豪快な一撃で一〜気に決める戦法こそっ、
漢の基本なのだ愚か者めっ!」
 偉そうにほのかに怒鳴り返す女美川部長、そして例によって部長の言葉に 「「いえっ、さーっ」」 といちいち返事する部員たちを横目で見ながら、お前らみたいなのが “男の基本” なら、オレは一生女のままでもいいぞっ……と、沙織(甲介)はなかば本気で思ってしまった。
 バトルは一進一退の攻防が続いている。“元祖” ロボTRY部 《パワーエリート》 二体は、その重量とパワーにものをいわせて必殺の一撃を放とうと、間合いを大きくとっては遮二無二突っ込み打ちかかってくる。だが、機動力と運動性に優れる 《スカーレットプリンセス》 と 《キャロット》 はその攻撃をことごとくかわし、そして逆転のチャンスを狙う。
 いかに高性能を誇る
機体といえども、しょせんはメガパペット。こんなフルパワーで無駄に動き回っていれば、あっという間にバッテリーを使い切ってしまうか、四肢の関節がヘタって自滅するかのどちらかである……沙織とほのかはそう考えていた。
 だが、《パワーエリート》 はまるで疲れを知らぬかのように大振りな、しかし一発くらうと致命的な攻撃を何度も何度も強引に繰り返してくる。従来のメガパペットのいや、ロボット重機の常識を覆す駆動系のタフさであった。
 …………で、こうなってくると人間の方がまいってくる。
 いくら背中のドラムからケーブルが繰り出されてくるとはいえ、あまり伸ばすと味方や自身の機体にそれが絡まるおそれがある。相手に引っかけると反則をとられる。したがってプレイヤー(操縦者)は機体を操りながらその動きに合わせて前後左右へと走り、自らのポジションを巧みに変えていかねばならないのだ。
「沙織ちゃん、大丈夫!?」 「だ……大丈夫、まだいけるっ」
 ……とはいうものの、今の自分の身体の限界も分からずに走り回ってきたツケが沙織の脚にきていた。息も上がりかけている。
 まだまだっ、負けてたまるかっ! 沙織は気勢を整え、痛む脚に活を入れた。週に一回は必ず顔を出している(もちろん甲介が……だ)道場の師範に教わった特殊な呼吸法である。
 再び機体とともに走り出す沙織。もはやミニスカートが恥ずかしいだのなんだのと言っている余裕なんかない。
 ガッ――! と、何度目かの攻撃が 《スカーレットプリンセス》 の装甲をかすめた。こちら側の機体の駆動系も、そろそろ限界に近い。
「ふっ、なかなかねばるぢゃ〜ないかっ。あの女共っ」
 かすめただけとはいえ自分の機体の攻撃がヒットしたことに気分を良くしたのか、女美川部長が横で02機を操る副部長に話しかけた。「……やはり二人共っ、我がロボTRY部の一員となるべきなのだっ」
 そしたら従軍看護婦の格好でマネージャーをさせるのだ。…………萌えるぞっ。
「たいちょ〜っのおっしゃると〜りでありまああああああすっ! しかしっ、我が方の機体もエっネルギーの余裕がないでありまああああああすっ!」
「ぬわにっ! むううっ、もっと早く言わんかあああああっ!」 「い、いぇっ、さーっでありまああああすっ」
 普通バッテリーの残量には、もっと気を配っているものだ。それから 『エネルギー』 なんて言い方はダサい。
「……我々は常勝無敗なのだっ。負けることは許されなあああああいのだっっ!」
 そのためには多少のことは目をつぶれるのだっ、許されるのだっ……。 「副長っ、あ〜れをやるぞっ!」
「あ、あれでありますかあああっ、たいちょ〜っ!」
 これでこの副部長が鉄アレイでも持ってきたら立派に兵隊コントが成立するのだが、さすがにそれはなかった。
 代わりに 《パワーエリート02》 が大きく突出、《スカーレットプリンセス》 に向かってすさまじい勢いで突っ込んできた。
「来る……っ」 と、機体の脚を止めて見切りで迎え撃とうとする沙織。動きを最小限におさえることで、関節部への負担を減らそうというのだ。
「沙織ちゃんっ!」 と、ほのかがフォローにまわろうとする。しかし彼女が気をそらした一瞬のスキをついて、女美川部長の 《パワーエリート01》 が 《キャロット》 の方へと大きく回り込んできた。
「そうはいくかあっ!!
 すばやくトリガーにコマンドを打ち込み、機体に回避運動をさせるほのか。だが女美川部長は01機をさらに回り込ませ、ほのかと 《キャロット》 の間へと強引に割り込ませた。
「…………!!

 ケーブルが 《パワーエリート01》 の腰に引っ掛けられ、次の瞬間ピンッ! と張ったそれに引っぱられてほのかの身体が大きく宙に振りとばされたっ!!
「きっ、きゃあああああああああっっ
!!
「ほのか……っ!」
「事故であるっ!!」

 野次馬たちがざわめく前に大声を上げて言い切る女美川部長。「……しかあしっ、戦いに望むものとしてっ、相手の命を絶つ覚悟は常に必要なのだっ! ゆえにその気構えのな〜い者にロボTRYをおこなう資格は……」
「……何ズレたこと言ってやがるっ!!

 女美川部長のその手前勝手な物言いに、そして地面に叩きつけられ気絶したのかぴくりとも動かないほのかのそのありさまに、沙織の中の甲介が吼えたっ。……コマンド入力、トリガーON! 下半身の駆動系を総動員して 《スカーレットプリンセス》 が大きくジャンプ。突っ込んできた 《パワーエリート02》 の頭部を踏み潰して、さらに高く舞い上がるっ!
「じ、自分を踏み台にいいいいいっ!!
 オリジナリティのない台詞を吐く副部長を尻目に、ケーブルの伸びきった深紅色の機体は膝の関節部から白煙を上げて、女美川部長と 《パワーエリート01》 に向かってそのままダイブした。
「でっやあああああああっ!!
 トリガーを叩きつけるように振り降ろす沙織。脚部アクチュエータ、フルボトムっ。“ナイアガラ落とし” だっ!!

 がっしゃあああああああんっっ――!!

 衝突音が、武闘場の真ん中で大きく響きわたった……。


…………か、……………………の……か、…………のか…………ほのか……っ!
 誰かが自分を呼んでいる……誰だっけ? と、ぼんやりした意識の中で、ほのかはそう思った。
「…………甲介……?」
 しかし、薄くまぶたを持ち上げた彼女の目に映ったのは幼なじみの少年ではなく、大きな瞳を見開いて声をかけてくる可愛らしい少女の顔であった。「……さ、沙織……ちゃん?」
 「へ? …………あっ、そ、そうかっ。…………だ、大丈夫? ほのか……さん」
 意識を取り戻したほのかに 「沙織」 と呼ばれて、甲介は自分が女の子に変身していることを改めて思い出し、あわてて口調を変えた。「……頭、打ってない? 手とか脚とか、何処も痛いところない?」
 「だ…………大丈夫。背中から落ちたし……」 と、答えながらゆっくり上半身を起こすほのか。しかし次の瞬間はっ――と目を見開き、心配そうに自分をのぞき込んでくる沙織に詰め寄った。「ば、バトルは? 決着はどうなったのっ!?
 彼女のその問いに、沙織と周りに集まってきた女子ロボTRY部の三人娘は視線を背後に向けた。つられるように後ろを振り返ったほのかが見たのは頭部を失って擱座した 《パワーエリート02》 と、互いにもつれ合ったまま倒れて作動不能になった 《スカーレットプリンセス》 と 《パワーエリート01》 の姿であった。
「これって…………つまり……」
 そうつぶやいて、足元に落ちていたトリガーを拾い上げるほのか。それに反応して待機状態だった 《キャロット》 が脚を開き、基本プログラム通りの構えをとった。
 相手のメガパペットは二体とも沈黙。こちらは一体作動不能なるものの、もう一体は健在である。
 すなわち――
「…………勝ったああああっ!」 三人娘のひとりが叫んだ。「勝った、勝った、ほのかお姉さまが勝ったあっ!」
「やったあ大勝利〜っ、……ぶいっっ!」 
「これで女子ロボTRY部の廃部はなしよっ! ありがとう沙織ちゃああああんっ!」
「ひっ――ひゃああああああっ!!
 いきなり隣の子にぎゅううっ、と抱きしめられて沙織は思わず赤面する。「あ…………あの、ち、ちょっと……その……」
「あたしからもお礼を言わせて。本当にありがとう、沙織ちゃん」 「え…………そ、そんな……」
 ほのかにまじめな顔でそう言葉をかけられ、沙織の胸が何故かキュン、となった。
「――沙織ちゃんのメガパペットも壊しちゃって、ほんとにゴメンね……」
「あ……あ、あの……気にしないで。…………ぶつかったショックで電装系が少しトラブってるだけだから……」
 へたにほのかんちの店に持っていかれて、機体の出自がバレたら元の木阿弥である。照れくさくもあった。
「…………それにしても沙織ちゃんって、可愛いのに結構男の子っぽいよね〜」
 もうひとりの子がそう言いながら反対側から抱きついてきた。
「そうそう、さっきの啖呵も凄かったし……それに、ほのかお姉さま助けにいった時も、なんか…………ねえ……」
「うんうん」
 三人目の子が相槌を打ち、沙織の顔をしげしげとのぞき込んできた。頬をツンツンと指でつつかれ、沙織の顔がますます赤くなる。
「……あ、え〜っと、その……あ、あはは、……と、トリガー握ってアツくなっちゃったら…………その、あたしってばせ、性格変わっちゃう、から……」
 しどろもどろになる沙織を見つめ、思わずぷっ――と吹き出すほのか。女子ロボTRY部の三人娘も沙織に抱きついたままくすくす笑い出す。
「あ、あはは……っ」
 ほのかに手を握られ、三人もの女の子に抱きつかれて、本当だったらちょっとはな気持ちになるはず……だが、沙織(甲介)の心の中には、くすぐったいときめきがじんわりと広がっていった。
 ……女の子同士ってのも…………いいな……。


「…………負けた……」
 ぼそりとつぶやかれたその一言に気づいて、沙織とほのかたちは笑い合うのをやめ振り返った。……そこには、片膝を地面につき背中を丸めてうなだれている筋肉ダルマ――女美川部長の姿があった。
 しかし、彼は突然、タイムスリップしてきたサイバーダインのごとくずううんっ、と立ち上がり、腰に手をあて偉そうに胸をはってふんぞりかえると、高らかに宣言した。
「勝負には負けたが試合内容は我々の圧勝であるっ!!」 「「いえっ、さーっ」」

 そして、思わず目が点になってしまった沙織たちの方に、ぎにっ――と首を回す。 「……今回はそのシークレットボールな特攻娘に免じて許してやろうっ、藤原ほのかよっ。しっかあああしっ、男女同権の名のもとにっ、女子ロボTRY部は我々に統合されなければならないっ。そのためにわったしは、何度でもお前たちの挑戦を受けて立とうっ! …………ゆえに、今回の戦闘は記録より削除することに決定するっ」 「「いえっ、さーっ」」
 言ってることが支離滅裂だが、彼らにとっては些細なことらしい。
「誰が特攻娘だっ、誰がっ」
「よ〜するに負けを認めたくないってことじゃないっ。何偉そうに言ってんのよっ!!
 そう怒鳴り返す沙織とほのかを完全に無視し、女美川部長はくるりとまわれ右をすると、芝居がかったポーズで前方を指さし部員たちに大声で命令を下した。
「総員っ、ごーあへえええっどっ!!」 「「いえっ、さーっ」」

「ガン・ホーッ、ガン・ホーッ!」 「「ガン・ホーッ、ガン・ホーッ!」」
「母ちゃ〜んたっちにっは内緒っだぞ〜っ!!
 …………………………………………………………………………
 唖然と憮然がない交ぜになった周囲の視線に見送られ、脱力するほどベタベタなかけ声どともに、女美川部長と“元祖” ロボTRY部の連中は、一糸乱れぬ隊列を組み夕日に向かって駆け足で去っていった。
 …………そのまま二度と戻ってくるなっ――と、そこにいた誰もがそう思ったという。
 なお、大破した二体のメガパペットは、そのままほったらかしである。
「負けを認めないんじゃなくて、『負け』 たことが認識できないんじゃないのか……」
 思わず素に戻った沙織(甲介)が、それを見送りながらぽつりとつぶやく。
「どっちでもいいわ…………筋肉ダルマが何ほざこうと、あたしたち女子ロボTRY部は絶対負けないっ!!
 拳を握りしめ、力強く言い切るほのか。売られたケンカは何度でも必ず買う――それが藤原ほのかという少女である。
「そうよっ! お姉さまが負っけるもんかっ」 「もっちろんっ!」 「……またやっつけちゃえっ!」
 尻馬にのって三人娘が無責任に騒ぐ。お気楽極楽な連中だ。
「……改めて歓迎するわ沙織ちゃん、これからもよろしくねっ」
 そう言って差し出されたほのかの手を 「え、ええ、こちらこそ……」 とつい笑みを浮かべて握り返す沙織。三人娘がそこに手を重ね、声をそろえて 「白塁学園高校女子ロボTRY部、ファイト〜っ、おーっ」 なんてやったりして和気あいあいとした雰囲気の中……
 沙織(甲介)は、はたと気づいた。
 …………ちょっと待て。すると何か? オレはこれから家だけじゃなく、学校でも 『沙織』 になって……女の子として、ほのかたちと一緒にあの筋肉ダルマどもと闘わにゃならんのか?

 ……………………………………………………うわあっ。


〈APPENDIX〉
「…… “代行者” はターゲットに接触。これを撃破しました」
 手元のホログラフィー・ディスプレイを見つめながら、オペレーターのひとりが報告した。
「しかし因果律の変動値は、相変わらず許容範囲から大きく逸脱したままです」
 隣の席の女性オペレーターが、ディスプレイのひとつに軽く触れながら背後の小柄な人影に声をかけた。彼女が触れた画面は瞬時に三つの小さな立体画面に分割し、データを表示する。
「…………一度や二度の接触ですぐに解決するのなら、こんなまわりくどい手段はとらないわ。……もっとも私たちが直接干渉することは、因果律のさらなる変動を引き起こす危険性があるから、こうせざるを得ないわけだけど……ね」
「それにしても、本当に必要があったんでしょうか? 彼に施したあの “処置” は」
 若いオペレーターがいぶかしげに声をかけた。「まさか…………マムの趣味、とか……」
「さあ……ね。でも、私たちが手助けできるのはあそこまで。……あとはあの子次第よ」
 「マム」 と呼ばれた人影――甲介に銀色の腕輪を託した、沙織そっくりの顔をもつ少女は大人びた微笑みを浮かべ、つぶやくようにそう返事をした……。

                                                    episode1 END


 どうも、MONDOです。
 いかがでしたか、『放課後は美少女っ』 。
 TS小説というよりは、私の永遠のモチーフのひとつである 「モータースポーツ巨大ロボット」 ものに、TSの要素を加味したお話になりました。
 萌え度の低さは、イラストで補完している……ということでご勘弁を。感想などありましたらまたおきかせください。
 ところで、今後の展開(一応、episodeとなってることだし、伏線ほったらかしだし)といたしましては、
「生理中に元に戻れなくなり右往左往する」 話……とか、
「頭に直撃くらって 『沙織』 になりきってしまう」 話…………なんてのは何処かで見たような気がするので、没。
(もし、書いてみようと思われる方がいらっしゃったら、とっても嬉しいです。……ただし、ちゃんと元に戻してやってくださいね)
 ――と、いうわけで episode はいつになるか分かりませんが、気長に待っていてください。
 それでは、また。
                                                   1999.3.22 
MONDO


〈NEXT EPISODE 〉
「……今晩、家誰もいないんだ。泊まりにこない? 沙織ちゃん」
「お…………じゃなかった、あ、あたしが!?


「へ〜っ、結構着やせするんだ沙織ちゃんって……ふにふにっ♪」
「ひっ――ひゃああああああっ! ほ、ほのかっ……さんっ」


「こんなのどうかな?」
「…………ビ、ビキニはちょっと……その……」


「ボクの名前は女美川ヤマトっ! ……お前たちに倒された兄、武尊の仇をいまこそ討つ!
 かむひあっ! バンガイオオオオっっ、ああるぶいぜえええっとっ!!
「お前ら兄弟そろって何考えてんだあああああああああっっ!?
 次回、「日曜日は美少女っ(仮)」 に、LADY ,GO !!

「ずばりきくけど、……沙織ちゃんって…………甲介とどういう関係?」
「え、…………え〜っと……」

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