ライト・ライト・ストーリー外伝2
オーロラの彼方に・・・
作:KEBO



<プロローグ>
「寒い・・・・寒い・・・」
「もう少しの辛抱よ。きっと伝説の王子が」
「そんなのただの伝説だわ。もうそうやって何年も待ってきた」
「そうよ、私たちは、永遠に凍え続けるんだわ。心を吸われながら」
「永遠に溶けることのない氷の中で・・・」
「そう、永遠の呪いの中で・・・・・」


<第一章:吹雪の城>

「タニヤ様、そろそろ適当な場所を見つけて野営の準備をいたしませんと」
「そうね」
 エトナ山脈の北西、フラシアの東端を北に上がる街道筋を進む二人の男女があった。
 男の方は、見るからにたくましい旅の傭兵といった風貌、そしてもう一人の女の方は、長い髪をたなびかせてはいるが、やはり旅装束のマントを羽織り、腰に剣を差している。
「ラミレス、用心して。昨日の主人の話では、このあたりは山賊が多いと言っていたわ」
「承知しております。ぬかりはありません」
 リトニアとラミレス・・・・出奔したエストリアの王姉とその忠実な騎士。放浪の旅に出た二人は、フラシアとエルロンとの紛争地帯を避け、この街道筋を北上しているのだ。
 もちろん、宛があるわけではない。そもそも王族であるリトニアに、国外で他国の王族以外に知り合いなどいるはずもない。ただ気の向くままに旅を続けるリトニアである。危険地帯を敢えて通る必要などどこにもなかった。
「この辺で如何でしょう、タニヤ様」
 ラミレスは、そのリトニアをタニヤと呼ぶ。幼少の頃より「ブリトニー殿下」と呼んでいたラミレスであったが、すでにリトニアは王子ではなく、さらにエストリアを出奔してもいる。殿下と呼ぶのは危険以外の何物でもない。
「いいわ」リトニア、いやタニヤが許可する。たちまち野営の準備を整えるラミレス。
 薪の炎に、簡単な食事。宮中では考えられない質素な生活だ。しかしタニヤはこの生活に不満などなかったし、むしろ好んでいた。選んだのは彼女なのだ。
「疲れた。先に休むわ」食べるなり、横になるタニヤ。たちまち寝息を立てる。
「今日も無事に終わったか」ラミレスも、しばらくしてから横になった。


「よう、べっぴんさん」その男が、声を掛けてきたのは昨夜のことだった。
 一つ手前の宿場町で、食事を取っていたときのことだ。
「北へ向かっているのか」
「そうだけど」
「何の用だ」ラミレスがガードに入る。こういうときのラミレスの目は鋭い。
「ちょ、ちょっと待てよ、何も俺は怪しい者じゃない。俺はガイ、失業中の傭兵だ」
「傭兵が何のようだ」
「ああこわ・・・・やっぱり俺の睨んだ通りだな。あんたら本当は結構高い身分のもんだろ。まあ別に根拠があって言ってるわけじゃねえがな。まあ、アルゴニアがあんな事になっちまって、俺はバリアス公の騎士団にいたもんだからそのう・・・・」
 アルゴニアは急死した皇帝バルスの後継を巡って、先帝バランの弟バリエルと、バランの妾腹の子バリアスとが争い、その結果バリエルは玉座に着き、バリアスは地下牢にいるのだ。
「ほほう、それで」
「まあその、簡単に言えば逃げ出してきたって訳だ。新皇帝は目障りな者は徹底的に排除するからな。バリアス公だって今頃は・・・・」
「ところで、俺は傭兵のおまえが何の用だと尋ねたんだ」
「そうそう。見たところ、身分の高い感じがするし、旅の途中だろ。俺を雇ってくれないかと思って」
 苦笑するタニヤ。まだ若い感じのするこの男の言うことは半分は本当だ。しかし別の意図があるのは見え見えである。
「ふふふ。傭兵さん、悪いけど間に合っているわ」タニヤは皮肉たっぷりに答えてやった。
「そ、そうかい。そう思ったぜ。ははは」ガイと名乗った男は、凄むラミレスと微笑むタニヤを見比べて、作り笑いを浮かべながら逃げるように去っていった。


 夜は更けて・・・・・
 不穏な雰囲気を感じてラミレスは目を覚ました。街道筋は比較的安全なはずなのだが、昨今のフラシア・エルロン情勢を考えると、治安が悪化していてもおかしくはない。
 案の定、藪の中から話し声が聞こえてくる。剣に手を掛けるラミレス。
 話し声が徐々に近付き、やがて人影がちらほらと見え始める。
「おう、女連れだぞ」
「男は殺っちまえ。女はいただきだ」
 そんな声と共に、思い思いの武器を持った数人の男どもが現れた。
「ほほう、金ならないぞ。それに、この方は渡さん」先手を打つラミレス。
「なにぃ!」賊は、余裕の表情で剣を構えるラミレスを発見してたじろいだ。しかし、彼らは大人数である。
 じり・・・じり・・・徐々に間合いを詰める盗賊たち。首領らしい男が一声言った。
「なにビビってやがる!やっちまえ!」
「うわぁぁ!」
 首領の声とともに飛びかかってくる盗賊たち。しかし彼らにおくれをとるようなラミレスではない。襲いかかってくる盗賊どもを次々と斬り捨てていく。ラミレスに恐れおののいて、再び盗賊たちは間合いを取った。
「なかなかやるじゃねえか」その中から、例の首領らしい男が進み出る。
「悪いが俺たちに構っても命を縮めるだけだ。早々に立ち去るんだな」不敵に言い放つラミレス。
「ほー!お手並み拝見と行こうじゃねえか。オラァ!」首領は自らサーベルを抜いてラミレスに斬りかかった。
 剣と剣とがぶつかる。首領はラミレスを倒せぬまでも相当の使い手のようだ。
「野郎ども!なにしてやがる、さっさとそっちの女をいただいちまえ!」
「何!」
 首領は自分にラミレスを引きつけた上でタニヤを狙ったのだ。正々堂々戦うべきというようなラミレスの、いや騎士の常識はここでは通用しない。
「おのれ!」気を取られた隙に首領が襲いかかってくる。ラミレスはあろう事か防戦で手一杯になった。その時!
「汚ねえマネしやがるぜ。俺はな、そういう汚ねえ野郎が一番嫌いなんだ」
「なんだ、おまえは!」
 盗賊たちが退く。声の主が現れた。
「おまえは・・・・」驚くラミレス。
「へへへ、出来過ぎだが、これは本当に偶然だぜ。とにかく話は後だ。この、ふざけた野郎ども片付けちまおうぜ」剣を構え、不敵に言い放つガイ。
「何してやがる!たかが二人、さっさとやっちまえ!」檄を飛ばす首領。だが、
「二人じゃないわ、三人よ」起きあがり、剣を取るタニヤ。彼女もまた、一流の剣の使い手である。
「タニヤ様、申し訳ありません」
「何言ってるの、早く起こしてよ」
 盗賊たち相手に剣を構える三人。たちまち斬り合いになる。ラミレス、タニヤ、そしてガイの剣裁きに次々と斬り倒される盗賊たち。
「おのれぇ!覚えてやがれ!」逃走に入ろうとする首領。しかしガイはそれを見逃さなかった。
「甘いんだよ!喰らえ!」
「ウァァァァァ!」後ろからバッサリと斬り倒される首領。盗賊たちは這々の体で逃げていった。


「助かった。礼を言うぞ」ガイに礼を言うラミレス。
「そんな、礼ってほどでも・・・・」
「しかし・・・・・」
「ああ、あの首領のことかい。あそこで生かしておいちゃあ、また後で狙われる。悲しいかな、物心着いたときから剣を握り、あっちこっち戦場を回ってきた男の性よ」
 ラミレスの見たところ、彼の剣術は正規に習ったものでないのは確かだ。しかし、それはそれなりになかなかの使い手ではある。ケンカ剣法とでも言おうか。
「ところで」ガイが続ける。
「ん」
「あんたら、どこを目指してるんだ」
「別に宛があるわけではないわ。気の向くまま、世界を回っているの」タニヤが答える。
「ほー。お供を連れてか。金持ちの考えることはわかんねえな。でも、北へ行くんなら途中まで俺も一緒に連れてってくれねえか」
「なんだ、またその話か」と言いかけるラミレス。しかしそれを制してタニヤが言う。
「いいわ。でもあなたはどこへ行くの、ガイ」
「へっへっへ、前の宿場町で面白い話を聞いたんだ。フラシアの北の外れに、一年中吹雪が吹き荒れるところがあるらしい。なんでもその中にもう滅んだ王国の城があって、金銀財宝がそのまま眠ってるって言うんだ。ところが気象条件が悪いから誰も近寄らない。というわけで・・・・」
「その金銀財宝を手に入れようと言うのか」
「ご名答。それで俺もこんな暮らしとはおさらばだ。美女に囲まれて一生遊んで暮らしてやるのさ」
「ガイ、あなたは・・・・・」
「ああ。さっきも言ったとおりさ。三つの時に売られて、そこの坊ちゃんのイジメ相手にされて、ご主人が死んでからは剣一本で生きてきたのさ。そこら中の戦場を駆け回って・・・・アルゴニアが比較的長かったがな。あの国ももう駄目だ。先帝バルス陛下の時は俺たち傭兵に良くしてくれたもんだが・・・」
「そうか・・・・」思わず聞き入るラミレス。
「ラミレス」
「は!」そのラミレスが、タニヤの一声で正気に返る。
「面白そうな話じゃないの。その、吹雪の城。私たちも行ってみましょうよ。いいわね、ガイ」
「ははは、だから金持ちの考えることはわからないっていうんだ。まあいいだろう、財宝は山分けだぞ」
「タニヤ様!」
「いいじゃないの。宛があるわけではないのだし」
「それは・・・・」
「ところで、お嬢さん方」ガイが改めて聞く。
「お二人のお名前は」
「そうね、言い遅れたわ。私はタニヤ」
「俺はラミレス」
 こうして、三人に増えた一行は、一路北へ向かうこととなった。


 それから数日が過ぎた。タニヤが出奔した貴族の娘だという説明を、ガイは一つも疑っていない。もっとも、彼にはそんなことは関係ないようでもあった。
「あれが、エイネ山・・・」
 世界的に有名な、その峰が見えている。それは、フラシアの北限に来たことを意味していた。黒雲の上に覗く山頂部には、万年雪を頂いている。
「ガイ、その、本当にあるのか?その吹雪の城とやらは」
 ラミレスは、またもやこの疑問を口にした。ここまでの間に全くそれらしい話は耳にしない。
「俺が睨むに、その、一年中吹雪の吹き荒れる場所って言うのは、あのエイネ山の麓のことじゃねえのかな」
「とりあえず行ってみましょう」タニヤの一言で、一行は再び前進をはじめた。
「しかし、随分と寒くなりましたなあ」
 一年中、比較的温暖な気候のエストリアと違い、フラシアの北部は冬になると雪に閉ざされる。よって、旅の装備もそれなりのものが必要だったし、彼らはすでにそれを備えていた。
「あ、ああああ」驚きの声を上げるガイ。
「どうした」
「あれ、見ろよ・・・・」
 口を開けたまま前を指すガイ。その先で、見る間にエイネ山を覆う黒雲が晴れていく。そしてその開けた視界の中、遙か彼方に・・・・・
「あれは、城壁・・・!?」
 明らかに人工の建造物とわかるそれは、エイネ山の麓で異彩を放っていた。
「地図には、ありませんな」地図を開いて眺めながら言うラミレス。
「ついに来たぞ!」駆け出すガイ。
「待て!ラミレス、行くぞ!」タニヤとラミレスは慌ててガイを追いかけた。


<第二章:氷の晩餐>

「これは・・・・」
 三人は、目指すその城壁の中に進入していた。
 城塞都市とでも言おうその都市は、見る限り文字通りの「滅んだ王国」であった。比較的綺麗ながら廃墟となったその石造りの町に、人影は見あたらない。そして、日陰には降り積もり、凍り付いた氷雪がこびり付いていた。気のせいか、気温も城壁の外よりかなり寒く感じる。
「どんな人達が暮らしていたのかしら・・・・」
 タニヤたちは、奇妙なことに気付いていた。時折見かける町の景色が、どうも遙か昔に滅んだとは思えないのである。
 あまり痛んでいない石造りの建造物は、むしろ今でも手入れが行き届いているかのように見えた。そして、家によっては食卓に皿や杯が置かれたまま凍り付いている家すらある。
 その光景は、城壁の外と打って変わったこの寒さ、冷たさ以外は今の今まで人が暮らしていたかのようであった。いやむしろ、普通の生活をしたまま突如凍り付いたかのようだ。
 無口なまま三人は町の中を進んだ。そして、その行く手に王宮とおぼしき場所が見えてくる。しかしその王宮は何故か霞んで見えた。
 さらに近付くと、王宮が霧に包まれていることがわかる。その、入り口かと思われる大きな階段にガイが足をかけたときだった。
(いけません・・・・)
 不意に聞こえた声に辺りを見回すガイ。
「タニヤさん、今、いけません、て言ったか?」
「いいえ。何も言っていないわ。でも、私にも聞こえた」
「私にも聞こえました」ラミレスも同調する。三人は周囲を見回した。その時、
「おお!」びく、っと驚くガイ。
 どこから現れたのか、いつの間にか階段の中央に、彼女は立っていた。見るからに寒そうなその薄い布を纏っただけの姿で、一人の、まだあどけない表情を残した女が三人を見下ろしていた。
「何でえ!びっくりさせやがる」
「あなたは・・・・」
(ここから先へ進んではいけません)
 三人の驚きをよそに、再び声が響く。女は口を開いているふうでもないのだがその声は、頭の中に直接響いて来るかのように鮮明だった。
「何でなんだ?」驚きながらも聞き返すガイ。
 女は表情一つ変えずに答える。
(このヨムンは呪われた都。早くお逃げなさい、でないと・・・・)
「でないと?」
(あなた方もこの呪いに囚われてしまう・・・・・)
「呪いとは一体・・・」進み出るタニヤ。しかし、女は見向きもしない。その女の足元から何かが這い上がっていく。
(あああ、あああああ・・・・)表情すら変えることができずに、恐怖の声だけを響かせ続ける女。氷が、まるでアメーバのように這い上がり、彼女の身を包んでいく。
「これは一体・・・・」
 驚く三人の前で、女の姿は氷に閉ざされ、ただの氷柱と化していく。そしてその氷柱は、現れたときと同じように霧の中にかき消えた。
「今のは一体・・・・・」顔を見合わせるラミレスとタニヤ。ガイは、まだ信じられぬといった様子で今の今まで彼女が立っていたあたりを見つめていた。
「何だってんだ・・・」憮然とした表情のガイ。どうやら彼は、魔術や妖魔といったものをあまり信じぬたちらしい。もっとも、タニヤやラミレスも、ナイやその仲間たちを見るまでは、全く信じられなかったが。
「どうやら、とんでもないところに来てしまったようね」呟くタニヤ。しかしその時だった。
(ウフフフ・・・・)
 どこからか聞こえる薄気味の悪い笑い声。振り向くと、何人もの女が彼らの周りに集まっていた。
「お、おまえたちは」怯えた表情を浮かべるガイ。
(まあ、私たちを怖がっているわ・・・・)
(仕方ないわ。久しぶりのお客様ですものね)
(たっぷりとおもてなしして差し上げてよ)
 女たちは、微かだが、妙にはっきりと聞こえる言葉を吐きながらタニヤたちに近寄ってくる。そして、その中から彼女たちのリーダーらしい女が進み出た。
「ようこそヨムンへ。女王陛下より、皆様をお連れするように申しつかっております」
「さあ、宮中へ参りましょう」
「ここはお寒うございますわ。さ、早く」
「皆様、お待ちかねですのよ」
「ちょっと待って!どういうこと?」タニヤが訊く。
 しかし、女たちは答える気配がない。
「暖かいお部屋を用意してございますわ」
「皆様は、大事なヨムンのお客様ですもの」
「ささ、こちらへ」
 階段の上の大きな扉が開く。タニヤたちは、女たちによってその中に押し込まれた。


「ようこそ我がヨムンへ」
「あなたは」
「私が女王のルディアです。して、皆様この度はどんなご用向きで?」
 三人は、王宮内の広間に連れてこられていた。案内の女たちの言うとおり、王宮内は暖かく、外とは違ってたくさんの者達が行き交っていた。特に説明されたわけではなかったが、タニヤは、外の寒さをしのぐために建物内にいるのだと思った。ただ気になったのは、広間にたどり着くまでの間、ただの一人も男を見かけなかったことである。
「旅の途中道に迷い、この寒さで野営するのも難しいため一夜の宿をと思いこの城壁目指してやって参りました」答えるタニヤ。
 一緒に跪きながら、ガイは思わずタニヤの方を見る。だがまさかタニヤも財宝を狙いに来たとか興味本位とは言えないので、咄嗟に話をでっち上げたのだ。ガイの視線と表情を、ラミレスの視線が抑える。
「そうでしたか。この国は場所柄、客が来ることは珍しいのです。あなた方はその珍しいお客様。今宵は晩餐会を催します故遠方の珍しいお話など聞かせて下さいまし」
「いえ、私たちは」思いも寄らぬ展開に返答に困るタニヤ。
「良いのです。私たちにとってはここに来て下さるだけで大事な大事なお客様。どうか、お気になさらずお楽しみ下され」


「どう思う、ラミレス?」控えの間に通された彼らは、ようやく解放された気分で休息をとっていた。侍女が、時間になったら迎えに来る由を言い残して立ち去った後の事である。
「と、申されますと」
「なんか、おかしいと思わない?それに、あの・・・」
「消えた娘か?」ガイも話題に加わってきた。
「私も、気付いたことがございます」と、ラミレス。
「何?」
「この王宮には、女しかおりませぬ。それに」
「それに?」
「その女どもも、生きている感じがしませぬ」
「おいおい、怖いこと言うなよ」とガイ。
「どういうこと」
「タニヤ様の前で無礼とは存じますが、あの女ども、生気がありませぬ。あの年格好ならば、皆それぞれ年相応の色香があって良いはず。しかしあの女どもには全くそれを感じませぬ」
「フフフ、ラミレスらしい意見ね」
「これは・・・・ご無礼を」
 さすがに女遊びをほとんど趣味としていたラミレスである。昔、それを教えて貰ったタニヤとしては、当然の見解であろう。
「ハッハッハ、こんな所で意見が合うとはな。俺もそう思ったぜ。ここの女ども、押し倒す気にもなりゃしねえ」
「ガイ、タニヤ様の前で」
「よいよい。続けて」
「俺の睨んだところ、これは罠だな」
「罠?」
「そう。財宝目当ての男たちから目を逸らすためのな。だがあの女たちじゃ・・・」
 呆れるタニヤとラミレス。
「それより、あの娘、呪いとか言ってたな」急に話題を変えるガイ。
「ええ」
「そうですな。一体、何だったのでしょう。それにあの不気味な消え方」
 その時である。侍女が部屋に入ってきた。
「晩餐のお席へご案内します」


「さ、久しぶりの客人じゃ。皆、存分にもてなし、珍しい遠方の話など伺うがよいぞ」
 三人を主賓にはじめられた晩餐会だったが、どうも三人には居心地が悪かった。
 案の定、と言うべきか、ずらり並んだ貴族、とは言っても比較的地味なドレスを着てはいるのだが、そこにいるのは全て女だった。そして給仕やその他の小間使いも全て女。さらに、女王含めて全ての女たちが、ガイとラミレスに意味のありげな視線、もっと端的に言えば、半ば欲望のこもった視線を送っているのだ。
 おまけに、部屋の中はそれなりに暖かいのだが、料理という料理がどれも冷たく、冷え切っている。物によっては、いま氷の中から出してきたのではないかと思われるほどだった。
 話題も品がなかった。はじめの方こそガイの戦場稼ぎの話題などであったが、そのうち徐々に下品な話題に移行し、仕舞いには食事中の話題にするのには憚られるような話へと移行していった。ところが女王始め列席者たちは、それを厭うこともなく、むしろ積極的に加わりさえした。
「いやあ、勘弁勘弁。もうたくさんですなあ」部屋に戻ると、ラミレスが辟易した声を上げた。
「まったくだぜ。そんなに飢えてんのか、あの女ども」ガイも同調する。
 確かに見るからに老け込んだ感じの女はおらず、年の頃は女盛りという感じの女ばかりではあったが、あれはひどすぎるとタニヤも思っていた。
「タニヤさんよ、年とっても、あんたはあんな風にならないでくれよ」たまらずガイが言う。タニヤは思わず吹き出した。そしてその悪戯心がむくり、と頭をもたげる。
「しかしガイ、モテまくるのも悪い気分ではないでしょう?」
「え!ちょっと勘弁。タニヤさんみたいな若いべっぴんさんならともかく、あのお人形女たちは・・・・」
 またもや吹き出すタニヤ。
「ありがとう、ガイ」
「まったくタニヤ様も相変わらずお人が悪い」ラミレスが呆れ顔でそう言った。
「失礼いたします。寝所の準備が整いました」侍女が現れそう告げる。聞けば、各人に個室を用意したとのことだ。
「失礼ながら、私は主人の安全を守る務めがございますので・・・・」ラミレスが侍女の申し出を断る。
「しかし・・・それでは、私が女王陛下のお仕置きを受けまする」困る侍女。
「うーむ、ではこうしよう。仮眠の際にはそちらを使わせていただく故、用意はそのままにして下さらぬか」
 侍女は不承不承下がっていった。
「ほほう、どうするガイ、おまえの部屋にあの女王が夜這いでも掛けてきたら」再びガイをからかうタニヤ。
「お、おい、本当に勘弁してくれ!んじゃあ、また明日」用意された部屋に下がっていくガイ。
「ゆっくり休むんだな」ラミレスも笑った。
「ところでラミレス」
「は!」
「おまえの方こそ、あの女どもが夜這いを掛けてくるのではない?部屋にいなかったら、彼女たちも都合が悪いのかもしないわ」
「タニヤ様!」
「ふふふ!」
「まったく。本当にお人の悪い・・・・どうしてこうなってしまったんだか」
「女遊びの師匠が言うこと?」
「これは・・・・」
 タニヤとラミレスは、顔を見合わせて苦笑した。


<第三章:氷雪の呪い>

(旅の方・・・・・)
 タニヤは、どこからか聞こえるその声に目を覚ました。
「誰・・・・」
 すごく、寒い。目を覚ましたタニヤは寒気を通り越した冷気を感じていた。
(すぐに・・・・逃げて・・・・)
「一体誰?」
 ベッドの横に、ぼうっとした姿が浮かぶ。
「おまえは・・・・・」タニヤはラミレスを呼ぶのも忘れてその姿に見入った。
 人の形をしたその姿は、タニヤの頭の中に直接話しかけてくるようだった。
(私はもう、ルディアが眠っている間しかこうして動くことができません)
 次第にはっきりしてくるその姿。それは、あの階段の女の姿だった。
「どういうこと?」
(私はこの都の呪いに囚われてしまった)
「その呪いとは一体・・・・」
 彼女は、ゆっくりと語り始めた。


 ヒュウウウウ・・・・風雪が吹き荒れていた。
「もう少しの辛抱だ。決して手を離すな」
 少年アマロフと、その父の率いる隊商は、フラシア北部を一路アルゴンへと向かっていた。(アルゴンとは、昔のアルゴニアのことである・・・とタニヤは記憶していた)その途中、猛烈な吹雪に巻き込まれたのである。
「見ろ!街の明かりが見えるぞ!」
「がんばれ!何とかあそこまで」
 隊商は力を合わせてなんとかその城壁に囲まれた街にたどり着いた。
 ヨムン、というこの小さな都市国家の女王は、心から彼らを歓迎してくれた。暖かい部屋と食事が与えられ、彼らは命を取り留めた。しかし、アマロフは奇妙なことに気付いた。
 この街には男がいないのである。隊商の者達もそれに気付いていた。
 隊商の男たちは、たちまち欲望の虜となった。本来の目的を忘れ、快楽を貪る男たち。そして、アマロフが気付いたときにはもう遅かった。
 いつの間にか、父を始め男たちは一人残らず消えていたのである。驚くアマロフの前に、数人の女が現れた。
「坊や、こちらへいらっしゃい・・・・」
「とてもいい気持ちにしてあげるわ・・・・」
 いやらしい欲望に満ちた視線に恐怖を感じたアマロフは、咄嗟に逃げ出した。しかしある物が目に入り、彼は腰を抜かしてしまった。
「母さん・・・姉さん・・・・」
 それは、氷漬けとなった、隊商の女たちだった。
「怖がることはないわ。あなたは男の子だもの」
「彼女たちは、女王様の一部になるのよ。ゆっくりと心を吸われて」
「そう。あのまま年を取らずに、心だけを吸い取られて」
「何て素敵。氷の中で永遠に若い姿のままでいられるのよ」
 徐々に迫ってくる女たち。その手が、彼の腕を掴む。それは、まるで氷そのもののように冷たい手だった。
「ああ、暖かい・・・・」
「早くあなたの精を」
 冷たい手が触れた場所から、快楽が溢れ出す。アマロフは、何が何だかわからなくなっていった。やがて、全身を冷たい女たちの身体に包まれ、彼は何度も快楽の絶頂に達した。
 気が付くと、彼は冷たい床の上に一人横たわっていた。感じるのは身体の冷たさ、そして今まで感じたことのない感覚だった。
 彼は、自分に与えられたおぞましい運命をゆっくりと理解していった。身体を見回す。それは、見覚えのある自分の姿ではなかった。その姿は、紛れもなく女の姿だった。彼もまた、あの女たちの仲間にされてしまったのだ。
 次の瞬間彼女が感じたのは、とてつもない「渇き」だった。そう、彼女は男を求めていた。男の精を。彼女たちは、永遠にこの渇きの苦しみを感じながら生き続けなければならないのだ。彼女を襲った女たちが、男を吸い尽くされ正気を失った隊商の男たちだったとわかったのは後のことである。呪われた女たちはまるで吸血鬼のようにその仲間を増やしていくのだ。しかし彼女はその女たちと違って正気を失ってはいなかった。
「ほほう、人間の心を失わぬとは・・・・」ルディアだった。彼女は、ヒステリックな微笑みを浮かべると腕を振った。
 腕の先から靄のようなものが噴き出す。そしてそれに捕らわれたアマロフの、女になった身体がたちまち氷に包まれていく。
「ならばおまえの、その温かい人間の心は私がゆっくりと吸い取ってやろう。怖がることはない、やがておまえも他の女たちのように心を失い苦しみすら感じぬようになる・・・」
 やがてアマロフの身体は、身動きもとれずに完全に氷に包まれた。


(そうして私は、こうして仮の姿でしか動き回ることができなくなってしまったのです。女王は私たちの心を少しづつ、弄ぶように吸い取っていきます。私の心ももうわずかしか残っていません。もうすぐ私は、完全に氷の中に閉ざされる)
「その、本当の身体はどこに?」
(それは・・・いけません。それより早くお二人を連れてここから)
「オッホッホ」突然の声に、驚くアマロフとタニヤ。
(ど、どうかお許しを・・・・ああ・・・)
 アマロフの姿が、またもや氷の柱に変わっていく。そして、その氷柱を撫で回しながら女王ルディアが現れた。
「余計なことを。たんまりお仕置きをしなくてはね」ルディアが、ぞくっ、とするようないやらしい微笑みを浮かべてタニヤに擦り寄ってくる。
「お、おまえは・・・・彼女に何をした!」後ずさりながら剣に手を伸ばすタニヤ。
「ホホホホ、無駄なことを。ああ、感じるわ、あなたの温かい心。さぞ美味しいでしょうに」
 タニヤが剣を構えるのを無視して、ルディアはさらに近寄ってくる。その時だった。
「タニヤ様!ご無事で、うう!」
「ラミレス!」
 部屋に踏み込んで来たラミレスは、ルディアの姿を見て一瞬たじろいだ。
「まだ無事だったの?でももう逃げられないわ」腕を振るうルディア。その腕から何か靄のようなものが広がり、タニヤを包み込もうとする。
 タニヤは、恐ろしいほどの寒気を感じて思わず身体を丸くした。しかし・・・・
「何故じゃ!どういう事じゃ!」おののいているルディア。
「タニヤ様!早く!」気が付くとラミレスは、部屋の外からさらに進入しようとする女たちに剣を振るっている。
「わかった。急ごうラミレス、ガイが危ない!」
 タニヤは剣を振るうと恐れおののくルディアに斬り付けた。ところが、その剣が空を切る。
「おのれ・・・決して逃がさぬ・・・・」ルディアは不意にその姿を消した。
「タニヤ様!」
「ええ」
 ラミレスと共に剣を振るうタニヤ。斬っても斬ってもしばらくすると立ち上がる、冷たい目をした裸の女たちが、後から後から湧いて出てくる。二人は何とか剣で血路を開きながら部屋の外に出た。するとそこに、
「よ、よよよ、助けてくれ!」
「ガイ!」
「おお!無事だったか!にしても・・・うわ」
 ガイも必死に剣を振るっていた。しかし、辛うじて左腕に衣服を持ってはいるものの彼の姿は素っ裸だ。
「早くこっちへ!」
 松明がまばらで暗いはずの廊下が、驚くほど明るい。女たちが青白く発光しているのだ。
 ガイのいる方は、王宮の出口側になっていたのだがその方向からまるで生ける屍のような裸の女たちが大量に迫ってくる。どうやら彼らを王宮の奥に追いつめようとしているようだ。しかしこれだけ大量の敵が迫っては、出口側に逃げるのは不可能だった。
「仕方ない!ラミレス!ガイ!」
 三人は松明を掴むとやむを得ず奥へと逃げた。


 思いのほか動きがあまり早くない女たちを引き離して、どうやら三人は王宮の最も奥の広間へ達したようだった。
「ガイ、なあに、その格好は・・・・」タニヤが面白そうな顔で訊く。
「なんだこんな時に。どうもこうも、えらい美人の女が部屋に入ってきやがって、俺の服を脱がしやがるんだ。夢かと思っていたら思いっきり冷たい手で触られて正気に戻ったって訳さ。その後は、後から後から湧いてくるあのバケモノをぶった切りながら・・・それにしてもヘックション!!いったい何なんだあのバケモノは」
 服を着ながら悪態を付くガイ。
「しかしタニヤ様、どうやらここは行き止まりのようです」あたりを探っていたラミレスが告げる。
「出口はないのか」
「いえ、あることはあるのですが・・・・」
「何?」
「地下へ向かう階段だけならあります」
(ああ、男・・・・)
(暖かい身体・・・)
 徐々に、あの女たちの声が迫ってくる。
「選択の余地はなさそうね。その地下へ行ってみましょう!」
 タニヤを先頭に三人は階段を駆け下りた。
 はじめのうちは、石造りの壁になっていた地下通路であったが、奥に進むにつれて石積みの通路はただの洞窟のようになっていった。
「足元に気を付けて」
「何だか不気味だぜ・・・・」
 ピチャン・・・・ピチャン・・・
 冷たい、今にも凍らんとしている水が天井から落ちる。三人はさらに奥へと進んでいった。
「タニヤ様、あれは・・・・」
 やがて前方に現れたのは、さっきの女たちと同じような青白い光だった。
「まさか・・・挟まれたのでは」ラミレスが懸念する。
「しかし、戻るわけにも行かないわ。前進あるのみ」毅然と答えるタニヤ。
「しかし・・・・」
 その横でガイが口を開いた。
「ようよう、でも、あの光からは何の声もしねえし、さっきみたいな、そのう」
「何だ?」
「殺気、とはちょっと違うけど、俺たちを狙うような、そんな雰囲気は感じねえぜ」
 ガイの言うとおりであった。ぼうっと光ってはいるものの、その光は彼らの方に向かって来ている訳ではなかった。
「とにかく、行ってみましょう」タニヤの声で、三人は再び前進を開始した。そして、三人の前に、その青白く光る物がその正体を現した。
「これは・・・・・」驚くラミレス。
(もうすぐ私は、完全に氷の中に閉ざされる)アマロフの言葉を思い出すタニヤ。天井の高い広間のような空間になったそこには、たくさんの氷柱があった。いや、氷柱と言うより、氷の柱に閉じこめられた女たちが囚われていたと言うべきだろうか。一様に恐怖の表情を浮かべたまま氷漬けになっている女たち。時折その氷が鈍く青白い光を放つ。
「呪いに囚われた女たち・・・・」呟くタニヤ。年を取った者からまだあどけなさを残す少女まで、そこにはおそらくここに訪れたか住んでいたであろう女たちが氷の中で、心を吸い取られながら死ぬこともできずに苦しみ続けているのだ。女たちは多かれ少なかれ身体が透き通っており、女の入っていないただの氷柱もあった。おそらく、心を吸い取られるにつれて身体が透き通り、やがて消滅してしまうのだろう。
「何ていうこと・・・・」驚きとも悲しみともつかぬ声を上げるタニヤ。
 その時、不意に声がした。
「よくここまで来たわね。ご苦労様、貴方達も同じようにしてその温かい心、ゆっくり味あわせて貰うわ」
 振り向くタニヤ、ラミレス、ガイ。そこには妖しい生気をみなぎらせた女王ルディアが、まるで透き通るように白い、まるで氷のようなドレスを着て立っていた。
「許せない・・・・」
「ホホホ、おお、熱い心を感じる・・・・」そう言うと、ルディアの目が青白く光った。そしてそれに同調するように氷柱の群が青白く発光しはじめる。
(ああ、ああああ!)
(助けて・・・・お願い・・・)
(やめて・・・・!)
 タニヤの頭の中に、女たちの悲鳴が響いてくる。それは氷の中の女たちの声だった。
 ルディアの姿が、人間ではなく、透き通ったゼリー状の触手を無数に持った巨大な氷の花の姿に変わっていく。それとともに、発光した柱の中の女たちの姿が徐々に透き通っていく。ルディアは女たちの心を吸収してエネルギーにしているのだ。
「ホホホホホホ!」完全に変態したルディアは、花の中央に位置した顔に恐ろしく陰惨な笑みを浮かべながら、その無数の触手を三人に向かって伸ばして来た。その先は、それぞれたくさんの牙が生えた口のようになっている。
「な、何だこのバケモノは!」
「驚いてる場合ではない!」狼狽えるガイを後目にラミレスとタニヤは必死に剣を振るう。彼らもまた、想像だにしなかった怪物の出現に恐れおののいていたが、自らの身を守る本能が恐怖に打ち勝っていた。
 触手は、その先からおぞましい冷気を放ちながら次々と三人を襲った。それを避けながら触手を切り払うが、触手の勢いは全く衰えない。
「ホホホホホ!無駄な抵抗はおやめ」
「タニヤ様!あれを!」
 ラミレスが指す。その方向に穴があった。奥行きはかなりありそうである。
「あそこなら奴も進入してはこれますまい」
「よし、走れ!」タニヤが叫ぶ。
「あいよ!」ガイも剣を振り回しながらそれに従った。
「おのれ!逃がさないワァ!」触手を伸ばすルディア。その冷気が、ラミレスの足を捉える。
「うう!」
「ラミレス!」
 転倒するラミレス。その足が凍り付いて地面に張り付いている。
「ホホホホホ・・・・」迫るルディア。
「タニヤ様!ここは私が!」
「ラミレス!」一瞬立ち止まるタニヤに触手が迫る。
「さあ、早く!」ラミレスは、足から這い上がってくる氷にも関わらず叫んだ。
「タニヤさん!何してんだ!」ガイに促されて、タニヤは再び走った。
 新たな洞窟に飛び込むガイとタニヤ。その後ろで、ルディアの怒りとも笑いともつかぬ声が響く。
「馬鹿め!アイスエイプの餌食になるがよい」
 この洞窟までは、ルディアは入ってこないようだった。ようやく一息つく二人。
「ラミレスが・・・・」
「タニヤさん、そんなこと言ってもはじまらねえよ。なんか奴を倒す方法考えないと、俺たちもいずれは・・・・」そのガイの言葉は、何者かの咆吼によって遮られた。
 ウオォォォォ!
「何だ!」
「ガイ、危ない!」
 洞窟の天井から、人間より二回りほど大きな何かが振ってくる。ガイとタニヤは辛うじてそれを避けたが、それに出口側を塞がれてしまった。
「またバケモノかよ!」ガイが泣きそうな声で叫ぶ。
 それは、真っ白く長い毛を全身に生やし、長い牙と爪を持つ猿とも熊ともつかない怪物だった。よく見れば二人の周囲にも白骨が転がっている。
 ウオォォォォ!二人を威嚇するアイスエイプ。
「どうやら女王はこいつを恐れているみたいね」
「そんなこと言ったって、女王より俺たちが危ないぜ」
 じりじりと迫ってくるアイスエイプ。その首に、何か、真ん中に宝石が輝いている首輪のような物が掛かっている。タニヤは妙にそれが気になった。
 グワォォォォ!アイスエイプが飛びかかってくる。必死に剣を振るい鋭い爪を防ぐタニヤ、そしてガイ。しかし、
「あ!」
 カチィン!
 タニヤの剣がその強靱な爪によってあっさり叩き折られた。ビュンビュンと振り回すアイスエイプの爪が彼女の身体を掠める。彼女は必死に逃げ回った。
「このぉぉぉ!」それを見たガイが後ろから斬り付けようとしたが、その試みは太い腕によって跳ね返された。強烈な衝撃がガイを襲う。
「うわぁぁ!」壁面に叩きつけられるガイ。
 タニヤは腰から最後の短剣を引き抜き構える。
 グォォォォォ!覆い被さるように両腕を広げ襲いかかってくるアイスエイプ。しかしタニヤは、逆に懐に飛び込むと首輪の中央部の宝石の部分を一突きにした。
 キュイィィィィン!動きを止めるアイスエイプ。
「やったか・・・・」
 アイスエイプは襲いかかる体勢のまま身動き一つしなくなった。そして次の瞬間、宝石が眩い光を放って割れた。
「あああああああ!」アイスエイプの口から、人間の声が漏れる。そして、アイスエイプの姿は崩れていった。苦しむ声とともに長い毛が、爪が抜け落ち、太く巨大な体躯も見る間に細くなっていった。そしてやがて、その姿は一人の人間の姿になった。
「ハァ、ハァ、ハァ、どうやら、元に戻ったようだな」その男は肩で息をしながら立ち上がった。
「おまえは?」タニヤが短剣を構えたまま口を開く。ガイは信じられない出来事に呆然としている。
「ああ、あなたが私を元の姿に」逆に尋ねる男。
「そのようね」短剣を収めるタニヤ。
「これは礼を申し上げます。私は光術師ラーガと申す者。魔女サイレンを追いやって参りました。しかしサイレンの罠にはまり、サイレンを倒すどころか逆に呪い玉によってあのようなおぞましい姿に変えられていたのでございます。あなたは・・・・」
 ラーガと名乗った男はタニヤをまじまじと眺めた。
「私はタニヤ。旅の途中ここに立ち寄ったのだけど」
 タニヤの言葉を遮ってラーガが言った。
「あなたなら、抜けるかもしれない・・・・」
「え?」
 何やら呪文を唱えるラーガ。呪文とともに中空に現れた枯葉色のローブを羽織ると、ラーガは見るからに魔術師のような姿になった。
「私についてきて下さい」
「しかし仲間が・・・」
「どのみち、今のあなたの状態では、あのルディアを倒すことはできません。あれもまた不幸な女なのです。ルディアを滅ぼし、あなたの仲間を救いうる方法が一つだけあります」
 タニヤはラーガに従った。


<第四章:光と闇の王子>

「ルディアもまた、不幸な女と言ったわね」タニヤは尋ねた。ラーガは、洞窟の奥にどんどん進んでいく。
「その通り。このヨムンの悲劇は、彼女の悲恋から始まったのです」
「悲恋?」
「そう。まだここが平和だった頃、彼女は、単なる一人の洗濯娘に過ぎなかったのです。その彼女は、ある日一人の男に出会い、恋に落ちました」
「・・・・・・」
「その男は下級貴族だったのですが、彼女はたちまちその男に夢中になりました。やがて、男は彼女に求婚し、彼女は幸せの絶頂へ駆け上がっていきます。しかし、その幸せはすぐに壊されました。最悪の形で」
「・・・・・・」タニヤはラーガの話に聞き入った。
「男の元に、ある日一人の使者が現れました。それは、王家に継ぐ権力を持つ大貴族からの使者でした。大貴族の一人娘が、この男を見初めたのです。男は悩みましたが、結果的により大きな権力と財力を持つ大貴族の娘と結婚してしまいました。彼女は彼を恨み、男を恨み、世を恨みました。その彼女に芽生えた闇が、奴を呼び寄せたのです」
「魔女、サイレン・・・・」
「そう。絶望に打ちひしがれた彼女に、奴は囁きました。そんなに深い恨みなら、復讐すればいいと。彼女の全てを捧げれば、より不幸な呪いをこの都に掛けようと。もはや生きる望みすらない彼女は、その誘惑に負けました。これがサイレンのやり口です。奴は自分が欲する闇の力を手に入れるために、人間の持つ闇の力を増幅させるのです。そのためなら手段を選びません。サイレンはルディアの望んだ呪いを全て掛けました。それもルディアの持つ闇の力を源にして」
「・・・・・・」
「サイレンに全てを捧げたルディアはあのような姿に変えられ、失った女心を決して満たされることなく渇望する氷の魔女となり、いまやサイレンに闇の力を供給する根の一つに過ぎません。そして彼女は、サイレンに与えられた闇の力でこの都の男たちをあのおぞましい、ゾンビともバンパイアともつかぬ氷の女たちに変えていったのです。永遠に満たされることなく自分が失った男を求めてさまようあのかわいそうな者達に」
「あなたは?」
「私は、サイレンの持つ闇の波動を感じて黒雲に包まれたこの街へやってきました。そこで私が見たのは、恐ろしい地獄だった。氷の女たちが街を闊歩し、隠れた男たちを探し出しては男を吸い取り自分たちの仲間にしていく。逃げ回る女たちは捕らえられ、氷に閉じこめられて運ばれていく。私は、一刻も早くこの地獄を救わねばと思った」
「・・・・・・」
「このヨムンの都には古い言い伝えがあるのをご存じか?」
「いいえ」不意に尋ねられたタニヤは思わず首を振った。
「財宝が眠ってるっていうんじゃ・・・・」今まで黙っていたガイがここぞとばかりに割り込む。以外と寂しがり屋なのだ。
「北の門を守る都、ヨムン。光と闇の王子在る時光持ちて闇を照らさん」
「北の門を守る都?」
「さよう、このヨムンの都は世界の北を守る都市として位置づけられていたようです。そしてそこには、闇を照らす光が存在する」
「光?」
「そうです。私はそれを発見しました。しかしそれを使える者には条件がありました」
「その、光と闇の王子・・・・」
「そのとおり。私はそれに気付かず、太陽の剣を前に呪い玉に魂を奪われあろうことか太陽の剣に人を近づけさせぬ番人にされてしまったのです」
「太陽の剣、それが・・・」
「そうです」ラーガは、ちらりとガイを見やった。
「まさか・・・・・」はっと気付くタニヤ。
「そうです。あなたならできるかもしれない」
 彼らの行く先に、少し拡がった空間が現れ、そこで洞窟は行き止まった。
「ここは・・・・?」
「そう、かつて暗黒の神々の破壊から世界が救われた頃、ヨムンの都はここに作られた。この北の地に都を建設するに当たり、開祖の王ヨムナスは光に祝福された太陽の剣を持ち、まだここに巣くっていた闇の亡者どもを滅ぼした。しかし王はその戦いで大きな傷を負い、都の完成を待たずしてこの世を去った。それを見た息子のヨムナルドは、剣を封印し戦いを封印したのだ。その封印を解くことをできるのは」
「光と闇の王子」
「そう。そしてそれを判断するのは、この部屋に祀られたヨムナルドの霊・・・・」
「もしかして、これのことか?」ガイが、部屋の中央部の石に突き刺さった剣を無造作に握ろうとした。
「むやみに触るでない。もっとも、選ばれた者にしか抜けぬがな」
「おっと!なんだこいつ、ビビッとしやがる」走る痛みに思わず手を引っ込めるガイ。
「私が・・・・?」ラーガに確かめるタニヤ。
「はい。私は残念ながらこれを抜くことはできませんでした。しかしこれ無しには、強力な闇の力には対抗できません」
 ゆっくりと剣を握るタニヤ。一瞬、その柄が鈍く光る。
「やはり・・・」ラーガが肯く。
「な、どうなってんだ!?」驚くガイ。
 柄の光が、刃を伝って地面に降りていく。次の瞬間、その刃が崩れ落ちた。
「何・・・・」柄を握ったまま思わず声を出すタニヤ。
(この日を待っておった。我が力必要なるときは何時なりと一言、「太陽の剣よ」とお呼び下され)
「この、剣か・・・・」タニヤには確かに聞こえた。
「おお、やはりあなたは選ばれし者」
「何でえ、刃がなくなっちまったじゃねえか」
「これでよいのだ。さあ」タニヤを促すラーガ。
「ええ。急ぎましょう」
 何が起こったのか全く理解できていないガイを従えて、タニヤとラーガは元来た道を駆け戻っていった。


「ホホホホホ、そろそろ観念するのね。あなたは本当に強いわ。さぞ彼女たちも満足するでしょうに・・・」
「お、おのれ・・・・」
 両足の膝から下を凍らされたラミレスは、群がってくる氷の女たちを必死に剣でなぎ払っていた。しかし斬っても斬っても湧いて出てくる氷の女たちに、無理な体勢での戦いを強いられているラミレスはそろそろ限界に達しようとしていた。
(もはや、これまでか・・・・いかん!タニヤ様の安否を確かめるまでは・・・)
 ラミレスは、剣に加えて予備の短刀をも構え、全身で戦い続けた。その氷の女たちの後ろで、氷花の悪魔と化したルディアが嘲笑いながらその姿を眺めている。
「何!」突然、今まで嘲笑するだけだったルディアが鋭い声を上げた。
 次の瞬間、ラミレスを取り囲んだ氷の女数人が、パッと燃え上がり、一瞬にして消滅する。
「ラミレス!無事か!」
「タニヤ様・・・・」
 駆けてくるタニヤ。そしてガイ、ラーガ。ラーガが手を開き何か呪文を呟くと、その手から青白い火の玉が次々と飛び出し氷の女たちを消滅させていく。
「おのれ・・・・光術師めが・・・・」
 ルディアの触手がラーガに向かって伸びる。しかしその前にタニヤが立ち塞がった。
「タニヤ様!」叫ぶラミレス。しかし動きがとれないので叫ぶことしかできない。一方のガイはそのラミレスを援護して氷の女を斬りまくっている。
 ラーガが力強く肯く。そしてタニヤは言った。
「太陽の剣よ、我に力を」
 柄だけの剣を構えるタニヤ。
「お、姉ちゃん!何してんだ、そんなガラクタ!」
 気が触れたのかと言わんばかりにガイが叫ぶ。しかし、次の瞬間、ガイは驚きの声を上げた。
「そ、そんな・・・・すげえ・・・・」
「そ、それは・・・・・」明らかに動揺を見せるルディア。
(伝説の、王子・・・・)
(伝説の、王子様が・・・・)
(ああ、どれだけの間この日を・・・・)
(待っていた、待っていたのよ・・・・)
 氷柱と化した女たちの思念が伝わってくる。しっかりと構えるタニヤの手の中で、太陽の剣が光り始め、鋭く細い刃が伸びていく。やがてそれは、光を放つ細身の剣となった。
「これが、太陽の剣・・・・」タニヤ自身も驚いていた。
「太陽の剣は、使う者が最も得意とする武器の形に変化するのです」とラーガ。確かに、その形は女性であるタニヤが愛用する細身の剣の形だった。
「・・・・さあ、行くわよ!」
「おのれ・・・・」無数の触手を束にして攻撃してくるルディア。タニヤは、落ち着いてその触手を次々と切り落とす。
「ウゲエエエ・・・・・」はじめて苦しそうな表情を見せるルディア。
「宝冠の真ん中の宝石!あれがおそらく呪い玉です」冷静に見極めるラーガ。
「ガイ!肩を貸して」タニヤが叫ぶ。ガイはそれを理解するとタニヤの方に走ってきた。
「本当は女に乗る方が得意なのにな!」叫びながら少し腰をかがめるガイ。タニヤは助走を付けてジャンプすると、その肩を踏み台にしてさらに高く跳び上がった。
「あああ・・・」悲鳴を上げるルディア。
「やあああ!」タニヤはその氷の花びらの上に着地すると、ルディアの顔めがけて剣を突きだした。
「あ・・・・・ああ・・・」ルディアの動きが止まった。太陽剣はルディアの顔の上の宝冠の中央を貫いていた。
 突然、ルディアの顔が人間の、少女のそれになった。そしてそれはこれ以上ない悲しい表情を浮かべて一言呟いた。
「ファルス・・・さま・・・」
 氷の花が、崩れ落ちていく。慌てて落ちるように飛び降りるタニヤ。ルディアだった氷の花はまるでダイヤモンドダストのように氷の塵となって、広間の中に降り注いだ。
(ファルスさま・・・・)
(どうして・・・どうしてなの・・・・)
(こんなにお慕いしておりますのに・・・・)
(愛している、というお言葉は嘘でしたの・・・・)
(あの契りもみんな嘘、でしたの・・・・・)
(ああ、ファルスさま・・・・・・・・)
 微かに聞こえる啜り泣くような声。それはルディアの、最後に残された人間らしい心の叫びだった。そしてそれはきらきらと輝く氷の塵とともに消えていった。
「タニヤ様、ご無事で・・・・」
「タニヤさん・・・・」
 氷から解放されたラミレスとガイが駆け寄ってくる。そしてラーガも。
(ああ、光が・・・・)
(光が、見えるわ・・・・)
 幸福そうな表情を浮かべ、風に飛ばされる塵のように消えていく氷の女たち。そして、
「ありがとう・・・・・」
 振り返ると、そこにはアマロフをはじめとして、氷に閉ざされていた女たちが立っていた。しかしその姿が、あっという間に年老いていく。
「・・・・・・」
「これで・・・私たちも・・・・永遠の・・・安らぎを・・・・」
 女たちはやはり氷の女たちと同じように、塵と消えていった。
「無理もありますまい。あの娘たちはすでに数百年もここに閉じこめられていたのです」
 ラーガが呟いた。
「あなたは一体・・・・」
「さ、時間がありません。我々も脱出しないと」
 カサカサ・・・・・カサカサ・・・・・
 天井から、砂が振ってくる。洞窟が崩れ落ちようとしているのだ。
「タニヤ様!」
「そのようね。退散しましょう」
「ちょっとま、財宝は!」不服そうなガイ。
「命あっての何とやらだ。急げ!」走りながら答えるラミレス。
 ラーガも、空中浮遊してタニヤたちに従う。
 ゴゴゴゴゴ・・・・・地上に上がると、凍り付いた王宮はただの廃墟と化しており、さらに崩れ始めようとしている。王宮の外も同じだった。
「タニヤ様!城門が・・・・」
 彼らの行く手に、閉じられたままの城門がそびえ立つ。後ろからは崩壊が迫ってくる。
「*******!」何か呪文を呟くラーガ。
「うわ!信じらんねえ!」ガイが驚く。
 城門の真ん中に、円形の通路、いや穴が開いた。
「驚いている場合ではない。早く!」
 大急ぎでその穴に飛び込む四人。彼らが城門から脱出すると同時に城壁は崩れ去り、完全に崩壊した。
「この都も、ようやく永久の安らぎを得たのだ・・・・」しみじみと呟くラーガ。
 廃墟の残骸が光る塵となり、天に昇っていく。その天空には、波打つ光が輝きを放っていた。
「あれは・・・・」ラミレスが口にする。
「オーロラだ・・・・俺も見るのははじめてだけどな」ガイも空を見上げた。
「オーロラか・・・・悲恋の果てに相応しい」
「あなたは一体・・・・」タニヤは、その問いをもう一度口にした。
 向き直るラーガ。
「私はラーガ。光術師」
「光術師?」
「そう、魔術師の一種と思って下さい。私の一族は代々光術師と呼ばれているのです。我々の使命は世界のバランスを保つこと。光が闇を抑え、しかし闇を完全には消し去らないように調節しているのです」
「闇を消し去らないように?」
「そうです。闇がなくては人は生きていけません。光と闇が共存してこその世界なのです。しかし、そのバランスを覆さんとする奴が現れた」
「魔女、サイレン・・・・」
「奴はこの世界を完全に闇の版図にしようと目論んでいます。そうすることによって自らが、あの闇の神々に匹敵する力を手に入れることができると考えているのです」
「スール?」
「おお、スールをご存じでしたか」
 タニヤは、あの、エストリアを襲った災厄のことを思い出していた。
「奴の闇の力が大きくなれば、いずれスールも反応するでしょう。私は、いくらサイレンとはいえスールが目を覚ませば到底太刀打ちすることはできないと考えています」
「スールは、エスタシオに封印されている・・・・・」
「その通り。あなたには、説明する必要はありませんね。そう、私はそのサイレンを倒すため、それだけのために世界を放浪しているのです」


<エピローグ>

 からりと晴れ上がった空。相変わらず万年雪を頂くエイネ山がきれいに見える。
「今日は暖かいですなあ。ところで、タニヤ様」
「なあに?」振り返るタニヤ。ラミレスが何か言いづらそうな顔をしている。
「この度は見苦しいところをお見せして・・・・」
「いいじゃない」
「は?」
「それ以上言わないの。ラミレスは私の騎士でしょ」
「タニヤ様・・・・・」
「そうそう、足も動かないのにあのバケモノ女ひとりで斬りまくってるの格好良かったぜ」またまたガイが割り込んでくる。
「そう言うこと。まだまだ先は長いわよ」
「と、言いますと次の行き先が決まったので?」
「ええ・・・・」少し口ごもるタニヤ。
「まさかあの男と?」
 ラーガは、すでに旅支度を調えていた。彼は微かなサイレンの波動を捉えて東へ向かうと言っているのだ。
「そう。彼の話が本当なら、いずれはエストリアにもまた・・・・」
「わかっております。私は殿下に、そしてエストリアに剣を捧げし騎士」
 騎士の誓いをするラミレス。その光景を見ているガイ。
「うわ・・・・じゃあやっぱり」
「なんだ?」
「タニヤさん、あんたやっぱりブリトニー王子だったんだ」
「ええそうよ。おおよそ察しはついてたでしょ」もはや隠そうともしないタニヤ。世界中で噂にもなっているようであったし、いつかはわかることである。
「まあな。光と闇の王子、ってとこでピンときたぜ。女なのに王子?ってな」
「ところでガイ、あなたはどうするの」
「ハハハ・・・・こんな面白い話、なかなかよそじゃ聞けねえし」
「ちなみに、給料の類は一切出せないわよ」
「分かってらあ。俺あ勝手についてくだけだ。でも」
「でも?」
「気が変わってエストリアに帰るって言うんなら、その時は俺を雇ってくれよな」
 ハハハハ・・・・顔を見合わせて笑う三人。
「お三方、準備はよろしいか」
「ええ。参りましょう」
 北の街道を一路東へ向かう四人。その先に待ち受ける物は一体・・・・・

<オーロラの彼方に・・・:おわり>


<あとがき>
 調子に乗って書いちゃいました。リトニアさん冒険シリーズ第二弾です。
 前回いい加減な動機でただ旅に出ただけだったのでその理由を付けようと、かなり無理のある話になりました。どちらかというとミーミルでも出てきそうな感じだな、こりゃ。
 ともあれ今回はガイとラーガさんの登場編でもありました。やんちゃなガイと(キ*−・ガーイ!とか歌わないように:笑)、オ*ワン(アレッ*・ギネスの方)か、クワ*ガンか、はたまたヴァレ**ス(最近、というかここ数年好きです、この方)かというラーガさん。このお二方もよろしくお願いします。
 ところで、今回登場こそしなかったものの少し話に出たサイレンさん。今回は全く新規のキャラクターです。この方がナイちゃんのように大物になるのか、はたまたまだこの後ろに大物が控えているのかは、書いてってみないことには私自身にもまだわかりません。でもとにかくナイちゃんと別系統なのは確かです。おっと、そう言えばナイちゃん、最近別の話の方で何か企んでるようですが、こっちの世界ではこの先また出てくるかどうかは現時点では決めてません。ハストル様の思し召しに従うとしましょう。パラレルワールドで繋がったりして・・・・(うそ!)。
 最近思いますがこの手の話を書くのって、はっきり言ってRPGを全部自分でやってるような物ですね。新キャラ出てきてパーティになるし、経験値関係ないけどアイテムも出てくるし・・・・昔々、テーブルトークのRPG(トラベラー、とか)でよく遊んでたのを思い出します。いやあ、懐かしい・・・・
 では。今回も最後までおつきあいいただきありがとうございました。

KEBO


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