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 ずんだらだっだった〜、だだだ〜らったった〜っ♪ ずんだらだったっだ〜ら〜だ〜っ♪
 ちゃら〜っちゃっちゃっ、ちゃっちゃっちゃっちゃら〜っ♪(←「AMERICAN GLADIATOR(邦題「激突!アメリカン筋肉バトル」)」のテーマ曲)

「というわけでっ、今こそ女子ロボTRY部と完全決着を着けるのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」

 筋肉ダルマこと白塁学園高校元祖ロボTRY部(終身名誉)部長女美川武尊は、部室で居並ぶ部員たち――毎度おなじみ迷彩柄のアーミーパンツ&胸筋にぴちっとはりつくモスグリーンのランニング姿の女美川軍団に、いつもの胴間声で檄を飛ばしていた。

「これまで幾度も女子ロボTRY部と戦いを繰り広げてきたがっ、もはや不快指数200%っ!! 我慢の限界であああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」

 確かに「我慢の限界」だろう。
 自分たちの全身から放たれているまっするスメルで、ただでさえ狭っ苦しい部室が余計に狭く、暑苦しくなっているのだから。

「本来ならば我が元祖ロボTRY部の圧勝だったはずがっ、何故かいつも勝負がつかないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」

 もちろん「負けた」という事実はその都度、彼らのびっとなお脳からはきれいさっぱり消え去っている(……)。

「前回などはっ、たかがメインカメラと股間のアブソーバーと腹部のジャイロとケミカルリンゲル循環ポンプとバッテリーとジョイントとセンサーをやられただけだったのにっ、退場させられたのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」

 いや、そんだけ大破してたらどー考えてもあんたの負けでしょが……と言ったとしても、もちろく聞く耳なんかありゃしない。

「したがってっ、戦いは未だ継続中なのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「勝〜負はここからっ、なのでああああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
負けを認められない不屈の闘志がっ、我等の力なのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」

 あと、面の皮の厚さと羞恥心のなさも……である。
(なお、筋肉ダルマや女子ロボTRY部との因縁?についてご存じない読者様は、拙作ロボTRY美少女っシリーズをご一読していただきたい)

「副長お〜っ!! 今すぐ特攻娘どもがエントリーした競技会を調べ上げっ、我等も参加を申し込むのであああ〜るっ!! そして連中に通達っ!! 今度の競技会で我が元祖ロボTRY部が勝利した暁にはっ、全員従軍メイドさんとして我が指揮下に入ってもらうとおおおおっ!! であああ〜るっ!!」
「了〜解しましたでありますっ!! 隊長〜っ!!」




−華代ちゃんシリーズ番外編−

アンデスメロンは、アンデス原産じゃない。

                      CREATED BY MONDO




 こんにちは、初めまして。私は真城華代と申します。
 最近は本当に心の寂しい人ばかり……そんな皆さんの為に、私は活動しています。
 まだまだ未熟ですけれども、たまたま私が通りかかりましたとき、お悩みなどがございましたら是非ともお申しつけください。
 私にできる範囲で、依頼人の方のお悩みを露散させてご覧にいれましょう。どうぞお気軽にお声をかけてくださいませ。
 え? 報酬ですか? いえいえ、お金は頂いておりません。お客様が満足頂ければ、それが何よりの報酬でございます。

 さて、今回のお客様は――



 ……あ、そうそう言い忘れていました。
 「華代ちゃんシリーズ」と「華代ちゃんシリーズ・番外編」の詳細については、公式ページ(http://www7.plala.or.jp/mashiroyou/kayo_chan00.htmlhttp://www7.plala.or.jp/mashiroyou/kayo_chan02.htm)を参照してくださいねっ♪



「隊長〜っ、女子ロボTRY部が参加する次の競技会を調べ上げっ、参加の申し込みに行ってきたでありまあああすっ!!」
 待つこと数十分。出ていったのと同じリズムの駆け足で部室に戻ってきた副長は、腕組みをした女美川(終身名誉)部長の前で足を鳴らして直立不動の姿勢をとり、いつものしゃちほこばった敬礼とともに開口一番、そう報告した。
「うむっ!! ご苦労であああ〜るっ!!」
「しかしっ、競技会へのエントリ〜はっ、でっきませんでしたでありまあああすっ!!」
「――っ!!」

 ぐっぎょいいいいいい〜んっ!!(←ガ〇ダムが立ち上がるときの音)

 次の瞬間、女美川(終身名誉)部長は備品のパイプ椅子を蹴倒して仁王立ちになり、部室中に響きわたる大声で問いかけた。
「なぜだであああ〜るっ!! すでに申し込み期限が終わっていたというのかであああ〜るっ!!」
「もっ、申し込み期限はっ、今週い〜っぱいでありまあああすっ!!」
 副長はあわてて敬礼を返し、のけぞるように背筋を伸ばすと、うわずった声で返答した。
「ならばっ、エントリー数が多過ぎてはねられたというのかであああ〜るっ!!」
「まだっ、十分な余裕があるそうでありまあああすっ!!」
「ならば何故エントリーできないのかであああ〜るっ!! 我が元祖ロボTRY部の装備や強さがっ、他のチームと釣り合わないとでもいうのかであああ〜るっ!!」
 強さはさておき、メガパペット(全長3メートルの競技用人型有脚マニピュレータ)《パワーエリート》をはじめとした装備(だけ)は確かに潤沢だ。
「そっ、それ以前のっ、問題なのでありまあああすっ!!」
「もったいぶらずにっ、分かりやすく説明するのだであああ〜るっ!!」
「はっ!! ではっ、これを見てくださいでありまあああすっ!!」
 副長は手にしていたパンフレットを差し出した。
 女美川(終身名誉)部長は奪い取るようにそれを引っつかむと、一読して眉根を寄せた。

ロボTRY甘水市プリンセス杯争奪戦 〜メガパペットサマーガールズフェスタ20××〜

「これがっ、どうかしたのかであああ〜るっ!!」
「ですからその競技会にっ、我々元祖ロボTRY部は参加不可能なのでありまあああすっ!!」
「だからなぜなのだであああ〜るっ!!」
「ですからその競技会はっ、『女子限定』なのでありまあああすっ!!」
「なにっ!! であああ〜るっ!!」
 もう一度パンフレットを隅から隅まで眺め回し、顔をしかめて鼻を鳴らす。
 そして……
「だからどうしたであああ〜るっ!!

 我が白塁学園高校元祖ロボTRY部はっ、誰の挑戦でも受けるのであああ〜るっ!!」

「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 拳を握りしめて絶叫する女美川(終身名誉)部長に、条件反射的に合いの手(笑)を入れる部員たち。
「あらゆる状況下においても勝利することができる者こそが、真の戦士なのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「たとえそこにどのような苦難苦闘が待ち受けようともっ、決してくじけてはならないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「ゆえにっ、我等もこのガールズフェスタとやらにエントリーしてっ、女子ロボTRY部との決着を完全勝利するのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「隊長〜っ、自分が間違っておりましたでありまあああ〜すっ!!」
「分かればよいのであああ〜るっ!!」
「たっ、たいちょおおおおおおっ!!」
 ひしと抱き合う、隊長もとい部長と副長。まわりの隊員もとい部員たちも、目の幅涙を流して感動?している。
 あいにくツッコミの神様は、バカンス中だった(笑)。



「なぁるほどおおおっ、女子チームしか参加できないということかであああ〜るっ!! 女性専用車両みたいな大会なのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 ようやく理解?できたらしい(……)。もっとも正確には、「プレイヤー(メガパペット操縦者)が女子のチームのみ参加可能」なのであるが。
「しか〜しっ!! 特攻娘どもに次の競技会での完全勝利を宣言した以上っ、女子限定だろうがなんだろうが全力で参加せねばならないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 前言撤回。ちっとも理解していない……
「男は一度口にしたことを、決してひるがえしてはならないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「我らが参加するためのっ、なんらかの突破口は必ず存在するはずなのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「ゆえにっ、貴様らにその方法を具申(ぐしん)する機会を与えるのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
「あきらめた者に、その先はないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 セリフ自体はかっこいいかもしれないが、使いどころは完全に間違っていた(笑)。
 思い込んだらなんとやら……女美川(終身名誉)部長はパイプ椅子にどかっと腰を下ろし、腕を組んで意味もなく部屋中を見回した。
「さあ考えるのであああ〜るっ!! 思考を停止した人間はっ、ダンゴムシより役に立たないのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 お前が言うな、お前が。
「何を言うっ! ダンゴムシは枯れ葉を食してっ、土の養分を作っているのであああ〜るっ!! 役に立っているのであああ〜るっ!!」
 胸筋をぐぐっとそらせて、部員たちを睥睨(へいげい)する女美川(終身名誉)部長。
 直立不動の姿勢で微動だにしない部員たち。
 そしてそのまま、無駄に時間が過ぎていく……

「た、隊長〜っ、自分が具申いたしますですっ!」

 部員たちの中からひとり、前に進み出た者がいた。
「うむっ! 提案を述べよっ、折亭賀(おるてが)隊員っ、であああ〜るっ!!」
「さーっいえっ、さーっ!!」
 足を鳴らして、背筋を伸ばす。
 しかし折亭賀隊員もとい部員は、何故か少しばかり顔を赤らめ、目の前の隊長もとい部長に勝るとも劣らないそのまっしぶな身体をもじもじさせた。
「はっ! そのっ、こ、ここはひとつ、お、オーソドックスに、じ、女装――」
「……!!」
 次の瞬間、女美川(終身名誉)部長はぐわっと目を見開き、椅子を蹴倒して立ち上がった。

 どど〜んっ――!! 「それは……それは最後の手段であああ〜るっ!!」

「さっ、さーっいえっ、さあぁっ!!」
 至近距離から顔をねめつけられ、あわてて敬礼する折亭賀隊員もとい部員。
 だが、まわりの部員たちは互いに目と目を合わせ……真顔になった。
「……で、いったい誰が女装するんだっ?」(←いやそれよりも、「最後の手段」ってのにツッコめよ……)
「ここは言い出しっぺがするべきだっ」
「こんにちは。何かお困りのようですね」
「まず衣装をどうする? 家族のものを借りるのか?」
「母親の下着なんか履きたくないぞ」「え? 下着も女物にするつもりなのか?」
「あ、申し遅れました。私、こういう――」
……!!」
 女美川(終身名誉)部長は突然、無駄無駄無駄アアアッな議論?を繰り広げる彼らの中にいた小柄な白い人影を引っつかんで小脇に抱えると、やにわに部室のドアを開けてそれを外へ放り出した。
「た、隊長っ……今のはいったい――」「何もないっ!! であああ〜るっ」
「「さっ、さーっいえっ、さーっ!!」」
 後ろ手でドアを閉めて肩で息していた女美川(終身名誉)部長は、部員たちの疑問を一蹴すると再び椅子に腰を下ろし、横一列に並び直して背筋を伸ばす彼等を見回した。
 床に落ちていた名刺大(笑)の白い紙がちらりと見えたが、とりあえず無視しておく。
 そしてそのまま、また無駄に時間が過ぎていく……

「た、隊長〜っ、自分が具申いたしますですっ!」

 部員たちの中からまたひとり、前に進み出た者がいた。
「うむっ! 提案を述べよっ、凱呀(がいあ)隊員っ、であああ〜るっ!!」
「さーっいえっ、さーっ!!」
 足を鳴らして、背筋を伸ばす。
 しかし凱呀隊員もとい部員は、何故か少しばかり口元を引きつらせ、目の前の隊長もとい部長に勝るとも劣らないそのまっしぶな身体を震わせた。
「はっ! そのっ、とりあえずてきとーな女子の名前でエントリーしておいてっ、試合直前に急遽メンバー交代したということに――」
「……!!」
 次の瞬間、女美川(終身名誉)部長はぐわっと目を見開き、椅子を蹴倒して立ち上がった。

 どどど〜んっ――!! 「それは……それは(ぴーっ♪)(ぴーっ♪)(ぴーっ♪)(ぴーっ♪)が使った手段であああ〜るっ!!」

「さっ、さーっいえっ、さあぁっ!!」
 至近距離から鼻息を浴びせられ、あわてて敬礼する凱呀隊員もとい部員。
 だが、まわりの部員たちは互いに目と目を合わせ……真顔になった。
「……で、いったいどんな女名前でエントリーするつもりだ?」(←いやそれよりも「ぴーっ♪」っての、ネタがエッジ過ぎやしないか……)
「ここは言い出しっぺの名前に『子』をつけたものを使うべきだっ」
「ふんふんなるほど、よく分かりました」
「凱呀子……女名前というより、何処ぞの湖の名前みたいだな」
「名字に付けるか? 普通」「え? それって下の名前じゃなかったのか?」
「つまり、女子限定の競技会に参加したいというのが、あなた方のお悩み――」
……!!」
 女美川(終身名誉)部長は突然、不毛不毛不毛オオオッな議論?をを続ける彼らの中にいた小柄な白い人影を引っつかんで小脇に抱えると、そばにあったズタ袋に詰め込み口を縛り、やにわに部室の窓を開けてジャイアントスイングで袋ごと遠くに放り投げた。
「た、隊長っ……今のはいったい――」「言うなっ!! であああ〜るっ」
「「さっ、さーっいえっ、さーっ!!」」
 クレセント鍵を閉めて肩で息していた女美川(終身名誉)部長は、部員たちの疑問を一蹴すると三たび椅子に腰を下ろし、横一列に並び直して背筋を伸ばす彼等を見回した。
 床に落ちていた名刺大(笑)の白い紙は、足でロッカーの下に蹴り込んでおく。
 そしてそのまま、またまた無駄に時間が過ぎていく……

「た、隊長〜っ、自分が具申いたしますですっ!」

 部員たちの中からさらにひとり、前に進み出た者がいた。
「うむっ! 提案を述べよっ、松朱(まっしゅ)隊員っ、であああ〜るっ!!」
「さーっいえっ、さーっ!!」
 足を鳴らして、背筋を伸ばす。
 しかし松朱隊員もとい部員は、何故か前に出ていた他の二人の影になってしまい、目の前の隊長もとい部長に勝るとも劣らないそのまっしぶな身体がちっとも目立たなかった(ちなみに元ネタである「黒い三連星」のマッシュは、「隻眼」という設定のためか画面にほとんど映っていなかったとか)。
「はっ! この際エキジビジョンの余興だと誤魔化してっ、会場に乱入し、競技会を占拠するというのは――」
「おおっなるほどっ、それなら無理がない」
「正式に参加しなくても、余興のコーナーなら男子が出てもOKだ」
「乱入・占拠なら、黒タイツに黒マスクだな」
「すると掛け声は『さーっいえっ、さーっ!!』じゃなく、『ぃい〜っ!!』になるのか?」
「「…………」」

 ぎゅぽ〜んっ――!!(←モノアイ起動音) 「貴様ら……段取りを無視するなであああ〜るっ!!」

「さっ、さーっいえっ、さあぁっ!!」
 椅子を蹴倒して立ち上がるタイミングを逸したのが気に入らなかった?のか、憤怒の形相で部員たちに詰め寄る隊長もとい部長。
 あわてて直立不動の姿勢をとり、敬礼する松朱隊員もとい部員。そして以下全員。
「さーっいえっ、さーっ!!」
「さーっいえっ、さーっ!!」
「さーっいえっ、さーっ!!」
「ぃい〜っ!!」「「違うだろっ!!」」(←おおっ、やっとまともなツッコミが……)
「そういうことでしたら、このわたしにお任せ――」
……!!」
 女美川(終身名誉)部長は突然、オラオラオラアアアッと気圧されてびびりまくる彼らの中にいた小柄な白い人影を引っつかんで小脇に抱えると、そばにあった大きめの段ボール箱に詰め込みガムテープで封をして、駆けつけた宅急便のドライバーにそれを預け、走り去っていくトラックを敬礼して見送った。
「た、隊長っ……今のはいったい――」「訊くなっ!! であああ〜るっ」
「「さっ、さーっいえっ、さーっ!!」」
 そしてロッカーの下に蹴り込んだ名刺大(笑)の白い紙を、床との隙間に太い指突っ込んで必死こいて取り出すと、びりびりに引きちぎろうとして思い直し、とりあえず神棚に上げておく。
 以外と小心者だった(……)。
「た、隊長っ……それはいったい――」「だから訊くなっ!! であああ〜るっ」
「「さっ、さーっいえっ、さーっ!!」」



「ここはひとつ、メガパペットを使える女子を助っ人に招き、その者を我等元祖ロボTRY部の代理プレイヤーとしてエントリーするっ、というのはどうでありますかあああああっ!!」
「うむっ!! わたしもちょ〜ど今、それを考えていたのであああ〜るっ!!」
 副長のその提案に、女美川(終身名誉)部長はパイプ椅子にどかっと腰を下ろし、腕を組んで大きく頷いた。
 ほんとにおんなじこと考えていたのかはなはだ疑問だが、確かにそれが一番現実的な落としどころだろう。
「……だがしかぁしっ!! 我が元祖ロボTRY部に匹敵するような女子プレイヤーがいると言うのかっ、であああ〜るっ!!」
「おっ任せくださいいいっ!! 我等と同等以上の実力を持つ女子プレイヤーならっ、自分に心当たりがあるでありまあああすっ!!」
「うむっ!! では貴様に任せるであああ〜るっ!!」
 今は亡き「おいっす!」な名コメディアンのホイッスルに合わせるかのように、リズミカルな駆け足で部室を出ていく副長。
 そして待つこと数十分……
「隊長〜っ、知り合いの女子プレイヤーたちに事情を包み隠さず説明し、誠心誠意三顧の礼を尽くして協力を要請したのですがっ、『バカか』のひと言で速攻断られてしまいましたでありまあああ〜すっ!!」
「――っ!!」

 ぐっぎょいいいいいい〜んっ!!(←だから〇ンダムが立ち上がるときの音なんだってば)

 次の瞬間、女美川(終身名誉)部長は備品のパイプ椅子を蹴倒して仁王立ちになり、部室中に響きわたる大声で問いかけた。
「なぜだであああ〜るっ!! すでに申し込み期限が終わって……もといっ、何者だであああ〜るっ!? 我等に匹敵する実力を持ちながらっ、我が元祖ロボTRY部の協力要請を足蹴にするその不届き千万な女子プレイヤーどもはっ!!」
「はっ! それは白塁学園高校女子ロボTRY部でありまああああ〜すっ!!」

 ちゅどおおおおおおお〜んっ――!!

 副長渾身?の大ボケに、吹っとばされる部員たち。
 しかし女美川(終身名誉)部長はぐわっと目を見開いたまま、両の拳を力いっぱい握りしめて絶叫した。
「ぅおのれっ女子ロボTRY部っ!! 次の戦いが終わったらっ、その次こそ貴様たちを完膚なきまでに叩き潰し、全員従軍メイドさんとして我が指揮下に入れてくれるのであああ〜るっ!!」
「「さーっいえっ、さーっ!!」」
 ツッコミの神は死んだっ――と、ニーチェが言ったとか言わなかったとか(笑)。
 その時、

 ばたんっ――!!

 鍵をかけていたはずの部室のドアが勢いよく開き、小柄な白い人影が肩ではあはあ息させながら入ってきた。
 それは黒髪に白いワンピース姿の、小学生くらいの女の子だった。
 だが、何故か頭に「くい〇おれ太郎」のとんがり帽子をかぶり、顔にはこれまた「太郎」がかけているのと同じ黒縁の丸メガネ、右手に通天閣のデフォルメぬいぐるみを抱え、左手にパチモン銘菓「大阪バ〇ナ」の箱を持ち、ワンピースの上から阪神タイガースの縦ジマ応援ハッピを羽織って首から黄色と黒の鳴子メガホン(Wメガホン)をぶら下げていた――
「なんで……なんで宅急便で大阪くんだりまで連れてかれなきゃならないのよ……っ」
 つぶやくようにそう言うと、彼女はきっ! と顔を上げ、目の前のまっそー軍団をにらみつけた。「……ここまで邪険に扱われたとあっては、セールスレディの沽券にかかわりますっ!! こうなったら私の全身全霊全ての力を使って、あなた方のお悩みを完全完璧徹頭徹尾、隅から隅までずずずい〜っときれいさっぱり解決させていただきますっ!!」
 早口でそうまくし立てると、少女は両手を頭の上へ高々と持ち上げた。
 彼女の周囲を、キルリアン写真の必要もないほど目に見えてオーラが取り巻いた――
「そぉおおっ、れええええええ〜っ!!」

……!!」
 女美川(終身名誉)部長は突然、部員たちをかばうように前にとび出すと、両手を振り下ろそうとした少女の眼前に仁王立ちになり、両手でVサインを作って顔の前でクロスさせた。
 そして、裂帛の気合で絶叫したっ。

「ばりっ、やあああああああああああ〜っ!!」

「…………はひ?」

 一瞬の、思考の途絶。
 しかし、溜めに溜めて膨れ上がった “力” が制御を失って、明後日の方向へと暴走するには十分過ぎた――



 次の瞬間、元祖ロボTRY部の部室の天井を突き破り、まばゆい光の柱が天高く伸びた。
 光は雲を突き抜け、上空で弾けて四つの色の光球に分かれると、四方に飛び散った。
 赤い光は西へ。
 青い光は東へ。
 緑の光は南へ。
 紫の光は北へ――
 四つの光はそれぞれ緩やかな放物線を描いて、街のあちこちに落ちていく……
 …………………………………………
 ……………………
 …………
 そして……光の中で彼は幻視(み)た。
 四人の見知らぬ少年が、少女へと変貌していくさまを。

 赤い光に包まれた少年が苦悶の表情を浮かべる。その胸元がふっくらと盛り上がり、腰がくびれ、お尻が丸みを帯びていく。
 青い光に包まれた少年が頭を抱える。その短かった髪が一気に肩を越えて伸び、さらさらと流れるようになびく。
 緑の光に包まれた少年は内股になってズボンの前を押さえ、「なっ、なっ!? なくなっちゃうっ!!」と甲高い声で叫ぶ。
 そして、紫の光に包まれた少年の服が飴のように溶けて色を変え、ドレスと化して、美少女に変化したその身体を包んでいく――

 ――ああ…………あああ…………

 女美川(終身名誉)部長はいつしかその場に膝を折り、目から滔々(とうとう)と涙を流していた……




















「やはり行かれるのでありますかあああっ!! 隊長〜っ!!」
「うむっ、であああ〜るっ!!」
 部室の外で副長と部員たちに見送られ、女美川(終身名誉)部長は重々しく頷いた。
「わたしがばりやーしてしまったのが原因でっ、若き男子たちが熱き男魂(おとこん)の炎を奪われてしまったのであああ〜るっ!! わたしは彼等を探し出しっ、彼等の男魂を再び燃え上がらせなければならないのであああ〜るっ!! それがわたしの食材なのであああ〜るっ!!」
「「さーいえっ、さーっ!!」」
 はいはい、「贖罪(しょくざい)」ね……
 とにかく、変なスイッチが入っちゃった女美川(終身名誉)部長は、光の中で女の子に変わっていった少年たちを探す流離(さすらい)の旅に出ることにしたらしい。
 男の魂が再び燃え上がれば、彼等も絶対男に戻るはずっ。現に、男魂が常に燃え上がってる自分はあの妖怪娘に接近遭遇しても、女になってないのであああ〜るっ!! のだからっ――と、本人は固く思い込んで決めつけている。
「副長っ、あとを頼むであああ〜るっ!!」
 女美川(終身名誉)部長は悲壮感?たっぷりにそう言うと、着ていたモスグリーンのランニングの肩口をつかみ、思いっきり引き抜いた。
 もちろんメガパペットガールズフェスタへの参加のことなど、そのびっとなお脳の中にはこれっぽっちも残ってはいない(笑)。
「たっ、隊長〜っ!!」
「必ず戻るっ、であああ〜るっ!!」
 いつもの衣装を脱ぎ捨て、赤いシャツの上に袖を千切って肩当てをつけた黒紺色の皮ジャンを羽織り、両の手首にバンテージをぎっちり巻いた世紀末伝説な格好になると、ゆっくりと歩き出す。
 ちなみにどっち向いて行けばいいのか、実は本人、よく分かっていない(……)。

 それでも女美川(終身名誉)部長は行く――少女になった少年たちの元へと。

 その行く手の町並みに、何故か核の炎に包まれて倒壊したビルの廃墟と赤い砂塵、そしてク〇スタルキングのYOUはっSHOOOCK!!っな甲高い歌声がオーバーラップしたように……思えた(笑)。
「「…………」」
 去りゆくその後ろ姿に、いつまでも敬礼を送る部員たち。
 だが、女美川(終身名誉)部長は何かを思い出したかのようにふと立ち止まると、カメラ目線でくるっと振り向いた。
 そして――

「今度は貴様の街に行くかもしれないのであああ〜るっ!! その時は気軽に声をかけるのであああ〜るっ!!
 それではまたねっ♪ ……なのであああ〜るっ!!」
「「さーいえっ、さーっ!!」」

 暑い風の中、一枚の紙切れがふわりと舞い上がった。
 そこには、白地に黒いフォントで「ココロとカラダの悩み、解決します ――真城華代」 とだけ書いてあった……





 今回だけは、完璧に失敗でした。
 でも、まさかあの緊迫したタイミングで、「ばりやーっ」なんてボケかまされるなんて思ってもいませんでしたし。
 おかげで頭の中が一瞬真っ白になって、思わず脱力して腰砕けになっちゃって……う〜ん、私もまだまだ修行が足りませんね。

 だがしかぁしっ!! これで終わったわけじゃありませんっ!!

 こうなったら何がなんでもあのボケ筋肉……もとい、お客さまのあとを追っかけて、今度こそ依頼を完遂させてみせますっ!!
 そうっ、じっちゃんの――じゃなくて、セールスレディの名にかけてっ!!

 うおおおおおおおおおっ!! であああ〜るっですぅうううううっ!!



 何処かの特撮ヒーローもので見たような、崖の上(おそらくは埼玉県の某採石場。ここまで飛ばされてきたらしい)。
 仁王立ちになり、両の拳を握りしめて絶叫する華代ちゃんの背後に、筋肉ダルマの生霊?がオーバーラップしたように……思えた(笑)。


(続く……かも?)




 MONDOです。

 筋肉ダルマVS華代ちゃん、いかがだったでしょうか?
 「人の話を聞かない」「思い込みが激しい」「基本的に力業(ちからわざ)」などという共通点のあるふたり、決着は着かなかったようです。
 読んでいる途中で脳裏にいや〜なビジュアル(筋肉ダルマが華代ちゃんの力で……とかいうの)が浮かんだ方、残念ですがそういう展開にはなりませんでした(……笑)。
 え? 入れ替わってる? ……さ〜ど〜なんでしょ〜っ。

 「華代ちゃんシリーズ」は初期の頃に一回だけお話を書いたことがあり、実は今回でやっと二回目なのですが、華代ちゃん自身には拙作『ロボTRYシリーズ』でちょくちょくネタ的に出演してもらっているので、「まだ二回目?」という感じはあまりありませんでした。
 ていうか、前回もロボTRY絡みの話でしたし、今回はうちの筋肉たちが「主役」という……ああ、なんか我田引水。

 今回はステージコントのノリでお話を作ってみました。
 舞台は元祖ロボTRY部の部室から動きませんですし、同じパターンが繰り返されたり、宅急便で運ばれていった華代ちゃんが、次の瞬間大阪観光して戻ってくるとか……あ、よく誤解されていますけど、甲子園球場は大阪じゃなくて兵庫県にあります。(^^)
 おまけに今回はボケばかりでツッコミ不在……まあ書きにくいこと書きにくいこと。





 四つに分かれて街のあちこちに散っていった、華代ちゃんの力。
 果てしなき旅路を行く(笑)筋肉ダルマは、女の子にされてしまった少年たちに、はたしてめぐり会うことができるのか?
 そしてハカ〇ダーよろしく彼のあとを追う華代ちゃんは、今度こそお悩み解決を遂行させることができるのか?

 ……というわけで、次回「フレンチトーストは、フレンチ(料理)じゃない。」で、またお会いしましょう(――って、本気で続くのか?)。

2008.8.10 「SPEEDRACER」を見た。「マッハ号」っていうより、むしろ「クラッシュギア」? MONDO









































 白塁学園高校の芝生グラウンドでは、女子ラクロス部が紅白に分かれて練習試合の真っ最中だった。
「今度の対外試合は、かなり期待できそうね……」
 一進一退の白熱した試合を繰り広げる部員たちを見やり、ラクロス部の部長はそう言って微笑んだ。
 その試合が終わると、三年生は実質「引退」。かける意気込みもひとしおである。
「……特にあの三人組、いい動きしてるわね。でも、うちの部にあんな子たちいたかしら?」
「何言ってんですか部長。こないだだって『あの三人の胸がうらやましい。何食べたらそこまで大きくなるのよ』って、ぶちぶち愚痴ってたくせに――」
「な……っ!? そそそそんなこと言ったおぼえないわよっ!」
 隣にいた副部長の指摘に、彼女は顔を真っ赤にして、その(若干)ささやかな胸元を両腕で隠した。

 ぴぴーっ――!!

 相手チームがタイムをとり、審判役の部員がホイッスルを鳴らした。

「はああ……なんでこんなことになっちゃったんだろ……」

 ラクロス部のユニフォーム――赤地に白のラインが入ったポロシャツと膝丈スパッツ、チェックのプリーツミニスカートという格好に身を包んだ長身の女子部員が、手にしていたクロス(先端に網の付いたラクロス用スティック)を肩にのせ、ため息混じりにぽつりとそうつぶやいた。
 髪はボーイッシュなショートヘア。その整った顔立ちとメリハリの効いたプロポーション――特にGカップはあると思われる豊かな胸が目立つ。

「だよね〜。鍛えたところは、み〜んなこれになっちゃったし……」

 そばに歩み寄ってきたもうひとりの女子が、そう言葉を返して自分の胸――隣に立つ彼女に負けるとも劣らないその膨らみに手を当てた。
 同じくその長身をラクロス部のユニフォームに包み、長い黒髪を頭の高いところでポニーテールに結っている。

「まあまあ、なっちゃったものは仕方ないって。いまさら元に戻るとも思えないし……」

 アイガード(防護用ゴーグル)を額に上げ、クロスを振りながら駆け寄ってきた三人目の女子がふたりの目の前でスカートの裾をひるがえらせ、その場でくるっとターンした。
 セミロングの髪を襟元で束ね、何故か前髪で片目を隠している。上下に揺れてその存在を主張するたわわな胸……あまりに大き過ぎるので、襟元のボタンが留められないらしい。
 残りのふたりは肩をすくめ、呆れ返ったようにため息をついた。
「あなた……」
「すっかり順応しちゃってるわね……」

 ぴぴーっ――!!

 試合再開のホイッスルが鳴り響き、三人の顔に緊張感が戻る。
 ショートカットの女子がクロスを握り直し、あとの二人に振り向いた。「折亭賀、松朱、一転突破でいくわよっ……ジェット〇トリームアタック!」
「「おーっ!!」」

 嗚呼、灯台もと暗し……


右から折亭賀玲子、凱呀かおる、松朱恵美
人呼んで「ラクロス部、紅の(巨乳)三連星」(笑)

(END)

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