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 「ああ!こっちも似合うわ〜(はぁはぁ)」 腐母(母さん)が体をクネクネしながら俺を見て感激していた。


 「ううう・・・・・(泣)」 俺は白と黒のフリルのついた・・・・・メイド服って物を着(せられ)ていた。



 あれから母さんは一時間もしないうちに仕事を終え、(嫌がる)俺と一緒に俺の(女物の)買い物にこのかなりでかいお店『ビショップ』っという総合女性品専門店に来ていた。水着やブランド品、ファッション系やスーツ、下着(ランジェリー)や化粧品、その他色々と俺にはよくわからないお店がいっぱいある所だ。当然一般の男性は普通は来ない。もし来るとしたら彼女と一緒にだ。もし一般男性が一人でなんか来たら完全に変態扱いになるのがオチ。

 「はぁはぁ、可愛い〜、綺麗〜」 ・・・・って店員さんも腐女子化してるし!・・・・でもだからって母さんと同じ動きしないで下さい(汗)

 「か・・・母さん。もうこれくらいでいいだろ?」 抵抗してみた。

 「でしょでしょ♪んじゃあ、次はこれね奈緒ちゃん♪」 ああ、無視ですか母さん・・・・・

 ちなみに家でも結構母さんに女装させられているが(第一話でそれっぽく話したけど)いまだに慣れない。っつうか慣れてたまるか!!って話・・・・・・・

 そして今、もうかれこれ二時間くらいここにいるわけなんだが、まずここに来て最初にきたのが下着コーナー。いわゆる男子禁制所である。

 連れて来られた途端母さんは店員に、
 母:「すみませんこの娘のサイズを測って欲しいんですけど。」
 店員A:「かしこまりました。綺麗な娘さんですね♪おいくつなんですか?」
 母:「数えて16歳になるんですよ。」
 店員A:「そうなんですか。あれ?娘さんその服・・・・ってブラもしてらっしゃらないじゃないですか!」
 母:「そうなんですの。この娘、いつまでも『自分は男だ!』と言って男物しか着ないんですよ。」 っと店員に力説する母さん。
 店員A:「それは可哀想に。」
 母:「ええ」  本当に悲しそうに言う母さん。 っておいおい!

 奈緒:「母さん、誰が娘だ。俺は・・・・・」 『俺は男だ!』っと言おうとしたが、それはさっきの事が真実になってしまうため言えなかった。

 母:「奈緒。いい加減になさい。じゃ店員さん、お願いしますね。私はこの娘に似合う服を選んできますので♪」
 店員A:「はい、かしこまりました。」

 奈緒:「おい、人の話聞け!・・・・ってもういないし・・・・もがっ!」 いつの間にか母さんはいなくなっていた。 

 「奈緒ちゃん。女の子がそんな言葉使いしちゃ駄目!」 っと俺は店員さんに手で口を塞がれた。




 そして・・・・・・・
 奈緒:「う〜・・・・・・」 俺は俺のスリーサイズ?を計ろうとする店員に試着室へと連れて来られた・・・・・

 店員A:「さーってと計るわよ。奈緒ちゃん、上着脱いでもらえるかな?」

 奈緒:「・・・・・・・・・・・・・」 俺は黙って上着を脱ぐ。そこにはタオルでグルグル巻きにされた双丘があった。

 店員A:「ふ〜ん、さらしじゃないんだ。」 んなもん持ってるわけないだろう!



 俺はその後のことは恥ずかしすぎて正直覚えていない。ただ店員が楽しんでいたことは確かだ。肌がツヤツヤしてるし・・・・・
 ちなみにスリーサイズはと言うと、上からB80のC(Dも可)、W55、H80。う〜ん、胸以外は男の時とあまり変わらないな。
 トランクスを剥がされてショーツを穿かされる(一応自分で穿いた)ブラも(いつの間に持ってきたんだ?)強制的につけられる。どうやらさっきのショーツとお揃いのやつらしい。でもタオルでグルグル巻きにするよりは着け心地良いかも♪・・・・・って何考えてんだ俺!?

 そして母さんが持ってきた服をそのまま着せられる羽目になったという訳なんだけど・・・・・・
 「・・・・・ハァ〜(ため息)」 

 「どうしたの奈緒ちゃん。そんな深い溜め息なんかついて?」 さっきの(腐女子化した)店員さんと違う店員さんに俺は着替えをさせられていた。
 「いや、何でもないです・・・・・」 

 「? ならいいんだけど。・・・・それにしても本当に綺麗な身体してるわね奈緒ちゃん。羨ましいな・・・・・」 
 「そ・・・・・それほどでも・・・・」  っというか褒められても嬉しくないんですが・・・・・・

 「奈緒ちゃんまだ〜?」 っと試着室のカーテンから母さんが顔を出してきた。

 「ひゃあ! か・・・母さん。いきなり覗くな!」 俺は何故かさっき持たされた服を握り、身をよじった。顔も赤くなる。

 「うんうん、いいわ、その反応♪その反応が見たかったのよ♪」 いや・・・・そんな笑顔でそんな事言われても困るんだが、普通の反応だと思うぞ?

 「う・・・うっさい!さっさと着替えてやるからこっち見んな!(赤面)」 ったく何て親だ、まったく・・・・・




奈緒の憂鬱
第二話:デパートの腐女達
作:SAYA




  「・・・・・う・・・・気持ち悪い(泣)」 私は吐き気を催しながら友達と帰り道を歩いていた・・・・・・

 「もう、だから食べ過ぎだって言ったのに理奈ちゃん(笑)」 その友達が私を笑う。

 「・・・だって最近甘いもの食べてないんだもん。」

 「え?理奈ちゃん、ダイエット中だったの!?その割に太ってる様には見えないけど・・・・・」 ・・・・・。(怒)

 「違うわよ。ホントはあのお店が出来るっていうからその為に甘いものを我慢してたの。」

 「そうなんだ。でもあの店、オープンしたの先週だったはずだよ。行かなかったの?」

 「行ったわよ。でもいっつもカップルやOLとかでいっぱいで満席で入れなかったの。」

 「ふ〜ん。それで何で和也君を誘わなかったの?」

 「う・・・・言おうとしたんだけど・・・・その・・・・恥ずかしくて・・・・・」 だって和也。甘いもの嫌いなんだもん!

 「駄目だこりゃ」 ・・・・・どこかで聞いたねそのセリフ(笑)
 


 
 「「「「キャーー可愛い!!!」」」」

 俺は結局、母さんにあれこれ服を着ろと要求され、大人しく着ていたのだが、服を着て(試着室の)外に出るたびに他の客がこっちに見物に来ていた。しかもどんどん増えてるし・・・・・

 「あの・・・・恥ずかしいからあまり見ないで下さい(//////)」 俺は恥ずかしさのあまり、身をよじる事しか出来ない。

 が、それが裏目に出たようで、俺が着替えている間に母さんが見物客に俺の事を話していたのだ。



 女性客A:「ねえ、あの娘、可愛くない?」
 女性客B:「うん、でも何か様子が変だよ?」
 女性客C:「何て言うか、『初めて女の子らしい格好をした子』って感じ?」
 女性客A・B:「うん♪」

 母:「どう?あの娘、可愛いでしょう?」
 女性客D:「ええまあ、でも何であんなに恥ずかしがってるんです?」
 母:「アガリ症って訳じゃないんですけどね。実は・・・・・・・・」
 女性客D:「・・・・ああ、なるほど。そうなんですか。道理で・・・・・・」

 っとまあ多分その後の内容はさっきの店員さんと話してた時と同じなんだろう。

 「はぁ〜・・・・もういい加減にしてくれ。」 俺はそっと試着室からその会話を聞いていた。

 「なーに黄昏てんの奈緒ちゃん。ハイこれ次♪あ、それとウィッグ(カツラ)も着けてみて。」 ああ、この人も腐女子化しちゃってるし。それに今気付いたけど俺、『ちゃん』付けかよ。

 仕方なくそれに着替える俺。ちなみにこれで13着目になる。そりゃあ着疲れするわな。でも何だ、この服は?
 次に着るこの服は制服だ。もちろん女子物。でもこの制服うちの学校の物じゃないな。セーラー服でもないし、ブレザーでもないし、どこの制服だこれ?

 「さあ、さっさと着てお披露目しましょうねー♪」 と無理矢理ウィッグを被せられた。

 諦めてその服も着る。それにしても何で俺、こんな事してんの? さっさと男に戻りたいのにさ・・・・・・・。はぁ〜・・・・・・


 「さあ、お披露目〜!」 え?

 シャッ・・・・・    ってちょっと待て、心の準備がまだ・・・・・

「「「「キャーー!!!♪」」」」 あああ・・・・・・。また増えてるよ〜

 「ううう・・・・・・・・」  ・・・・・・・いつやってもこれだけは慣れないや(女装して人前に出ること)。

 とうとう俺はその視線に耐え切れずしゃがみ込んでしまった。
 



 「まったくもう・・・・・」 私はちょっと拗ねていた。

 「あはは、ゴメンゴメン♪」 灯ちゃんは実に楽しそうだ。ってか本当に反省してるの?



 ブロージュ・カフェに行った後、私達は水着を買いにここ、『ビショップ』に来ていた。正直さっき食べ過ぎたケーキで吐き気がしてとても行く気分じゃなかったんだけど灯ちゃんがどうしてもって言うから仕方なく来たの。

 でも・・・・・・
 「理奈ちゃん、可愛い〜(はぁと)」 っと私の水着姿を見た灯ちゃんが暴走した。何かクネクネしてるし(汗)

 私は灯ちゃんに色んな水着を強引に着せられた(試着はOKらしいけど、汚したら買わないといけないらしい)。ワンピースからコケッシュ系、紐系、ビキニまで。そのあと今年の流行の水着を着せられ、その水着を買った(というか買わされた)。

 灯:「それにしても理奈ちゃんって結構スタイル良いよね♪」 
 理奈:「何言ってんの。灯ちゃんの方が明らかに良いじゃない!それに大体こんなもん買ってどうすんのよ。これじゃあ私、夏休みに旅行に行く人みたいじゃん!」 

 そのとき買った水着は近年温暖化が進む地球にピッタリな南国リゾート風な水着。要するにビキニとコケッシュを混ぜて、腰にバレオを巻いた様な物。旅行用にするならともかく近場の市民プールでこれを着たらかなり違和感があるよ。それに近くに海なんてないし・・・・・・

 灯:「行けばいいじゃない。旅行に。」
 理奈:「そんなお金無いわよ!それに誰と行くって言うの?」
 灯:「和也くんと♪」 

 な!?  

 理奈:「ななな・・・何で和也なんかと・・・・・・(//////)」
 灯:「あはは、照れない照れない♪」
 理奈:「照れてなーい!」

 10分後(さっきの続き)────────
 「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・まったくもう・・・・・・」  

 「あはは、ゴメーン♪」 絶対に楽しんでるね、灯のやつ・・・・・(疲)

 買い物を終えた私達はついでに私服も見に一つ上の階へと上がった・・・・・・・・

 「あれ?何だか上、騒がしくない?」 

 「うん、理奈ちゃん行ってみる?」 「うん」

 私達がそこに来た時、大勢の女の人たちが一つの試着室の周りをとり囲っていた。やがてその試着室のカーテンが開いてそこから私達と同じくらいの(どこのか分からない制服を着たお嬢様風の)女の子が出てきた。でもその子はカーテンを開けられた途端しゃがみこんでしまった。

 理奈:「何だろうあれ?」
 灯:「いじめ・・・・・?」  いや、明らかに違うでしょ灯さん・・・・・・

 でもその子はフルフル震えながら多分母親だと思う人に講義していた。
 「もう嫌だ母さん。こんな格好、もう耐えられない!(涙)」      

 え?この声・・・・・どこかで・・・・・・
 



 「あはは、ゴメンね奈緒ちゃん。お母さん、つい調子乗っちゃって♪」 っと母さんは微笑みながら俺の頭をナデナデする。

 「う〜〜〜・・・・・・」
 母さんはいつもこうだ。俺が怒ってる時や泣いてる時はいつもこうやってナデナデしてくるのだ。

 「う・・・・ひっく・・・・っく(泣)」 ええい!くそっ!涙が・・・・・止まらない・・・・・・・
 「ごめんね・・・・・ごめんね・・・・・・」 やっと察したのか、母さんは哀笑しながら俺の頭を撫でる。

 俺は母さんのふくよかな胸に顔を埋め、声を殺して泣いていた。それを見た店員さんや見物していた女性客はそんな俺を気遣ってか颯爽と散ってゆく。

 良かった・・・・・もうあんな恥ずかしい思い、しなくてすむ・・・・・  俺はそう思った。



 が、そうは問屋が許さない。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 散ってゆく見物客の間から見知った人物がこっちを見ていた・・・・・・・

 「「な・・・・・那雄・・・・(くん)?」」

 その女の子達は理奈と灯だった・・・・・・・・・・・
 



 灯:「ふ〜んそうなんだ・・・・・・」 
 理奈:「やっぱり・・・・・」 

 俺は理奈と灯、そして保護者としてそのまま母さんと一緒に一階のカフェに来て、今朝起こった事を正直に話した。っといっても俺でさえ何で女になったか分からないんだけど・・・・・・

 灯:「奈緒君・・・・いや奈緒ちゃん本当は最初から女の子だったんじゃないの?実際に今までも違和感なかったしね。」
 理奈:「うん。改めて女物を着た奈緒を見るととても男には見えないわ。」

 奈緒:「・・・・いや、だから、俺は本当に男だったってば!」
 さっきの(どこのか分からない)制服を着て言っても全然説得力なし(ウィッグは取っている)。ちなみにはじめに着ていた服はいつの間にか無くなっていた。どうやら母さんが店員さんに言って処分しちゃったらしい。なんてことすんだよ全く・・・・

 灯:「はいはい、そういうことにしてあげるわよ奈緒ちゃん♪」 ああ、また誤解が増えた・・・・・

 理奈:「う〜ん。それにしても奈緒。ウィッグを取ったらなんか体育系少女っぽいよ?」  
 灯:「うん。さっきまではどこかのお嬢様っぽかったけど。」

 母:「ねえ、理奈ちゃん、灯ちゃん。この事はみんなに秘密にしてくれる?」 母さんが二人に振る。

 理奈:「え?ええまあ、別に他の人に言う必要ないですし。」
 灯:「うんうん私達、口硬いもん♪」  ウソ付け!

 奈緒:「ってかお前等さっきなんとかカフェでケーキ食べるとか言ってなかったか?」 それなのにまた食ってるし・・・・

 灯:「食べたわよ。でもケーキってのはあの店この店で味が異なるから飽きないの♪」

 奈緒:「サイですか・・・・・」 

 理奈:「私は無理。さっき食べ過ぎたから・・・・・」  うん。それが普通の反応だよ。


 ピルルルルルルr・・・・・・・・  ピッ!
 母:「ちょっとごめんね。」   と言って突然母さんが携帯を取り出して店の外へと出た。

 奈緒:「・・・・・・何なんだ一体?」  


 灯:「ねえ奈緒ちゃん。この後どうするの?」

 奈緒:「は?普通に帰るけど?」

 灯:「用が無いなら一緒に買い物しない?」
 理奈:「灯ちゃん、まさか・・・・・・」

 奈緒:「やだ。」 短く答える。

 灯:「まあまあ、そんなこと言わずに♪」 何で楽しそうに言うんだこいつ・・・・・

 奈緒:「い・や・だ! 大体何買うっていうんだよ?」 っと言いながらショートケーキを一口。う〜ん・・・・美味い。

 灯:「水着とか?」 

 っ!!!? 
 っとまあここで漫画やアニメなら「ブフウーーー!」っと飲んでいた物を吹き出すところだが今はケーキを食べていたがために完全にむせた。そう、言うならば逆流して鼻の中に・・・・・・。ごめんティッシュ。鼻痛い(痛) 

 理奈:「奈緒・・・・・・」  じと〜っと睨まれる俺。
 奈緒:「ご・・・ゴメン。こいつが変な事言い出すから・・・・」 

 灯:「別に変なことじゃないよね。理奈ちゃん?」
 理奈:「へ!?ああ・・・うん、そうだね・・・・・」

 奈緒:「何でテンション低くなってんだ理奈?」
 理奈:「な・・・なんでもないわよ。」  さいですか・・・・・・   


 母:「奈緒。」 はあ・・・・やっと戻ってきたか。
 奈緒:「ん?」 
 母:「病院で急患が入ったらしいのよ。で、戻らなきゃならないから先に帰っていいわよ。」

 奈緒:「分かった。んじゃ母さん頑張れ。」  と、手を振って見送ろうとする。

 母:「ん〜せめて『お母さん、お仕事頑張ってきてね!』とか言って欲しかったなぁ〜」 だぁ!この腐母が!

 奈緒:「さっさと行って来い!あと、子供扱いすんな!」
 母:「女の子扱いならいいの?」
 奈緒:「どっちも同じだ!早く行け!」

 母:「はいはい♪ っとその前に、はい♪」 っと手に何かを握らされた。

 え?お金?しかも3万円も!?ラッキー♪   ・・・・・でも何で?

 奈緒:「ナンデスカ?これ?」
 母:「奈緒ちゃんも水着買いに行くんでしょう?だったらこれくらいないと。」

 奈緒:「はぁ!?誰がそんなもん買いに行・・・・もがもが・・・・」 言いかけたとこで灯に手で口を塞がれた。

 灯:「はいはい、照れない照れない。良かったじゃない奈緒ちゃん。これで水着買うお金が出来たじゃない♪」
 奈緒:「もが!?(はぁ?)」

 母:「じゃあ、灯ちゃん、理奈ちゃん。後、お願いしてもいいかしら?」

 灯:「はい!おばさま分かってるう♪」 何親指立ててるんだよアホ!

 理奈:「奈緒、諦めなさい。私も似たような事されたから。」
 奈緒:「も?(へ?)」

 灯:「んじゃ奈緒ちゃん行くわよ、理奈ちゃんも手伝ってね。」

 奈緒:「ぷはっ!っておい母さん! ってもういないし! ってこら灯、離せ! 首掴むな! 爪立てるな!!(痛)」

 灯:「ふふふ・・・・。奈緒ちゃんどんなのが似合うか楽しみ〜♪」
 奈緒:「あ、おい理奈!こいつ何とかしてくれ!」

 理奈:「なんとか出来たらここにはいないわよ。私。」 っと手を横に振る理奈。

 い・・・・・・

 「イヤーーーーーーーー!!!」
 と灯に無理矢理首根っこ引っ張られながら先ほど理奈達がいたと言っていた二階の夏物コーナーへと連れて行かれた(ドナドナ)
 




 「はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
 まるでゲームや漫画(アニメ)などの格闘キャラが気を溜める時の気合いみたいな長い溜め息を吐く俺。そのくらい気分は最悪だ。

 現在午後七時半。あれからさらに俺は灯達にあれこれ水着を着せられていた。もちろん女物。

 「ただいまぁ・・・・・・・・」 そしてやっとのことで灯達に解放され、帰宅する。勿論どこのか分からない制服のままで。ちなみに今日、デパートで母さんに着せ替えさせられていた服の何着かは後日、引っ越した後で送られてくるそうだ。

 ポフッ  っと擬音を立てながらリビングのソファーにダイブする。

 「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・」

 横目でさっき買った水着に目が入る。なんて物を買ったんだ俺・・・・・・・・

 先ほど無理矢理買わされた水着は二着。一つはシンプルな黒のビキニ。灯が言うには「奈緒ちゃんは素材が良いからひとつはこれで十分!」と力説された。でもその後に、「そしてそれで髪をポニーテールにすれば完璧よ!」とか言っていた。でもな灯、俺そんなに髪長くないぞ?

 もう一つは何だったかな?白のツーピースってやつか?これは理奈が選んだやつだったな。
 「奈緒は素材が良いんだけどその素材を最大限に発揮できる物を選んだほうがいいわ。・・・・まぁ、ホントはかなり嫌だと思うけどこれ以上灯ちゃんに任せるともっと酷くなるからね。それにあまり時間もかけれないからハイ、だからこれ。」
 と、正直「ビキニとあまり変わらないじゃないかぁ!!」って突っ込みたくなるが問題はそこじゃない。そう、そこじゃない。

 「何で男の俺が女物の水着なんか買わなきゃなんないんだよ・・・・・」 ソファーに寝そべって横目で呟く。

 「ん?奈緒か。おかえり。」 誰かがリビングに入ってきた。

 「何だ、兄さんか。居たんだ?」
 「『ただいま』くらい言え。それと俺は荷物の(最後の)整理してたんだ。明日引っ越すからな。」
 「ああ・・・・・そういやそうだった。面倒だなぁ・・・・・・・」

 「サボリは許さんぞ。」
 「分かってるよ。」

 「あっ!お姉ちゃん♪」 っとこちらを見るや、喜んでこっちに来た少女。我が妹、藍だ。

 「『お姉ちゃん』って言うな。俺は男だ。」

 「どこがだよ!?(笑)」  っと何故か兄さんに突っ込まれる。
 



 「あー疲れたーーーーー」  一人の少年が部活から帰宅するや独り言で呟く。

 (大体何だよあれ。人に強制ギブスなんか付けさせて練習させやがって。あれは絶対に『巨○の星』のパクリだろ?)
 っと少年は愚痴を言いながら重くなった部活着が入ったバックをそこらへんに置き、トイレへと向かう。

 



 「・・・・・・・ふう。」 風呂の蛇口を閉にしてタオルで身体の水気を取る。
 ふと、横にある鏡に今の自分が映った。そう、女になった自分。

 (・・・・・・・・・・・・。) 鏡に映った自分を見つめる・・・・・・

 興奮・・・・・しないな。自分の身体・・・・・だからなのかな?

 漫画や小説などで、突然男が女になったら大抵は興奮して手が胸や下の方へと向かうと思うが何故か俺にはその興奮が来ない。「元々女っぽいからだろ?」とか思った奴は殺す。これでも俺は男だぁ!(今は女だけど・・・・)

 一通り一人突っ込みを入れた後、風呂を出て、脱衣所で身体を拭く。

 すると風呂場の反対側にあるトイレが開いた。そこには少年の姿があった。
 



 「・・・・・・・・・・・。」 え〜っとここは俺ん家だよな。

 「ああ、祐貴おかえりー」 目の前の美しいお姉さんが俺を呼ぶ。しかも何故か俺の名を知っているし。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 「ん?おーい。どした?部活でヘトヘトなのか?」 ・・・・・どっかで見たような顔だな・・・・・・・

 「えっと・・・・・誰・・・・っすか?」
 「誰って・・・あ、そっかお前、朝いなかったっけ。」 この話し方。いや、まさか!?

 「も・・・・もしかして、奈緒・・・・兄?」 
 「ああ、そうだ。よく分かったな。」

 そうかそうか、この美しいお姉さんは奈緒兄だったのか。そうかそうか・・・・・・・・
 



 「そうかそうか・・・・・・・・・」  そういう少年、弟の祐貴はそういって黙り込んでしまった。

 「おい、一体どうした?」
 俺は両手を両膝について首を傾げながら尋ねる。いわゆる『だっちゅうの』(別に意識してやったわけじゃないぞ)ってやつだ。

 「・・・・・・・・・・・い・・・・・・」  ?

 「い?」

 「いーーーっやっっっっほうw」

 「・・・・・・ああ、そうだよな。普通そうなるよな・・・・・・」
 我が弟、祐貴は某、不○子ちゃん4649ー、な怪盗○○○三世と同じポーズで飛んできた。当然飛んでくる間に全裸になって。っとなるとすべき事はひとつ。

 「オラァ!」
 っとおもちゃ箱から出てくるパンチグローブ・・・・ではなく飛び回し蹴りを喰らわせてやった。


 ドシン!  っとリビングへと繋がるドアを突き抜けて弟が吹っ飛んで行った。

 「はぁ〜。全くもう・・・・・・(疲)」
 



 「う〜ん、う〜ん・・・・・・」 

 浩(兄さん):「全く。いきなり飛び蹴り喰らわす奴がいるか?」 

 奈緒:「だってつい・・・・・・」 

 あの後、兄さんと藍が駆けつけてきて大騒ぎになった。何故なら吹っ飛んだ弟の呼吸が途絶えたからだ。慌てて応急処置(心臓マッサージのみ)をして蘇生させた。そして今、仕方なく目を覚ますまで弟に膝枕をしているという訳。

 「う〜ん、う〜ん・・・・・・・・・」

 藍(妹):「そういやお姉ちゃん、女の子になってから何か変わった感じある?」

 奈緒:「う〜ん。身体が男の時よりもさらに柔らかくなったかな?」 だからこそさっきの飛び回し蹴りが出来たんだよな。
 浩:「いやいやいや、真っ先にいうことがあるだろ?その・・・・・胸とか、下の方とか。」

 奈緒:「それがさ、何故か全く違和感が無いんだ。」 自分の身体が変わったというのに変な話だ。

 「う゛〜〜〜〜〜ん・・・・・・・・・・・・・」

 浩:「ってこいつさっきから唸ってばかりいないか?」 さすがに弟の心配をしだした兄さん。

 奈緒:「う〜ん。さっきのが奇麗に入っちゃったからなー。やりすぎたよ、ごめんな祐貴・・・・・」 といって祐貴の頭を撫でてやる。う〜ん、何か変な感じ。

 すると、
 藍:「いいなぁ〜」 と、藍が羨ましがる。何故に?

 浩:「撫でて欲しいのか? じゃあ、俺が撫でてやろう♪」

 藍:「わーい♪」  何だこの会話(^_^;)・・・・・・

 浩:「(撫で撫で撫で・・・・・)」
 藍:「うみゅう〜〜〜(嬉)」   何だこの光景?しかも藍うっとりしてるし・・・・・・・

 そうこうしている内に、
 「・・・・・・・・・・ん?」 弟が目を覚ました。

 奈緒:「お?起きたか?」 

 「・・・・・・・・・・・・・。」

 奈緒:「おーい?大丈夫か?俺が誰か分かる?」

 「・・・・・・奈緒・・・・兄?」

 奈緒:「ああ、そうだ。いいから落ち着いて聞けよ?」




 その後、弟に俺の身体が女になったことを説明するのに30分掛かった・・・・・・・・

 祐貴:「じゃあ、あんたは本当に奈緒兄なんだな?」

 奈緒:「だからさっきからそう言ってんじゃないか。」

 祐貴:「じゃ・・・じゃあさ、奈緒兄のこと『姉ちゃん』って呼んでいいか?俺姉ちゃんが欲しかったんだよ!」

 奈緒:「『姉』って呼ぶな!俺は・・・・・」 

 浩:「男じゃないだろ、今は。」  先に突っ込まれた・・・・・・

 奈緒:「そ・・・・そりゃあそうだけど・・・・・・・・」

 藍:「いいじゃないお姉ちゃん。私だってお姉ちゃんが欲しかったんだもん♪」

 浩:「今までとあまり変わんないがな(笑)」

 祐貴:「じゃあ決定な。そんじゃ姉ちゃん、頼みがあるんだけど・・・・・」

 奈緒:「何?」  もういいや、『お姉ちゃん(姉ちゃん)』で(涙)

 祐貴:「えっと、その・・・・胸に付いてるやつ、揉まし・・・・・・」

 ビシッ!  思わず弟にチョップを喰らわす。
 奈緒:「揉ますかアホ!!(怒)」 何言い出すんだ、エロ餓鬼が!

 浩・藍:「「あはははは・・・・・(笑)」」

 こうして今日も他愛もない会話をして夜が更けていく・・・・・・・・・・・・
 



 「ふう・・・・・」 今日でこの家で寝る最後の夜。・・・・・のベットの上。



 あ〜・・・・今日は色んなことがあったな・・・・・・


 朝起きて(ってか藍に起こされた)女になってて・・・・・・

 バンドでみんなに変に思われて・・・・・・

 病院に行って母さんに死刑宣告(ある意味そうだよな)されて・・・・・・

 んでその後、母さん(とデパートの店員さん)に着せ替え人形にされて・・・・・・

 しかもその現場を理奈と灯に見られて俺が女になったってばれたし・・・・・・

 水着は買わされるわ、灯は暴走するわ・・・・・・

 家に帰っても弟が暴走するわ(って女の裸見て暴走しない方がおかしい)・・・・・・

 今日で軽く一ヶ月くらい過ごした気分だ。

 あれもこれも全て、
 「これの所為なんだろうな・・・・・・」 っと昨日の指輪を眺める。

 そういや何で俺が女になったのか、いまだに分からない。もしかしてそれが分かるまで戻れないとかそんなんじゃないだろうな?

 「そんなわけないよな・・・・・・・」 っと思いつつ、なんとなく指輪を指にはめる・・・・・

 「これで戻れるといいな・・・・・・」 

 そして精神的にかなり疲れた俺はいつしか眠りの世界へと旅立って行った・・・・・・・

 つづく。Zzzzzz・・・・・・・・・

 



 ≪あとがき≫
 どうも♪と、ここまで読んでくれた人に感謝DEATH。
 初投稿から早、第2話目ということで女性化した奈緒が母さんと灯におもちゃにされるところです。ちなみに一話と二話を合わせて一日分の話となっております。第三話からは翌日の話になるのでこちらも是非読んで下さい(_ _)


 ちなみに奈緒の家族構成は、こうなってマス。 
 父: 煎杜 (名前未定)
 母: 煎杜  麻奈華(まなか) 
 長男:煎杜  浩(こう)
 次男(長女):那雄(奈緒)
 三男:煎杜  祐貴(ゆうき)  藍と二卵性双子。
 次女:煎杜  藍(あい)    祐貴と二卵性双子。
 となってます。



 ≪ヨタ話≫
 灯:「ム腐腐腐腐腐〜〜〜〜♪」

 Saya:「うわぁ!灯さん、いつの間に。ってか何故ここへ?」

 灯:「いや〜、だって最近出番少なくってさー」

 Saya:「いや、まだ二話しかしてないんですが・・・・・・」

 灯:「むう〜そんなのはどうでもいいの!もっと私の出番増やして!奈緒をもっと弄らせて!!」

 Saya:「そっちが本音ですか・・・・・・」

 灯:「それよりこれから奈緒ちゃんはどうなっちゃうの?いや、どうしちゃうの?」

 Saya:「それは企業秘密DEATH♪」

 灯:「むう〜。ケチ!」

 Saya:「ケチってあんた・・・・・・消すよ?存在?」

 灯:「わぁーゴメンナサイ。お許しを〜(汗)」

 Saya:「・・・・・・よろしい。」

 灯:「でも本当にどうするの?予告とか無し?」

 Saya:「私は中途半端は嫌いだからやらないの。」

 灯:「え?そうなの?文庫運営委員会さん?」

 Saya:「おいおい、どこに問いかけてんの!?この物語から勝手に出ないで!危ないから。」

 灯:「え?なん・・・・・・(消去)」 

 Saya :「あーやっちゃったー・・・・・・」    OCHINASHI。



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