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シアワセのつづき

絵師:MONDOさん
作K


 季節は秋。読書の秋、食欲の秋、芸術の秋。そして学園祭の季節。
「志衣ちゃん」
 わたしは美紀ちゃんと一緒に学校に向かっている。
「準備は大変だったけど、もう学園祭本番だね」
 今日は学園祭の初日。わたし達の目に見えてきた学校の校門も学園祭用に装飾されている。
 その校門の所に見知った人がいた。
「春日さん、おはよう。ここで待っててくれたんだ」
「あらっ、おはよー。春日さん」
 わたしと美紀ちゃんが春日さんに挨拶した。
「はい。おはようございます。川村さん、小笠原さん。今日が学園祭初日ですね、と言う事はわたし達のクラスで作った自主制作映画の初上演日」
と春日さんが言うと美紀ちゃんが続けて行った。
「そう、うちのクラスの映画の上演初日。しかも志衣ちゃん主演!。どうです、主演女優の感想は・・・」
「ふふふ、川村さん。主演女優ですものね」
 そんな風に2人ともわたしをからかう様に言った。
「そんな・・・。主演女優だなんて、みんなに頼まれたからやっただけで・・・。そう言われると照れちゃうよ」
 実際、わたしは恥かしかった。『主演女優』だなんて、一年前まで男だった僕が・・・。
「相変わらず恥かしがり屋さんなんだから、志衣ちゃんは」
と美紀ちゃんにいわれてしまった。
「川村さん、小笠原さん。そろそろ教室に行きましょう。映画公開の最終準備しなければなりませんので」
 春日さんがわたし達にそう言った。
「うん、教室に行こう」
とわたしは答え、美紀ちゃんと春日さんと共に教室に向かった。
 そして、わたし・・・、川村志衣、主演映画が上映された。








○○年度学園祭・2年2組・自主制作映画
シアワセの強化装甲 〜シイ、がんばります!〜


ナレーション(以下「ナ」)
真っ暗で何も見えない。
「女の子」
ここはどこだ?何も見えない。僕は真っ暗な所に寝てるみたいだけど。ん、僕の声・・・?、女の子の声みたい・・・。んっん?。
「ナ」
 女の子が自分の声を確認していると、女の子が寝ている上の部分が開いた。そこで寝ていた女の子は上半身を起こして座わる形になって周りを見渡した。
 そこは自分の寝ていた箱の様なものが部屋の中心にあり、壁際には大型のコンピューターや機械が所狭しと置いてある部屋の中だった。
「女の子」
おじさん・・・、誰?



「ナ」
女の子の目の前には一人の白衣の男が立っていた。
「マスター」
僕の事はマスターと呼んでくれ、シイちゃん。さあ立ってくれ。
「ナ」
マスターと名乗った白衣の男は、女の子にそう言った。そして女の子は立ち上がりながら、
「シイ」
僕はシイなんて名前じゃないし、僕に『ちゃん』付けで呼ぶなんておかしいよ。
「マスター」
君は今日からシイちゃんなんだよ。この鏡を見て君の体を確認してみるがいい、『ちゃん』付けも当然なのが分かるだろう。
「ナ」
そう言ってマスターはシイの目の前に鏡を差し出した。



「シイ」
こっこれ、鏡だよね。と言う事はここにうつっている女の子は僕って事?・・・。
「ナ」
そう言うとシイは下を向いた。そこにはビキニの水着を着た女の子に体があった。シイは自分の胸の感触を確認するように胸に手を伸ばし触りながら言った。
「シイ」
なっ、何で僕が女の子になってて水着を着てるの?。むっ胸も本物だ・・・。
「マスター」
水着なのは気にしないでくれ、オールヌードには出来ないのでそうしたまでだ。
そんな事より、そうだ。僕が電車の中で寝ていた君を連れてきて女の子に改造したのだ。どうだ嬉しいだろう。
「シイ」
嬉しくなんて無い!。僕を何で女の子にするんだ、早く元男の体に戻してくれ。
「ナ」
シイはそう強い口調で言ったが、マスターは平然と言い返した。
「マスター」
そうはいかないな。君には僕の『世界制服』の為に働いてもらうのだ。
「シイ」
世界制服?
「マスター」
 そう、今の世の中は狂っている。僕の開発プランは中止になるし、給料は上がらないし、彼女は出来ないし。こうなったら僕が世界を征服して自分の思い通りにしてやろうと思ったわけだ。
 そして世界制服の第一歩として、女子高を制圧してそこの女生徒を人質にしようという訳だ。その為にシイちゃんの活躍が必要なんだよ。
「シイ」
何で僕があんたの世界制服を手伝わなくちゃならないんだ。そんな事断る。
「ナ」
シイは拳を握り締めマスターをにらみながら言った。
「マスター」
そんな事を言っていいのかな。僕の手伝いをしないと君は一生女の子のままだよ。
「シイ」
くっ。
「ナ」
マスターの言葉に言い返せないシイ。
「マスター」
 どうやら、僕の世界制服を手伝ってくれるようだね。じゃあさっそく女子高に行ってもらおう、もうすでに1人潜入している物がいる。『カスガ』と言う、彼女と合流してくれ。
 それから、君は女の子なのだから『僕』と言うのはよくない。『わたし』と言った方がいい、分かったねシイちゃん。
「ナ」
マスターの言う言葉ににシイはうなづくしかなかった。




「ナ」
殺風景で鏡だけ置いてある部屋の中、全身の映る大きなの前に女子高の制服を持って水着姿で立っているシイ。
「シイ」
 僕・・・、かわいいな・・・



「シイ」
あっ、何言ってるんだ僕は。女の子にされて喜ぶなんて。
「ナ」
そう言って首を振ったが、改めて鏡に映る自分の水着姿に見入ってしまった。
「シイ」
 色白の肌はすべすべで触り心地は最高だし、目はパッチリして可愛いし。この長い髪はサラサラして気持ちいいし。ほっぺや体はやらわかってプニプニしてて柔らかい。
「ナ」
そう言ってシイは鏡をのぞきこみながら自分の体中を触っていた。手に持っていた制服が落ちたのも気づかずに。
「シイ」
胸って柔らかくって・・・いいさわり心地でいい触られ心地・・・。僕、女の子にされちゃって胸があるけど、あそこは・・・。
「ナ」
そう言ってシイの手が動きかけた時、その部屋に備え付けてあったスピーカーからマスターの声がした。
「マスター」
シイちゃん。もうすぐ登校時間だが準備は出来たかな?。
「シイ」
はっはい。今すぐ準備します。
「ナ」
と言ってシイは床に落とした制服を取り上げいそいそと着替えをした。つもりだったのだが・・・
「シイ」
こっこれは・・・メイド服。鏡に映ってるのはかわいいメイドさんで・・・、僕自身・・・。
「ナ」
シイは自分の落とした女子高の制服の隣に落ちていたメイド服を着ていたのであった。
改めて鏡の前に立ったシイは鏡に向かってニコッと笑ってみた。
「シイ」
これが僕・・・うんん、わたし・・・。
「ナ」
しばらく、ボーっと鏡に映る自分が女の子になったメイド姿に見とれていたが、
「シイ」
はっ、こんな事をしてる場合じゃない・・・。早く学校の制服に着替えて登校しなくっちゃ。
「ナ」
シイは急いで着替え学校に向かった。



「ナ」
 長くつづく学校の廊下をシイは担任と紹介された女の先生の後につづいて歩いている。



「シイ」
水着の次は女子高の制服・・・。スカートってひらひらして心もとないけどひざに触れる感じは心地いいし、長い髪の毛も首筋にサラサラ触れていい感じ・・・。
「先生」
何か言った?、シイさん。さあここが今日からのあなたの教室ですよ。
「ナ」
そう言われて先生につづいてシイは教室に入った。そして、教壇の上に立ってクラスメイトに紹介された。
「先生」
シイさんです。席はミキさんの隣が空いてましたね。
「ミキ」
はーーい、あたしの隣があいてまーーーす。
「先生」
あの騒がしい子の隣でがあなたの席です、シイさん。
「ナ」
そう先生に言われたシイはミキの隣の席へついた。



「ミキ」
よろしくねシイちゃん。あたしの事はミキって呼んでね。
「シイ」
よろしく、ミキ・・・ちゃん。
「ミキ」
あたしの事を『ちゃん』付けですか、シイちゃん育ち良さそうだもんね。仲良くしようねシイちゃん。
「シイ」
仲良くか・・・。でも僕・・・あっわたしこの学校を征服するために来たんだよね。
「ナ」
そう、ひとりつぶやくシイであった。




「ナ」
そして休み時間になった。シイは慣れない学校なので自分の席に座っていると声をかけられた。
女の子
シイさん
シイ
ハイ、あなたは。
「ナ」
シイは声をかけた女の子を見上げた。



「カスガ」
わたしがカスガです、よろしく。
「シイ」
あっ君がマスターから聞いた・・・。
「ナ」
シイにそう言われて、カスガはコクリと無言でうなづいた。そのカスガにシイは声をひそませて聞いた。
「シイ」
もしかして、君もマスターに改造されて地球制服の手助けを?
「カスガ」
いいえ、わたしはアルバイトでマスターの手伝いをしています。
「ナ」
そう答えたカスガに何で?と言う口調でシイは改めてカスガに聞いた。
「シイ」
アルバイトで世界制服の手伝い?
「ナ」
しかし、カスガは平然と答えた。
「カスガ」
お金は大切な物ですよ、シイさん。お金が無かったらとっても困るでしょう。
そんな事よりマスターからは、しばらくは普通に学校生活を過ごせとのことでした。
「シイ」
アルバイトで世界制服の手伝いねぇ・・・。
「ナ」
そうシイがつぶやいた時、ミキともう1人の女の子がシイ達に地が近づいて来た。
「ミキ」
ねえ、シイちゃん家に行っちゃダメかなー。マコもシイちゃん家見てみたいって。
「ナ」
そう言われたシイは慌てて答えた。
「シイ」
そ、そ、それはダメ。実は家はえー、そのー。
「カスガ」
シイさんの御宅は引っ越されたばかりで大変でしょうから、また今度の機会にした方がいいんじゃないですか?
「ナ」
慌てて答えになっていないシイに替わってカスガが答えた。
「マコ」
うーん、カスガさんの言う通りね。シイさんの部屋を見せてもらうのは今度にしましょう。
じゃあ、その代わりに明日の日曜日お買い物に行かない?。いい情報仕入れたんだけど。
「ナ」
シイの慌てようから悪いと思ったのか話題ががらっと変った。
「ミキ」
お買い物もいいね。ね、シイちゃんも行くでしょう?
「シイ」
うっうん。
「ナ」
元気よくミキにさそわれ、その勢いにつられシイは思わずうなずいていた。
「マコ」
カスガさんも行くよね。じゃあ、明日の日曜日、駅前に10時集合。大量に買い物した時に備えて全員大き目のカバン類持参の事。
「ミキ」
はーーーーい。
「ナ」
という事で明日の日曜日は女の子同士4人でお買い物に出かけることになった。




「ナ」
そして日曜日。駅前に集合した後、電車に乗るって3駅移動しすでに駅から出て大きな道を4人は歩いていた。



「カスガ」
ところで、マコさん。今日は何を買いに行くのですか?
「マコ」
まだナ・イ・ショ!。大丈夫、女の子ならいくら有っても困らないものだから。
「ミキ」
何だろーねー。楽しみだねシイちゃん。
「シイ」
うっうん。(でもマコちゃんの『女の子なら』ていうのがちょっとひっかかるな)
「ナ」
などと話しながら行くとあるデパートが見えてきた。
「マコ」
あそこのデパートよ。さあっ行こう。
「ナ」
そして4人はデパートの中に入りエスカレーターで階を昇っていった。
「シイ」
あれっ、今。大展示場・・・開催中?。まさか・・・。
「ミキ」
どうしたのシイちゃん。
「ナ」
と言った時、目的地の階に到着した。
「マコ」
ここだよ。
「シイ」
最大規模、女性下着類大セール・・・。こんなのやってるの?
「ナ」
シイは天井にかかっている看板を読んだ。そして、その階を見渡すとカラフルでいろいろな種類の女性下着があふれかえっていた。
「ミキ」
シイちゃん、あっちにかわいいのあるよ。いこー。
「ナ」
シイはミキに手を引かれ女性下着の林の中を進んで行った。
「シイ」
ぼ、僕がこんな所にいて・・・、僕が・・・。
「ミキ」
シイちゃん何言ってるの?、これなんか可愛くてシイちゃんにぴったりだよ。ところでシイちゃんブラのサイズは?。
「ナ」
そう言ってシイの服の上にうすいピンクのブラジャーをあてがった。
「シイ」
ななな、何を・・・。
「カスガ」
女の子はちゃんと自分に合ったサイズの下着を着けないとだめですよ。
「ミキ」
そうそう。あれーー、もしかしてシイちゃん自分のブラのサイズ知ら無いのー。あっ店員さーーーん。この子のブラのサイズ計って欲しいんですけど。
「シイ」
ひゃっ。(何で僕が自分のブラジャーのサイズを計ってもらわなくちゃならないんだ!?)
「ナ」
こうして女子高生4人組みは、この日曜日をデパートでお買い物をして楽しんだ。




「ナ」
そして、翌日の月曜日。時間は2時間目と3時間目の間の休み時間。
「シイ」
何か僕、悪い事してるみたい・・・。
「ナ」
次の授業が体育なので女の子達の着替えが展開されていた。この光景にドギマギしているシイは席に座ったまま、下を見たり周りを見たりを繰り返していた。
そのシイに体育着に着替え終わったカスガが近づいて来た
「カスガ」
シイさん。次の授業中にマスターがロボットに乗ってこの学校に来るので、それに呼応してくれ。と連絡がありました。
「シイ」
え?
「ナ」
シイは険しい表情でカスガを見上げた。
「カスガ」
よろしくお願いします。
「ナ」
それだけ言うとカスガは去って行った。入れ替わりにミキとマコがやって来た。
「ミキ」
シイちゃん、早く着替えないと次の体育に遅れちゃうよ。
「シイ」
うん・・・。
「マコ」
早く!
「ナ」
ミキとマコに急かされてシイは着替えて校庭に出た。




「ナ」
体育の授業は長距離走だった。シイはミキと一緒に走っていた。
「シイ」
あっ、カスガさんだ。ミキちゃん、わたし先に行くね。
「ミキ」
シイちゃーーん。行っちゃった。真面目なんだからシイちゃんは、ハ、ハ、あたしはもうダメ・・・」
「ナ」
そしてシイは前を走っていたカスガに追いついた。
「シイ」
カスガさん。本当にこの学校をマスターに征服されてもいいの?
「カスガ」
・・・
「シイ」
昨日のお買い物はカスガさんも楽しんでたよね。アルバイトの、お金の為なんかにこの学校を征服されてもいいの?
「カスガ」
・・・
「ナ」
カスガはシイに答えず黙々と走っている。
「シイ」
カスガさん、君は。
「カスガ」
そう言うあなたはどうなの?、マスターに女の子にされたんでしょ。マスターに逆らったら困るのはあなたの方でしょ。
「シイ」
うっ・・・。
ゴゴゴゴゴーーーーー。
「シイ」
なっ、あれは・・・。
「ナ」
 その時、上空から巨大なものが校庭に降下してきた。
 それはゴリラの様に大きな上半身を持ち円筒形をつなぎ合わせた様なフォルムを持つロボットであった。そしてその3階建ての校舎と同じ位の大きさをの巨大ロボットが校庭に着陸した。
キャーーーーーー
「ナ」
校庭を走っていた生徒が走って逃げ出したが、そのロボットが手を伸ばし1人の女の子をその手に掴んだ。
「シイ」
あっミキちゃん!
「ミキ」
キャーーーーー
「ナ」
その巨大ロボットの手に捕まったのはミキだった。そのてミキを手に掴み校庭に立っている巨大ロボットからマスターの声が響いた。
「マスター」
はーーははは。この学校はこの僕、マスターが占領する。しかーーーし、ここの占領は僕の世界制服の第一歩に過ぎないのだ。この巨大ロボット・RXMS-0678グランドマスターさえあれば世界制服なんて簡単な事だ。さあ、シイ、カスガ。僕が指示する通りにして、この学校を完全に占領するんだ。
「ミキ」
キャーーー、助けて!。
「シイ」
・・・。
「ナ」
シイはマスターの巨大ロボットの手に捕まれたミキを見つめたまま黙っていた。
「マスター」
どうした、シイ。
「ナ」
シイはいったんうつむき目を閉じた。それから顔を上げ巨大ロボ・グランドマスターをにらみ付けた。
「シイ」
・・・僕はマスター、あなたの命令に従わない!。僕なんかの為にこの学校や、大切なお友達をマスターの勝手にはさせない!。
「カスガ」
マスター、わたしも気が変りました。この学校やここりお友達が好きになってしまいました。
「ナ」
シイにつづいてその隣にいたカスガが言った。
「マスター」
こんのーーー。僕を裏切ってくれたな。そんなにこの学校が大切ならこのグランドマスターで壊してやる。
「シイ」
ああは言ったけど僕はどうすればいいんだ。
「ナ」
そうシイがつぶやいた時だった。
「カスガ」
シイさん!、マスターを・・・あのロボットをやっつけましょう。あなたを改造したときに戦闘用強化パーツもマスターは用意していたんです。それを今からシイさんに装着する用意します。いいですね。
「ナ」
カスガはそう言うとどこかからノートパソコンを持ち出し、PCカード一体型64k対応PHSをそれに差込みキーボードをたたき出した。
「シイ」
うん。そんな強化パーツがあるなら頼む!。
「カスガ」
了解しました。今から始めますフルアーマーシステム転送システムにアクセス。・・・アクセス承認!。ドラーーーーイブ!。
「シイ」
あっ
「ナ」
その時シイの体の周りが光り出してその光りが体全体を包んだ。
「カスガ」
転送率81・85・98・100%。転送完了。ナビゲーションシステム・フルアーマーシステム間リンク確認!
「ナ」
シイを包んでいた光が徐々に弱まっていき、シイの姿が見えてきた。



「シイ」
これが強化パーツ・・・。
「ナ」
シイは両手の手のひらを自分の顔に向け自分の体を確認しながら言った。
「カスガ」
そうです、フルアーマーモード。通称無敵戦闘モードです。
「シイ」
わっ、びっくりした。カスガさんの声がいきなり僕の頭の中に響いた。
「カスガ」
はい。わたしのシステムはフルアーマーに直結しているのでシイさんの頭の中に直接情報伝達して、わたしが状況等をナビゲーションします。
「ナ」
そう言ったカスガはいつのまにかインカムを装着していた。
「カスガ」
さて、まずは美紀さんを救出しましょう。作戦は・・・。
「ナ」
そう言ってカスガはキーボードをたたき出した。そしてカスガの入力した作戦情報がフルアーマーリンクシステムによってシイの脳裏に伝達される。
「シイ」
了解!
「ナ」
そう言うとシイはグランドマスターに向かって走り出した。
「マスター」
くっそーーーー。僕を裏切ったばかりか無敵戦闘モードまで使うとは!。しかし、向かってくるとは飛んで火にいる夏の虫。たたーーーきつぶしてやる。
「ナ」
そう言うとグランドマスターはミキを掴んでいない左手のを、自分に向かって走ってくるシイに拳を振り落とした。
「シイ」
敵、行動予測・・・。パンチをくぐりぬけて飛ぶ!。
「ナ」
シイそうつぶやいた。そしてグランドマスターの左パンチを身をかがめてダッシュしてかわすとミキを掴んでいる右手に向かってジャンプした。
「カスガ」
フットバーニア、出力on!
シュバーーー。
「ナ」
跳躍したシイはグランドマスターのミキを掴んだ巨大な左手に着地した。
「ミキ」
あっシイちゃん。
「シイ」
今助けるからね。ん!
「ナ」
そう言うとシイはミキを掴んでいる巨大な手を強引に広げた。
「シイ」
さあ、僕につかまって抜け出して。
「ミキ」
うん。
「ナ」
ミキはシイにつかまって巨大な手から抜けだした。そしてシイはミキを抱いて言った。
「シイ」
ミキちゃん、僕につかまってね今から、地上に降りるから。
「ナ」
と言うとシイはミキを抱いたままジャンプして地上に降りた。
「ミキ」
シイちゃんありがとう!。
「シイ」
美紀ちゃん、早く逃げて!
「カスガ」
シイさん後ろ!
「ナ」
ミキがシイから離れた時、カスガの叫び声がシイの頭の中に響いた。
「マスター」
これでもくらえーーーー!
「ナ」
と言うマスターの声と共にグランドマスターの巨大な拳をシイにたたきつけた。
ガキーーー!ドーーーーン!
「シイ」
くっ、今のはきいた・・・。
「ナ」
シイはふっ飛ばされて校舎にたたきつけられしゃがみこんだ。そのシイに向かってグランドマスターが接近して行く。
「マスター」
もう一発、このグランドマスターのパンチをくらえーーー。
「カスガ」
シイさん。左手をマスターに向けて!
「シイ」
えっ
「ナ」
グランドマスターはシイの目の前まで接近していた。
そして、シイは訳がわからないままにカスガの言う通りグランドマスターに手を向けた。
「カスガ」
ミサイル発射!
パシュー!パシュー!パシュー!
「ナ」
シイの左手から、両腰部からミサイルが発射された。ドドーーンという音と共にグランドマスターに着弾した。
「マスター」
はっははは。この程度の攻撃はきかんわ、さてとどめを・・・。ん?、動かん。しまった、今のミサイルはスパーク弾。
カスガ
そうです、今のはスパークミサイル。このミサイルは外見損傷が無くても着弾時のスパークでコンピューターに損害をあたえる物です。これでグランドマスターはしばらく動けません。
シイさん。こちらも先ほどのパンチで損害がありますので必殺技を出します、いいですね。
「ナ」
そう言うとカスガはノートパソコンのキーボードをたたき出した。そしてその内容はシイの脳裏に直接伝達される。
「シイ」
了解!はっ!
「ナ」
そう言うとシイは立ち上がった。そして、ひざを軽く曲げると今度は大きくジャンプした。
「マスター」
くっ、動け!。動かんかグランドマスターーー!
「シイ」
よーーーし。プラズマ・ブレーーーーク!
「ナ」
グランドマスターの上空に位置しながらそう叫ぶと、シイの周りの空間でバチバチと火花が散り出した。
「ミキ」
敵グランドマスター、リサーーーチ。ウィーークポイント照準セーーット。今ですシイさん!
「シイ」
よしっ。行けーーーー!
「ナ」
そう言うとシイは火花をまといつつ、グランドマスターのサーチ結果の弱点にむかって急降下を始めた。
「マスター」
くっ動け、あっ動い・・・。あっあれは。
「ナ」
その時、シイを包んでいた火花は大きなひとつの光りの玉になっていた。
「シイ」
プラズマ・スパーーーーク!
「ナ」
その光りがグランドマスターの寸前まで来た時、中にいたシイは急上昇して光りの玉から離れた。
そして、光りの玉はそのまま直進しグランドマスターに直撃した。
「マスター」
うわーーーーーー!
ドカーーーーーーン!
「ナ」
爆発音と共にあたりは煙に包まれた。そしてしばらくし煙が薄れてきた中で・・・、
「マスター」
ごほっごほっごほっ。まったく大変な目にあった。せっかくの僕の世界制服、給料上昇の計画が・・・。
「ナ」
その時、マスターは薄れ行く煙の中自分の眼前の人影に気がついた。
「マスター」
かっカスガ!
「カスガ」
マスター・・・、御仕置きです。
「ナ」
そう言うとカスガはマスターにスタンガンの様な物を突き付けた。
バチバチバチーーーー
「マスター(幼女)」
いったい、なにをぼくにちたんだ?。あでっ?ろれつがまわらな・・・あーーー。ぼくがちいたな女の子にーーーー!?
「ナ」
マスターは小さな女の子の姿になっていた。そこにシイもあらわれた。
「シイ」
この姿なら悪い事も出来ないよ、マスター。
「マスター(幼女)」
えーい。こんな事でぼくのやぼうはなく無らんのら。今日のところはこんなところでみのがしてやロー。
ちょくん、またあおーーーー。
「ナ」
そう言うと幼女姿のマスターは逃げて行ってしまった。
「カスガ」
あっマスターに逃げられてしまいました。シイさんがこれでは元には戻れなくなります追いましょう。
「ナ」
そう言って走り出そうとしたカスガの腕をシイはつかんで横に首を振った。
「シイ」
今のマスターを捕まえても簡単には元には戻してくれないだろう。このままでいいよ僕は。この学校も気に入ってるしいい友達もいるし、ね!。カスガさん。ミキちゃん。



「ナ」
そして……
「ミキ」
ほらっ、シイちゃん、もっとちゃんと寄ってくれないと入らないよ〜
「シイ」
で、でもミキちゃん……、真ん中なんて……恥ずかしいよ、僕……
「カスガ」
シイさん、あなた女の子――それも女子高生なんですから、もう『僕』 なんて言い方は卒業ですよ
「シイ」
かっ、カスガさ〜ん……(赤面)
「ミキ」
それじゃあ、撮るよ〜っ!






「シイ」
僕・・・わたしは今の生活はシアワセだと思います。
たぶん・・・。

















キャスト



「シイ」・・・・・・・・・・・・・・川村志衣

「ミキ」・・・・・・・・・・・・・・小笠原美紀

「カスガ」・・・・・・・・・・・・・春日玲子

「マコ」・・・・・・・・・・・・・・栗田真子

「マスター」「マスター(幼女)」・・・寺門まこと(二役)特別出演





スタッフ



「絵師」「原案」・・・・・・・・・・MONDO

「タイトル」・・・・・・・・・・・・Yone'z(米津)

「脚本」「原作」「監督」・・・・・・「K」









 そして、わたし達の作った映画の上映が終わった。
「いやーーー、志衣ちゃん。笑い有り、涙有りの感動の作品だったね」
「いや、荒唐無稽なハチャメチャストーリーだったんじゃない」
 美紀ちゃんが言った事に真子ちゃんが答えた。わたしも真子ちゃんの言う方が正しいと思う。
「あと川村さん。最近また、きれいになったんじゃないですか?。今の映画を見ていて思ったのですが」
と今度は春日さんにわたしは声をかけられた。
「そう言ってくれると嬉しいわ、わたし」
「あっ志衣ちゃん、素直に喜んでるね。前はこんな事言うと顔真っ赤にしてはにかんでたのに」
 そう、前のわたしは『きれい』なんて言われる事に恥ずかしさを感じていたけれど、わたしはもう女の子として生きて行く事に決めたんだもん。女の子としては『きれい』とか『かわいい』と言われたら嬉しいもんね。
「さては志衣ちゃん。彼氏が出来たのかな?」
「へ?」
 その美紀ちゃんの問いにはびっくりしてしまった、わたしが彼氏を作るなんて考えた事も無かった。でも、わたしはもう女の子だから好きになるのは当然男の子!?。
「川村さん、男の子を好きになるのは女の子として当たり前の事ですよ。隠す事無いですよ」
「そうそう隠したり、恥かしがる事無いよ。志衣ちゃん」
 わたしが彼氏の事で返事に詰まったのを春日さんはわたしが彼氏の事を隠そうとしていると思った様だ。美紀ちゃんもそう思っているみたいだ。
「わたし、彼氏なんてまだいないし。まだ男の子を好きになるには・・・」
とわたしが言いかけたとき、わたしは背中をたたかれたので振りかえった。
「あっマスター・・・、じゃなかった寺門主任。今日はわたしたちの映画上演初日にわざわざ来てくれたんですね。今回の映画はご協力ありがとうございました」
とわたしが言うと美紀ちゃんと春日さんも、
「マッスター。名演技でしたよ。ありがとー」
「寺門主任さん、この度はご協力大変ありがとうございました」
と言った。その時、
「あれーーー、あたしロボット格闘のある最後のシーンは出番が無いから居なかったんだけど・・・。マスターって三十ぐらいの男の人だったよね」
と真子ちゃんがわたし達に言った。
「そうだよ、真子」
と真子ちゃんの問いには美紀ちゃんが答えた。
「でも・・・あっ、そういえば・・・。今日の校舎が一部壊れてたり、校庭に大きな足跡があったり・・・。ウチのクラスの映画のロボットとか、空中に飛んだりするシーンは特撮じゃ・・・なく?、まさか!?」
「とくさつなんて、とんでもないでしゅよ。ぜんぶじっちゃですぅ」




 幼女姿でエプロンドレスを着たマスターが答えてくれました。





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