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=前回までのあらすじ=
サーネット町の採掘所の奥でゴーガレムに捕まっていた人々を助けた直樹たちは
お礼に汚れた石版をもらった。ルナが言うには力を失っているらしく、
そのままでは使いものにならないらしい。そこでルナの説明通り直樹たちは
サリーエンジェルに変身し、復活の儀式を行った。
全員が儀式後、気絶してしまい奈緒だけが一番後に気がついた。
その理由は奈緒が聖属性のサリーエンジェルだから、とルナは言う。
この世界に伝わるサリーエンジェルの話を語るルナ。
理由が分かったところで直樹たちは次の町へと向かう。
途中にはトラップだらけの洞窟があったが、昔とは違うらしくトラップはそれほどでもなかった。
洞窟を抜けると目の前にはいままでと変わらない草原が広がっていた。
さて、これからカスト村へ入るのだが問題が……
回り道よりもこの村を通るほうが石版集めには効率がよく、どうしても通りたい。
だが、そのためには女になり必要がある。女になるためにルナは特殊変身のことを直樹たちに教えた。
そしていざ、変身すると……



救世主サリーエンジェル

fourth story Are we fake girl? lady only village

作:NATO



【序章】いざ、カスト村へ!【3章】森での散策
【1章】ドキドキ☆カスト村の散策【4章】謎の場所で……
【2章】さすらいの旅人【終章】忍び寄る影


【序章】いざ、カスト村へ!

草原に輝く三つの光はやがて消えていった。
今まで光が輝いていた場所には3人の少女が立っていた。
奈緒「あ……」
ルナ「うん、成功みたいだね」
奈緒たちは、三人を見つめている。


illust by heroinemaker illust by heroinemaker illust by heroinemaker



一方、三人はサリーエンジェルの変身で経験はしていたが
さすがにまだ、なれないらしく顔を赤くしている。
大介「また、これかよ……」
広樹「そう……みたい」
その場はしばらくの間、時間が停止したように静かだった。
奈緒「あ……ねえ、そろそろいかない?」
直樹「そうだな」
ルナ「くれぐれも言葉遣いには気をつけなさいよ」
大介「わかっているよ」
奈緒「そういう大介君が一番心配なの!」
大介「……」
奈緒「広樹くんは安心ね。直樹君もできるよね?」
直樹「ああ」
ルナ「それじゃ、町へ入りましょう」
直樹たちはカスト村の中へ入っていった。
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【1章】ドキドキ☆カスト村の散策

奈緒「わあ〜ホントに女の人ばっかりだ」
ルナ「驚いた?」
奈緒「もちろんよ。こんな村があるなんて信じられない」
広樹「ばれないよね?」
大介「なーに。言葉だけ気をつければ大丈夫だろ」
奈緒「だからそういうあなたが心配なのよ」
大介「……」
直樹「とりあえず、聞き込みしようよ」
広樹「そうだね」



直樹「情報によれば、この村の先にある森が怪しいな」
広樹「といっても森なんて見当たらないよ?」
大介「だまされたか?」
奈緒「そんなの探してみないと分からないよ」
大介「それはそうだが……どこを探せばいい?」
奈緒「この村を出てすぐのところとか」
大介「そこには街道しかないぞ」
奈緒「だってほかに場所ないもの」
直樹「まあ、まあ。とにかく行ってみよう」
四人はカスト村を後にした。
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【2章】さすらいの旅人

しばらく街道を歩くと前方に一人、旅人らしき人が歩いているのが見えた。
奈緒「あ! ねえ、ねえ。あの人に聞いてみようよ」
そういうと奈緒はその人の所へ走っていった。あとを追うように三人も走る。
奈緒「あの〜すみません」
旅人「ん? 何か用かね、お嬢ちゃん」
奈緒「この当りに森があるらしいのですが、どこか知りませんか?」
旅人「ふむ、それならここから北西に行くといい。そこにあるはずだ」
奈緒「ありがとうございます」
旅人「先を急ぐ身なので案内できないですが、お気をつけて」
そう言うと旅人は足早に去っていった。
広樹「ねえ、さっきの人……どこかで見たような気がしない?」
大介「気のせいじゃないか?」
広樹「そうかな?」
四人はそのまま北西へ進んだ。しばらくいくと森が見えてきた。
奈緒「あ、あの森じゃない?」
大介「そのようだが、案外普通だな」
広樹「普通に見えても意外と探しものは見つかりやすいよ」
直樹「RPGのお約束だな」
四人は森へ入っていった。
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【3章】森での散策

直樹「よし、ここは別れて探そう」
ルナ「危険だよ。四人で探したほうがいいよ」
大介「大丈夫。魔物が出ても変身して撃退すればいい」
ルナ「強い魔物だったら?」
大介「他の三人を呼ぶ」
奈緒「じゃあ、集合場所はここにしようか?」
広樹「うん、そうしよう」
奈緒「ルナちゃんはお留守番ね」
ルナ「えー。迷わないでよ? 私一人じゃ心細いから」
直樹「木に何か結んでいけば迷わずに済むだろう」
大介「なるほど。適当に何かもっていこうぜ」
四人は荷物の中から木に結べそうなひもをいくつか持った。
直樹「じゃあ、行こう」
四人は東西南北に一人ずつ散策へ向かった。その場にはルナだけが残された。
ルナ「行っちゃった……無事に帰ってくるかしら?」
ルナ「……………………なんとなく嫌な予感がする」
ルナ「これは…………魔物? しかもけっこう強い!」
ルナ「相手は……複数ね。まさか四人ばらばらになったところを襲うつもりじゃ?」
ルナ「大変! でもここを動けない。皆、無事でいて……」





(そのころ直樹は)
直樹「意外に深いな。何かありそう……」
直樹は草の根元まで調べたが何もなかった。
?「あ〜あ。そこ調べても何もないかも〜」
直樹「誰だ!」
?「あたしはバリーナ。面倒だけど相手して〜みたいな」
直樹「ふざけるな!」
バリーナ「ふざけてないよ〜。あたしは真面目に言っているよ〜?」
直樹「その言い方が、か?」
バリーナ「これは元からだから気にしないで〜みたいな」





(そのころ広樹は)
広樹「木の根元にきのこが……食べられるかな?」
広樹はきのこを手に取った。その瞬間!きのこがばっさり切られた。
広樹「ひっ! 誰?」
?「ふ、外したか」
広樹「き、君は?」
?「私の名はノットウング。お主に決闘を申し込みに参上した」
広樹「ぼ、僕。何も決闘なんてするほうじゃないし」
ノットウング「お主の意見など聞いておらん。お主は私と戦えばいいのだ」





(そのころ大介は)
大介「何もねえ。ましな物も落ちてねえし……」
?「ならば落としてやるか?」
大介「なっ!? 誰だ!」
?「俺はバスナー。お前を倒しに来た」
大介「何を! 俺はこれでもサリーエンジェルだぞ」
バスナー「関係ない。お前は降伏すればいい」
大介「誰が降伏するか!」
バスナー「はたしていつまでそう、言えるかな?」





(そのころ奈緒は)
奈緒「何もないわね〜。もう、戻ろうかな?」
?「そう、させるわけには行きません」
奈緒「その声は……ゴーガレム!」
ゴーガレム「また、会いましたね。サリーエンジェル」
奈緒「私に何の用よ?」
ゴーガレム「いえ、少々お話をしようと思いまして」
奈緒「あなたと話すことは何もないわ!」
ゴーガレム「そう言わずに……まあ、座って下さい」
奈緒はしぶしぶその場に座った。
ゴーガレム「あなたはサリーエンジェルの中で唯一の女性ですね」
奈緒「ええ。でも元からそうだから珍しくないわ」
ゴーガレム「と、いうことは他の三人は珍しいですね」
奈緒「何が言いたいのよ?」
ゴーガレム「つまり、今回のメンバーで唯一女性のあなたは、聖属性の
 サリーエンジェルだということです」
奈緒「それはルナちゃんから聞いたわ。私が聖属性であることは」
ゴーガレム「あなたはそれを運命だと思いませんか?」
奈緒「なぜ運命と思う必要があるの?」
ゴーガレム「それはあなたが私たちにとって大きな損害になるからです」
奈緒「たしかに私はあなたたちに大きなダメージを与えられる。
 でも、その代償に力の消耗も激しい。慣れれば簡単だけど」
ゴーガレム「あなたはそのせいで周りに迷惑をかけているのです」
奈緒「えっ!? 嘘……」
ゴーガレム「簡単なことです。あなたは他の三人より力を回復するのが遅い。
 その分、その三人に心配をかけているのです」
奈緒「たしかに……あのとき私は一番後に気がついた……」
ゴーガレム「つらいですか?」
奈緒「……私が……力を制御できないばかりに……皆に迷惑を……」
ゴーガレム「それは『慣れれば簡単』とあなたはいいましたがそれはいつですか?」
奈緒「わからない……私しだいだから」
ゴーガレム「そうですか……」
ゴーガレム「では、私がその問題を解決して差し上げましょう」
奈緒「いいの? 私、あなたの敵よ?」
ゴーガレム「たとえ敵でも困ったときはお互いさまです」
ゴーガレムはにっこり笑って手を差し出した。その手に奈緒も手をのせた。
奈緒「ありがとう。同じ魔物でもあなたは優しいのね」
奈緒は涙を拭きながらそう言った。
ゴーガレム「ではそのために案内する必要がある場所があります」
奈緒「いいわ。連れていって」
ゴーガレムと奈緒はその場から消えた。





(そのころ直樹たちは)
直樹「おい、奈緒はどうした?」
広樹「分からない。ノットウングと戦っていたから、そっちには行けなかった」
大介「俺もバスナーと。逃げられたが」
直樹「俺もバリーナと。大介と同じだよ」
ルナ「やっぱり四人一緒にいるべきだったのよ。まあ、相手が逃げたからいいけど」
大介「とにかく、この森を探すぞ!」
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【4章】謎の場所で……

ゴーガレム「さあ、着きましたよ」
奈緒「ここは?」
ゴーガレム「お教えできません。ささ、こちらへ」
ゴーガレムは足早に奈緒を案内する。奈緒も後を追う。
ゴーガレム「失礼します」
どこかのお城の王の間に着くとゴーガレムはそう言った。
?「おお、ゴーガレム。戻ったか」
ゴーガレム「はい。サリーエンジェルを連れて参りました」
?「確かに。ではレイチェルよ、頼んだぞ」
レイチェル「お任せを」
奈緒「ねえ、あの偉そうな魔物は?」
ゴーガレム「私たちのリーダーです」
奈緒「名前は?」
ゴーガレム「それはお教えできません」
ゴーガレムたちは足早に廊下を進んでいく。奈緒も後を追う。
レイチェル「ゴーガレム、ここが例の部屋だ」
ゴーガレム「MBはありますか?」
レイチェル「心配ない。すでに準備してある」
ゴーガレム「そうですか……では、後は私がやりましょう」
レイチェル「大丈夫なのか?」
ゴーガレム「心配はいりません」
レイチェルはどこかへ行ってしまった。ゴーガレムは奈緒を部屋へ招いた。
奈緒「何かすごそうな機械ね……これがMB?」
ゴーガレム「そうです。ではMBへ寝てください」
奈緒はゴーガレムの言う通り、MBへ寝た。
奈緒「これから何をするの?」
ゴーガレム「簡単なことです。あなたが持っている変身コンパクトをここに
 セットし、MBを起動します。そしてあなたが力を制御できるようにするのです」
奈緒「コンパクトが動力源なの?」
ゴーガレム「そうなりますね。心配はいりません、コンパクトは今まで通り使えます」
奈緒「そう。それで私は何をすればいいの?」
ゴーガレム「私が質問をするのでその度、答えてください」
奈緒「それだけでいいの?」
ゴーガレム「もちろん。ではMBを起動します」
そう言うとゴーガレムはMBの起動スイッチを押した。
奈緒「う!」
MBが起動すると奈緒の体がピクっと動いた。
ゴーガレム「おや? 痛かったですか?」
奈緒「痛くないけど、体の中を電気が通ったみたいな感じ……」
ゴーガレム「では出力を上げていくので何か変化があったら言って下さい」
奈緒「うん……」
ゴーガレムはMBの出力レベルを少しずつ上げていく。
奈緒「あ!」
ゴーガレム「どうしました?」
ゴーガレムは手を止めた。
奈緒「なんか体から力が抜けていくみたい……」
奈緒「ふかふかのベットにいるみたいに気持ちいい……」
ゴーガレム「順調ですね。それはあなたをリラックスさせるためです」
ゴーガレム「続けます」
ゴーガレムは再び出力レベルを上げていく。
奈緒「……!」
ゴーガレム「おや、どうしました?」
奈緒「……」
奈緒は寝ているのか、気絶しているのか動かない。
ゴーガレム「順調ですね。では、このあたりでモードを切り替えましょう」
ゴーガレムはMBの真ん中当りにあるレバーを操作した。
ガチャンという音がするとMBは青い光を奈緒に放射し始めた。
ゴーガレム「ではしばらく待つとしましょう」
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【終章】忍び寄る影

直樹「おーい、奈緒ー!」
広樹「奈緒さーん」
大介「奈緒ーいるかー?」
ルナ「だめ、探してもどこにもいない」
広樹「どこにいったのかな?」
?「お困りのようですね」
大介「その声は……ゴーガレム!」
ゴーガレム「お探しのお仲間でしたら私が保護しました」
大介「保護だと? てめぇ! 奈緒に何をした!」
ゴーガレム「何もしていませんよ。ただ、力が制御できないことで
 お困りでしたので、助けて差し上げたのです」
直樹「それは本当か?」
ゴーガレム「はい」
ルナ「で、いつ奈緒さんは返してもらえるの?」
ゴーガレム「さー、いつでしょうね」
大介「ふざけるな!」
ゴーガレル「ふざけていませんよ。私は真剣にお仲間の悩みを
 取り除こうとしているだけです」
広樹「それが終われば奈緒さんは返してもらえるよね?」
ゴーガレム「ええ、もちろんです。彼女に戻る気があれば、ですが」
ルナ「どういう意味よ?」
ゴーガレム「それは次に会うときに分かるでしょう」
大介「なんだよ、それ?」
ゴーガレム「では、これで」
直樹「あ、ちょっと待て!」
ゴーガレムはその場から姿を消した。





(そのころある場所では)
ゴーガレム「レイチェルさま、MBのほうは?」
レイチェル「案ずるな。終わっている」
ゴーガレム「そうですか」
ふと廊下からバスナーが部屋に入ってきた。
バスナー「レイチェルさま、実験体をお連れしました」
レイチェル「ご苦労。下がってよし」
バスナー「はっ!」
バスナーは部屋を出ていった。
ゴーガレム「名前はどうしましょうか?」
レイチェル「この企画は君のものだ。君が決めるといい」
ゴーガレム「ありがとうございます」
実験体「……」
ゴーガレム「何か話してみたらどうです?」
実験体「わ・た・し・は……だ・れ?」
ゴーガレム「まだ、頭脳が完全でないですね」
実験体「あ・な・た・は?」
ゴーガレム「私の心配はいいですよ。よし、君の名はシンガーテです」
シンガーテ「し・ん・が・あ・て?」
ゴーガレム「君の指名はバスターンさまのお役にたつことです」
シンガーテ「わたし……やくにたつ?」
ゴーガレム「そうです。うむ、話しているうちに頭脳が完全になってきたようです」
シンガーテ「わたし、やくにたつ。どうすればいい?」
ゴーガレム「サリーエンジェルを倒すのです」
シンガーテ「サリーエンジェル?」
ゴーガレム「今度、私が紹介します。私たちの邪魔をするひどい人たちです」
シンガーテ「ひどい! わたしが倒す」
ゴーガレム「そうです」
シンガーテ「倒す! シンガーテが倒す」





(そのころ直樹たちは)
大介「ここにいても仕方ないな」
広樹「そうだね。奈緒さんはいつ帰ってくるか分からないし」
直樹「次の町へいく。ルナ、頼む」
ルナ「うん……」
日が傾く中、直樹たちは次の町へ向かった。

To be continued...


おことわり

この物語はフィクションです。物語に出てくる 人物、団体は全て架空の物です。実際の物とは全く関係ありません。


〜あとがき〜
物語もそろそろ中盤ということでトラブルを起こしてみました。
はたして奈緒の安否は? それは終盤に分かる予定です。
今回はサブタイトルと内容があまり一致しませんでした。
その内容がとても短かったので、そのせいかと思います。
では、次回で会いましょう。

Monster Files
No.31 バリーナ
語尾を延ばした言い方をするのが口癖の魔物。「〜みたいな」など

No.32 ノットウング
侍口調の魔物。狙った獲物は刀で二つに切り裂く!

No.33 バスナー
力自慢の魔物。炎を自在に操る。


☆次回予告!☆
ルナ「どうしよう! 奈緒さんが……」
大介「落ち着けルナ。今、俺たちに出来ることは何も無いだろ?」
ルナ「それもそうね。ああ、無事でいて……」
広樹「ルナさん、心配なのは僕たちも同じだよ。案内忘れないでね」
ルナ「ごめんなさい! 気が動転して案内できないかも」
直樹「まあ、落ち着いてからでいいじゃないか」
ルナ「うん、ありがと」
広樹「と、いうことで次回は……」
直樹「『行方不明の奈緒を探せ』です」
大介「おい、いつもの英訳はどうした?」
直樹「面倒だから次だけ日本語で」
大介「だめだ」
直樹「あう……」
広樹「では改めまして」
直樹「次回、『fifth story no friend adventure』お楽しみに!」
大介「おい、それでは意味が違うぞ」
直樹「気にしない。これが正式なタイトルです」

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