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この作品はフィクションです。
実在の人物、団体、事件、地名などには、
いっさい関係ありません。

あってたまるか!


漆黒の魔王
第0話 平穏に潜む不穏

作:バンテツ




「またなー」
「おー」

友達に別れを告げ、帰宅する少年。
少年の名は九野 壱太郎。
マンガとゲームが大好きな、どこにでもいる普通の少年だ。



「ただいまー」
「おかえり」
「風呂入ってくる」
「もう?早いわね」

たっぷり遊んできて、汗だくになっているのだろう。
帰ってすぐに、壱太郎は風呂へ向かった。

「着替え〜っと」

富○子を前にした○パン3世のように素早く服を脱ぎ捨てる。
もはや神業である。

「首飾りを外さないようにねー」
「わかってる。いつもの事だし」

少年の首に掛けられた首飾り。
紐の裏には怪しげな文字が彫られ、赤い宝石が輝いている。
幼少の頃から着けられ、決して外してはならないと言われてきた。
壱太郎にはその理由はわからなかった。だが外そうとした事は一度も無い。
休日には早朝から夕方まで野外で遊びまくる、彼の動物的直感が
『外せば良くない“何か”が起こる』と伝えてくるからだ。

湯船に浸かり、窓から外を見る壱太郎。

「陽が沈む・・・」

日没。
彼はこの時間帯が嫌いだった。
向こうから来る人影が、本当にヒトなのかどうか分からない―――
『誰そ彼時』とはよく言ったものだ。

この薄暗い夕闇には何か得体の知れないモノが潜んでいるかもしれない。
そう思うと急に怖くなり、壱太郎は体も洗わずに風呂を出た。

「あら、早かったわね」
「・・・・もう寝る」
「ちょ、ちょっと!晩御飯どうするの!?」
「明日の朝食べるから」

とにかく今日はさっさと寝たかった。
明日は土曜。今すぐ寝ても問題ない。
この嫌な気分をどうにかするには、
寝るのが一番だと思った。

やがて、母が諦めたように言った。

「もう・・・わかったわよ」
「ごめん、母さん」
「いいのよ(実はまだ作ってないし)。じゃ、おやすみ」
「おやすみ」

自分の部屋に行って、布団に包まって寝た。
完全に眠りに落ちるまでにそう時間はかからなかった。



「全く・・・あのチビ助は」

母、九野 由美子にとってはいつもの事だった。
壱太郎は時々、ご飯も食べずにすぐ寝てしまう事がある。
早足で寝室に向かう様子は、まるで何かに怯えているようにも見えたが、
一晩寝たらケロッとした顔で元気に遊びに行くので、
彼女は特に気にしていなかった。

「・・・・さて。ラーメンでも作るか」

彼女は世紀の美人妻と言われているが、
その勝ち気で活発な性格ゆえか、ややサボり性があった。
夫や子供のために料理を作ることはあるが、
1人の時にはもっぱらインスタントラーメンだった。

「ん、うまい!」

安っぽい幸せに浸る由美子。
まあ、それはおいといて・・・・・・




同時刻
とある廃ビルにて

「いよいよ明日の夕刻、計画が実行される。準備を怠るな」

「イエス、サー!」

黒づくめの怪しい男が、仮面をつけた男達を従えている。
その姿は○ョッカーの死○博士なみに怪しかった。

「全ては我が野望の成就のために・・・・」

「イエス、サー!」

鞍谷見町。
山脈や渓谷に囲まれた、人口3000人の小さな町。
外界からほぼ完全に孤立しているこの町で、
巨大な陰謀が動き出そうとしていた。

多分。




続く



アトガキ?


ども、バンテツ渾身の2作目です。
プロローグゆえ、TS無しです。
このまま普通では予想もつかない展開へ続けるつもりであります。
ヒントは『強すぎた』お楽しみに!


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