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 6月11日PM11:57 とある博物館
 警報が鳴り響く。いたるところに警備員と係員が倒れている。まだ、2、3人の警備員が立っているがそれらも倒される。警備員を倒したのは魔法少女と白い北海道犬。しばらく廊下を歩いた少女と犬は大きなドアを開けて中に入る。かなり大きな部屋だが、中にあるのは台の上に置かれた金と銀の仮面のみ。仮面は顔を半分覆うぐらいしかなく、左右対称に置かれている。台に近づく魔法少女。犬は入口を警戒。

魔法少女「……これか(銀の仮面を手に取る)。!(金の仮面が急に輝く)」

 金の仮面、輝きながら宙に浮く。

魔法少女「(腕で顔をカバーして)な、なんだ…」
犬「(異変に駆け付ける)一体、どうしたのだ!?」
魔法少女「(犬の方は見ずに)わかりません、銀の仮面を手に取ったら急に…」
犬「なんだと?」

 金の仮面は宙に浮いたまま姿を消す。そこへ警備員が数名駆け付ける。

犬「ここは撤収だな」
魔法少女「……わかりました(警備員に向け右手をパーで突きだす)」

 魔法少女の足下に魔法陣発生。※魔法陣は正方形をふたつ重ねて、それぞれが違う方向に回転する形。警備員、弾きとばされて壁に当たって気絶。

犬「入口から出るのはムリだな」
魔法少女「……はい」

 魔法少女、壁を二本指で差す。魔法少女が呪文を詠唱すると指先に魔力が集中。

魔法少女「(呪文の詠唱を終えて)シューティングレイ」

 魔法少女の指先から魔力波が放出され壁を破壊。

犬「行くぞ」
魔法少女「はい」

 犬と魔法少女、壁から外に脱出。

OPへ。





魔法少女リリカルなのはT's第1話
『始まりはいつも突然になの』


作:大原野山城守武里




 7月21日午後 私立聖祥大学付属小学校
 この日は終業式。通知表も渡されて放課後となる。なのはの机にフェイト、はやて、すずか、アリサが集まる。

アリサ「あーあ、やっと夏休みかぁっ」
すずか「なのはちゃんたちはずっとお仕事?」
なのは「うん、そうだね」
フェイト「いままでは学校があるからそんなに出られなかったけど、その分ずっと出ずっぱりになりそうなんだ」
アリサ「ふーん、大変ねぇ」
はやて「まあ、それがお仕事と言ってもうたらそれまでやけどな」
すずか「でも、少しはお休みもらえるんでしょ?」
フェイト「と思うよ」
なのは「大きい事件が無ければだけどね。まあ、私の場合は講習と訓練だけだから事件の有無とかにはあまり関係ないんだけど」
すずか「でも、なのはちゃんもすごいね。先生目指してるんでしょ?」
なのは「えへへ、まあね」

なのは(N)「私、高町なのは。去年の春まではごくごく普通の小学生だったのですが、ふとしたことがきっかけで魔法少女を始めることになりました。いろいろあったけど、今年の春から正式に時空管理局に入局しました。いまは士官候補生として戦技教導官を目指してがんばってます」



 その後5人は学校を後にしてそれぞれの家路に着く。車いすのはやてはシャマルとヴィータが迎えに来る。途中ではやてたちとも別れて、なのはとフェイト二人だけとなる。会話しながら歩いていると、引越しのトラックが停まっていて、なのはと同い年くらいの少年が荷物が運び込まれているマンションから出てきた。

なのは「ねえ、フェイトちゃん、あの子私たちと同い年くらいだね」
フェイト「そうだね、今日引っ越してきたみたいだけど」

 なのはとフェイト、少年と目が合う。

なのは、フェイト「(お辞儀して)こんにちは」
少年「こ、こんにちは」
なのは「引越してこられたんですか?」
少年「あ、はい」
なのは「私、高町なのはよろしく(ニコッ)」
フェイト「フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」
少年「(顔を赤くして)トリノ・フィアットです。よろしく」
なのは「トリノくんかぁ。トリノくんは何年生?」
トリノ「何年生? えーと、4年生……かな」
なのは「じゃ、私たちと一緒だね。学校はどこなの?」
トリノ「まだ決まってないんだ……」
なのは「そうなんだ」
フェイト「(なのはの袖を引っ張って)なのは、引越しの邪魔になるから」
なのは「そうだね。じゃね、トリノくん」

 二人は手を振ってトリノと別れる。その後、マンションから白い北海道犬が出てくる。

犬『どうした? 顔が赤いぞ』
トリノ『い、いえ、何でもありません』
犬『(遠ざかるなのはとフェイトに目を向けて)ほほう、可愛い娘じゃないか。どっちがお好みだ?』
トリノ「な、なに言ってるんですか!?」

 つい声を出してしまったトリノに引越しの作業員たちが手を止める。

トリノ「す、すみません。なんでもありません」

 引越し作業再開。バツが悪そうな顔でトリノはマンションに入る。

 マンションの一室。すでに運び込まれたソファに腰掛け項垂れるトリノ。そこに犬がやってくる。

犬『そんなに落ち込むことはなかろう』
トリノ『別に落ち込んでませんよ』
犬『そうか。引越しは直に終わる。そうしたらお前は少し休め』
トリノ『……わかりました』



 それぞれ家にもどったなのはとフェイトは公園に集合して魔法の訓練をする。変身して結界を張ってのスフィアを使った回避トレーニング。訓練に励んでいるとクロノから通信が入る。

フェイト「どうしたの? お兄ちゃん」
クロノ「お、お兄ちゃんはよせって言ってあるだろ。いままでどおりクロノでいい」
フェイト「兄妹なんだから照れなくてもいいよクロノ」
クロノ「別に照れてなんか……。なのは、何がおかしいんだ?」
なのは「なんでもないよクロノくん」
フェイト「それで何かあったの?」
クロノ「ああそうだ。フェイト至急アースラに来てくれ」
フェイト「事件?」
クロノ「詳しいことはアースラで話す」
フェイト「わかった、すぐに行く」
クロノ「頼む」

 通信きれる。

フェイト「なのは、ごめん」
なのは「ううん、私に構わないで行ってきてフェイトちゃん」
フェイト「ありがとう、なのは」

 フェイト、なのはと別れる。なのはは日暮れまで一人で練習。



 PM9:05 トリノのマンションの屋上
 トリノと犬が屋上で立っている。

トリノ「(銀の仮面を手にとって)そろそろですかね?」
犬「うむ、気をつけろ。どこに潜んでいるかわからんからな」
トリノ「はい……」
犬「どうした? 浮かぬ顔して。なにか、気になることでもあるのか?」
トリノ「いえ……」
犬「結界の事なら心配するな。あれは私がお前の力を見誤ったからだ。今度はより強力な結界を張る。気兼ねなく存分にやればいい」
トリノ「……お願いします」

 なおも浮かぬ表情のトリノだが、手に持っていた銀の仮面がキーン、キーンと音を鳴らす。

犬「来るな。変身しておけ」
トリノ「……はい(気が進まない感じ)」

 トリノ、ポケットから細長いカプセル状の物を取り出し空に突き出してスイッチを押す。カプセルから光が発せられる。



 PM9:10 高町邸
 就寝中のなのはをレイジングハートの警報が起こす。慌てて飛び起きるなのは。そこへ、結界のフィールドがなのはの周りを覆う。

なのは「結界?」  急いで着替えてレイジングハートを持って家を出る。

 外に出たなのはは空で魔法少女と人外生物が戦っているのを見つける。人外生物はいくつかの球体を繋ぎ合せたような姿をしていて、球体を分散して魔法少女を翻弄していた。球体は全部で9個。それが四方八方から魔法少女を攻撃していた。魔法少女は回避と防御で精一杯。

なのは「大変、助けなきゃ! レイジングハートお願い!」
 変身。レイジングハートを構える。周囲にスフィアを形成。

なのは「アクセルシューター!」
 スフィアから魔力弾発射。球体に命中。不意を突かれた球体は魔法少女からいったん離れる。

魔法少女「(なのはを見て)あれは昼間の……」
人外生物「おいおい、サシの勝負にありゃなんだ?」
魔法少女「……そんなルール誰が決めた」
人外生物「けっ、まあ一人だろうと二人だろうと俺の敵じゃねえけどな。暗黒騎士の力はまだまだこんなもんじゃねえぞ。ワニ野郎はありゃ間抜けだ」
魔法少女「……お前もその間抜けの仲間入りをすることになる」

 両者の間になのはが割って入る。

なのは「ストーップ。そこまで!」
暗黒騎士二番手スターキッド「なんだ、てめえは」
なのは「時空管理局武装隊士官候補生高町なのは」
スターキッド「管理局の犬か。お子ちゃまは家帰って寝てろ」
なのは「(ムッとなって)なっ、そうはいかないよ。あなたたちは誰? なぜ戦ってるの?」
スターキッド「それを言う義理はねえな。面倒だ。二人ともぶっ殺してやる」
魔法少女「……死ぬのはお前だ」

 魔法少女とスターキッド戦闘再開。それを止めようとするなのは。

魔法少女『……父さん、お願いします』
犬『わかった、彼女は私がおさえよう』

 追いかけようとするなのはに犬が立ちふさがる。

犬「ここから先は通さん」
なのは「あなたたちは一体何者?」
犬「ただの犬と魔導師だ」

 犬がなのはを抑えている間に魔法少女はスターキッドと交戦するも、体を分離して攻撃してくるスターキッドに苦戦する。

なのは「危ない! お願い、そこをどいて!」
犬「駄目だ。下手に手を出すと怪我どころではすまなくなるぞ。悪いことは言わん。帰れ」
なのは「そうはいかないよ。ちゃんとわけを教えてくれないかぎり(レイジングハートを犬に向ける)」
犬「ならばそこでじっとしていてもらおう(ミッド式の魔法陣を形成)」

 地面から魔力の鎖が出てきて、なのはを拘束。なのは、拘束を解こうともがく。

 四方八方からの球体の攻撃に防戦一方の魔法少女だが、徐々に球体の動きが読めるようになる。

魔法少女「そこ!」
 二本指から魔力波を発射して球体の一つを破壊する。それを見て他の球体が動きを止める。

魔法少女「……お前達の動きは見きった」
スターキッド「らしいな。だが、それで勝てると思うなよ? 暗黒騎士はそんなに甘くはないぜ? そろそろ本領を発揮させてもらうぞ」

 球体が4つ消える。

魔法少女「?(周囲を警戒する) !」

 消えた球体が魔法少女の手首・足首にはめ込まれる形で姿を現す。

魔法少女「なっ!?」

 魔法少女にはめ込まれた球体は彼女を大の字に拘束する。

スターキッド「ケーケケケっ、どうだ動けまい。じっくりと嬲り殺しにしてやる」
魔法少女「……(スターキッドを睨みつける)」 スターキッド「いくぜ」
 球体の全てにトゲが生える。

スターキッド「全身をメッタ刺しにしてやるぜ」
 球体が一斉に魔法少女に襲いかかる。魔法少女、目をつむり、両手を握りしめる。数秒後、目を開くと同時に魔力を全身から放射して手足を拘束していた球体を破壊。

スターキッド「なにっ!?」
魔法少女「……言ったはずだ。死ぬのはお前だと(スターキッドに掌を向ける) ビッグバンクラッシュ!(掌から砲撃魔法)」
スターキッド「バカな、俺がこんなにあっさりとーっ!」

 球体は全て消滅。魔法少女は地面に着地して、なのはと対面。犬も地面に着地する。

犬『大丈夫か?』
魔法少女『はい』
犬『なぜ、本気を出した。無暗に本気を出してはならんと忠告してあったはずだ』
魔法少女『すみません。ですが、本気を出さなければ確実にこっちが殺されていました』
犬『魔王に仕えし闇の六騎士か。あと4人。この調子で戦い続けていれば金の仮面を手に入れる前に、お前の体が持たんぞ』
魔法少女『でも、今更引き返せませんよ。それより、彼女を解放してあげてください』
犬『そうだな(なのはの拘束を解く)』
 自由の身となったなのはは手首をさすりながら不安げに魔法少女と犬を見る。

なのは「あなたたちは一体誰なの?」
魔法少女「……名乗るほどの者じゃない。それより忠告しておく。ぼ…私たちに関わらない方がいい。君の身のためだ。じゃ(煙幕を張る)」
なのは「待って!(追いかけようとするが、煙幕のため進めない)」

 煙幕が晴れると魔法少女と犬の姿は無く、同時に結界も消えていた。茫然と立ち尽くすなのはだった。

EDへ。



 次回予告
なのは(N)「いきなり現れた謎の黒い魔法少女と白い犬。彼女たちの正体と目的は? そして、どうしていつも突然に始まるの? 今回も結構大変なことになりそうです。でも、皆で力を合わせてがんばります。次回、魔法少女リリカルなのはT's第二話『その名はアニカなの』リリカルマジカルたぶんつづきます」



オープニングテーマ(Nana Mさん)
トリノ・フィアット(Emiri Kさん)
ランスロット・ハプティズム(Emiri Kさん)
犬(Kinnya Kさん)
スターキッド(Hideyuki Tさん)
エンディングテーマ(Yukari Tさん)
※( )は声のイメージ

 由来
T's 言うまでも無くA'sとTSをかけたものです。

トリノ・フィアット 男子キャラはユーノ、クロノと三文字で最後にノがつくので、真っ先に思い浮かんだトリノにしました。で、トリノについて調べたらフィアット社が出てきたので、なのはのキャラは車に関する命名が多いのでトリノ・フィアットにしました。

ランスロット・ハプティズム 由来はアインハルト・ストラトスです。アインハルト→ラインハルト→ラインハットで、当初はラインハットにする予定だったのですが、土壇場でランスロットが思い浮かんでしまいました。ストラトスの方は、セイエイ、アーデ、ハプティズムと3つの候補からハプティズムを選択しました。

犬 ちゃんと名前をかんがえていたのですが、ど忘れしちゃいました。





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