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ひなた:「じゃあね、みんな・・・・・・」
剛:「・・・・・また、な。」

 O・H・Cが終わって6日後、俺達家族は和也と理奈と灯が向こうに帰る日程に合わせて一緒に帰る事にした。そんで今、空港にはひなたと剛が見送りに来ている。

奈緒:「二人共、元気でな!」
浩:「あまりオジィ達にに迷惑かけるなよ?」

剛:「分かってるさ浩兄。」

ひなた:「理奈ちゃん、灯ちゃん・・・・・・(涙目)」
理奈:「・・・・うん。また沖縄に来るからね。」
灯:「あ、そうだ。どうせなら私がひなたちゃん達を向こうに呼んじゃおうか?」

和也:「いやいや、こいつらにもここに親とかダチがいるだろうが。」
灯:「んじゃその人達全員まとめて呼んじゃう?」
和也:「だからやめとけって。」




奈緒の憂鬱
第九話:別・思・入
作:SAYA





 別れを惜しむ俺を余所に、和也達(主に理奈と灯)は余程別れたくないのか、逆にひなた達を向こうに呼ぼうとしていた。実際灯ほどの権限があれば可能だから性質が悪い。ちなみに和也と理奈は今、旅行中で三泊四日だったはずだが、宿泊していたホテルのスポンサーが灯(の父)だった為、灯の権限でホテルの宿泊期間を延ばしてもらったらしい。職権乱用だ。

 ちなみにあの大会『O・H・C』その後なんだけど、あれから結構大変だった。いやマジで。


 和也が糸数に殺られ、そしてそれを見た理奈が切れて暴れまわったあげくホテルのほとんどが半壊し、理奈が起こした台風モドキで他の放送局のレポーターがやって来たり。その理奈を元に戻す為にわざわざ意識を取り戻した和也を台風モドキに放り込んだら、さらに和也がズタボロの雑巾みたいになった(母さんの処置と和也自身の回復力により5時間で全快したけど)。

 理奈によって巻き込まれた他の参加者や一般人を俺と兄さんと剛で急ピッチで回収し、怪我した人は母さんがまとめて処置していたがその母さんの格好(スケスケナース服&青のビキニ)を嘗め回していた輩(怪我人含む)を父さんが何だかよく分からない容疑で逮捕したり。

 そしてその騒ぎによって地元の警察が来たが、その際灯と父さんが警察と『丁重な話し合い』をしてきた為、マスコミには大きな騒ぎにはならなかった。少なくともテレビの記事には流れていない。

 ちなみにそのテレビのアナウンサーが久保寺さんだった事はちょっとびっくりした。

 そして明けた翌日から昨日まで、ひなたと剛の案内によって沖縄観光を満喫した。




《浦添:首里城》

理奈:「和也、和也!シーサーシーサー!!」 門のところにある芝生で作った大き目のシーサーを指差す理奈。

和也:「いや、入る前からそんなにテンション上げられても・・・・・」

灯:「今度はここで(ゴニョゴニョ・・・・・・)」

奈緒:「・・・・・・また何企んでんだ灯?」

藍:「よいやさよいやさ。」
祐貴:「だんちょねーだんちょねー♪」

剛:「・・・・・・どこだよ?」    少なくとも沖縄ではないと思うが・・・・・・


《玉城:玉泉洞、王国村(おきなわワールド)》

 『鍾乳洞』

藍:「わぁ〜〜!大きいしょうにゅうどうだねお兄ちゃん♪」

祐貴:「こっそり持って帰ってもいいかな?」

浩:「ダメに決まってるだろ。って藍もそんなにベタベタ触るな!」  軽く二人の頭を叩く。

藍・祐貴:「「ううう〜〜〜〜!」」

奈緒:「う〜〜、じゃない。(笑)」

ひなた:「いつ見てもこの鍾乳柱はすごいよね。」

和也:「歴史遺産だな。」

灯:「う〜〜。コレクションにしたい・・・・・・・」

理奈:「どんだけブルジョアなのよ・・・・・・」


 『ハブとマングースのショー』

理奈:「ハブとマングースの戦いって競泳なのね。バトル(死闘)だと思ってたのに・・・・・・」

和也:「そっちも見たかったけどなー。でもそれだとどちらかが確実に死ぬぞ。」

奈緒:「そうなったらいっぱい補充しないといけないしね。」 あ、やべ。微妙に女言葉になってる?

剛:「・・・・・つか動物愛護法で決められた事だから無理なんだけどな。」

灯:「何なら私が両方取り次いでバトルさせようか?」

ひなた:「灯ちゃん。それは止めた方がいいと思う・・・・・・」  あ、視線を逸らした。どうやら(バトルをしている所を)見た事があるらしい。


《石川:美ら海水族館》

『黒潮の海:ジンベイザメ』

 ───────────────ドン!

灯:「きゃあ!?」  突如目の前に現れた(強化ガラスにぶつかる)ジンベイザメに驚く灯。メズラシイ。

和也:「・・・・っておい。このサメ、動かなくなったぞ?」  ピクリともしない。あれ?

奈緒:「『返事が無い。ただの屍の様だ』。」  なんとなく言ってみた。

剛:「死ぬかアホ。これは気絶してるだけだ。・・・・・・多分。」  いや、さっきから動く気配が無いんですけど・・・・・・

 『ウミガメ館』

藍・理奈:「「可愛い〜〜♪」」 悶える二人。灯は写真を撮っている。

祐貴:「・・・・そういう姉ちゃんのかm・・・・・・」  じっと俺の(?)を見る祐貴。

奈緒:「・・・・・・・。」

 ドゴン!!

祐貴:「・・・・・・きゅう。」  バタリ。

奈緒:「・・・・・・・そう言うと思った。」 祐貴が全部言う前に撃沈してやった。全くもう・・・・・・

剛・浩:(危ねえ×2・・・・危うく口走るところだったぜ。)

※:それを言うと奈緒に殺されます。男女問わず。

 『熱帯魚の海』

奈緒:「・・・・・何やってるんですか、比嘉さん?」

比嘉:「・・・・・・・・・。」 ダイバースーツに身を包んだ比嘉さんが泳ぎながら熱帯魚達に餌を上げていた。そして器用に何かジェスチャーしている。

浩:「何々、え〜っと『どう?惚れ直したかい奈緒ちゃん?』・・・・だと。」 比嘉さんのジェスチャーを読み取った兄さん。

奈緒:「ん〜と、とりあえず『死ね!』」  親指を下に向ける。

比嘉:「・・・・・グハァ!!」 すると突如比嘉の背中にある酸素ボンベが爆発し、ドザエモンの状態で比嘉さんは水面へと上がっていった。

剛:「はんまよ。魔女がいる!」
ひなた:「魔女だね。」
浩:「やさや。」

奈緒:「誰が魔女だ!」

理奈:「っていうか大丈夫なのあの人?」

 和也;「熱帯魚達に身包みはがされてるし・・・・・・・」

灯:「あ、何故かさっきのジンベイサメまでやってきたよ?」

比嘉:「っ!? ぬぉぉぉおおおおおおおおおおぅ!!!?」 気が付き、ジタバタして逃げ出す比嘉。

観光客全員:「おおう!!」


 そして何故かその後を追うジンベイザメ。そしてその比嘉とジンベイザメの後を追う熱帯魚達。これはコントか?

理奈:「・・・・・・っていうか助けなくていいの?」

和也:「・・・・・・先日その本人をボコボコにした奴が言うセリフかよ。」


 俺達とその周りにいた人達が呑気に話し合っていると、逃げていた比嘉が疲れ果てて熱帯魚達に捕まりその身体に纏わり付いてきた。そして、

比嘉:「う、うわぁ!? ちょ、ちょっと待てお前(魚)たち! 話せば分かるって!」


 ガブガブガブガブ・・・・・・×無限。


比嘉:「グワァァァァァァwwww・・・・・・・!!」<


 健闘空しく、全身に纏わり付た熱帯魚たちが比嘉を食い荒らしていった・・・・・・


灯:「あ、喰べられた・・・・・・。」

剛:「ていうか、魚相手に話なんか通じないだろ?」

浩:「剛、比嘉が何言ってるのか分かったのか?」

剛:「いや、単なる読唇術。」

和也:「それはそれで凄いな〜〜。」

理奈:「・・・・・だから助けなくていいの?」

 その後、比嘉はバイト先の同僚の手によって助けられたとか、手遅れだったとか・・・・・・・・・


 『W・C(女子トイレ)』

理奈・灯・ひなた・奈緒・藍:「ふ───────。」 用を足し、一息入れる女の子一同。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、ちょっと待て。


奈緒:「何で俺、自然に女子トイレに入ってんだ!?」 迂闊だ。

理奈:「あ、そういやそうだったわね。」

ひなた:「でも気にしないよ?だって奈緒、戸籍上一応女の子でしょ? 指輪して(男の状態)ても別に気にしないし。」

灯:「うんうん。」

藍:「お姉ちゃんは立派な女の子だもん♪」

奈緒:「お前らな───────(疲)」  ごめん。何か泣けてきた。


 《ジェフ(沖縄独特のファーストフード)》

ひなた:「ここのオレンジジュースが絶品なのよね──♪」

剛:「・・・・・俺にとっては甘いだけのジュースなんだけどな。」

和也:「んーっと。じゃあ俺、ソーキバーガーのセット。」

浩:「俺は定番のゴーヤー(バーガー)セットのポーク(ランチョンミート)ダブルで。」

理奈:「わたしはタコミートサンドのセット。」

灯:「クロワッサンサンド単品をでお願いします。」

奈緒:「ん〜〜、じゃあ僕はテリヤキ『マ○ク』バー・・・・・」

剛・浩:「「ねえよ!!」」  俺が言い終わる前にダブル突っ込み。

灯:「・・・・・奈緒ちゃん。ここは『マ○ク』じゃないよ?」

奈緒:「あ・・・・・・・(赤面)」

理奈:「奈緒はこういう所は天然なのよね・・・・・」

浩:「奈緒。ちゃんとメニュー、見ような。」  っと俺にメニューを見せる兄さん。

奈緒:「うう・・・・恥ずかしい!!(真っ赤)・・・・・・ぬーやるバーガーで。」

店員:「か、かしこまりました・・・・(苦笑)」   笑われた。


 別車に乗っている俺の家族達の場合────────────

祐貴:「俺は『メガマ○ク』のセット!!」

藍:「藍はね、『チキンフィレオ』!」

麻奈華:「じゃあ私は『ソーセージエッグマフィン』を頂こうかしら?」

店員:「・・・・・も、申し訳ございませんお客様。ここは『マ○ド○ルド』じゃございませんので無理です(苦笑)」

祐貴・藍:「・・・・・・・・・・?」 分かってない双子。

麻奈華:「アラ・・・・・?」  母さんまで分かってないらしい。

戎壱:「麻奈華、藍に祐貴。ちゃんとメニューを見ような。」  苦笑してメニューを見せる父さん。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


和也:「・・・・・・まごうことなき奈緒の家族だな。」

理奈:「・・・・・・そうだね。」

灯:「浩さんはお父さん似・・・・ですね(笑)」

浩:「ああ・・・・・・・」

奈緒:「・・・・・・悪かったな。母親似で・・・・・(真っ赤)」

ひなた・剛:「あ、真っ赤になった。」

奈緒:「う、うっさい!(真っ赤)」


《北部:金剛石林山》

和也:「金剛・・・・って、確か『ダイヤモンド』だったよな?」  ゴクリっと喉を鳴らす。

剛:「・・・・・・削って持って行こうとするなよ?」

和也:「だ、誰もそんな事するとは言ってない!!」  と言いつつ手を後ろに回す和也。コラ、何を隠した。おい・・・・・

灯:「というかそんなに価値のある物だったら既に無くなってるわよ。和也君。」

和也:「そ、そっか・・・・・・・・」 ガクリと肩を落とす。

奈緒:「やる気満々だったのか・・・・・・・」

祐貴:「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

浩:「コラ、何してんだ?」

祐貴:「いや、記念にと思って・・・・・・・・」   その手には落ちていたと思われる金剛石の欠片。

浩:「・・・・・・・・・#」

祐貴:「・・・・・・・・・ごめんなさい。」   大人しく従業員にそれを渡す祐貴。

浩:「よろしい」


《南部:琉球ガラス工場》

灯:「理奈ちゃん、ひなたちゃん、どっちが良い物を作れるか、勝負よ!」

理奈:「ふへ? な、何を突然・・・・・」

ひなた:「え? べ、別にいいけど?」

灯:「ちなみに奈緒も強制参加ね。」

奈緒:「いきなり強制参加!?」

剛・浩・和也:「「「ガンバレ〜〜〜〜〜♪」」」  こ、この野郎共〜〜〜〜〜

                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ─────────────2時間後。(ここからナレーションは『浩』になります)

浩:「さあ、誰が一番上手かな?」 っと俺達の前に並べられた作品。

剛・和也:「・・・・・・・・・・・・・。」

 目の前に並べられた異作(?)を前に一同首を捻った。


 灯・作『ワイングラス?』

剛:「・・・・・グラス?」

和也:「どこに飲み物を入れるんだよ?」

灯:「窪みを作るのを忘れたの・・・・・・・」 しゅんと落ち込む灯ちゃん。

浩:「まあ、見た目的に良く出来てる方だと思うよ?それに初めてなんだろ?落ち込むことないって。」

灯:「ううう〜〜〜〜〜・・・・・・。」

和也:「つ、次行こう、次(汗)」  そうだないつまでも慰めても仕様がないしな。


 理奈・作『マグカップ』

浩:「マグカップか。」
和也:「マグカップだな。」
剛:「やさや。」

理奈:「って何でオザナリ!?ちゃんと出来てるじゃない!」

和也:「いや、確かに普通に出来てはいるんだが・・・・・・」

浩:「何かこう・・・・・ドジというかボケっぽいミスが欲しいっていうか・・・・・・」

剛:「要はこれ『普通』だ。普通。」

理奈:「・・・・・・・・・何ですって?」  あ、ヤバイ。地雷踏んだ。



 ───────────────────合掌。(剛が理奈に殺られました)



ひなた:「剛ー。大丈夫?」  ボロボロになった剛を突くひなた。

和也:「さ、さあ次はひなたが作った物か。」


 ひなた・作『コッペパン?』

浩:「えっと・・・・・何だこれ?」  見ため的に絶対コップ系ではないというのだけは分かるけど、これは・・・・・・・・

和也:「コッペパン?」
灯:「もの凄くコッペパンね。」
理奈:「ん。食べ物みたいに良く出来てるわね。」
浩:「色と良い、形と良い。さすがひなた。良い『パン』だな。」  ガラスという材料でここまで出来るとは・・・・・・。

ひなた:「これはパンじゃなーい!」

全員:「ですよねー。」


 奈緒・作『粉』

灯:「粉々・・・・・・・・」
浩:「粉砕・・・・・・・・」
剛:「粉だな・・・・・・・」  いつの間にか復活していた剛がいう。早いな。回復力が和也並みだぞ。

理奈:「これ、何だろうね?」
和也:「いや、俺に聞かれても困るんだけどな。・・・・で、奈緒。何で泣いてるんだ?」

奈緒:「う・・・・ぐすっ・・・・・」  そこには体育座りの恰好で蹲っている奈緒がいた。

浩:「これ、一体何があったんだ?」

奈緒:「ぐすっ・・・・。実は・・・・・・・」

 奈緒の話によると、元々これは『猫(トラ)の模型』だったらしく、奇跡的に上手に出来たのだが、早く冷まそうと近くの日陰に置いておいたのだが、今さっき取りに戻ると粉々に壊れていたらしい。近くにいた従業員に話を聞いたところ、先ほど若い男女が・・・・・というより女の子が一方的に男子をタコ殴りしていたらしく、その時に生じて壊れたらしい。従業員は痴話喧嘩だろうと言っていたがこれはたぶん違うと思う。何故なら・・・・・・

剛・理奈:「・・・・・・・・・・・・。」  理奈と剛は気まずい雰囲気に視線を逸らしている。

 そう、奈緒の作品を壊したのは理奈と剛。いや、厳密にいえば理奈になるけど理奈の地雷を踏んだ剛も悪い。んで理奈が連れて行った先で剛をボコボコにしたのはいいが周りにあるものに気付かず、そのままそこにあった奈緒の作品を踏んづけたり、踏んづけたり、踏んづけたりして、結果的に奈緒の作品は粉々になったというわけである。

浩:「・・・・・・・・・(で、どうするんだよこれ。)」

和也:「・・・・・・・・・(本当の事を言った方がいいか?)」

ひなた:「・・・・・・・・・(止めた方がいいと思うよ?殺されちゃう。)」

灯:「・・・・・・・・・・・(だね。下手すると私たちにまで被害が及ぶかもしれないし・・・・・・)」  固まってコソコソ話す俺達。

奈緒:「・・・・・・みんな何でコソコソ話してんの?」  鼻をすすらせながらこっちに来る奈緒。

和也:「な、何でもネーヨ!? な!」
理奈:「そ、ソウダヨ。ワタシタチ何もしてないアルね。」

奈緒:「何故、中途半端にカタコト?」

灯:「We do nothing?(私達は何もやってないよ?)」

奈緒:「え、英語で言われても。つか何言ってるか解らん。」

浩:「と、とにかく、壊れちゃった物は仕様がない。とりあえず後で好きな物買ってやるからいい加減泣くな。いいな?」 っと言いながら奈緒の頭を撫でてやる。

奈緒:「・・・・・・うん。」  ほっ。これで変な探りを入れられなくて済むな。

 ・・・・・・ん?心なしか奈緒の顔が赤いような・・・・・・・・・・

和也:「うわ、シスコンだ!」
剛:「シスコン、シスコン〜〜。」

浩:「う、うっさい違う!(赤面)」

ひなた:「奈緒って本当にブラコンだよね〜♪」
灯・理奈:「ね─────♪」

奈緒:「ブラコンじゃな──い!!」


 《海中『水中散歩』》(ナレーションは奈緒に戻ります)

奈緒:「(わぁー。すっごい綺麗。ねえ、みんなもそう思わない?)」  テレビでしか見た事のなかった光景が今、ここに!

 ※・みんな酸素マスクを着けているが為に、ジェスチャーやボードを使って会話しています。

浩:「(そんなに子供みたいにはしゃぐなよ。みっともない。)」

和也:「(ほほう、これはなかなか・・・・・・)」  海底に見え隠れしている遺跡に興味を持ったのか、俺達から離れようとするミダ男(和也)

理奈:「(和也! 遺跡なんか見てないでこっちに来てよ〜!)」  手を振って和也を呼ぶ理奈。健気だ。

祐貴:「(おー。魚がいっぱい・・・・・・。)」  10メートル先で魚の魚群が、流れるように俺達の目の前を通り過ぎていく。

藍:「(ジュゴンとかいないかな〜〜〜?)」

浩:「(いや、さすがにこの近辺にはいないと思うぞ?)」

藍:「(え〜〜? 会えると思ったのに・・・・・)」  目に見えて落ち込む藍。慰めてやりたいのは山々だがこればかりはどうしようもない。

 と、それぞれがそれぞれの時間を堪能(?)していた。その時、


 ニュ・・・・・・・・・・・   和也の見てる遺跡のすぐそばのサンゴ礁から白い物体が低海遊泳で出てきた。


理奈:「(きゃ!? な、何あれ!?)」  仕方なく和也のそばで魚達と戯れていた理奈が動揺した。

和也:「(ん?どうした理奈? ・・・・・って何だアレ!?)」  その場の和也もソレを見て驚いた。

奈緒:「(・・・・・ん? 和也達どうしたんだろう?・・・・って、え? ええええ!?)」  和也達の視線を追って俺もソレを見た。


 いや、さすがに驚いたね。だって俺達が見たの紛れもなく本物の『ジュゴン』だったからだ。


奈緒:「(兄さん、藍!あれ見て!)」  ジェスチャーでジュゴンのいる方へ指差した。

藍:「(ええ!?うそ!?)」  すかさず水中望遠鏡でその姿を見る藍。用意周到だな。おい・・・・・・

浩:「(捕まえるぞ奈緒!!)」  確認が取れた瞬間、もの凄い勢いで泳いでいく兄さん。早!?

 ※・ちなみに祐貴はというと。先ほどうっかり親指を上に立てた事により、ガイドのお兄さんに水上へ連れて行かれました。みなさん、スキューバーダイビング中はガイド(?)の人に決して親指を立ててはいけません。これは緊急非常のサインです。旅行などでうっかりこれやっちゃうとそこで終わってしまう場合があります。はい。

ジュゴン:「!?」  俺達に気付いたのか、ジュゴンはその巨体に似合わない速度で逃げて行こうとする。

 が、通常の奴等ならそこで諦めるだろうが、俺達は違う。せっかく会えた絶滅危惧種なんだ。ここはせめて写真くらいは取らないと!

奈緒:「(兄さん、『防水ハウジング』は?)」  水中カメラの事です。

浩:「(大丈夫、ちゃんと持ってるぞ。・・・・・っと危ねえ。)」    思わず親指を立てようとする兄さん。あ、危ない危ない。

 元々泳ぎが得意ではない和也、理奈、藍をその場に置いといてジュゴンを追いかけた。

奈緒:「(待てー!!)」

浩:「(豚汁にすんぞコラー!!!)」

奈緒:「(に、兄さん?何かやーさんになってますよ?っていうか食べる気満々?絶滅危惧種なのに?)」

 その後、俺達はジュゴンを追いかけたが結局逃げられてしまった。ちなみにその時の兄さんの表情がちょっとおかしかったけど一体何だったんだろう・・・・・?





 その他、色々あったけどここで説明するには時間がないため、正直省こう。キリがない。(ネタ切れじゃないよ?)

 そして今、帰りの飛行機の中───────────

灯:「ん〜〜〜〜!楽しかった───!!」

理奈:「そうだね。また来年くらいに行きたいわね。」

和也:「行けたらな(疲)」  っと友人たちがファーストクラスのリクライニングシートでくつろぎながらそれぞれの感想を言う。



奈緒:「・・・・・・ねえ兄さん。」

浩:「んあ?何だ奈緒?」  眠ろうとしていた兄さんを呼びとめる。

奈緒:「何て言うかその・・・・・兄さんは楽しかった?ここに来て。」

浩:「まあ・・・・な。一度同級生に会ってきたがあまり変わってなかったし。海では高校のメンバーに剛とひなたが混じった位だから退屈はしなかったな。」

奈緒:「・・・・・・そっか。」  兄さんの言葉に少しだけホッとした。

浩:「ん?何かあったのか?」  兄さんに問われる。

奈緒:「・・・・・うん。少し。海のバイトやってた時、中学ん時の同級生が来てたんだ。」

 それは昔、小4〜中1の時に起きたイジメによる事件の話。何が遭ったのかは・・・・・・・今はまだ言えない。

浩:「まさかまた苛められてたのか!?」  少し驚いた感じで問われる。

奈緒:「いや・・・・・うん。でも和也と理奈達に助けられたというか何て言うか・・・・・・。」

浩:「・・・・・何故その時俺に言わなかった?」  物静かな感じで問う。少し怖い。

奈緒:「だって兄さんや祖父ちゃん達に迷惑かけたくなかったし、相手もそんなに数はいなかったから・・・・・・」

浩:「そういう問題じゃないだろ!」  思わず飛行機の中なのにも関わらず声を上げる。

奈緒:「あ、う・・・・・・。」

浩:「まあ、何事も無かったから良かったものの。次、何かあったら絶対に言ってくれよ?約束したろ?」

奈緒:「うん。ごめん兄さん。そういう約束だったね。」

浩:「それはそれだ。それを省いてお前は楽しくなかったか?」

奈緒:「ううん。かなり楽しかった。・・・・・本当は明もいれば良かったんだけど・・・・・・」

浩:「・・・・・そういや奈緒。さっきから思考が女の子になってないか?」

奈緒:「え?・・・・・・ああ!?」  そういや『指輪』付けてなかったっけ?

浩:「その指輪の手掛かりも何も見つからなかったしな。その点、外していた分『女の子化』していたことになるな。」

奈緒:「うう・・・・・。解約する方法があると思ったのに。」   ってか正直俺はその事すっかり忘れてたよ・・・・・・

浩:「ま、地道に行こうや。」

奈緒:「・・・・・そうだ、な。出来ればぼk・・・・俺の思考が完全に女の子化する前に解決してほしいけど・・・・・・」

浩:「大丈夫だ。なんとかなるさ。焦っても仕様がないし。」

奈緒:「そだね。・・・・・・っと、羽田まで二時間か。寝るには丁度いい時間帯だ、な。」  う、語尾が苦しい・・・・・

浩:「俺も寝る。・・・・・・・zzz。」  あらら、もう寝ちゃったよ。

奈緒:「・・・・・・・お疲れ様。兄さん。」  そっと兄さんの頬にキスをして俺も寝た。


 この時、俺の思考がほとんど『女の子』になっていた為、自分のしている事が分からず、後で気付いた時、悶絶していた────────────



 奈緒たちが去った後、那覇空港にて─────────────

ひなた:「奈緒達、行っちゃったね・・・・・・・」

剛:「ああ、でも奈緒はもう大丈夫だろ?向こうにも頼れる仲間がいるみたいだし。」

ひなた:「そうだよね。私達が付いていなくてもやっていけてるもんね。」

剛:「・・・・・・・帰るか。」

ひなた:「うん。」      ひなたと剛が帰ろうと振り向いた瞬間、

 ドンッ!

?:「うわっ!?」

ひなた:「きゃ!?」 変なタイミングで他の観光客とぶつかるひなた。

剛:「ひなた、大丈夫か?」
ひなた:「う、うん。いきなりだったからビックリしただけ。」
剛:「そか。」

?:「あ、すみません。大丈夫っすか?」   ぶつかった相手が心配して声をかけてきた。

ひなた:「あ、だ、大丈夫です。ビックリしただけですから。こちらこそごめんなさい。」

?:「いえいえ、こっちこそ。んじゃ、俺は急いでるんで。」

 っとその男(丁度奈緒や剛達と同じ位の男子)はそそくさと去って行った。

剛:「何か急いでたな今の奴?」

ひなた:「うん。何かを探しに来てるっぽい感じだったね。」

剛:「何かまたなんとなく厄介事になりそうな気がしてならないんだが・・・・・・」

ひなた:「??? とりあえず、帰えろっか?」

剛:「ああ。」

 何か嫌な予感を抱えつつ、二人は那覇空港を去った──────────

 この後、剛の嫌な予感が的中することになろうとは、この時のひなたも剛も思わなかった。



 剛とひなたが去る、ちょっと前。那覇空港の外、モノレール乗り場─────────

明:「っと、やっと来たか。・・・・・それにしても沖縄って結構風があるんだな。日陰だとそんなに暑くないし・・・・・・って一人ごとはいっか。寂しくなる。」

 勝手に言っておいて勝手に落ち込む明。
 そう、今さっきひなたにぶつかったのは明なのだ。何故、明がここにいるかと言うと長くなるが、それは別の話──────────

明:「ここに・・・・・ナオちゃんが──────!」  左手に乗せた『指輪』を強く握りしめる。

 そう、明が持っている指輪は奈緒の持っている指輪の『片割れ』で、あの指輪はいわば『ペアリング』なのだ。まあ、今の奈緒がそんな事知るはずがないが。

明:「待っててくれ。今、会いに行くから────────」




 ─────────俺の願いはただ一つ。ただ君(ナオちゃん)に会いたい。いや、一目見るだけでもいい。ただ、それだけが俺の願い──────────




 奈緒の思惑と明の願い─────────

 そして指輪やその周りの人々を取り巻く環境が、少しづつ動き出す─────────


 ──────────────つづく。






佐夜:「ん〜〜〜〜〜!」   ポキポキポキ・・・・・・・(背伸びして骨が鳴る音)

 っということで第九話、いかがでしたでしょうが?まあ、あまり読まれてはいないでしょうが精一杯書かせてもらっている佐夜です。はい。

 今回は沖縄の観光地を回るというテーマでしたが、まず首里城です。ここは小さい頃にしか行った事がないので今は中がどうなってるのか知りません。すみません。

 美ら海水族館もオープン時に行ったっきりでそれ以降は分かりませんが少なくとも今はあまり変わってないそうです。ジンベイザメもいますよ?

 ジェフ(ファーストフード)は『A&W』と並ぶ沖縄のファーストフードですが、『A&W』の方が有名かと思います。

 金剛石林山では実際に削って持って行こうとする人も結構いますがこれは犯罪です。器物損害罪&窃盗罪デス。落ちている物に関してはどうなのかは分かりませんが。

 ガラス工場では実際に体験ガラス造りをする事が出来ます(場所によっては出来ない所もあります)。でも繊細な物を作るのはあまりおススメしません。簡単に壊れます。

 スキューバーダイビングでは人数制(場所にもよる)でアドバンスダイバーと一緒に潜る事で水中散歩を体験できまが、鼻や耳に病気を抱えている人や弱い人は断られる可能性もあります。蓄膿(ちくのう)症とか。後、ジュゴンですがほとんど絶滅危惧種で沖縄県県民も生で見られる事はほとんどありません。

 最後の最後に出て来た明ですが、過去に奈緒にあげた指輪の『片割れ』を持っていて向こうで探していた『ナオちゃん』がここにいるとの情報を元に、ここへ来ました。最も奈緒達と行き違いになった結果ですが、この後明が知る奈緒の過去を次回に持ち越そうと思います。ここに書くともういっぱいいっぱいなので・・・・・・(笑)

 では、最後にスキューバーダイビングの浩が知った『ジュゴン』の真実をどうぞ。







 ───────俺と奈緒は見つけたジュゴンを追ってサンゴ礁の樹海へとやって来た。

奈緒:「(う〜ん、どこだ?)」

浩:「(奈緒、俺は右から行く。お前は向こう(左)から頼む。)」  ジェスチャーで奈緒に伝える。

奈緒:「(O.K)」


 奈緒が向こうに行った後、俺はジュゴン・・・・・・・を追うのではなく、そのジュゴンを操っている奴に近づいた。

浩:「(・・・・・・こんなところで何やってんだ比嘉。)」

比嘉:「(あ・・・・・・・。)」


 そう、ジュゴンを操ってたのは先日(てか今さっきの話)美ら海水族館で熱帯魚たちに食われたはずの比嘉だった。というかこのジュゴンは本物ではなく明らかに人の手で作られた真っ赤な偽物。何故なら泳ぎ方がおかしかったし。見つかって逃げる反応が中途半端でもあったし。


比嘉:「(き、奇遇だな。こんなところで会うなんてYO(汗))」  クリップボードで交わす会話。

浩:「(奇遇な訳がないだろう。何故こんなところにいる?返答によっては・・・・・・・)」  水中で指をポキポキ鳴らす。

比嘉:「(ば、バイトだ、バイト。この『jugonn21』を使って客引きしなきゃいけないんだ。)」

浩:「(なるほど。ってことはこのポイントにジュゴンがいるって言う噂はお前の仕業だったってことか?)」

比嘉:「(当たり。だってバイトだもん♪)」

浩:「(・・・・・・・・・・・・・はぁ。)」  とりあえず、死刑にすっか。

比嘉:「(・・・・こ、浩さん? 何で俺の身体を『jugonn21』に縛り付けてんの?っておい!それはリモコン?いつの間に!?)」

浩:「(バイト。なんだろ?だったら一度、その『jugonn21』の性能とやらを試してみるといい。)」

 俺は比嘉の身体を『jugonn21』にロープで縛りつけ(比嘉が付けていたと思われるロープ)リモコンの速度のメータ−をMAXにした。


 GYOOOOOOOOOOOOOO───────────────────────────!!!


比嘉:「(★£¶ΞΨ♭────────────!!!?)」

 比嘉の(俺には聞こえない)叫び声が海中に広がった。ま、運が良けりゃあ誰かが助けてくれるだろう。俺は知らん。



奈緒:「(ん? 何だあれ?)」  視界の横を(掠るように)通り過ぎた物を身を凝らして見る。

比嘉:「(〒◆§ΓΛ(誰か助けて)────────────!!!!)」

奈緒:「(・・・・・ジュ、ジュゴン・・・・・・?)」

浩:「(おーい、奈緒。どうした?)」      奈緒が何かいけないものを見て混乱している所に俺は来た。

奈緒:「(に、兄さん。ジュゴンが今、人を攫って・・・・・・)」

浩:「(奈緒。人生にはな、見なかった事にした方が良い時があるんだ。つか、見なかった事にしとけ。)」

奈緒:「(??????)」

浩:「(とにかく、だいぶみんなと逸れてしまったからな。急いで戻らないと。)」

奈緒:「(え?ジュゴンは?)」

浩:「(そんなものどうでもいい。戻るぞ。)」  会話を断ち切って奈緒の手を引いてみんなの所へと戻って行った。

奈緒:「(ジュゴン・・・・・・・)」


 後日、『jugonn21』に括り付けられた比嘉がどうなったかは誰にも分からない。聞いた話によると竜宮城がどうのこうの言ってるらしい。それは亀の話だろ。




祐貴・藍:「ではまた次回に会いましょう♪」

佐夜:「ええ!? セリフ取られた!?」


落ち無し。


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