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−華代ちゃんシリーズ−

先輩のすきなタイプ
作:もと(MOTO)



*「華代ちゃん」シリーズの詳細については

http://www.geocities.co.jp/Playtown/7073/kayo_chan00.htmlを参照して下さい



 こんにちは。初めまして。私は真城華代と申します。

 最近は本当に心の寂しい人ばかり。そんな皆さんの為に私は活動しています。まだまだ未熟ですけれども、たまたま私が通りかかりましたとき、お悩みなどございましたら是非ともお申しつけ下さい。私に出来る範囲で依頼人の方のお悩みを露散させてご覧に入れましょう。どうぞお気軽にお申しつけ下さいませ。
 報酬ですか?いえ、お金は頂いておりません。お客様が満足頂ければ、それが何よりの報酬でございます。

 さて、今回のお客様は…。


 夕暮れ前の公園というのは意外と物静かなものである。小さな子供達はもう家に帰ってしまった、散歩に訪れる人も意外と少ない。だから、考え事をするにはもってこいの場所なのかもしれない。ついでにいうと落ち込むのにも向いている。
 そして、本当にセオリー通りに、学生服を着た気弱な少年がブランコにすわり、ため息をついていた。

「………あ〜ぁ、どうせ僕じゃな…」
 ため息とともに、少年はある女性の姿を思い浮かべていた。
「僕はどう考えても女の人を守ってあげるタイプじゃないし…。…いや、かすみ先輩だったらそんもの必要ないだろし…。まわりに、たくさんのとりまきの女の子はいるし…。男の人はまわりにいないかもしれないけど、だからといってとりえがあるわけじゃないし…」
 考えれば考えるほど少年は深みに落ち込んでいくようだった。
「だけど…すてきなんだもんな…かすみ先輩…」
「かすみは名前よね。姓は?」
「早川、早川かすみさんだよ」
「で、かすみ先輩ってそんなにすてきなの?」
「だって、美人だし、清楚で優しそうだし。高2のなかでも成績も抜群だし、教養にあふれているし」
「ふむふむ」
「おまけに、うちの桐朋学園の理事長の娘で、大金持ちだし」
「ふむふむ。で、お兄ちゃんは?」
「僕はただの中学生だし、家も一般家庭で成績も人並みだし。運動神経は皆無だし」
「でも、その先輩のことすきなんでしょ?」
「そりゃ、好きさ。先輩好みのタイプの人になれたらって思って………、わぁぁ!!だ、だれだよ君は?!」

 一人で、ぶつぶつ言っているつもりだったのが、ふと横のブランコをみると、小学生らしい女の子が興味津々という目でこちらを見つめていた。
 その女の子はブランコをおり、ポケットから名刺を取り出してその少年に手渡した。
 そこには「ココロとカラダの悩み、お受けいたします 真城華代」とかかれていた。
「えっと、私はみなさんのお役にたてるよう日夜努力をしてるセールスレディなんです。え〜ぇっと、お兄ちゃんってお名前何と言うんですか?」
「池本 誠也だけど…。なんなのこれ?」
「いえいえ。お金はいただきませんから。お兄ちゃん何か悩みが有るんですよね。それを解決するのが私のお仕事なんです」
 まったく、誠也の言葉を無視するかのように、少女は続けていった。
「で、お兄ちゃんはその人、えっとかすみさんだっけ?のことが好きなんでしょ、でしょ」
 好奇心いっぱいという感じの華代という少女に押されるように、ついつい頷いてしまった。
「あ、ああ。そうだよ。たしかに僕はかすみ先輩のことが好きさ。だけど、しかたないじゃん僕なんか…かすみ先輩なんかにふさわしくないしさ」
「そんなことないよ。おにいちゃんだって、悪い人じゃないもん」
「でもさ、かすみ先輩とじゃまったく釣り合わないよ。先輩ってどんな人が好きなのかも判らないし。あ〜ぁ、先輩が好きだって言ってくれるタイプだったらよかったのにな」
「あ、それなら大丈夫ですよ」
 こくこく、頷きながら
「だいじょうぶですよ。それだけ先輩のことを想っているんだったら。その、先輩好みのタイプになりたいって依頼を、私がお引き受けしますから」
「へぇ〜。どうするのさ?」
「任せてください。じゃあ目をつぶって」
「こ、こう?」
 誠也は華代にいわれるままに目をつむった。それを見届けてから華代は鞄からステッキを取り出した。そして、ステッキの先を誠也の頭の上の方におくと、呪文を唱え始めた。
 ステッキの先から白い煙?いや、白いもやのようなものがでてきて誠也を包み込んでいった。

 そのもやのなかで、誠也の髪の毛は次第に長くなっていき、リボンがつけられた。そして、貧弱に平たかった胸に、大人の女性と比べるとわずかに、だけど明らかに少年とは違う膨らみができあがっていった。さらに、ウエストも少しくびれができ、体に多少の丸みがついていったようだ。
 そして、いつのまにか学生服が変化し、紺のプリーツスカートにセーラー服という桐朋学園の女子の制服になっていった。そして、リボンと白のハイソックスとあわせて、幼さを感じさせる雰囲気を醸し出す少女がこの場に出現した。

「OK、0Kうまくいったよ」
「え?え?ぅわぁぁ!なんだよこれ!!」
 もともと男の子にしては違和感があるくらい高めだった声も、なんだか、その姿にぴったりとフィットしているようだ。
「大丈夫よ、先輩の好みなんだから。アフターサービスもばっちりしておくし。じゃあね」
「お、おい。ちょっとまってくれよ。こんなのってないじゃん」
 誠也は、公園の出口へスキップするようにむかっている華代をあわてて追いかけ始めた。
『どうするんだよぉ。こんな格好ひとにみられたら、やばいよぉ』
 とにかく、公園をでた華代を捕まえようと、誠也は公園の出口を飛び出した。
「あっ」
 道路にでたその時、ちょうど道を通りがかった女子高生に誠也はぶつかり、すってんと転がってしまった。
「あ、ごめんさい。けがはない?」
「は、はい。あっぁあ!」
 そういってその女子高生を見上げた瞬間、誠也はアルトの声をさらに1オクターブ上げてしまった。
「早川かすみ先輩!」
「あら。私を知っているの?そういえばうちの制服よね。そしてそのネクタイの色は中等部よね。ふむ??」
 あわてて胸のネクタイを押さえると誠也は、はっと気がついてまわりを見渡した。だけど、あの華代と名乗った少女の姿はどこにも見えなかった。
「ど、どうしよう?」
「ん?どうしたの?」
「あ、先輩。小学生くらいの女の子見ませんでした?」
「さあ、見なかったけど」
「あ〜ん、どうしよう。これじゃ女の子のままだよ、男の子に戻れないよぉ」
 涙をながして、完全にパニクってしまっている誠也をまじまじと見つめたかすみは、確認するように言葉をかけた。
「あなた、ひょっとしたら、中等部の池本君?」
 その言葉で、誠也のパニックはピタッとおさまった。
「え、あ、わぁぁあ…。それは、その…。でも、何で中等部僕のの名前まで」
「だって、よく練習を見に来ていたでしょ。かわいいから、覚えていたのよ。でも、今日はどうして??」
「え、そ、それは…それは…」
 座り込んだままの誠也の両眼からさらに涙があふれはじめた。
 思いもかけなかったことに、かすみ先輩が自分の名前を覚えていてくれたこと。かわいいって言ってくれたこと。でも、自分が今女の子になっていること。
 うれしさと、哀しさが涙をどんどん量産していったのだった。
 それを見たかすみは、
「とりあえず、いらっしゃい。私の家ってすぐ近くだから」
 そういうと、かすみは、誠也を抱えるように立たせると、その手を引っ張って、そのままどんどん歩き始めた。

「どう?おちついた」
「…は、はい」
 誠也はそのかすみの家の大きさと調度の豪華さ、さらにはメイドさんまでいるという状態にに圧倒されていた。しかも、かすみはそれらをまるで自然なことのように振る舞っていたのだった。
 庭の見える一室に案内され、ソファーに腰掛けた。紅茶を持ってきてくれたメイドさんがでていき、部屋に二人きりになると、正面に座っていたかすみは話をきりだした。
「それじゃ、その小学生のセールスレディーに女の子にされたの?」
「は、はい…そうです」
「ふーむ、不思議なお話ね」
 そういって、かすみは紅茶をすすった。そのカップをおいて、誠也の目を見つめて、言葉を続けた。
「でも、どうして女の子になりたいって依頼を出したの」
「べ、べつに女の子になりたいって言った訳じゃないんです。ただ…………」
 さすがに、本人を目の前にして依頼の内容を言い渋ってしまった誠也だった。
「ただ…?」
 しかし、躊躇している誠也の眼を正面からかすみは正面から見つめた。その深い目に引き込まれるように、誠也は普段の自分からはとてもしゃべれないような言葉を発した。
「先輩の好みの人になりたいって…」
「そう、そう言ったの…」
「……は、はい。でも、どうしてなんだろ…」
「あなた…私の恋人になりたいの?」
 静かに、しかしずばり、という感じでかすみは告げた。その言葉に誠也は顔を真っ赤にして、両手のこぶしを膝の上で握りしめた。
 その様子を見て、クスッと笑うとかすみはすっといすを立ち、ソファーの誠也の隣に座り、言葉を続けた。
「じゃあ、私の言うことを聞く?」
 その、誠也は言葉にぴくっと反応した。そして、ゆっくりとうなずいた。
「じゃあ、私の部屋へいらっしゃい」

 二人はかすみの部屋へ入っていった。そして、かすみは奥の部屋に置かれていたベッドの端に腰をかけた。そして。誠也にもその横に腰掛けるように言った。
 そして、誠也の耳に唇を近づけた
「うふ、このお部屋まで入れるのは私の大事な仔猫ちゃんだけなのよ」
「仔猫ちゃん?」
 いぶかしげな声を出した誠也にかまわずかすみはつづけた。
「それにしても、まさに奇跡ね。本当に私の好みのタイプの子になっちゃうなんて」
「で、でも、だったらなんで僕、女の子になちゃったんだろ」
 その言葉に、かすみはにっこりと、だけど妖しく笑った。
「そう、それこそまさに奇跡よ。本当に私の仔猫ちゃんになちゃうんだから」
「仔猫ちゃんって…??」
「もう、鈍い子ね。でもそこがかわいっ。わからない?私が好きなのはオ・ン・ナ・ノ・コなの。それもね、誠也ちゃんのような、かわいいロリロリな子が好きなの。
 だから、誠也ちゃんのお願いはすべてかなえられたの。お望みの通りに、誠也ちゃんを私のものにしてあげるわ。学校や戸籍のなんかは全然気にしないでいいわ。私が父にお願いしてなんとかあげる。学校も明日から女の子として通ったらいいわ。
 そうそう、誠也じゃ男の子の名前だから、沙也香ちゃんと呼んだげるわ。この名前ね、私に妹ができた時の名前になるはずだったのよ。
 沙也香ちゃんはもう私のかわいい妹の仔猫ちゃんよ。」
 そういって、かすみは沙也香の唇にむしゃぶりついてきて、そのまま二人はベッドに倒れ込んだ。そして、沙也香の口から歓喜とも悲鳴とも撮れる声がもれてきた。



 ふぅ、今回は”出会い”のアフターサービス付きだったからちょっと大変だったけど、まあ愛読のマンガのパターンを応用してなんとかなったわ。
 それでも、いいな〜。好きな人のためだったら自分が変わってもいいなんて、とってもかっこいいですね。だから、華代もはりきって完璧にかすみ先輩の好みのタイプにしてあげました。
 そうそう。あとで、かすみさんのお部屋から”私のペット”とか”お姉さま”とか”沙也香ちゃんの大事なところ”なんて声があがっていたけど、なんだろな?華代、子供だからよくわからないけど、まあいいや。詳しくはまた報告する人がいるかもしれないし。
 じゃあね。


 どうも、作者のもと(MOTO)です。
 実は、百合の先輩の想い人になるため女の子に変身するという話は、まえから私のなかにぼんやりとした形でありました。本当は、最初の予定では後半部分、つまり先輩の彼女になってからのお話ももっと書く予定だったのですが、「華代ちゃんシリーズ」としてのバランスを考えてこのような形におちつきました。
 それに、後半の部分をもっと書いていくとどう考えても18禁の小説になりそうで、このサイトでは発表はちょっと…ということになるでしょうね。(リクエストがあったら書いて、mail配信でもしますか。華代ちゃんは「報告する人いるかもしれないっていってるけど(笑)」)
 まあ、そこまでいかなくても、このふたりがどうなっていったかちょっと書きたいかも…と思っています。

 最後に、こんな便利な設定をつくって下さった、真城悠さんにお礼を言わせていただきます。こんどは、もう少し軽めのお話を書いてみるかもしれません。
 それでは、ご感想を待ってます。



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