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nice assist
明君の《オーパーツ》
作:yuk



どこの世界にも主人公と言うものはいるものです。

魔王を倒す勇者?スポーツのチームのエース?憧れの先輩に告白する女の子でもその物語の主人公なのです。

そしてこの物語はそんな主人公の活躍の陰で動いているもう一つのお話なのです。



どうして他人を傷つけるの?

どうして自分が一番でないといけないの?

どうして他人を好きになれないの?

どうして自分を好きになれないの?

どうして……



今回は明君の物語その二です。

いろいろ新キャラ登場の今回

それでは皆さん最後までお付き合いのほどを…………



「すごいな〜! いいな〜! 俺もほしいな〜!」

「にゃはははは! いいでしょ〜。お姉ちゃんとおそろいなんだ。」

ガーディアンの基地の一室で明と夏流がはなしていた。

「だからあわせるのは嫌だったんだ。」

「まぁまぁ、明君にも年の近いお友達は必要でしょ?」

「だからってわざわざこいつを選ぶなよ。」

明たちが話している横で春風が頭を抱えていた。

「これも《オーパーツ》なんだろ? どんな効果があるんだ?」

明が手に持っているのは黒い日本刀《オーパーツ》月流刃だ。

「う〜ん……ひ・み・つ。」

「え〜なんだよ〜教えろよ〜。」

「だれかあのバカップルを止めろ。」

「バカップルいうな〜! 俺的に夏流はアウトだし。」

「きがあうねぇ〜。私も彼氏としては明君だけは絶対パスだよ。」

「でも友達としては……」

「これ以上ないくらい良いよね。」

「何だ?こいつら……」

「まぁ、微妙なお年頃ってことで……」

「時に明君。」

「何でしょう夏流さん。」

「君は秋穂さんにあったかい?」

「秋穂さん? だれ?」

「秋穂さんは私や春風と同じガーディアン幹部で《オーパーツ》研究の第一人者だよ。」

「へ〜春風ってえらかったんだ。」

後ろで春風が明に殴りかかろうとするのをラルカが必死でなだめている。

「まぁ、そうなんだけど。それでね、秋穂さんに言えばたぶん《オーパーツ》作ってくれるよ。」

「それマジッすか。」

「うん。マジッす。」

「それじゃあ早速いってみよう!」

「わ……私はここにいるからお前らだけで行ってこいよ。」

なぜかおびえる春風

「ん? 春風? どうかした?」

「ふふふ、春たんは秋穂さんが怖いのだよ。」

「春たん言うな〜!」

「へ? 春風に怖いものがあったとは……」

がこっ

「痛いな〜何いきなり殴ってんだよ。」

「私に怖いものなどない!」

「なら一緒にいこうよはるはる!」

「はるはるいうな〜!」

「ひどい! はるるんと私たちの中じゃない!」

「はるるんも禁止!」

「お〜い! じゃれてないでさっさと行くぞ。」

「明君場所しってるの?」

「あ! しらなかった。」

「仕方ないわね、こっちよ。」

明はじゃれている春風と夏流をほおって置いてラルカと共に部屋を出た。

「なぁ、ラルカ。秋穂さんってどんな人だ?」

「う〜ん。一言じゃ言い表せないわね。私の体を作った人よ」

「はい?ラルカって生物じゃなかったの?」

「う〜ん、なんていったら良いのか……わたしは《オーパーツ》なのよ。」

「そうだったんだ。じゃあ春風の個別《オーパーツ》って……」

「うん。それが私。」

「《オーパーツ》って生きてるんだな。」

「ほとんどいないんだけどまれに私みたいのがいるのよ。」

「へー、で、ラルカはどんな効果の《オーパーツ》なんだ?」

「それは秘密。言ったら春風が怒るのよ。」

「ふーん。」

「さ、ついたわよ。」

そこには《命手 秋穂 第一研究室 無断で入ったものは実験材料とみなす》と書いてあった。

「大丈夫なのか? これ……」

「大丈夫よ〜気にしない気にしない。明君心配性ねぇ。」

「目が笑ってないんですけど……」



次の瞬間いきなり目の前の部屋が爆発した。

「きゃ〜〜〜!」

「先生!」

「先生!」

部屋から出てきたのは頭のよさそうなメガネの白衣の女性とよく似た二人の少女だった。
ただしみんな黒こげ

「ちょっと!秋穂ちゃーん。何古典的なことやってるのよ?」

「あれ? ラルカちゃん久々じゃない!」

秋穂は明のほうを見て言う

「ラルカはあっちですが……」

「え?」

「っていうかどうやったら俺とこのちっちゃいラルカを見間違えられるんですか?」

「えぇ!?」

そういって明に顔を近づける秋穂。
息がかかるくらい接近されて思わず赤くなる明

「う〜ん、メガネの調子が悪くて見えないわ〜」

「秋穂先生! 先生はもともと目がものすごくいいのです。」

「秋穂先生! 先生は両目共3.0だったと記憶してます。」

「あ! そうだっけ……どうりで何も見えない。学者気分に浸ってて忘れてたわ。」

そういってメガネをはずして離れる秋穂

「うん。よく見えるわ! 近づきすぎてたのね。」

「あの……秋穂さん?」

「え? 何で私の名前知ってるの!? ストーカー?」

「秋穂先生! さっきから何回か名前が出ています。」

「秋穂先生! 詳しくは7,8それと18行前です。」

「あ! ほんとねぇ。」

「ラルカ、何なんだ? この人たち。」

「見てのとうり、ここの室長の秋穂ちゃんと助手のリリィちゃんとマリィちゃんよ。」

「リリィですぅ」

「マリィですぅ」

「みなみはるおで……」

「秋穂ちゃん。古いわよ。」

「作者何歳だよ……」

作者注 結構若いです。

「つまりつくりが古いのは年齢より作者そのものに原因があるのよ。」

うるさい

「……コント終わり? じゃ、わたしはガーディアン《オーパーツ》研究部所長 命手 秋穂よ。」

「あんたが振ったんだろうが! まあ良いか、俺は最近ガーディアンに入った……」

「知ってるわよ。春風巻き込んで給料半額になった明君でしょ。」

「何で知ってるんですか!?」

「秋穂先生に知らないことはないんです。」

「秋穂先生に解らないことはないんです。」

「というわけなのよ。」

「なにが、というわけなのかは解りませんが……」

「あ! 言わなくても解るわよ。私の実験に協力してくれるんでしょう?」

「いえ……そうじゃなくて……」

「秋穂先生のいうことが間違いなわけがありません。」

「秋穂先生のいうことが間違いなはずがありません。」

「さっき思いっきりストーカーとか言われたんだけど……」

「人の揚げ足を取るものではありません。だよね、マリィちゃん。」

「人の言うことは素直に聞いてください。だよね、リリィちゃん。」

両側から腕をつかまれ明は持ち上げられた。

「え? なに? ちょ! な! まって……」

「静かにしてください。落としてしまいそうです。」

「動かないでください。ちぎれてしまいそうです。」

「な! ちょっと! ま! 今あとのほうがすごい事言った……」

「ご愁傷様です。明君。」

「ラルカまでぇぇぇぇぇ!」



「なーんだ、そうだったの……」

やっとのことで開放された明は事情をせつめいした。

「人の話は聞いてください。」

「いや……それが私の生き様だから。」

「そんな迷惑な生き様さっさと捨ててください。」

「あ〜! そういう事いうなら《オーパーツ》あげないぞ〜。」

「あっ! すいません。で、どんなものがあるんですか?」

「う〜ん。リリィ! マリィ! 適当にもってきて。」

「了解です! 秋穂先生。」

「承諾です! 秋穂先生。」

しばらくするとリリィとマリィがたくさんの荷物を抱えて奥から出てきた。

「う〜ん。これなんかどうかな?」

「これは?」

「人にとりついて自己増殖を続ける名刺。伝説のブレイカーの持ち物のコピー。」

「ブレイカーのものって……しかもこれ「ココロとカラダの〜」じゃないですか。」

「だめ?じゃあこっちのステッキは?」

「これってこの前夏流がもってきた魔法少女のステッキじゃないですか! しかも変な効果つきの!」

「じゃあこの薬。効果は自分で確かめてね。」

「薬品系は嫌ぁ〜! しかも効果おしえてくれないの!?」

結局明は汎用銃を借りることにした。

「おまけにこれもつけてあげる。」

秋穂が明に渡したのは指輪だった。

「新しい汎用《オーパーツ》の初期実験号よ。ちょっとデータ取ってみて。」

「どんな効果があるんですか?」

「汎用だからそんなに酷いことにはならないわよ。」

「でも実験ですよね……」

「大丈夫大丈夫。じゃ、5600万円になります。」

「金とるんかい! しかも円?」

「円もガーディアン基地の通貨の一種なのよ。」

ラルカがざっと説明する。

「しかも高いっ!」

「でも明君だったら私の手伝いしてくれたらチャラにしてあげても良いよ。」

「えっと……どれくらいの期間かかるんですか?」

「うーん、とりあえずこの汎用《オーパーツ》実験かな。

あとは私の助手やって頂戴。」

「秋穂先生! 助手なら私たちがいます。」

「秋穂先生! そんなやついらないです。」

「リリィとマリィには危ないことできないから仕方ないのよ。」

「俺にもしないでくださいよ。」

「じゃ、早速実験実験♪」

そういって怪しげな注射を取り出す秋穂

「だから人の話をきけぇ〜〜〜!」

「え〜い!」

「うっ! うわ〜!」



バタンと扉が開いた。

「おい! 明、仕事だ。ん?」

「はっ! 春風! 助けてぇぇ!」

春風が部屋に入ると明が……どう見ても女なのにどう見ても明だとわかる人間が助けを求めた。

しかも中学生くらいまで若返っている。

「春風! 久しぶりじゃない! どうして会いに来てくれないの?」

「お前といると疲れるんだよ。っていうか明に何した? まさかお前また……」

「ひどい! 私はこんなに春風のことが好きなのに春風は私のこと信じてくれないの?」

「いや、実際にやってるわけだし……おまえは相当狂ってるし」

「狂ってるなんて失礼ね。私はいつだって正気よ!」

「俺を無視するな〜」

「で、なんであんなのになってるんだ?」

「明君には私の助手になってもらうのよ。その間は体いじり放題♪ そしてココは男子禁制よ!」

「だからそれが狂ってるって言うんだって。」

「それならわざわざ助手にするとか言うな〜!」

「ところで春風」

「人の話を聞かない癖は直せといったと思うが……」

「最近ラルカちゃんを《開放》させてないんじゃない?」

「うっ! それはお前が変な効果を上乗せするからだろう。」

「だってぇ、春風ってそれぐらいやんないとつまんないんだもん。」

「つまるつまんないで人のキャラクターを変えようとするな!」

こそっと逃げ出した明がラルカにたずねる。

「ひどい目にあった……これどうやったら戻るんだろう? ところでラルカ、キャラクターを変えるってどういうことだ?」

「春風は私を《開放》すると性格が変わるのよ。その効果を私にプラスしたのが秋穂ちゃんなの。」

「ふーん。なぁ変わった春風ってどんなの?」

ガン

明はいきなり殴られた

「お前は知らなくていい!」

「えぇぇぇ! かわいいのにぃ」

「アレはかわいいとは言わん!」

「しかも変わっている間の記憶もばっちり残っちゃうのよ。」

「へー。ところで春風。仕事って何だ? もしかして俺はこのまま行くのか?」

「局長がお前と一緒に行けとおっしゃられた。もしかしたらその姿が任務に役立つかもしれないだろう。
任務は《オーパーツ》の回収。《世界》は警官とその周りの人たちのハートフルコメディーらしいんだが……」

「それがどうかしたのか?」

「ある《オーパーツ》のせいで《世界》が変わってきてるらしい。」

「へー、それってどんなの?」

「その辺は現地で調べる。さっさといくぞ。」

「お仕事なら仕方ないわね。もうちょっと春風で遊びたかったけど……」

「だから人で遊ぶなって!」

「明く〜ん。しっかりとデータとってきてね(はぁと)」

「え? これの使い方は? 効果は? 教えてくれないの?」

「それは自分で見つけてこそ意味があるのよ。気が向いたら教えてあげる。あ! ついでにこれも。」

「これは? 携帯電話?」

「携帯としても使えるけど主な仕事はデータ採集用よ。」

「はぁ、帰ってきたらとりあえずこの格好は治してくださいよ。」

「後ろ向きに考えとくわ。」

「せめて建前でも前向きっていってよ〜」



「……あの〜……春風さん?」

「なんだ?」

「ここはどこですか?」

「《世界》に決まってるだろうが……」

「いや、そうじゃなくて、なんで俺たちは空を飛んでるのかな?」

「飛んでいるのではない。落ちているんだ。」

「では、なぜ、俺たちは落ちているんだ?」

「扉の出口の作成場所をしくじったからだな。」

「ところでこのまま下にたたきつけられるとどうなるのでしょう?」

「相当運がよくても死ぬな。」

「じゃあ俺たちはどうすればいいのでしょう。」

「あきらめると良いと思うぞ。」

「ふざけんな〜! どうしてそうなるんだよ!」

「まぁまぁ、明君落ち着いて。春風も明君をいじめないの。」

「いや……さっき秋穂にあってストレスがたまってて……」

「おれはストレスのはけ口か!」

「気にするな。大丈夫だこの状態の私たちならある程度《世界》の物理法則を無視できるんだ。」

「どうやって?」

「ノリだ。」

そういうと春風は空中に立ち止まった。

「ノリってなんだぁぁぁぁぁ!」

明はなすすべもなく落ちていく。



暗い公園で四十近い男性と二十そこそこの女性が話をしていた。

「まったく、こんな夜遅くまでパトロールとかほんとやってらんないよ。」

「まぁまぁ、近所の人たちのためにもゴースト・ザ・リッパー早く捕まえましょうよ。」

「そうだな。最近危なくて夜に外を歩けないって苦情がひどいもんな。」

「山科さんの娘さんも年頃なんだから気をつけないといけませんね。」

「雪村、お前俺の娘に会ったことあるのか?」

「この前里香ちゃんがお弁当作って持ってきた時受け取ったのあたしですよ。

お父さんに似なくてほんとよかったね。って言った……ぶほっ」

「人の娘になにいっとんじゃこら。」

「暴力反対ですよ〜。」

ふたりはこの町の警官である。

最近近所で通り魔事件が多発し、見張りが強化されているのだ。

「あれ? 山科さん。あそこに誰かいますよ。」

「ホントだ。」

暗闇の中うずくまっている女性をみつけて山科は声をかける。

「大丈夫ですか?」

「え? はい。ちょっとおかしなものを見つけたものですから……」

「おかしなもの? なんです?」

「それは……こんなもんだ!」

いきなりごついナイフできりつけてくる女性。

「な!?」

きりつけられた山科もだが、切りつけたほうの女性もなぜか驚いた顔をしている。

「ちっ」

包帯に巻かれた左手で山科を突き飛ばし女性は逃げ出した。

「まちなさい!」

雪村がその後を追う。

「まて! 雪村! 深追いするな!」

そのまま失血量が限界に達したのか山科は気を失った。



「え〜と……これがこうで……こうか?……やっぱ無理ぃぃぃぃ!」

明はまだ落ちていた。かろうじてスピードを落とすことはでき始めている。

「がんばれ。骨は拾ってやる」

「その前に助けろよ! いや、お助けください〜」

近づく地面。明は相当あせっている。

「あぁぁああぁぁあぁぁあぁっぁぁああ!!!!」

落ちる寸前明は春風の足をつかんだ

「な!?あぁぁぁぁぁぁぁ!」

ザブン

明たちが落ちたところは運良く公園の池だった。

どうにか岸にたどり着いた

「あ〜……マジで……死ぬかと思った。」

「まったく……お前のミスに……私を巻き込むな!」

いきなり上から声をかけられた

「おやおやこれは壮観だな。かわいい子が水浸しになってる」

池の岸から少年がのぞいていた。

「な? だれ? っていうか何が?」

無言で明の胸を指す少年。

「あ……」

そこには普段はないが秋穂のせいでできてしまった二つのふくらみ。

「……ひっ!」

下着をつけてないので水で透けてよく見えている。

「いや〜!」

「声もかわいいね。」

ぐさ!

今の一言でかなり精神的ダメージをうけた明

「それは言われるんじゃなく言いたかった!!」

「そうなの? そういう趣味?」

「そういう趣味って何だ!?」

「まあまあ、そんな格好じゃ風引くよ。これでもどうぞ。」

差し出されたのはセーラー服。

「おまえもそんな趣味かよ!!」

「ノリです」

「それは最近の流行なのか?」

「そんなことよりお前……どこから見ていた?」

「そこのベンチだよ。」

「いや、そういう小ネタはもう良いから……」

「じゃあ序章からずっとファンだったとでも言えば……」

「物語の構造を無視するな!」

「冗談冗談。誰かがおぼれてるみたいだからあわてて飛んできたんだよ。」

「セーラー服をもってか?」

「だからノリだって。んじゃね。」

はしりさる少年

「な! ちょっとまて!」

追いかけるが少年はすでにどこかに消えていた。

「ちっ、逃したか。」

「それにしても春風から逃げるってどんな体力してるんだ?」

春風がうしろを向くとセーラー服を着た明が立っていた。

「お前は……何で……そんなものを……」

「流行なんだろ? ノリだって言うのが。」

「おまえなぁ……」

そのとき明が目を見開いた。

「おい……確かこの《世界》ってハートフルコメディーだったよな……」

「そうだが……何かあったのか?」

「じゃあ……なんだよこれ!!!!」

そこには血だらけで倒れている山科がいた

「大丈夫ですか!?」

近寄って声をかける明

「うぅぅ……通り魔が……雪村は無事か?……」

そういうとまた気を失う山科

「うわぁぁぁ! 救急車〜!」

「落ち着け、とりつけば治るはずだ。」

「そ……そうか。じゃあ……どうすればとりつけるんだ?」

「お前、前にオフィーリアにとりついてたじゃないか。」

「あれは偶然だったんだよ。」

「……仕方ない。私がやる。この服ぬれてて気色が悪いし。」

そういって山科に触れる春風

「あ?」

「どうした?」

「こいつ……主人公だ。」

「じゃあ……」

「とりつけない」

「救急車〜!」



暗闇の中、人の話し声が聞こえる。

「どういうことだ? いつもどうりにやったのに……」

「それはだな……あいつがこの《世界》の主人公だからだ。」

後ろからの声に驚きそちらを見るゴースト

「なんだ、あんたか。」

「ずいぶんと景気よくやってるじゃないか。この町でもすでに30件か……」

「こいつの使い方を教えてくれたあんたのおかげだよ。それよりもさっき気になることを言ってたな。」

「気になること?」

「あぁ、この《世界》だとか主人公だとか。」

「それか。この《世界》はあの男、山科 善行を中心にして動いているんだ。」

「ほう。この俺を差し置いて中心とは……許せないな。」

「そうだろう。お前はそういう奴だ。あの男を殺せばお前が中心だぞ。」

「ほぉ。じゃあ、やってやろうじゃないか。」

「それじゃあいつもどうりこれを飲んでくれ。」

後ろからカプセルが差し出された。

「りょーかい。それとな、思ったんだがあんたはもしかしてこの《世界》からはみ出たとこからきたんじゃないのか?」

「ククク……さあな。じゃあまたそのうち」

「はいはい、かかわるなってんだろ。おれは忠実な犬だからな。あんたがそういうなら従うさ。」



山科は明が呼んだ救急車に乗ってすぐに病院へ運ばれた。
幸い命に別状はないらしい。

「で、これからどうするんだ?」

「私は適当に人を見繕ってとりつく。ラルカは明についてってやれ。」

「了解よ。」

「俺はなにをすればいいんだ?」

「そうだな……家出少女と記憶喪失どっちがいい?」

「その二択!? 何で俺が……」

「こんな夜中にそんな服で出歩いているって言ったら大体そうだろう。」

「確かにそうだろうけど……」

「それにこの《世界》はもともとハートフルコメディーだからぴったりの役柄だろう?」

「そうね。十中八九家族がわかるまで家で引き取るってことになるわね。」

「そんな……そこまで都合よくなるか?」



「そうね……うちに来ない?」

山科里香は記憶喪失だと言う少女(=明)にそういった。
病院に運ばれ、すぐに山科のいえへ連絡がいき、あわててやってきたのだ。
そこで、里香は父親を助けたという少女が記憶喪失だと聞いて、このようなことになったのだ。

「あの……いいんですか?」

「行くあてがないんでしょ? お父さんを助けてくれたお礼よ。それに最近通り魔が出てるから女の子一人外に放り出したりできないわ。」

「通り魔って何ですか?」

「最近有名なのよ。謎の通り魔ゴースト・ザ・リッパーの話は。
老人だったり、少年だったり、10歳くらいの女の子だったって言われたりしてるの。
ただひとつ共通点は左手に巻かれた包帯なんだって。
うわさでは左手を切られた亡霊の仕業だって……さすがにそれはがせだろうけどね。」

「そんなに有名だったんですか。」

「もうひとつの特徴としては被害者達は必ず被害を受けてから丸一日の記憶がなくなるということなんだって。おとうさんがいってた。」

「それはおかしな特徴ですね。」

「とにかく。女の子一人にはしておけないの。わかった?」

「はい。おねがいします。」

少し遅れて雪村も病院へ到着した。

「ごめん、里香ちゃん、本当はあたしが助けなきゃならなかったのに。」

そういって雪村は落ち込む

「雪村さんがぶじでお父さんもよかったと思いますよ。」

「ありがとう里香ちゃん。そういってくれてうれしいよ〜」

「さ、今日はもう遅いから帰りましょう。え〜とあなた……」

「え……お……私はあき……じゃなくてアカネです。」

「名前は覚えてるのね。」

「あ、」

「お父さんを助けてくれたお礼に見逃してあげるわよ。今日からよろしくねアカネちゃん。」

「……はい。」



「くくく……」

その日の遅く、山科の病室で男が声を押し殺して笑っていた

「これで俺がこの《世界》の主役だ。」

男の左手には包帯がまかれ右手にごついナイフが握られている。

「だれ!?」

そのとき男の後ろから看護婦が声をかけた

「ちっ!」

「あなた誰? ここで何をしているの!?」

「うるせえ!」

ナイフを振りかぶる男

「大変です! 山科さんの病室に変な男が……」

ナースコールをする看護婦

「きゃあ!!」

……………

すこしして、あわててほかの看護師やガードマンが病室に入ってきた。

「あ……ああああ……」

そこには左手に怪我をした看護師と倒れて動かない男がいた。

「大丈夫ですか?」

看護師に声をかけるガードマン

「……はい。」

「こいつはどうしたんですか?」

「私こわくて……何がなんだか……」

「そうですか……大変でしたね。今日はもう帰ったほうが良いでしょう。」

「はい。わかりました。」

病室を出て行く看護師……しかしその顔は奇妙にほころんでいた。
そして懐には男がもっていたナイフがあった。



翌日の新聞に「ついに連続通り魔事件犯人逮捕か? 容疑者は犯行を否定。」
という記事がのった。
その記事を持って朝一で雪村は里香のところへやってきた

「お父さんを襲ったって言う通り魔捕まったんだ。」

「そうなのよ。謎の通り魔もふたを開けてみればただのオッサンよ。まったくつまらないわ。」

「そういう問題じゃないと思うけど……」

前の晩から山科家にお世話になっている明である。

「今朝ごはん作るからまってて。雪村さんも一緒にどうですか?」

「いいの? わるいね。きのうからいろいろあって何も食べてないんよ。」

明と雪村と里香は三人で朝ごはんを食べることになった。

「しかし山科さんも厄介なものにばっか惚れられるもんね。」

「どういうことですか?」

「この通り魔、山科さんの病室でつかまったのよ。」

「え!?」

「あ、これ一応機密事項ね。夜中にナイフ持った男が病院に侵入して山科さんを殺そうとしてたって。」

「お父さんは無事なんですか?」

「うん。運良く看護師さんが見回りに行ったらしくて……でもその看護師さんもナイフで怪我させられたって言ってた。」

「たいへんですね。ほんとに」

「あなたも厄介なものその二だってこと忘れちゃだめよ。」

「……はい」

「じゃ、私学校だから。お昼は冷蔵庫に入れといたからチンして食べてね。」

「はい。」

「里香ちゃん送ってってあげるよ。」

「ありがとう雪村さん。よろしくお願いします。じゃ、いってきます。」

「いってらっしゃい」

里香と雪村はふたりで家をでていった。



「明君、調子はどう?」

明が一人になるとどこからか金色の妖精が姿を現した。

「ラルカか。今までどこにいたんだ?」

「ずっと近くにいたわよ。見えないだけで。」

「ラルカもそんなことできたのか?」

「ノリでなんとかなったわ」

「ノリなのか……」

「ええ、ノリなのよ。」

「ところで春風は?」

「病院の看護婦さんやってるわよ。昨日目と鼻の先で主人公が襲われて悔しがってたわよ。」

「春風の目をすりぬけて侵入するなんてすごい奴なんだな。」

「そうね、でももうつかまったみたいだから。私たちは《オーパーツ》を探しましょう。」

「そうだな。これからどうしよう?」

「とりあえず春風のところへ行きましょう。」

「そうだな。」



ゴーストは学校へいく里香を見ていた。

(ねぇ、いつまでこんなこと続けるの?)

「うるせえ。俺の気がすむまでだ。」

(ぼくもう人が傷つくの見たくないよ。)

「はっ、人がどうなろうが関係ないね。」

(やめてよ! 僕の体でひとをきずつけないでよ)

「うるさいなあ。便利な機能があるお前が悪いんだよ。さて、次の手は……」

「あの〜」

後ろから声をかけられた。

「大丈夫ですか?」

そこには里香と同じ制服をきた少女がいた。

「ええ、大丈夫よ。ただおかしなものを見つけたから……」

「なんですか?」

「これだよ!」

左手に包帯を巻き右手にナイフを持った看護婦=ゴーストは少女に切りかかった。
左手を少しだけかするナイフ
崩れ落ちる看護婦。それを気にも留めずに自分のかばんをまさぐる少女。学生証を取り出した。
そして……

「奈留……か。ふふふ……いけない学校におくれちゃうわ♪」

制服をきた少女は、ナイフを拾いその場をあとにした。



「落ち着いてください!」

「俺は大丈夫だ!」

「昨日血が足りなくて輸血したばかりなんですよ!」

「おれは仕事をせねばならん。この怪我をしたとき俺を襲ったのは女だ。その辺をきっちり説明してくる。だからすぐに退院する。」

「いけません!」

病院の前で看護婦と山科が押し合っていた。

「あの……」

「あ! アカネちゃん」

いきなり看護婦に名前を呼ばれた。

「え? 何で知って……」

看護婦は明をむしして山科に声をかける

「山科さん。この子があなたを助けてくれたアカネちゃんよ。」

「そうなのか。その節は本当にお世話になった。」

「い……いえ、当然のことですから。」

「こうして俺が元気になれたのも君のおかげだ。だから俺は仕事に行くんだ!」

「だからそれはだめです!」

「だいじょぶだといって……」

いきなり倒れる山科

「あ!」

「大丈夫だ。ただの貧血だ。輸血した次の日にあれだけ騒げばあたりまえだ。」

急に口調が変わる看護婦

「お前、春風か?」

「今頃わかったのか?」

「う……」

「まあいい。こっちに来い。話がある。」

「ああ……」



病院の裏で明は春風のはなしをきいている

「何だって!? その通り魔が《オーパーツ》をもってる?」

「そうだ。確かに気配を感じた。」

「じゃあつかまった男のところへ行かないと……」

「ところがだ、その男からは《オーパーツ》の気配がない。」

「どういうことだ?」

「つまり誰かが《オーパーツ》を持ち逃げしたということだ。」

「いったい誰が……」

「候補としては二人ほどいるのだがどちらももちだす理由がない。」

「つまり手詰まりか。」

「そういうことだ。私はもう少し山科を見張ることにする。お前はお前で調べておけ。」

「ああ、わかった。とここで《オーパーツ》の気配ってどんなのだ?」

「秋穂から《オーパーツ》探索用にアイテムをかりてきたんだ。」

「で、報酬に何とられた?」

「……絶対言わんぞ。」



キーンコーンカーンコーン

授業が終わり放課後、里香は友達によびだされ一人で教室にいた。
ドアが開き一人の女子生徒が現れた

「どうしたの? 奈留。こんな時間に呼び出して……」

「実は里香……私相談したいことがあって……」

「相談したいこと? なに?」

「今日のあさ変なものを拾っちゃって……」

「それで今日一日悩んでたの?」

「うん。どう処理していいかわかんなくて……」

「何拾ったの? 見せてみて。」

「うん。これなんだけどね。」

奈留が取り出したのはごついナイフ

「なにこれ……」

「このナイフには人間の意志が封じ込められていてね……その意思はこのナイフで傷つけられた人に次々と移っていくんだ。」

その口調はさっきまでの女子生徒のものではなかった。

「俺はこのナイフを使うにあたって自分にひとつ制約をしてるんだ。左手しか傷つけないというね。」

そういって左手を見せる奈留。左手には包帯がまかれていた

「え? なに? まさか……ゴースト・ザ・リッパー……」

「君の体、いただこう。」

……………



ねぇ、もうやめてよ

ねぇ、人を傷つけないでよ

ねぇ、だれかとめてよ

ねぇ、……………



車の中、里香ともう一人が話している

「少し思ったんだが……」

「なんだ?」

「お前はどうして自分で主人公を殺そうとしないんだ?」

「俺には少し厄介な制限があるんだよ。その点お前はもともとこの世界の住人だ。制約はない。」

「へ〜。外の人間ってのも大変なんだな。」

「ああ。結構大変だぞ。」

車は病院に着いた

「それじゃ。送ってくれてありがとう。」

「ううん。あたしも報告のついでだから。里香ちゃんもがんばってね。」

「ええ。フフフフフフ」

「クククククク」

二人の変な笑いはとまらなかった



ここは山科の病室
里香の体を奪ったゴーストはその姿で山科を殺そうと思ったのだ。
相手が娘だと山科も油断すると考えたのだろう。
しかし。そこには明がいた。

「あれ? アカネちゃんどうしてここにいいるの?」

「あ、里香さん。お見舞いにきたんですけど山科さんなんか貧血でまた倒れたらしくて。」

「え?」

「今すぐにでも退院する! って暴れて……」

「お父さんらしいわ。」

里香のフリをするゴースト。《オーパーツ》の効果で里香の振る舞いはもんだいなくできる。

「ところで里香さんその左手はどうしたんですか?」

「いや……ちょっと料理で失敗しちゃった。」

「気をつけてくださいよ。」

「うん。お父さんは寝てるの?」

ベッドは不自然に膨れ上がっている。

「はい。仕事にいけないからってふてねしてます。」

「うふふふ。まったく子供っぽいんだから。」

「じゃ、私はちょっとトイレ行ってきますから見ていてあげてください。」

「解ったわ」

部屋を出て行く明

「ふん。たわいもない。」

急に態度が変わる里香……いや、ゴースト

「それじゃ、お父さん。さようなら。」

がちゃ

ゴーストがナイフを振り下ろそうとしたそのとき部屋のドアが開いた。
あわててナイフを隠すゴースト

「あ! 娘さんですね。」

そこには看護婦がいた。

「はい。」

「窓閉めに着たんだけど要らなかったかしら。」

「はい。私がやっておきます。」

「それじゃあよろしく頼むわね。」

部屋から出て行く看護婦

「危ない危ない。それじゃ、気を取り直して……」

ナイフを振り下ろそうとするゴースト。そのとき

がちゃ

まただれかが入ってきた。

「里香ちゃん? 用事は済んだの?」

雪村だ。

「なんだ、あんたか。脅かすなよ。まだ終わってないよ。」

しかしゴーストは里香のふりをしなかった。

「さっさと終わらせろ。ここはガーディアンが監視しているはずだ。」

じつはゴーストにナイフの使い方を教え、
さまざまな指示を出していたのは雪村に取り付いたブレイカーだったのだ。

「ガーディアン? なんだそりゃ。」

「俺たちと敵対している組織だ。」

「ふーん。いろいろ大変だな。
じゃ、俺は俺の仕事を済ませようか。それじゃ、お父さん今度こそ本当にさようなら。」

ざくっ! っとナイフは蒲団に突き刺さる……が、

「な? フェイク?」

「引っかかったなブレイカー!」

声のするほうを見るとアカネとそして窓を閉めに来た看護婦それと金色に光る妖精がいた。

「ほう。お前らがガーディアンとか言う奴等か……」

「そういうこと。毎回姿が変わる通り魔、なくなる被害者の記憶、とするとやはりお前の本体はそのナイフってことになる。」

「ククククククク。ご名答。よくわかりました。」

「被害者が次の加害者になるんじゃつかまんないわけだよ。」

「正解者にはご褒美を上げないとな……」

いきなりナイフを布団から引き抜いたゴースト

「おい! 明!」

「明君!」

すきをついて明に襲い掛かるゴースト

「なんだ、ガーディアンとかいってもただのがきじゃないか。」

あわてて汎用《オーパーツ》の銃を打つ春風。
ぱしゅ
しかし効果がない。

「な?」

「ん? 何かしたのか?」

「その銃はあくまでも《世界》の外のものを打ち抜く銃なんだろう?」

雪村……いや、ブレイカーは笑いながら言う。

「残念ながらゴーストは100%この《世界》の人間だ。多少《オーパーツ》のせいで型破りだがな。」

「なに!!」

驚く春風

「おい! このナイフってこいつらにも効くのか?」

明を押さえ込んだゴーストが質問する。

「ああ。普通に効くはずだ。」

「それなら……これでチェックメイトだ。」

ざく

ナイフは明を貫いた。

「あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!」

瞬間ものすごい光があたりを包み込んだ。

「明!!!」

「明君!!!」

光が引いたあとそこにたっていたのは倒れた里香と元の姿18歳男子に戻った明だった。

「ふう。」

手にはナイフを持っている。

「くそ!」

「どうしましょう。」

「これで終わりだな。」

悔しがる春風とラルカ。喜ぶブレイカー

「よし。ゴースト。残りをやれ!」

「くっ……」

「喜んでるところ悪いんだが……俺は明だよ。」

「は?」

「だ・か・ら。俺は明だ。ゴーストは消えたよ。」

「なんだと? なぜだ?」

「ノリかな! そういうことで覚悟しろブレイカー!」

「明! お前そんなもの使えるのか?」

「ノリ……じゃだめかな?」

「だめだ! 素人にそんなもの使いこなせるはずがない!」

「僕がいろいろ教えたし、リードするから大丈夫だよ。」

その声はナイフから聞こえてきた。

「この人は僕をゴーストから助けてくれたんだ。だから今度は僕が助ける番だ。」

「お前は?」

「こいつはアルト。この《オーパーツ》自体の意思だって。」

「なるほど。あなたは私と同じ意思のある《オーパーツ》なのね。」

「でもなぜだ? ナイフはゴーストだったんじゃないのか?」

「やっぱそれも説明しなきゃだめ?」

「さっさとしろ!」

「僕の能力は情報の切り貼りなんだ。ゴーストは僕を媒介にして《自分》の情報を《他人》に刻み込んでいたんだ。」

「じゃあ何でゴーストは消えちゃったの?」

「これのおかげだよ。」

明が見せたのは小さなゆびわ

「これは《オーパーツ》による効果を一回きり無効にできるらしいんだ。」

「それって秋穂ちゃんの……」

「ああ。さっき電話があって、そろそろ効果教えてあげようかとか言ってきて……」

「なるほど。効果無効のついでに周りの《オーパーツ》も無力化されたから男に戻ったか。」

「そういうことだ。では、ブレイカー! さっさとお縄につけ!」

「くっ!」

不利を悟り外に逃げるブレイカー。

「まて!」

追いかけていく明たち。



ここは病院の駐車場。明達は逃げたブレイカーをおってここまで来た。

「いい加減にあきらめろ。お前は追い詰められたんだ。」

「はたして追い詰められたのはどっちかな?」

「何だと?」

「出て来い。微妙に美しい雑魚たちよ!」

ブレイカーが声をかけると左手に包帯を巻いた人たちが30人ぐらいわらわらと現れた。
そこには最初に山科にきりつけた女性や看護師、制服の少女もいた。

「ゴーストの被害者達に雑魚シリーズの実験台になってもらってたのさ。それがこうやって役に立った。」

「何! どうする春風! 汎用銃じゃさばききれないぞ!」

「春風! 《キーワード》を! 私を解放して!」

「……ラルカ……どうしてもアレをやるのか?」

「この場合仕方ないじゃない! プライドにこだわってちゃ何もできないわよ!」

「……く! しかたない。明! お前はあのブレイカーを追え! ここは私が何とかする。」

「わかった。」

走り出す明

「やるぞ。ラルカ。」

「いつでも良いわよ。」

「『光に向かうは春の風。先に見ゆるは夢、幻か。』」

春風が《キーワード》を言うとラルカは光り輝く杖になった。

「解放! ライト・ルーン・カースロッド!」

瞬間全国の子供達がやられたポ○モン事件位のものすごい閃光。(古いな〜)

そして、次の瞬間そこに立っていたのは某桃色のお家的な格好の春風だった。

戦うことを忘れ唖然とする明。そしてブレイカー

「何やってんのよぅ! ここはこのはるるんにまかせちゃってブレイカーさんと戦いなさいよん。」

「そんな! 声まで変わってる!」

某CM(古い)のようなせりふを叫ぶ明。

「ほらほら! そんなトコにたら一緒にプーにしちゃうゾ♪」

「いや、プーって……見せるの嫌がるわけだ……」

「やれ! 雑魚たち! 相手はタダのあほだ!」

春風に襲い掛かる微妙に美しい雑魚たち

「あらら? わたしって人気ものねぇ。」

「いつまでふざけてられるかな?」

「それじゃ……はるるんいっちゃいま〜す! 『世界魔法 止まる世界』

瞬間、《世界》から色が消えた。

「な!? 動けない?」

「続けていっきま〜す『世界魔法 閉じる世界』

春風の掛け声で雑魚たちからころころとカプセルが転がった。

「くっ!」 間一髪ブレイカーは雪村から抜け出て春風の技をよけたようだ。

「『そして世界は動き出す……』」

春風の一言で《世界》に色が戻り周りにいた人がすべて崩れ落ちていく。

「止まる世界は《世界》の動きの停止。閉じる世界は《世界》以外のものの拒絶よん」

「すげぇ……けど説明の多い小説ってだめだな。」

力不足ですいません

「ほらあきらっちいきなさい!」

「あきらっちって……仕方ない。いくか。」

「OK明! 僕に任せて!」

アルトと明は鋭くブレイカーに切りかかる。

「くっ! こうなったら……」

「待ちなさい! 海!」

そのとき一筋の赤い閃光が煌いた。

シャキン

「え?」

弾き飛ばされるアルト

「な……何?」

「夜宵さん!」

「団長から命令よ。 引きなさい。」

「しかし! これを使えばあんな奴等……」

「命令だといったの。いいから引きなさい。怖い人も来たようだし……」

「あらら、気がついてたんですか。」

夜宵が見た方向には明にセーラー服を渡した少年がいた。

「結構隠れるのには自信があったんですけどね。」

「そんなこといって、海が《オーパーツ》を出したらそれで問答無用で殺しにかかってたでしょ?」

少年は手に青い薙刀のようなものを持っている。

「ふふふふ、そんなことしませんよ。ただすこし、お灸をすえるだけです。」

「今回はここで引かせていただきます。」

「夜宵さん!! こんなやつ俺が……」

「あなたでは無理よ。撤退は命令よ。行きましょう。」

「え?……はい……」

しぶしぶと海は夜宵と共に去っていく。

「最後になりましたが妹がいつもお世話になってます。」

「いえいえ、こちらこそ」

「それではまた……」

「くそ! まて!」

「明君。あなたではあの二人のどちらにも勝てませんよ。この世界もおそらくこれでHappy Endでしょうからここは引いてください。」

「何でお前に……」

「解りました。おい! 明行くぞ。」

春風はいつの間にか元に戻っている。

「春風まで!」

「控えろ。局長だ。」

「姫様まで来てたんですね。」

「え? 真姫さん?」

「解りましたか。」

「その《オーパーツ》、七皇四宝刀を見れば解ります。」

「そうですか。とりあえずオーパーツの回収はすんだので帰りましょう。」

「了解です。」

「解りました。」

「……解りました。」



エピローグ1 《世界》の情景



「お父さんやっと退院ね。」

「ああ。これでやっと仕事ができる。」

「まったく。何でそんなに仕事がすきなのよ。」

「俺にできることでみんなが喜ぶ。それが俺の生きがいだからだな。」

「ふふふふふ。お父さんらしいわね。」

「山科さん。迎えに来ました! 車ないんでしょ?」

「お! 雪村か。で、目当ては何だ?」

「そんなこといわないでくださいよ。あたしは純粋に山科さんのことをですね……」

「見舞いのメロン一人で食ったのは誰だ?」

「……まあ、過ぎたことは水に流すとして……」

「ふふふふふふふふふ」

「どうした? 里香。」

「二人とも仲がよくていいなって……」

「おぉ! そうおもうかい里香ちゃん。」

「ったく。調子に乗るな雪村。お前はさっさと仕事しろ。」

「そういえば山科さんって何で怪我したんですか?」

「それはだな……何だっけ?」

「もう。お父さんったら。そんなことも忘れちゃったの?」

「すまんすまん。」

「お父さんはね……あれ?」

「似たもの親子(笑」

「「うるさーい!」」

「ほらやっぱり。」

「んなこといってないでさっさと仕事をしろ!」

「はいはい。じゃ、行きますか。」



その後隣町でわけのわからないことを叫びながらナイフを振り回していた男が捕まったがそれはまた別の物語。    Happy End





エピローグ2 すべてが終わったあとのこと



任務が終わり明たちは休憩室でくつろいでいた。

「明!」

明が声がした方を見るとラルカとよく似た黒く光る妖精がいた。

「あ? お前アルトか?」

「うん。この体秋穂さんに作ってもらったんだ。」

「なるほど、だからラルカとよく似てるのか。」

「私は弟ができたみたいでうれしいわよ。」

「僕もお姉ちゃんができてうれしい!」

「アルト! お前ホントに明なんかで良いのか?」

「うっさいな! 春風にはラルカがいるだろ。かわいかったよ。はるるん。」

がすっ

明は春風に殴られた。

「いっ!」

「いつまでもそのネタ引っ張ってるんじゃない!」

「それにしてもなんで山科さんたちはゴーストのことを忘れちゃったの?」

「それはね、僕の力で《世界》からゴーストの情報を切り取ったからだよ。」

「アルトお前すごいんだな。」

「そんなことないよ。ここまで大きな情報は《オーパーツ》が関与しているものしか操作できないんだ。」

「それでもすごいよ。アルト。これからよろしくな。」

「うん。これからよろしくね。明。」

そのときいきなり休憩室の扉が開き秋穂が飛び込んできた。

「はっるるぅぅぅん! 約束まもってちょうだいよ!」

「うっ! いや、今ちょっと用事が……」

「秋穂さん約束って?」

「《オーパーツ》の探索用アイテムの代金にラルカを解放した姿を見せてくれるって……」

「へ〜がんばれよ。春風。」

「ニヤニヤしながら無責任なことをいうな!」

「明君も借金あるんだから一緒に来なさい。」

「へ?」

「ほらみろ明! 人を呪わば穴二つだ。」

「そんな!」

「それとも借金の7000万円耳をそろえて返してくれる?」

「実験でチャラじゃなかったのかよ! しかも増えてる!?」

「甘いわ! 明君に渡した実験号一個何円すると思ってるの?」

「使い捨ての道具にどれだけ金かけてんですか!」

「まあ、それはそれとして……リリィちゃんマリィちゃん二人を連行しなさい。」

「「そんな!」」

「さあ行きましょう。はるるんさん。」

「はるるんっていうな〜!」

「さあ逝きましょう。アカネちゃん。」

「俺は明だ! それに字がおかしいぞ!」

「「だれか! たすけてぇぇぇぇぇぇぇ〜〜」」



こうして明君の物語はひとまず終わりました。
でもまだまだこの物語は続きます。その話はまた別の機会に……       to be continude





エピローグ 3 ブレイカーたち



「すいませんヨハン隊長。任務失敗しました。」

「夜宵から聞いている。団長命令では仕方ない。」

「しかし、これを使えばあんな奴等……」

「あの女、四元真姫がいる限りそれは無理だな。」

「え?」

「あの薙刀をお前も見たんだろう? 新人にアレの相手は無理だ。それどころか幹部クラスが2〜3人いても勝てない。」

「そうなんですか?」

「まあ今回は雑魚のデータが取れたからよしとしよう。」

「……隊長……」

「まあ、これからもがんばって世界をバッドエンドに持ち込んでくれ。」

「解りました。精一杯努力します。」                  to be continude






 






おまけ  「謎のヒロイン徹底魔法プリンセス少女タイト」の次回予告(笑)



立ちはだかる最強の敵!!

「俺達の友情の力を見せてやる。」(最強の敵)

さらわれた美和

「あ! コーラ買ってきて。コ○じゃなくてペ○シのやつ。」(美和)

「わかりました! ただいま!」(首領)

果たして謎のヒロイン徹底魔法プリンセス少女タイトは美和を救い出すことができるのか!?

「ラディカル・ブラスト!!」(泰斗)

「ぐぎゃ〜」(最強の敵)

たのむから予告中に最強の敵を倒すのはやめてくれ!






こんにちわ。yukです。
なんかいろんな単語が出てきた上に説明がわざとらしくなってしまってます。
その辺はどうかご容赦ください。
さて、前回のあとがきにある問題の解答ですが……泰斗の変身フレーズです。
これはかなり考えました(笑
では今回も私が一番力を入れたのはどこでしょう?解っても解らなくてもどうか感想を書いてみてください。

それでは。

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