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 ササ・・・・・=|_・)=

 サササササササ・・・・・・・・・=|_・)=

 ササ・・・・・=|_・)=

?:「あ! いたぞ、あそこだ!!」

奈緒:「うわっ! 見つかった!?」    身を翻して逃げ出す俺。


 俺は今、逃げている。・・・・いや、上に書いてあるからそれは分かってると思うけど何故俺が誰から逃げているのか。まずそれを説明したいと思う。

 高校に入学し、先日の体育祭で女装させられ(て走らされ)た俺は、その後結成された『奈緒に女子の恰好をさせ隊(主に女子中心)』と『奈緒ちゃんを影から見守る会(主に男子中心)』の連中に今追いかけられている。



 ・・・・・・・いや、追いかけられるのはこれが初めてじゃなく、第一話にも書いてある通り、日常茶飯事な出来事なのだ。いつもなら『奈緒に女子の恰好をさせ隊』の連中にだけ追いかけられていたのだが、俺(と和也達)は一昨日まで約二週間沖縄にいた所為で、灯が言うにはこいつ等の『ナオちゃん成分』と言う訳の分からん成分が切れてほぼゾンビ化しているらしい。それにより『奈緒ちゃんを影から見守る会』が『奈緒に女子の恰好をさせ隊』に協力し、帰って来た俺を頑なに女装させようとしている。

 もちろんだが俺は逃げる。ああ、逃げるともさ。昨日はこの連中の存在を(沖縄に行っていた所為で)すっかり忘れてて、捕まってまんまと女装されてしまったが、もう女装なんてされてたまるか!あんな格好されてたら頭の中まで女になりそうだ。沖縄では実際なりかけたし・・・・・・

 ちなみに今、夏休み中盤なんだけど何故部活にも入っていない俺が学校に来ているかと言うと、バンドの練習に来たのだ(一話参照)。十月にある文化祭に向けての練習で来てるんだけど女装されそうで逃げて回ってたら和也達に迷惑がかかる。早く何とかしないと・・・・・・・


 ♪♪♪〜〜〜♪〜♪〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜    ん?携帯が鳴ってる?ポチッとな。


奈緒:「はい、もしもし?」  隠れてるので小声で話す。

和也:「奈緒! お前まだ来ないのか!? 理奈が切れそうで俺がヤバイ!早く来てくれぇ!」

理奈:「キシャアァァァァァ──────────!!」  理奈の奇声が受話器から聞こえる。

灯:「とりあえず奈緒ちゃん、限がないから早く来てよね。」  っと灯が言う。

奈緒:「無茶言うな!俺はもう女装なんてしたくないの!」  思わず声を上げて言った。それが行けなかった

 ポン・・・・・・

奈緒:「・・・・・・ふぇ?」   後ろから肩に手を置かれて振り返ると、

腐女子A:「奈緒ちゃん、発見♪」

腐女子B:「奈緒ちゃんを確保しました隊長!」

隊長:「よし!そのまま奈緒部屋へと運べ!」

腐女子達:「「イエッサー!」」

奈緒:「うわっ!? 止めろ!離せー!!」  俺の声は届かなかった・・・・・・・

和也:「・・・・・切れた(電話が)。」

灯:「切れたわね。・・・・・・理奈ちゃんが。」

和也:「え゛? うわあぁぁぁぁぁぁ!!?」




奈緒の憂鬱
第十話:奈緒の魅力
作:SAYA




奈緒:「うううう・・・・・・(半泣)」  女装姿の俺。ちなみに指輪着用時。

灯:「うわぁ〜。やっぱり奈緒ちゃんにはその恰好が一番似合うね♪」   部屋に入った途端そんな事を言われた。

理奈:「奈緒遅い!!」  未だ不機嫌な理奈が言う。

和也:「・・・・・・・・・・。」   その傍らには原形を留めていない物体が・・・・・・。まあいずれ復活するだろう。

奈緒:「う・・・・ご、ごめん。そ、そういや明の奴はまだ帰って来ないのか?」

理奈:「ふぅ。そうみたいね。一体沖縄で何をやってんだか・・・・・・」  やれやれと首を振る。

 俺達がここに帰って来てから翌日、バンドの練習を再開しようとみんなに呼び掛けたんだけど明だけ来なかった。明ん家の小父さんに電話したら明の奴『沖縄に行く!』という置手紙をしていなくなったらしい。どうやら自分だけ置いてけぼりを喰らったのが辛かったのだろう(笑)。しかし行き違いで俺達が戻って来てるから今、あそこには誰もいないはずだからあいつが今、何をやってるのか誰にも分からない。

灯:「あ、そういや奈緒ちゃん。はいこれ♪」  っと渡してきたのは一つの生徒手帳(勿論他校のやつ)。そこに書いている名前は、

奈緒:「『紅葉寺 奈緒』 何だこれ?誰の手帳だ?」

灯:「誰って奈緒ちゃんの手帳だよ。もちろん偽名だけどね♪」

奈緒:「偽名・・・・って、何でこんな物を?」

灯:「それは奈緒ちゃんと『煎杜 那雄』を別人で認識させるものだよ。手帳は外国の物をコピーして作ったの。もちろん書いてある住所は存在しないけど。」

理奈:「灯ちゃん、それは犯罪なんじゃ・・・・・・」

奈緒:「ってか何でこんな物を作って俺に渡すんだよ? そもそも何で偽名なんか作ったんだよ?」

灯:「だって今、烏戒君沖縄にいるでしょう?もしかしたら『奈緒』と『那雄』が同一人物だってばれるかもしれないんだよ?これはその為の保険。」

奈緒・理奈:「「保険?」」

灯:「そ。つまり、烏戒明は奈緒ちゃんの両親を知っているから波佐間ビーチに行き、奈緒のお爺さん達に会って話を聞いた時点で『奈緒』と『那雄』が同一人物だという事が分かってしまう。でも、そこに別の親が出てきたらどうする?」

理奈・奈緒:「「別の・・・・親?」」

灯:「そう。『ナオちゃん』の親が奈緒ちゃんの両親ではなく『別の親』がいるという事実を捏造しておいたってわけ。」

理奈:「そっか! そうすれば奈緒の両親との関係が消えるわね。姿形が似てるのは従妹(いとこ)だって言えば済む話だし。」

奈緒:「それはいいんだがその親ってのがこの『紅葉寺』っていう人なのか?」

灯:「そ、今度紹介するけどその人はお父さんの会社で秘書をやってる人だから。もちろんOKも貰ってるわよ♪」

奈緒:「良いのか? 勝手に偽名なんか作って・・・・・・」

灯:「大丈夫。本来存在しない『紅葉寺 奈緒』を本当に存在するような『感じ』にしただけだから法律には掛かってないわよ。あとは烏戒君に聞かれたら『自分も初めて会った。自分にそっくりな女の子がいたなんてビックリした』とか適当に誤魔化せばいいわ。」

和也:「問題は明の奴がそれで納得するか、だな。」

奈緒:「そうだな・・・・・ってうわっ!? 和也、いきなり驚かすなよ!」  急に復活した和也。

和也:「す、すまん。ってかお前、また女装してんのか?」

奈緒:「しょうがないだろ。この格好は嫌だけど、こうでもしないとあいつ等解放してくれないんだからさ。」

和也:「ふ〜ん。何て言うか・・・・・沖縄からそういう格好しか見てないから違和感がまるでない。指輪してても違和感がないって本当に凄いよな(汗)」

理奈:「和也。何奈緒をジロジロ見てるの?(嫉妬気味)」   不機嫌そうにこちらを見る理奈。うわっ怖!

和也:「いや、那雄(奈緒)って男の癖に本当に女装が似合うよな〜ってさ。別にやましい事で見ちゃいねーよ。」

理奈:「な!? べ、別にそんなつもりで言ったんじゃないわよ! ただ・・・・・・」

和也:「ただ・・・・・・?」

理奈:「どうせ見るんなら私の方を見なさいよね・・・・・・・せっかく昨日美容室に髪をカットしに行ったのに全然気付がついてくれないんだから・・・・・・・」

和也:「ん? 小声で良く聞こえないぞ?」

理奈:「う、うっさい! 何でもないわよ!(赤面)」   持っていたバチで叩く。

和也:「痛!? 何でそれで叩くんだよ?」

理奈:「別に何ででもいいでしょ! フンだ!」   そっぽを向いて頬を膨らます理奈。

和也:「????」   頭を押さえながら首を傾げる和也。


奈緒:「・・・・・・ツンデレだな。」
灯:「・・・・・・だね。」





 ♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜〜♪〜♪〜♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜〜





 二時間後──────────────────

奈緒:「ふぅ・・・・・。何て言うか、味気無いな。」

和也:「まあな。ベース無しではテンション上げにくいもんな。」

灯:「そ、そうね・・・・・・(その割には二時間もノリノリで練習出来てたじゃない・・・・・・)」

理奈:「う〜ん・・・・・。やっぱり軽音部の方から応援借りよっか?」

奈緒:「それは嫌。あいつら絶対俺を玩具にする気だから絶対嫌!」    う〜〜。嫌なトラウマが・・・・・・・

理奈:「嫌ってあんた・・・・・。じゃあ、明が帰って来るまで味気無い練習をグダグダと続けるつもり!?(苛)」   あ、何か不機嫌な雰囲気・・・・・・

和也:「そ、そうだ我儘はいけないぞ奈緒。(理奈の雰囲気を読め馬鹿!)」   っと、どこから出したのか饅頭を理奈の口の中へと・・・・・・

灯:「理奈ちゃん落ち着いて。今、貴女が苛々してもしょうがないでしょ?」   さらに灯も理奈の口に赤○餅(伊勢名物)を入れる。

理奈:「もがもがもが・・・・・・もがぁ(なにすんのよ・・・・・・もう!)」    不貞腐れながらも口をモゴモゴする。

奈緒:「ってかお前らいつの間にそんな物(饅頭やら○服餅)を持って来たんだ?」

灯:「ん?いや昨日テレビで和菓子特集やってたから何となく食べたくなったから色々取り寄せたの。食べる?」

奈緒:「いらん。」

灯:「そっかー。奈緒ちゃんは烏戒君の事で頭とお腹がいっぱいなんだね♪」   ニヤケ顔でそんな事を言う灯。

奈緒:「ってこら。何で話がそっち行く?明は関係ない関係ない。」


 ガラッ────────────       急に第二音楽室のドアが開いた。


智香:「あ・・・・あ──!ナオっち発見!!」   急に入って来た女の子が俺を見て言う。

奈緒:「うげっ!智香!?」   そいつを見て逃げ出そうとする俺。


 浅田智香。
 俺と理奈、和也と同じクラスメイトで軽音楽部と生徒会(書記)に所属していて何かと俺を仲間に引き込もうとしている。ちなみにこいつも腐女子チームの一人でもある。


理奈:「あ、ひょうどひょかったひょもか(丁度良かった智香)・・・・・っんくん(無理矢理饅頭を飲み込む音)。あんた確かベースとか出来たわよね?」

智香:「やっほー理奈っち。ってみんな何食べてんの?」

和也:「ああ、あれだ。理奈の抑制剤。」   簡単に説明する和也。

智香:「あー、あれね。・・・・・で、理奈っち、何の話だっけ?」   うわっ。理奈の話聞いて無かったよこいつ。

理奈:「(苛)・・・・・貴女、確かベースとか弾けたわよねって言ったの。おわかり?」   いや、何でお嬢様言葉デスカ?

智香:「うん?一応弾けるけどそんなに上手じゃないよ?・・・・・理奈っち、何となくこの後の展開が分かるような気がするけどそれはちょっと今度ね。今は用事があるの。」

理奈:「用事って?」

智香:「えっとね。浩先輩がナオっちを呼んで来てくれって。」

奈緒:「あ、そっか。忘れてた。弁当を渡すの忘れてたんだっけ。」

和也:「弁当?・・・・・・・もしかして奈緒の手作りか?」

奈緒:「んな訳あるか。っつかお前は俺を何だと思ってるんだ?」

和也:「見た目、内面的にほぼ75%女子。」

智香:「っていうか見た目は完全に女の子だよね〜♪」

灯:「全面的に同意(苦笑)」

奈緒:「女言うな!!・・・・・ったく、じゃあちょっと行ってくるわ。」

理奈:「早く戻って来なさいよ?」

奈緒:「一応努力するがあそこには変態会長(一話参照)がいるぞ?」

和也:「あー。奈緒に女だと思って告白った生徒会長か。」

灯:「(今は完全に女の子になれるのだから普通って言えば普通の事なんだけど・・・・・・・)」
理奈:「(そうね。シチュエーション的に正しい絵なのよね。奈緒には可哀想だけど。)」

 和也達をその場に残し、俺と智香は兄さんとHENNTAI会長がいる生徒会室へと向かった。





智香:「浅田戻りましたー!」
奈緒:「し、失礼します・・・・・・」   おずおずと中に入る。

会長:「Oh! 会いたかったよナオたん☆」   入るな否やいきなり抱きついて来ようとするHENNTAIさん。

奈緒:「っ!? させるか、智香ガード!!」  咄嗟に隣にいた智香を俺の前に出す。

智香:「え?」


 がばっ・・・・・・・・   ←HENNTAI会長が智香に抱きつく擬音。


 きゃああああぁぁぁぁ────────────────────────────!!!



 ──────────────────しばらくお待ちください(by奈緒)──────────────────



浩:「お、奈緒。手間かけさせてすまないな。」   奥から来た兄さんに弁当の入った包みを渡す。

奈緒:「全くだよ。お陰でHENNTAI会長に抱きつかれるところだったよ。」

智香:「ナオっち! だからと言ってあたしを盾にしないでよ!」

奈緒:「いや、ごめん。つい癖で。」

智香:「どんな癖よ!?」

浩:「ところで会長をこのままにしておいていいのか?」

智香・奈緒:「「良いんじゃない?変態だし。」」

浩:「ひ、酷い言い草だな。」

会長:「おれ・・・は・・・HENN・・TAI・・・・・じゃ・・・な─────い!!!」   突然復活して叫ぶHENNTAIさん。

奈緒:「何言ってんですかあんたは! 人にいきなり抱きつこうとする人はHENNTAIに決まってます!」

智香:「抱きつかれたのはあたしなんだけど・・・・・・」

会長:「何を言っている! 俺はナオたんが好きだ! だから抱く!」

奈緒:「いやいやいやいや! 意味が分かりません。好きになったら抱きつくんですかあんたは!?」

会長:「だってこの二週間ナオたんに会えなかったんだぞ!?そのくらいやったって良いじゃないか!」

奈緒:「いや、だから意味が分かりません。それとナオたん言うな!!」

会長:「え〜〜〜!?」

浩:「はいはい会長。仕事がまだ沢山残ってるんだ。さっさと仕事をやって下さい。つか早くやれ。」

会長:「い〜〜や〜〜だ〜〜〜〜〜・・・・・・・・・」

 HENNTAI会長は兄さんにズルズルと引きずられながら奥に引っこんで行った。



智香:「あそこまで仕事が手に付かない位、ナオっちに夢中になるなんて凄いね・・・・・・」    感心したような呆れ顔で言ってくる智香。

奈緒:「ってかあの人あんな性格だったっけ?」    夏休み前に告白(こく)られた時と印象がかなり変わってるような気がするんだけど?

智香:「あ〜〜〜いや。少なくともあんたが会長を振る前はまともだったんだけど、振られてからは何か理屈が子供っぽくなってね。今じゃこうして全然仕事にならないんだよ。副会長(浩さん)も手を焼いていてね。」

奈緒:「・・・・・何か兄さんに悪い事しちゃったな。」

智香:「心配するのは副会長(兄さん)の事だけかい!?」

奈緒:「うn。いちいち振った相手の事なんて考えないよ。だってそのほとんどが野郎からの告白なんだぜ?」

智香:「う・・・・それはまたご愁傷さまだね。・・・・・・・って、うん?」

奈緒:「ん?」   智香に釣られて声のする方を向いた。

 ガラガラッ・・・・・・・×2

理奈:「もう奈緒! いい加減戻って来るの遅いわよ!」    出口方面に切れ気味の理奈がいた。

会長:「ナオたん!酷いぞ!何で俺の分まで弁当を作ってくれなかったんだよ〜〜〜(泣)」   うわぁ。奥からまた会長が飛んで来たよ・・・・・・

奈緒:「理奈。ごめん!!」   すぐそばまでやってきてた理奈を掴み、

理奈:「へ?」    会長の方へと押した。


 がばっ・・・・・・・・・・・・     ←本日二回目。


 ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ドゴ─────ン!!!



和也:「んを? 今何か揺れなかったか?」   カード麻雀をやっていた和也がさりげなーく『発』のカードを切った。

灯:「ん?気のせいじゃない? あ、それロン!『大三元』!!」    それを見逃さず役満(一番大きい役)を上がる灯。

和也:「のあー! また役満かよ!?(叫)」   和也の叫びも木霊した。




奈緒・智香・浩:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 三人はめちゃくちゃになった生徒会室で起こった惨劇(?)に言葉を失った。惨劇というにはちょっと違うが、会長が理奈に抱きついて5秒後、一瞬でこのありさまになった。最早会長は原形を留めておらず(さっきのはボコボコの状態)、教室の中は台風が来たように物が散乱し、窓ガラスも全て砕け散った。割れた、ではなく砕け散った。





 ──────────そして理奈は片手で額を抑えてこう言った。

理奈:「────────SOSHITE、TOKIHA、UGOKIDASU。」      何で全てスペル文字なんだろう・・・・・?

智香:「いや理奈っち。元々時は止まってないから!」    おおう!突っ込み早!

奈緒:「ってかそのネタ古いなー。えっと、何だっけ? ジョ●ョの奇──────もごっ!?」    いきなり口を智香の手で塞がれた。

智香:「ナオっち。それ以上は言っちゃダメ。おk?」

奈緒:「お・・・・・おk(汗)」     何となく雰囲気で察した。

浩:「それよりどうすんだよこの有り様・・・・・・・・」    崩壊した生徒会室で項垂れる兄さん。

奈緒:「ごめん・・・・・片付けるの手伝うよ。っていうか俺の所為だしな。」    罪悪感MAX

浩:「当たり前だ。」





和也:「おーい。理奈? 奈緒? まだここにいるのかー?」   俺達の帰りが遅くなって様子を見に来た和也。

灯:「何これ!? 何で窓ガラスが全部割れてるの!?」     和也と同様に様子を見にきた灯が驚く。

理奈:「お願い、今は何も聞かないで・・・・・・・(泣)」

奈緒:「まあ、色々あったんだよ。気にするな。」

和也:「いやいやいや気にするなって言う方が無理っちゅねん!」   えっと・・・・・何語?

浩:「お前ら、いいから早く先生達が来る前に片付けるぞ。・・・・っと、灯ちゃん。業者にガラスの手配をお願いしてもいいかな?」

灯:「あ、はい。分かりました。すぐに向かわせます。」   いきなり呼ばれた灯がビックリしつつ返事する。




 ────────三十分後、すっかり元通りになった生徒会室で一息を入れる一同。

智香:「って元に戻るの早いよ!?あんなにボロボロだったのに!?」   思わず突っ込みを入れる智香。

奈緒:「智香。ここにいる連中に常識なんて通用しないって(笑)」

和也・理奈・灯:「「「俺(私)達はどんな連中なんだよ(なのよ)・・・・・・」」」

浩:「さてと。んじゃあ会長。さっさと書類を片付けて下さい。俺達は疲れたんで帰ります。」   おおう。気付けばもう三時過ぎてるではありませんか。

会長:「ええ〜〜!? 浩ちん手伝ってくんねーの!? 薄情薄情!!(叫)」

浩:「うるせー! 浩ちん言うな! 大体毎日ちゃんと仕事していればこんなに書類が貯まる事が無かったんだぞ! もう俺は知らん! 奈緒。帰るぞ!!」

奈緒:「え? あ、うん。おk。」   珍しく切れてる兄さんにちょっとビックリ。

会長:「せ、せめてナオたん・・・・・いや、せめて智香ちんだけでも残って〜〜〜!」

奈緒・智香:「「謹んでお断りします(_ _)」」

会長:「うわ〜〜ん!!(泣)」     会長の叫びもむなしく俺達は生徒会室を後にした。





浩:「全く・・・・・あのクソ会長はいつもいつも怠けて俺に仕事を押し付けてくるし・・・・・・・・・」    ブツブツと文句を言う兄さん。

奈緒:「兄さん。何か黒いオーラみたいのが出てるよ? つか怖いって・・・・・・」

浩:「う、すまん。ここの所あのクソ野郎(会長)の所為で色々とストレスが溜まってるんだよ。」  っとため息を付く。

奈緒:「生徒会も大変なんだねー。」

灯:「というより奈緒ちゃんが会長さんを振らなければあんな事にならなかったんじゃ?」

理奈:「確かに前(一学期)に会った時は真面目だったけど。やっぱり振られてから何かの線が切れたんじゃない?」

和也:「ただごねるガキみたいだったな。」

奈緒:「し、仕方ないだろ。俺は男なんだぞ。いくら会長がイケメンでも俺は男には興味無いって。」

和也:「・・・・・・その恰好で言うとお前、女好きな女の子になるぞ?」   っと言う和也。

奈緒:「っ!? そうだった・・・・・・。俺、今こんな恰好しているんだった。」

 ヨロヨロとその場に崩れ落ちる。何となく瞳が潤ってきた。べ、別に泣いてなんていないんだからね!!

智香:「イヨッ! ナオっち美少女ぉ!! 撮ろう☆」

理奈:「むぅ。男のくせになかなか良いポージングじゃない。さすが校内の一学期美少女ランキング一位を取っただけあるわね。」

灯:「・・・・・・・・・!!!(興奮)」

 携帯のカメラで泣き崩れる俺をカシャカシャ取る腐女子達(?)。灯に至っては鼻から赤い物が出てますよ?

奈緒:「お前ら撮るなー!!(泣)」   すかさず三人の携帯を没収。

和也:「お前も罪な奴だよな・・・・・・」   溜息を付きながら携帯をポケットに仕舞う和也。

奈緒:「おいコラ。お前も撮ってたのか?」

和也:「ん、んなわけあるか。め、メールだメール(汗)」

奈緒:「おーい。口調が怪しいぞ? やっぱ、お前のも没収。」

和也:「嫌だ! この画像をプリントアウト(勿論カラー)して売れば二万は・・・・・・はっ!?」    勝手に自爆したよ。

理奈:「和也。ちょっとこっちに来て。─────ああ、みんなまた明日ね。BAIBAI☆」

浩:「・・・・・・最後のスペルと☆マークが恐怖を掻き立てられるのは何でだろうな?」

灯:「さ、さあ・・・・・・」


 ぎゃああああああああああ───────────!!!!





 理奈が和也を地獄へと連れて行き、智香と灯とも別れて兄さんと夕飯の買い出しにスーパーに行く。その途中。

祐貴:「お?」
藍:「あっ!」

 見慣れたシルエット×2が現れた。

奈緒:「・・・・・・どうする兄さん?」

浩:「ここは選択肢だ。」


 『戦う』
 『スキル』
 『逃げる(スルー)』 ← ピッ!


奈緒:「あー今日も良い天気だねー兄さん♪」
浩:「そうだな。明日も晴れると良いよなぁ♪」

 あはははは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どこかで聞いたことのあるようなセリフを言いつつ、二人の横を通り過ぎようとした時、

祐貴:「姉ちゃん!俺を見捨てないでー(泣)」
藍:「お兄ちゃん!藍を捨てないでー(大泣)」

 いきなり訳の分からん事を言いながら抱きついて来た。ああ・・・・・周囲のおばさん達の視線がどこかしら痛い。

奈緒・浩:「「はぁ・・・・・・・・・・」」    以心伝心。

 とりあえず、嘘泣きしている(藍は無視された事に本当に泣いていたが)二人を黙らせつつ、買い物への旅へと同行させた。



 ちなみに何でこの二人を連れて行きたくなかった(スルー)かと言うと、

浩:「・・・・・・・・・・置いてこい。」

 藍の手にはケーキやら和菓子やら生菓子系の物をいっぱい持って来てた。当然却下したいのだが、

藍:「うううぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜。お兄ちゃ〜〜〜〜〜ん(潤潤)」     目をウルウルしながら兄さんに抱きつくマイ・シスター。

浩:「う、うぐぐぐぐ・・・・・・・・・」      周囲の目が兄さんを直撃する。気持は痛いほど分かる。

 そして祐貴はというと、

祐貴:「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 その手にはまた大量のスナック菓子&炭酸飲料。

奈緒:「・・・・・・・・・・・・・・・。」    毎度の事ながら何も言えない。

祐貴:「姉ちゃんの今日のパンツの色h・・・もごっ!?」   直感的に慌ててその口を塞ぐ。

奈緒:「祐。分かったそのお菓子、入れていいから。頼むからそんな恥ずかしい事大声で言わないで(泣)」   周りにいる野郎達の視線が痛いデス。

 こんな感じで妙なスキルを駆使する二人に勝てるわけもないので最初から連れて行きたくなかったんだよ。と兄さんが言っていた。うん。俺もそう思う。



理奈:「あれ?奈緒じゃない。あ、浩さんも。」    精肉コーナーを回った辺りでさっき和也を引きずって行った理奈がいた。良かった元に戻ってる。

奈緒:「理奈も夕飯の買い出し?」

理奈:「うん。そっちも?」

奈緒:「いぐざくとりー。まあ余計な物まで買う事になっちゃったけどね。」   買い物かごの中を指さして言う。

理奈:「あー。あんた達も大変ね。」    お前に言われたくありません。

奈緒:「で、幼馴染の和也君は何処へ?」    周りを見渡す。

理奈:「ん?ああ、和也は家のPCで沖縄で見つけた海底遺跡の解析をやってるわ。」

奈緒:「解析て・・・・・・・」    あいつはどこかの調査委員か?

理奈:「何かあんたと灯ちゃん家にある指輪の事で何か掴んだみたいなのよね?」

奈緒:「え? マジか!?」

理奈:「うん。といってもまだ共通点を調べてる段階だって言ってた。」

奈緒:「共通点? 何の共通点なんだ?」

理奈:「あんたの持っていた指輪の入手経路や、灯の会社で保管している指輪、そして世界各国の神殿とか教会とか遺跡と、あと世界遺産に歴史について。どうやらこれらの全てに『契約の装飾具(アクセサリー)』が関わっているみたいなのよ。」

奈緒:「『契約の装飾具』? 『指輪』だけじゃないのか?」

理奈:「そうみたいね。有名な教会や神殿の『メイフィスの聖杯』とか『聖なる十字架』とかにもそれらしきの『力』があったみたい。んで和也は今、他にもこういうのがなかったか解析(追跡)中。」

奈緒:「そ、そうか。やっぱりこれ以外にもあったんだな。」

理奈:「そうね。正直手伝いたいけど私は歴史苦手だから(苦笑)」

奈緒:「そ、そうか残念だな。ん?そういや灯の奴も『指輪』について調べてたんじゃなかったっけ? だったら一緒に調べればいいんじゃねーの?」

理奈:「それはそうなんだけどね。何かあの二人はそれぞれ違う事を調べてるみたいなの。」

奈緒:「え?違うの?」

理奈:「和也が調べてるのはさっき言った歴史からの調査。けど灯が調べてるのは指輪がもたらす影響力やその原理の解析──────」

浩:「つまり和也が『歴史』で灯ちゃんが『科学』と『論理』と言うことか。」

奈緒:「うわぁ!? に、兄さん。それに藍、祐貴いつの間に?」

浩:「んあ? さっきからお前の隣にいたぞ。気配を消していたが。」

藍・祐貴:「「NINNNINN♪」」

奈緒:「読みにくいからスペルで言うのは止めてくれ。」

理奈:「そういや奈緒ん家の先祖って忍者なんだよね?」

藍・祐貴:「「えっへん!」」       胸を張る我が妹弟。いや、お前等はおじいの扱き(修行)を受けていないだろう。

 その後、理奈と兄さんと『契約の装飾具』について語りながら買い物をし(その間にお菓子がいつの間にか増えていた)、理奈と別れて俺達も帰路に着く。





 現在、午後五時半。そろそろ子供達が外で遊ぶのを止め、家に帰る時間であ・・・・・えっと。祐貴と藍、そして読者の皆さん。ちょっと待ってて下さいね。

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奈緒・浩:「「親父(父さん)、母さん!こんな時間から盛ってんじゃね─────!!!」」

 俺達の両親がその・・・・18禁的な事を行っていた(真っ赤)。そしてその頃玄関先で待たされている藍と祐貴は、

藍:「(・ω・)???」       中で親がナニをやっているのか分かっていない奴。

祐貴:「( ̄o ̄)・・・・・。」   何となく察し、唖然となる奴。

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 1時間後──────────、

戎壱:「いやあ、久しぶりに燃え上がったよ。不完全燃焼気味だが(笑)」

麻奈華:「イヤン♪ 貴方ったらもう、子供達の手前でそんな事言っちゃダメ☆」

奈緒・浩:「「・・・・・・・・・・・・・(怒)」」

 両親のごにょごにょ(18禁ワード)を中断させて藍と祐貴を家へと入れ、これで煎杜家の全員が揃った所で俺は自室へと戻る。勿論服を男物に着替える為だ。しかし、

麻奈華:「あ、奈緒ちゃん。今日は私も夕飯作るの手伝ってあげる♪」    っと母さんが言ってきた。

奈緒:「ん?ああ、サンキュ。でもちょっと待っててくれ。着替えてくるから。」

麻奈華:「ダ〜メ♪ 奈緒ちゃんは着替えないでその『指輪』だけ外して来なさい☆」

奈緒:「・・・・・・・はい?」

麻奈華:「ふふふ、私、娘と一緒に料理するのが夢だったんだ〜〜〜〜♪」   っといそいそとエプロンを着けていく母さん。

 すぐ近くで藍が「私は〜?」と尋ねると「んじゃ藍ちゃんも一緒にお料理しましょうか♪」っと藍まで巻き込む母さん。

奈緒:「・・・・・・・・・・・・・・・(半泣)」   半泣きになりながら兄さんに視線で助けを求めたが、

浩:「奈緒、諦めろ。ああなった母さんは俺でも止められない。」     頭を撫でられて断られた。

奈緒:「うわ〜〜〜ん!(泣)」

 ───────その夜の夕飯はそれはもう最高に美味かったらしいが、俺には涙の味しか知らず、料理の味など全く分からなかった。くすん(涙)



 >to be next destiny(続く)




 どうも、五月病気味のSAYAデス。とうとう10話目に突入してしまいました。良い事なのかなこれ?

 今回は沖縄に戻った後の明抜きの話になります。新キャラや出す予定の無かったHENNTAI会長さんまで出て来て波乱な展開に・・・・・なってたのかな?

 ちなみに入れ違いで沖縄に行ってしまった明ですが現在は海のバイト『島宝』で帰りの飛行機代を稼ぐ日雇いのバイトをやっています。勿論剛やひなたとも関わるのですが、その話はまた今度お話しようと思います。

 『契約の装飾具』ですが、これは奈緒の持つ『双輪の指輪』もこれに入り、ある条件を整えると『願い』が叶うというどこかの少年漫画みたいなものがこの世界にはたくさん存在するようです。まあそれぞれ条件は異なりますが。

 奈緒の父親である『戎壱』ですが、沖縄での仕事が完全に終わり、こちらの警察本庁に戻って来たという設定になっています。そしてドタコンな上に妻の麻奈華とも子供達が見て恥ずかしいほどいちゃいちゃいちゃいちゃ×∞。なのでいつもは夜遅くまで帰ってこない麻奈華も急患がない時は定時(夕方五時)に仕事が終わります。

 女装にもはや違和感がなくなりつつある奈緒ですが、これもこの展開で良いんだろうか?ちょっとあの作品に被ってそうな気も無くはありません(苦笑)

 というわけで、そろそろ次で明と合流し、バンドやその他色々の問題が発生します。

 ではオマケをどうz♪




 夜十時半過ぎ。奈緒の部屋にて────────────────

藍:「お姉ちゃん♪」

奈緒:「んを!?」    指輪を磨いていた時に藍がやって来た。

奈緒:「何だ?何か用なのか?」

 とりあえず指輪を机に置いて藍に向き合う。勿論指輪を外しているので今は女の姿。・・・・・・ブラ付きで。

藍:「えっと・・・・・・。えいっ!」

奈緒:「にょわ!?」    いきなり胸を揉まれて・・・・・・

奈緒:「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」

 藍に胸を(ごにょごにょ)され、俺は悲鳴ならぬ奇声を上げた。


 十分後────────────────


奈緒:「はぁはぁ・・・・・・・・・・」     そこにはすっかり自分の妹に骨抜きにされた自分がいた。恥ずかしい(赤面)

藍:「・・・・・・・・むぅ。」     藍は自分の手を開いたり閉じたりしている。何なんだろう?

奈緒:「い、一体何がしたいんだよ。お前は・・・・・・」   息切れしつつ質問。

藍:「・・・・・・・・ってる。」

奈緒:「ふぇ?」

藍:「お姉ちゃんの胸、また大きくなってるぅ!!!」    今度は何故か藍が悲鳴を上げた。・・・・・・って、え?

 っとその時、ドアから勢い良く弟の祐貴が入って来た。そして

祐貴:「何だって─────!!? 一体どんだけ大きくなるんだ姉ちゃん!? っつか今何カップよ!?」   とか言いだす愚弟。

藍:「えっとね。ごにょごにょ・・・・・・・・」    祐貴に近付いて耳打ちする藍。

祐貴:「何───────!!?」    仰天する愚弟。そ、そんなに驚く事なのか?

奈緒:「────────つかお前等。」    二人の首根っこを捕まえて。

奈緒:「出てけ───!!(怒)」


 落ち無し。




 ちなみに奈緒の現在のスリーサイズは灯が調査した結果、B83(+3cm)W56(+1cm)H83(+2cm)との結果になっています。知らぬは本人ばかりなり。

 ではまた次回にお会いしましょう♪



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