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この作品はフィクションです。
実在の人物、団体、事件、地名などには、
いっさい関係ありません。

あってたまるか!


漆黒の魔王
第3話 夜戦上等

作:バンテツ


 

ドカァン!!

 

「うわっ!」

「さすがに非常識な威力だな・・・・ッ!」

 

漆黒の魔王の拳一発で壁に大穴が開き、月も星も無い夜空が顔を見せる。
日はとっくの昔に沈み、空は完全な暗闇となっていた。
魔王がその暗闇の中に飛び上がる。

『俺の体に封印された怪物を狙っているのなら』

「・・・?」

『俺が逃げれば、貴様たちは追わねばならないな?』

「・・・・・・!捕縛網!!」

黒づくめの男の号令と共に、仮面の男が大砲を構える。

ドン!!

撃ち出された弾から網が広がる。
だが、魔王は網を避けてビルの外に出てしまった。

「くそっ!逃げられた!」

「追いますか」

「無論だ。・・・・・・部隊編成後、夜戦準備!」

「「イエス、サー!」」

「久々に腕が鳴る・・・・!」

 

 

 

鞍谷見中央公園・南部正門付近

黒い夜戦服を着て、暗視ゴーグルを装備した仮面の男達がきっちりと並んでいる。
その先頭に、黒い胴着と額当て、グローブを身に付けた黒づくめの男が立っている。

「魔王は現在、公園北部の大遊具の上です」

「よし・・・A、B班は西から。C、D班は東から包囲しろ。私と幹部が南から公園に入る」

「「サーイエッサー!」」

「先に言っておく。お前らが攻撃しても無駄だ。時が来るまで黙って見ていろ」

「「サーイエッサー!」」

「・・・・・サー」

幹部が口を開いた。

「なんだ?」

 

「0号機の使用許可を」

 

それを聞いた黒づくめの男は、思わず顔をしかめた。

「確かにアレがあれば楽だが・・・・・・いいのか?アレは・・・・」

「我等の野望をかなえる為ならば」

そう言った幹部は、覚悟を決めている顔だった。

 

しばらくして、黒づくめの男が諦めたように言った。

「・・・すまんな」

黒づくめの男が髑髏の杖を取り出すと、髑髏の首を回した。
同時に髑髏の目が光り、表面の装飾が剥がれ落ちていく。

悪趣味な杖の中から姿を現したのは、先端の宝石が青く輝く純白の杖。

「できれば使わせたくはない。私がやられるまで使用するな」

「イエス、サー」

 

 

 

『・・・・・・準備は終わったようだな』

「ああ。怪物を手に入れる為、貴様を連れ帰って女にしてやる」

『やれるものならやってみろ』

黒づくめの男が構えを取る。
魔王は遊具の頂上に座ったまま動かない。
仮面の男達が周囲から見守っている。

「我が名はプロフェッサー!」

『俺は九野壱太郎。そして、漆黒の魔王』

 

ドガァン!!

 

魔王が名乗り終えたと同時に、プロフェッサーが遊具の下部を吹き飛ばした!

骨組みが砕け、崩れていく遊具。
魔王が飛び上がり、地面につくと同時にプロフェッサーへと突っ込む。

 

ズドン!

 

鈍い音と共に、魔王の拳が炸裂する。
だがプロフェッサーは間一髪、拳のガードで防いだ。

(さすがに重い・・・・・・だが!)

魔王の拳を掴み、一気に背負い投げをかます。
そのまま空中に投げ出される魔王に掴みかかり、地面に叩き落した!

『ぐ・・・ッ!』

腹を押さえて苦しむ魔王。
その眼前に堂々と立つプロフェッサー。

「やはりな」

『チッ・・・・・やっぱ見抜かれたか』

「魔王の記憶を取り戻したと言っても、所詮その身体は人間の物。しかも魔力の大半は怪物の封印に回している。
確かに力は圧倒的だが、こちらのダメージもちゃんと届く!」

『確かにその通り・・・・だが!』

「なに・・・・うおっ!?」

 

ズガァンッ!!

 

魔王が遊具の残骸を持ち上げ、プロフェッサーに向かって叩き付けた!

「くっ・・・なんだと!?」

『日夜山間で遊び続けていた俺の耐久力をなめるなよ・・・!』

「・・・・・!!」

 

 

その後、物凄い激戦が始まった。

 

プロフェッサーの右ストレートを避け、魔王が腹を殴る!

殴った手を掴んで、プロフェッサーが魔王を公衆トイレの壁に叩きつける!

壊れた壁の破片を、魔王がプロフェッサーに投げつける!

飛んで来る破片を避け、プロフェッサーが魔王を蹴り倒す!

転がっていた鉄パイプを掴み、魔王がプロフェッサーに殴りかかる!

負けじとプロフェッサーもトイレのモップを振り回す!汚いから捨てる!

魔王が鉄パイプを投げる!プロフェッサーが弾き返す!

その隙を突いて魔王がプロフェッサーに突っ込む!

魔王が殴り、プロフェッサーが蹴る!

プロフェッサーのアッパー!魔王のフック!

四の字固め!スリーパーホールド!

キ●肉バスター!真空●動拳!

 

 

 

そして、互いの体力が極限まで達した頃・・・・・・
魔王がプロフェッサーの額当てを砕き、プロフェッサーが魔王の兜を割った。

『・・・!』

「ふふ・・・」

不敵な笑みを浮かべた後、プロフェッサーは仰向けに倒れた。
魔王も膝をついて、かなり疲労している。

「ダメだ。これ以上動けん」

『・・・・・・・・俺も、限界だな』

「どうだ?大人しく投降する気になったか」

『いやだね。女になんぞ誰がなるか』

「それは分かる。だが、こちらにも都合があるのでな。
このままスポ根漫画のように終わらせる訳にはいかんのだ」

 

『む・・・?』

救護班が駆け寄り、プロフェッサーを担架に乗せて逃げる。
入れ替わりに、あの杖を持った幹部が歩いてきた。

「かなり弱らせておいた。後は任せたぞ」

「イエス、サー」

 

『お次は何だ?』

「満身創痍のサーに代わり、貴様にトドメを刺す」

幹部は杖を高く掲げると、叫んだ。

 

「TSマシン0号機、発動!」

 

その瞬間、杖の宝石が輝き、幹部の体をまばゆい光が包んだ!

『なんだ・・・!?』

 

しばらくして光が消え、辺りに声が響く。

 

 

「神にも悪魔にも成り得る人類の英知の結晶“科学”・・・・・」

『・・・!』

「今その力を持って、我が恩師の為、我が野望の為、覚醒せん!」

『・・・・・・・・』

 

「科学戦徒ヴァルキリー、推参!」

 

 

金髪青眼、この世の物とは思えない美貌。
青い宝石が輝く純白の矛と、美しい装飾の純白の鎧。
純白のミニスカート、天使のような純白の翼・・・・・

その姿はまさに、現代に蘇った戦乙女だった。

 

そしてその姿を見た魔王は、思わずつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・恥ずかしくない?それ』

「・・・・・・・わりと(赤面)」

 

 

続く

 


アトガキ?

いやーはっはっは。前回からかなり時間があきましたね。ごめんなさい(汗)

これで誤字脱字があったら切腹ものですよ。
いや切腹は痛いから嫌だな。土下座でお願いします。

ヴァルキリーに変身した元幹部、果たしてその力はいかほどか?
ついに漆黒の魔王はTSされてしまうのか!?
次回に期待したいなーと思った人は期待してください!

ではまた。


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