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「ハァ・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ」

一人の少年(?)が息を切らして校庭のかなりでっかい木(通称 世界樹と呼ばれている)の側で呼吸を整えていた。

「ねえ、ナオちゃんいた?」
「ううん、そっちは?」
「だめ。逃げられちゃった(泣)」

「・・・・・・・・・・・・。」 くっ・・・・こっち来んなよ・・・・・・・

「う〜ん、残念。せっかくナオちゃんに似合いそうな服、いっぱい持ってきたってのに・・・・・・」

「(やっぱりそっちかよ!)」

「仕様がない。今度にしよっか?」
「そうだね。ナオちゃんはバンドがあるからね。その時に・・・・・」
「うん、そだね。残念〜」


「・・・・・・・・・・。はぁ〜」 良かったなんとか逃げ切った・・・・・・・



しかし、俺は気付いてなかった。後ろにいた存在に・・・・・・・

「あっ、いたいた♪」 ・・・・・・・・え゛?  

「良かった、ナオちゃん、来てくれたんだね。」 っと言うのは上級生の男子生徒。

(げ!・・・しまった・・・・・) そういやここに呼び出されていたんだったっけ・・・・・・

「・・・・・いや、ここに来たのは偶然で・・・・・」 

「・・・・・それよりナオちゃん、何でそんなに息を切らしてるんだい?」 

「先輩達に追いかけられてたんですよ!見れば分かるでしょう!」 っと言い返す。

「相変わらずモテモテだね、ナオちゃんは(笑)」 
「『ナオちゃん』言うな!(怒)」

「えっと・・・それでナオちゃん・・・・・・」

「どうせ『俺と付き合ってくれ』とかでしょう?無理です。ってか嫌だ!」

「ナオちゃん!俺のどこが嫌なんだ!?」 っと言ってきた。一応この人の名前くらいは知っている。俺に告白してきたのは元・野球部のキャプテンで今は生徒会長の人なんだと。名前は・・・・・やっぱどうでもいいか。どうせ使い捨てキャラだと思うし(笑)

「もう何度これを言ったか忘れましたけど。俺は男です!野郎となんか付き合える訳ないでしょう!」






奈緒の憂鬱
第一話:回乱混想(かいらんこんそう)
作:SAYA




今更ながら自己紹介だ。
俺の名前は煎杜奈緒(せんと・なお) 『煎杜』が苗字で『奈緒』が名前。
この名前でいうと、明らかに女の子を連想するのが普通だ。多分男には絶対使われる事はないだろうと思う。いや絶対ない!

けど俺は一応、正真正銘の男で、今年高校に上がったばかりの一年生。
・・・・・・・とはいえ、俺は『奈緒』という女の子っぽい名前のせいで、何故か女顔、身長も165cmとやや低めで身体も細い。髪も今は普通の短く切りそろえたが、入学当時、髪は肩下まであったがそれがいけなかった。

おかげで入学して以来、一学期だけで何回告白されたやら・・・・・・
そして、そのほとんどが『男』だって事は言うまでもあるまい。

俺は男だっての!・・・・・そりゃあ声は少し高いけど俺が『俺』と言う物腰から気付けよいい加減に・・・・・


ちなみに何で俺の名前が『奈緒』で女の名前なのかというと、俺が産まれた時、本当は『那雄(なお)』にしたんだと。
役所に出生届を出して数日後、届いたのは『奈緒』という漢字が明らかに違った名前だった。本来ならすぐに役所に行って訂正して貰うのが道理なのだが。何故か変えなかったらしい。父さん曰く、「読み方は同じだから名前の漢字なんか気にすんな!(笑)」って言われた。ちなみに母さんにも同じ事を言われた・・・・

しかし、読みが一緒でも漢字が『奈緒』だった為、俺(の身体)が女の子っぽく育ってしまったのは言うまでもない(泣)

一応、学校では建前上『奈緒』ではなく『那雄』と名乗っている。もうこれは意地に近い・・・・・・



ちなみに先日、こんな事があった──────────────────

高校に入学してしばらくした後のゴールデンウィークに入る前に行われる二日間の新入生歓迎の体育祭。普通の学校の体育祭は一日だけだがこの栂野(とがの)高校は進学校や体育系な高校ではなく普通の高校だが、やけにイベント好きな高校な為、結構有名である。

で、その体育祭で一日目が陸上系。二日目が球技やその他のパロディ競技がある。この体育祭はクラス対抗戦で行われて、さらに上級生との交流も深めるため、チームが『一組』なら一年一組、二年一組、三年一組との混合チームで互いに協力しないと総合優勝は難しい。

一日目は問題なかったが、事件があったのは二日目のパロディ競技『コスプレ障害物競争(男子のみ)』。俺はこの競技に出る事になってしまった。一応誰も出る人がいなかった為、厳選な抽選により俺が選ばれた(本当かなぁ?)。今となっては誰かに仕組まれたんじゃないかと疑っている。

普通、コスプレなら『ガン○ム』とか色々なるべく動きにくい物を選ばなければならなかったが、俺が何を着ようか迷ったその時(ちなみに着る物は自由)、同じクラスの女子が俺に女子の制服(特例)を着るように言ったのだ。一応それも認められているんだが・・・・・・確かに他の物に比べたら動きやすいと思うが、そのかわり他の物に比べて珍見な、もしくはもっと変な目で見られるのは間違いない。そう・・・・・俺以外だったら・・・・・・

クラスのみんなは『お前なら似合うぜ絶対(笑)』とか言って冗談混じりで言ってたが、俺が(嫌々)それを着た途端、みんなの態度が変わったのだ。何かみんな顔を赤くしているみたいだった(特に男子)。最初はクラスだけに見せてたが、競技になると全校生徒に見られる事になる。それが結果的に俺にとっては最悪の結果になった。

そして競技当日。俺が出る『コスプレ障害物』の出番だ(鬱)・・・・・・

大人しくそれ(女子の制服)に着替えてさっさと終わらせようとグラウンドに出る。
すると突然。それまでワイワイ騒いでいた全校生徒が急に静かになった。そしてその直後、俺の所に審判(先生)が来てこう言われた。
「えっと・・・君?これは男子の競技だよ?」 っと審判が顔を赤くしながら言う。


そんなことは分かってる!分かってるから早く始めてくれ!恥ずかしいから!!  っと何故か俺も顔を赤くし、俯く。


クラスの説明によりやっとの事で審判がOKを出した。ってか事前に説明してくれても良かったんじゃないか?っと俺にこんな服を着せた女子に言ったら「そんな事したらみんな(全校生徒)の反応を見る楽しみが減るじゃない♪」っと言われた。おいおい!

静寂の中(体育祭なのに?)『コスプレ障害物競走(男子のみ?)』が始まった。が、俺以外の参加者は何故かまともに走っていない。


そんな連中の事は気にせずとっとと走って終わらそう、そう思った矢先、全校生徒(主に男子)の心を動かす事件(?)が起こった・・・・・。

障害物の内容は八つ、最初はハードル三つ、ジャンプするときスカートが捲れて(何故か女性用の下着も着けられた)みんなに見られないか心配だったが何とか突破したが後ろを見ると、後続の連中の顔がさらに真っ赤になっていた。見られた!?

そ・・・そういや、下(下着)も女物だったな(無理やり着せられた)・・・・・・

二つ目は平均台。普通なら難なくこなせるが、この時ばかりはどうしても周りの視線が気になって足元が集中出来なかった為に途中でバランスを崩し落ちてしまった。幸い怪我は無かったが、ちょっと痛くて涙ぐんていた。

その後、三つ、四つ、五つ、六つ目と危なかったが何とか突破した。その間、何度も転んだ事は言うまでも無い。だって周りの視線が気になるんだよ!おかげで全然集中出来ずに転んで怪我(っていっても擦り傷や軽いアザ程度)しちゃったじゃないか(痛)。この時俺は気付いていなかったが、周りのみんなが少しずつ俺に近づいていた。


そして事は起きた───────────────
七つ目の障害はまたもやハードルが四つ。今度は少し高め。 ジャンプ系はあまり嫌(スカートが捲れるから)なんだけどなぁ・・・・・。

慣れない格好、どうしても周りの視線が気になっていた事、ハードルが少し高くなってる事で、俺は上手く飛べず、バーに引っかかり派手に転倒してしまった。

痛い・・・・・(泣) 
顔を地面にぶつける痛さは半端じゃない。いや、顔だけじゃない。もう何度も慣れない格好で転んだから身体中のあちこちから悲鳴が聞こえる。


くそっ!何で?何で俺はこんな事してるんだ!何でたかがくじ引きごときでこんな目に合わなきゃならないんだ!(泣)


気付けば俺はへたり込んで泣いて・・・・・いや、泣いてない。少なくても俺はあの時、もの凄く悔しかったんだ。でも悔しいが泣くほどではない。
が、派手に転んだとき、土埃が舞い、目に入った。悔しながらも目に入ったゴミを取ろうと目を拭う。

俺は目に入ったゴミを取ろうと拭っていたが、周りからしたら俺が泣いているように見えたらしい(クラスメートの説明より)


そして、その姿に見るに見かねたのか周りの観客(生徒)の何十・・・いやほとんどの人が俺に(走って)近づいて来た。な・・・・何!?

「き・・・君、大丈夫かい?」     ・・・・・へ?
「ささ!早く保健室に!」     ・・・・・・ええ!?
「待て、俺が連れて行く!」     ・・・・・・・ええええ!? 
「いいや、僕が行く!お前は引っ込んでろ!」     ・・・・・・・。
「何だとコラ!?」 「ああ゛!?」 

「・・・・・・・・・・。」
え〜っと、何だこの光景?何やってんだこの人達(野郎共)は?

「あんた達、そんなに迫ったら怖がるでしょう。離れなさい!」   っと俺にまとわり着いている野郎共を引き剥がす女子。
「ったくもう・・・・・。あなた大丈夫?痛くない?」  (・・・・・・・えっと、痛いけど。まぁ、一応男なんで。)
「ああ・・・ここも怪我してる・・・・・」     (・・・・・・・すみません。)
「ほら!泣かないで。拭いてあげるから♪」     (・・・・・・・・んんっ。)  ハンカチで顔を拭かれる。
「よっぽど恥ずかしかったのね。顔真っ赤だよ?」      (・・・・・・んん・・・・え?)

顔に手を当てる。え?俺、顔赤い? 両手を顔に当てて頬から熱を帯びているのが分かった。しかしその仕草が全校生徒の心を揺さぶった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」 あれ?また急に静かになったぞ?

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」   (えーっと・・・・・みなさん?)

「・・・・・・あ・・・・・あの・・・・・・」 顔を真っ赤にしたまま尋ねる・・・・・・・

「「「「キャ〜〜可愛い!!」」」」 ・・・・・・え?

「「「「う・・・うおおおおおお!!!!(萌)」」」」えええええええ!!?

その後、身の危険を感じた俺は脱兎の如くその場から逃げ出した(競技は無効になった)。当然逃げる俺の後ろからもみんなに追いかけたが・・・・・・


後日、この出来事が原因で色々と大変なことになるのも言うまでもあるまい。

これまでに告白された回数  男子から約21回(友人が数えた数のみ)。  女子からは4回(というか女子の場合、おもちゃにされる方が圧倒的に多い。)


そんなこんなで今日、一学期の終業日。既に式も終わって今は昼休み。この後は大掃除して帰るだけ・・・・だったんだがまたもや上級生の女子に見つかって追いかけられて逃げ回り(捕まったらおもちゃにされるから)、その挙句また告られるとは・・・・・・しかも生徒会長にまで・・・・・・。
基本的に俺を呼び出すときはラブレターが多い。が、さすがに破ったりするのは罪悪感があるため直接は読まず。そっとゴミ箱に捨てたり断ったりしている。今回はたまたま追いかけられここに来ただけなのだ。ちなみに男子はラブレターなどの呼び出しだけ(根性なし)


「・・・・・・やっぱり噂は本当だったんだね。」 
「噂?」

「・・・・・君が『同一性障害』だって噂。」
「・・・・・・・はい?」

・・・・えっと、ドウイウコトデスカ?

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「アハハハハハハ!(笑)マジかよ那雄、お前そんな事になっていたのか。」 っと言うのは親友の『烏戒 明(うかい あきら)』。俺の中学からの親友で、いつも・・・・ではないが大抵いつも俺とつるんでいる腐れ縁。俺がこんな状態(追っかけ)にあってからというものの時たま助けてくれる恩人でもある。


大掃除も終わり、今はもう下校時間。さすがにもう追いかけては来ない・・・・よな・・・・・・?

「明、笑い事じゃないだろ!何で俺が『同一性障害』なんだよ!ったく誰だこんな事言ったのは!?」
「さーな。多分前にお前が振った連中の誰か、じゃないか?」
「う・・・・それならありうるカモ・・・・・・。」

「・・・・・で?今日はバンド来れるのか?」 っと明が言ってきた。
「んー今日も無理、かな。でも今日で終わらせるから明日から来れると思うぜ。」
「分かった。」 

俺たちは今、秋の文化祭に向けてのバンドの練習をしている。明はベースで俺はボーカル。あと、ドラムとキーボード、ギターの3人は今、バンド室にてそれぞれ練習をしているらしい。本当は俺も参加しなきゃならないんだけど今は家の引越しの準備があるから参加できない。早く引越しの準備、終わらせないとな・・・・・

「じゃあ俺はバイトがあるんでな。」
「ああ、ガンバレよ明♪」
「ああまたな。」



「ふ〜・・・・・(汗)」 家に帰り、俺は一人、自分の荷物と戦っていた。何せ服だけでかなりの量だ。

何故なら明後日に引っ越すからだ。いや、『リフォームした元の家に戻る』ってのが正しいんだろうな。


(ふ〜。・・・・まったく女の子じゃあるまいし。)


(・・・それに大体何で女の服までここに入ってんだ!また母さんの仕業か!?) っと一人ごちてると、  

「・・・・おーい、まだやってんのか奈緒・・・・・・」 っと後ろから声をかけられた。

「しょうがないだろ、こんなにあるんだからさ。そういうなら兄さんも手伝ってよ。俺も早く寝たいんだ!」 

「だったら寝ればいいだろ。大体今の今まで荷物の整理をしてなかったお前が悪い!」

「うっ・・・だって今までバンドで忙しいんだよ。明日、練習があるから今こうして・・・・・・」

「ああ分かった分かった。んじゃ早くやって寝るぞ!」
「・・・微妙に危ない発言になってるんですが・・・・・」
「気にすんな!」

兄さんにも手伝ってもらい難なく作業が進む。そして準備が終わりそうになった時・・・・・


コツン・・・・・
「・・・・ん・・・・・何だこれ?」 奈緒の兄が床に落ちていた『指輪』を拾って呟く。

「え? あぁ!? そ・・・それは・・・・・・!」 俺はすかさず兄さんが持っていた物を奪い取る。

そしてそのまま・・・・・・

「ってえ〜(痛)。何なんだ一体!?」    俺は兄さんを押し倒していた(へ・・・・変な意味じゃないぞ!)
「あ・・・・ごめん、つい・・・・・」
「つい。じゃねえ。早くどけ!」    
「あ・・・・ごめん!」      

さすがにこの光景はやばいよな。誤解されてもおかしくない・・・・・・  っと思いつつ兄さんから退いた。


ちなみに兄さんの名前は『煎杜 浩(こう)』。俺の一つ上で結構面倒見が良いが、いい加減な所も結構ある。

「さて片付いた事だし。寝るか。」 っと兄さんが言う。
「ん。そうだな。さすがにもう・・・・・疲れたよ(欠伸)」
「その上奈緒に襲われちゃったしな・・・・・(笑)」
「っ!あれはわざとじゃない!」
「分かってるさ。ほら、さっさと布団敷いて寝ろ。おやすみ。」
「ああ、おやすみ。」   兄さんは自室へと戻っていった。



俺も片付けて広くなった部屋に布団を敷いて寝ることにした。横になるとさっき兄さんから受け取った物が気になってズボンから取り出した。

「何で今頃こんなもの・・・・・・・・・」 俺はそれを手に持ち眺めながら呟いた。

これは俺が小さい頃、いつも一緒に遊んでいた友達から貰った大事なものらしいが、いつの間にか無くなってたんだよな・・・・・・・

「はぁ〜・・・・・・」 俺は溜め息をついてそれを握りしめる。


何で今頃こんなものが出てくるんだよ・・・・・・・。今の俺は・・・・あの時とは違うんだ・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・!」 手をギュッと強く握り締めこのまま握り潰そうかと思ったとき・・・・・・・・



ピカ──────!!  っと何故か指輪が光ったのだ!



「・・・・・え?えぇ!?」
そりゃ驚くさ。だってこれ、『おもちゃ』だぞ!?どこかの呪われた骨董品なんかじゃないんだぞ!?

「っ!!?」 俺が心の中で突っ込んでいるとその光が俺をも包み込み始めた。やばい・・・・何故かは知らないけどこの光、とてつもなくヤバイ!!

「なっ!!?」 俺は握っていた『指輪』を離そうとするが逆に何かの力で吸い寄せられる感覚がした。


・・・あ・・・・・・・  俺は何も出来ずにその光に包まれてそのまま気を失った・・・・・・・・。 













「おっっそ──────い!!」  っと学校の一室で一人の女子生徒が痺れを切らしていた。

「うがぁ! いきなり大声なんか出すな!耳に響く!」 っと側にいた男子生徒が耳を押さえてもがいていた。

「ってか遅いって言ってもまだ五分しか経ってないぞ『理奈』。」 っと明がその男子に突っ込む。

「そんだけ待たされればじゅ〜ぶんよ!」 っと『理奈』と呼ばれた少女が叫ぶ。

「だから大声出すな!!」 と、さっきもだえていた男子が言う。

「『和也』、お前も声がでかい。」 っ明が『和也』の頭に軽くチョップを入れる。

「すまん、ついうつっちまった(笑)」 っと和也は頭を掻きながら言う。


二十分後、
「遅いね、那雄くん・・・・・」 っと理奈とは別の少女が呟く。

「遅い遅い遅ーい!」 理奈はまだ言っている(笑)  

「うるさいぞ理奈。少しは落ち着いたらどうなんだ?」 

「これが落ち着いていられないわよ。この貴重な練習時間を削られてたまるもんですかっての。分かるでしょ、烏戒?」 

「貴重なのは分かるがまだ時間はたっぷりあるんだ。那雄が来るまで何かで遊んでろ。」

「う〜〜〜」 っと理奈は唸る。

「理奈ちゃん、落ち着いて。 ほら、ドラムのステッキだよ〜。これで和也くんをボコボコに・・・・・・・・」

「っておい、またか『灯(あかり)』。何で毎回俺がボコられなきゃならないんだ!?」 

「いやぁ、こういう場合。身近な物でこうしてストレス発散するのが妥当だと(笑)」

「どういう理屈だ! って、はっ・・・・・(汗)」 和也は『灯』と言い争っていたが。和也は背中に寒気を感じ、ゆっくりと後ろを振り返る。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・・


「おい!理奈、冗談だろ。俺まだ何もしてないだろ!」 和也はそう言うがストレスが溜まっていて切れている理奈にその声は届かない。


そして時は止まる・・・・・・・・・(笑)

「アータタタタタタタタタタタタ・・・・・・・・・」 



───────────しばらくお待ちください♪〈バイ・灯(はぁと)〉───────────




バキッ!     理奈:「・・・・・・・・・・。」 

「・・・・・・・・・・・・・・オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」 



───────────・・・・もうちょっと待て・・・・・〈by 明(汗)〉




───和也と理奈が戯れている間に友人達を紹介しよう〈by・明〉。まず那雄の友人の俺、『烏戒 明(うかい あきら)』。パートはベースだ。

次に高校に入ってからの友人で那雄のクラスメートの『緑山 和也(みのりやま かずや)』。性格は普通・・・・・かな?一学期しか経っていないため、和也の事はいまだに良く分かってない。パートはギター。

次も高校に入ってからの友人で『豊寺 理奈(ゆなでら りな)』。和也に誘われて俺達のバンドに入った娘。性格は落ち着きがない・・・・・訳じゃないが我慢が出来ない不器用な女の子。切れると和也に八つ当たりする。パートはドラム(パッション系)。ちなみに理奈と和也は小さい頃からの幼馴染(らしい)でいつもイチャイチャ(?)している。和也は理奈と付き合っている事を否定しているが理奈の方は満更でもないみたいだ(笑)。

最後が『木野 灯(この あかり)』。あえて言おう。こいつは危ない。色んな事に興味を持つ、今時変な女の子。中学の時、男性教師の頭を禿(はげ)させたりとか、テロ対策といって校庭に変な物(あえて言わない)を持ち込んだりと、同じ中学出身の男女からは恐れられているらしい。ちなみに体育祭のとき那雄に女子の制服を着させたのもこいつだ。パートはキーボード。

俺は那雄とこの三人を含む計五人でバンドをやっている。っといっても始めたばかりなのでまだバンド名は無い。その内に決める予定だ。 







理奈は初め、ステッキで激しく突いていたのだが途中でステッキ(バンド用)が折れてしまった為、途中から素手で殴っていた。



そして・・・・・・・・・・・
理奈:「俺の歴史に、また、一ページ・・・・・・・」   ・・・・・・・?

「くはぁっ・・・・・・・・って『押○・番長』かよ!?」 問答無用で殴られていた和也が突っ込む。以外に元気だ。

和也:(ふっ・・・所詮は女の腕力、殴られた割にはそんなに痛くないぜ。むしろ突かれたときが痛い・・・・・)

明:「ん?そこは『そして時は動き出す』とか『お前はもう死んでいる』 とかじゃないのか?」 

灯:「え〜っと・・・・何の話?」

和也:「多分・・・・パチスロの話。こいつの親父さん・・・・・パチスロ好きだから。」 

理奈:「・・・・・・あれ?私、一体何を・・・・?」 
和也:「あれだけ人を殴っといて覚えてないんかい!」
理奈:「ってことはまた? でもいいじゃない、どうせたいした怪我じゃないんだし♪」 っとストレス解消した理奈だった(笑)
和也:「そういう問題じゃねー!」

「あ〜そこそこ、あんまりイチャイチャすんな。熱すぎる。」 っと明が微笑みながら言う。微笑むというよりは苦笑している感じ。
「熱い熱い♪」 それに灯も乗じる(笑)

和也:「誰がイチャイチャだコラ!?」 
理奈:「(*・_・*)・・・・・・・・・・・・」
和也:「って理奈。お前何で顔が赤い?」
理奈:「へ? あ、いや、なんでもない。なんでもないの(赤面)」 と、いうもさらに顔が赤くなる(笑)

和也と理奈がイチャイチャ(笑)していたその直後、



ガラッ・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|_・)」 誰かが教室のドアを少し開き、覗いていた。言うまでも無い。奈緒だ。

しかし様子がおかしい・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・|_・)」 覗くだけで一向に入ってこようとしないのだ。









みんなが何やらコソコソと話しているのが見える。

でもどうしよう、この姿じゃばれるのも時間の問題かも・・・・・・・・・・


ポンッ・・・・・・・・・
「あ・・・・・・・・・」 後ろを振り向くと明が俺の頭に手を乗せていた。 

後ろを振り向き・・・・・・
明と目が合った・・・・・・
明と目を逸らす・・・・・・
体制を低くしたまま回れ右・・・・・・・
そしてそのままダッシュ!

ガシッ・・・・・  頭に乗せられていた手をそのまま襟に・・・・・・掴まれた。

・・・・って今、手が伸びた様に見えなかったか?

「何やってんだよ那雄?早く入れ。」 呆れたように言う明。

「え?あ、うん・・・・・・・・」 
「?」

理奈:「もう!やっと来たわね那雄。一体何してたのよ!」 ん?なんで理奈、顔が赤い?
奈緒:「うん。ちょっと・・・・な。」
和也:「ちょっと・・・・じゃないだろ!お前のせいで俺がどんだけ殴られたことか・・・・・・」
奈緒:「たいした怪我してないからいいじゃん。」
和也:「そういう問題じゃない。お前まで理奈と同じこと言うな(笑)」


明:「さて、やっと遅刻マンが来たところで早速練習にいきたいんだが・・・・・・・・那雄、お前何か隠してないか?」 

奈緒:「はへ!?な、何の事!?」 っと声を張り上げてしまった。

明:「・・・・いつもより声が高い。風邪(夏風邪)か?」
和也:「そう言われてみれば確かに高いな。」
灯:「それにいつもより少し痩せて見えるような・・・・・」
理奈:「いや、風邪でもそこまでは声、高くならないでしょ。」

奈緒:「え・・・・っと。昨日家の片付け(引越しの準備)が終わった後、従兄弟達とちょっとカラオケで歌いすぎて・・・・・・」 もちろん嘘だ。
和也:「馬鹿かお前!?」
灯:「奈緒くん。それで声が高くなったままなのね?」
理奈:「う〜ん。何か違う気もする・・・・・・」

明:「・・・まあ、それはそれとして、奈緒。歌えるのか?」
奈緒:「分かんない。やってみるか?」
和也:「とりあえず曲合わせ位は出来るだろ?」
灯:「そうだね。暫く奈緒くんと練習してなかったんだし。いい、奈緒くん?」
奈緒:「ああ、そうだな。」

理奈:「・・・・・・・・・・・。」


奈緒:(言えない。言えるわけないだろ!俺の・・・・俺の体が『女』なっちまったなんて・・・・・・・)







俺が変な光を浴びて気を失った翌朝、先に浩兄さんが起床し、洗面台へと向かう。

「あ、お兄ちゃんおはよう♪」 っと浩が顔を洗っていると後ろから女の子が顔を出した。
「ああ・・・おはよう藍(あい)・・・」  寝ぼけたままで返事する浩。

この女の子の名前は『煎杜 藍(あい)』。浩と奈緒の妹で中学二年生の14才。性格は無邪気で明るい。

「あれ?奈緒兄ちゃんはまだ寝てるの?」
「ああ・・・まだ寝てると思うぞ。」
「ふ〜ん・・・・」
「ん?祐貴はどうした?」
「部活の朝練だって。」
「あいつ、逃げたな・・・・・」 
「うん。」
「まあいい、そんなに手間はかからんだろうしな。それより奈緒を起こしに行ってくれないか?」
「え〜?面倒くさーい♪」 っと言いながらも口を膨らます藍。

(可愛い・・・・・)  っと浩は思った。正直危ない・・・・・

「い・・・いいから。さっさと奈緒を起こして来い。俺は朝メシ作っとく。何が食べたいんだ?」
「ホットケーキ♪ハチミツたっぷりで♪」
「朝からかよ・・・・まあいい。早く奈緒を起こして来い。」
「はーい♪」 







「奈緒兄ちゃん?・・・・寝てる?」 っと部屋のドアからひょっこりと顔を出す藍。
「・・・・・・・・・・・」  ZZZZZ・・・・・

どうやら奈緒はまだ寝ているらしい。藍は近くに行って直接起こす事にした。
「奈緒兄ちゃん、起きて、朝だよ!」 っと藍は奈緒の胸をさすって起こそうとした・・・・・・が、

フニョ・・・・・ 

「・・・・・・?」 藍は何やら不思議なものに手が触れたような感覚に困惑した。

「お・・・お兄ちゃん?」 っと藍はもう一度、今度はその手を胸元へ伸ばした・・・・・・


フニョ・・・フニョフニョ・・・・・・  確かに奈緒の胸にとてつもなく柔らかい物が二つあった。自分より大きい物が・・・・・・

「!!?」 今度は両手で双方の胸をわしづかみにした。そしてそのくすぐったい感覚に寝ていた奈緒が目を覚ます。

「ん・・・・んんー・・・・・・・ん?藍?」 奈緒は自分の胸を掴んでいる(?)藍と目が合った・・・・・

「あ・・・・あああ・・・・・・」 藍は奈緒の胸から手を離し、訳が分からない様子で混乱した。

「お・・おいどうした藍?」 っと奈緒は起き上がって藍の両肩を掴む。しかし、

「い・・・・いやぁぁぁー!!」 っと藍はその場から逃げ出した。

「お・・・・おい!?」 奈緒もその後を追う。








「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!」 っと叫びながら藍は台所で朝メシ(ホットケーキ)を作っていた浩の腕にしがみつく。

「うわあ!!フライパン持ってる腕を掴むな!危ないだろ!って一体どうした!?」 とりあえず浩は今、焼いていた生地を皿へ乗せて聞いた。

「お兄ちゃん!部屋に!あの部屋に女の人が・・・・・」 
「はあ?何言ってんだお前?今この家にお前以外の女なんてい・・・・・・・」 っと浩が言おうとした時、

「おい、藍!何で逃げるんだよ!?」 っと奈緒がやってきた。が、

「な・・・・・奈緒・・・か?お前・・・?」 浩は自分の目を疑った。

「何言ってんだよ兄さん?俺が奈緒じゃなかったたら誰だって言うんだよ?」 
「ウソよ!だって奈緒兄ちゃんはそんなに胸、無いもん!」 

「・・・・・・・・・・胸?」 奈緒は自分の視線を見下ろした。そういえばさっきから胸が重いような・・・・・・



「・・・・・・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・。」

三人の目が奈緒の胸に集中する・・・・・・・
三人の目が合う・・・・・・・・・・
そして時が止まった・・・・・・・・

五分後、再起動。
「・・・・・・何だよこれ?なんか胸が腫れてるんですけど・・・・・」 っと奈緒。

「いや・・・・腫れてはいないと思うぞ。それ・・・・・」 っと浩。
「・・・・・・・・・・・・。」 藍は未だ動けず。


「・・・・・・とりあえず朝メシにするか。」 っと話を切り出した浩。
「そ・・・・そうだな。そうしよう。」
「・・・・・・・・・・・・。」 まだ動けない藍。



とりあえず、朝メシを食べることにした3人。腹が減っては頭も上手く回らないだろうと浩は思った。以外に順応が早い兄である
「・・・・・・ねえ、奈緒兄ちゃん。」 黙ってホットケーキを口にしながらようやく口を開く藍。
「ん?」 一文字だけも返事をする奈緒。
「あんた、本当に奈緒兄ちゃん・・・・なんだよね?」
「そうだよ。何で俺の身体がこんなことになってるのかは知らないけどな・・・・・」 
「そっか・・・・・」


「っで、どうする奈緒?とりあえず病院行くか?母さんも出勤してるだろうし。」

ちなみに家の母さんは敏腕医師である。父さんは刑事。勤務時間がバラバラなためになかなか会えないそうだが、時たま父さんが直接母さんに会いに来ていて一緒に帰って来る時がある。う〜ん、ラブラブ?(死語)

「うん、とりあえずそうする。でも今日、これからバンドの練習があるんだよ。」
「それどころじゃないだろ!」
「だってぇ・・・・・」   っとただをこねる奈緒。
(なんとなく藍に似てるな) っと浩は思った(笑)


「それより学校(バンド)にはその姿で行くの?お姉ちゃん?」 藍は言った。

「お・・・・お姉ちゃん!?」 その言葉に驚く奈緒。 そりゃいきなり『お姉ちゃん』なんて言われたら・・・・・・

「お姉ちゃん・・・・・か、奈緒、性に合ってんじゃないか?(笑)」  

「ちょ・・・・兄さん!!」







結局その後、さらし・・・は無いから(ってか普通都合よくある訳が無い)タオルで胸をグルグル巻きにしてバンドに来たというわけ。



明:「んっとまあこれくらいでいいだろ。」 ようやくバンドの練習が終わった。三時間くらい(俺は)歌いっぱなしだったけど・・・・・

和也:「あー疲れた×2。」 っと手をプラプラさせる和也。


灯:「ねえ理奈ちゃん。この後、『ブロージュ・カフェ』行かない?」
理奈:「それって先週オープンした駅前の?」
灯:「うん♪」
理奈:「でも競争率高くない?きっと他のお客さんも一杯いると思うよ?」

灯:「ふっ・・・そう思って、ジャッジャジャーン!!」
理奈:「・・・・・その効果音はちょっと・・・・」
灯:「む〜、そんな事はどうでもいいの。ほらこれ。」 っと一つの紙を見せた。

理奈:「何々・・・・『ブロージュ・カフェ』特別御優待状?・・・・・・って、ええ!?」
灯:「ふふふ・・・・これがあればこの後すぐあの有名なケーキが食べられるんだよ♪」
理奈:「(ごくり)」
灯:「・・・・逝く?(死語)♪」
理奈:「(こくこくこく)」  っと頷く理奈。もう言葉に出来ない(笑)


明:「んじゃ、帰ってもう一眠りすっかな。」 
和也:「俺は今日、バイト休みだからどうしようかなー。奈緒、お前は何か用事あるか?」
奈緒:「ん?俺はこの後母さんのとこに行かないと・・・・・・」
明・和也:「「何で?」」
奈緒:「別にいいだろ?家庭の事情だ家庭の。」
和也:「ちぇ、一人でゲーセン行ってもつまんねーしな。帰るかな、俺も。」
奈緒:「ごめんな、今度誘ってくれ。」
和也:「ああ、じゃ明日。」
明:「またな。」

理奈:「んじゃ、私達も行くから。」
灯:「じゃあね御二人さん♪」 っと何か含みのある言い方をする灯・・・・・

奈緒:「何だ?あの態度は・・・・・」
明:「さあ・・・・・・」

「「・・・・・・・・・・・」」

明:「・・・・・・俺らも帰るか。」
奈緒:「・・・・・そだな。」







明と駅で別れ、俺は母さんの働く国立栂野病院に向かった。そう、俺の起きてしまった身体について・・・・・・。

ちなみに母さんは優秀な医者(らしい)。外科や内科、整形外科と産婦人科、その他の専門科までをこなすスーパードクターなのだ(自分で言うのも変だけど。)
事前に兄さんが連絡したらしいのでそのまま行け、とのことらしいがどうも気が乗らない。

だって母さん、腐女子・・・・・いや腐母なんだから。何されるか分かったもんじゃない(凹)
ちなみに昨日片付けた物の中に女用の服があったけど、言わなくても分かるよな?・・・・・・頼む、察してくれ・・・・・・

でも今、俺(の身体)は女。っつか少女?になってるからこの後の展開を考えただけで背筋が・・・・・・・ううっ(寒)

着いた・・・・着いてしまった。正直怖い。母さんに会うのが怖い。でもこのままだと埒があかない。
いよ決して母さんのいる病院の中へと入ってゆく・・・・・・・・・






「ん〜・・・・・」 一人の女性がカルテを見ながら何かを考えてる?まあ説明は要らないと思うけど母さんだ。

奈緒:「どう?母さん?」

母:「どこをどう見ても完っ璧な女の子ね。これは。」 っと母さんに簡単に説明される。

奈緒:「そ・・・そんなぁ・・・・・」 分かってはいたが医者に正確に言われるとかなりショック・・・・・・

母:「まあそんなに気を落とさない落とさない。別に死ぬわけじゃないんだから。むしろこの状況を楽しむってのもありよ♪」

奈緒:「何をどう楽しむってんだよ。それに何かさっきから服やら胸やら擦れて身体のあちこちが痛いっての。」

母:「ああ、女の子になっちゃったから男の服が合わないのね。ってちょっといいかしら?」 っと母さんが俺に近づいてきた

奈緒:「ってうわっ!」 母さんにシャツを捲られた。

母:「やっぱり・・・・ってかタオルなんだ。さらしとかじゃなくて。」

奈緒:「当たり前だろ。家にそんなもんあるかー!」 ちなみにバンドに向かう前に薄くて長いタオルで胸をグルグル巻きにした俺。何とかみんなにはバレずに済んだみたい(フゥー)。藍(妹)が「私のブラ、貸したげよっか?」っと聞いてきたが拒否した。

母:「でもこれじゃあ胸の形が崩れて大変なことになるわよ。」 
奈緒:「え?」
母:「無理やり胸を抑えるのは発育上良くないからね。下手すると癌になったりするわ(うそだけど)」

奈緒:「ええ!?そんなの嫌だよ母さん。俺死にたくない!」
母:「だ・か・ら。これから服を買いに行きましょう。もちろん奈緒ちゃんのね♪」
奈緒:「え?いや、癌になりたくないだけでそんなのはいらないんじゃ。服はあるし、ノーブラでも・・・・・・」

母:「だから!発育上良くないって言ってるの!さらしも悪いけどノーブラはもっと悪いのよ。奈緒ちゃんだって左右の胸の大きさが違う女の子は嫌でしょう?」

奈緒:「いや、そんなのわかんねぇ・・・・・」
母:「なので今、女の子になった奈緒ちゃんにも最低、ブラはしてもらうわよ。」

奈緒:「(何でブラにこだわるんだ?)い・・・いいよ。それに多分、明日には男に戻ってるって!」 戻ってるといいなぁー・・・・・・

母:「戻らなかったら?」
奈緒:「う・・・・・・」

母:「それに、こういう経験もいつか役に立つから。ね♪」 どんな役だよ!
奈緒:「・・・・・・・・・分かった。でも一つだけだぞ。いっぱい買ってその後男に戻ったら意味無いからな!」
母:「あら、そんなの関係ないわ。見た目そんなに変わってないもの。戻っても似合うと思うわ♪」

奈緒:「どのみち着せるのかよ!」
母:「ええ♪」   
奈緒:「・・・・・・・・・・・・」

母:「じゃあ私、もうすぐ上がりだからその後街に行きましょう。」
奈緒:「え?今日?」 ちょっと待て、まだ心の準備が・・・・・って違う!

母:「そう。今日。だからロビーで待っててね〜♪」

「・・・・・・・・・・・・・・」

う・・・・・・・・・

「うそだろーーーー!!??」

病院内に俺の声がこだまする・・・・・・・ 

つづく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




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