戻る


「死ぬ前にもう一度……。」

第四話 〜転生?・困惑(かも)・再び神様?〜

作:セル



「う〜ん……」
 頭が痛い。
「夢……だったのかな……」
 と、ありきたりなセリフを言ってみるが、このセリフを言うということは夢ではない確率の方が大きい。てか、夢の場合どこからが夢なんだろうか。
「てか、さっきの神様ってかなりファンキーだったな……それに、神様ってあんなに若いのかな……」
 と、疑問を持ちながら状況を確認しようとしてみる。
「えっと……神様は、別の体に俺の魂をぶち込んだんだよな……」
 俺は自分の体(?)を見てみた。
「…………お、女!?」
 俺の体が女になっていたのだ。
 いくら別人と言ったってまさか女とは思わなかった。
 元はちゃんとした男だし、神様もそのくらいは考えてくれているものだと思っていた。
 神様の言ってたこんな経験ってこのことか……。
 ちょうど近くに川があったので顔を見てみることにした。
「……!!!」
 川に映っていたのはかなりの美人であった。
「す、スゲー……」
 あまりに美人だったため、つい感動してしまった……。
「そいえば、この人って、引きこもりだったんだよな。なんでこんなに美人なのに引きこもってたんだろう? しかも視力もいいし……」
 すると、自分の記憶のように思い出せた。
 その記憶では……
 小学生のころに虐められていて、
 階段から落とされて骨折までさせられたことが原因で引きこもったらしい。
 酷すぎるかも……。
 また、虐められていた頃はそんなに可愛くはなかったが、
 十四〜五歳のころから顔立ちが変わってきてこんなに美人になったのだが、
 自分の部屋に鏡もテレビも何にも無かったため、気付かなかったらしい。
 勿体ないな……。
 俺からしてみれば、虐められてた頃から十分可愛いと思うけど……。
 家ではずっと小説を読んでいたみたいだ。無意識的に自分の歩めなかった人生を小説の物語で補おうとしていたみたいだ。記憶を取り出すだけで辛い……。
 えっと、この体は現在十七歳で、高校二年生くらいだろう。
 背も元の俺の体よりも少し高い。でも、あまり変わらないからスグ慣れるだろう。
 服装はちょっと大き目の洋服がヨレヨレになっていてパジャマみたいになっている。
 少し恥ずかしい……。
 髪の毛も意外と整ってる。すごく綺麗だ……。
 ちょっといやらしい話(俺的に)になるが、
 この体は胸が大きい。
 形も整っていて、すごく綺麗だ。
 まあ、グラビアアイドルよりは小さいと思うが、
 俺の周りにはこんなやつはいなかった所為もあるだろうがすごく大きく見える。
 ウエストも細い方に入るだろう。
 こんなにすごいのに自分に自信を持てなかったこの人が悔やまれる……。
 それよりも、九時間しか時間が無いのにこんなことをしていていいのだろうか。
 とりあえず俺は状況を把握しようと周りを見渡した。
 川幅が広く、水深も浅い。水の勢いも緩やかなため子供でも十分遊べそうな川。
 ん? ここで昔遊んだことがあるような……。
 そうだ、ここは俺の家の近所の川だ!
 どうして今まで気付かなかったんだろう……。
 まあ、それは置いといて、とりあえず、これからのことについて考える。
 たしか、条件は……。

・制限時間は九時間
・甦ったこと(正体が)バレたらダメ
 ……意外とシンプルだな……。
 でも、甦ったことがバレたらいけないんじゃすること無いじゃないか。
 こんな体になった以上家に帰ることはできないし、予定はもちろん無い。この体で遊ぶ気も起きない。
(ダメダメじゃん……)
 しかし、ムダに時間を過ごしても折角の褒美がムダに終わってしまう。
「ホントに、九時間って微妙だよな……」
 と、文句を言いながら川岸に寝転がる。
 石がゴツゴツしていて少し痛い。
 この体になったときは驚いたが、二、三分したらここまで落ち着けた。
 生きてた時よりずっと冷静になれたみたいだ。神様が何かの力でも使ってるのかな?
 それにしても暇だ……。なんにもすることが無い。
 そうだ、九時間のうちでどっかで人に会うかもしれない。
 その場で考えてもボロが出そうだから今のうちにこの体の設定でも考えておこう。ボロとは言っても甦ったことに気付く人はいないだろうが……。
 それに、別にこの体の記憶から取り出してもいいが、引きこもってた所為もあってあまりいい記憶がないので新しく作ることにした。
 まずは名前だ。やっぱ自分の名前じゃないと「翼〜」ってもしも呼ばれたときに反応しちゃいそうだし、名前は翼のままにしておこう。
 でも、さすがに同名はきついか……。じゃあ、苗字を変えよう。
 えっと……、相川にしよう。甦ったの川だし……。
 もっと他にいい名前がありそうなもんだが、俺のセンスではこれで精一杯だ。
 次に現状は……。親が居ないから一人暮らしだな。で、どっかの小さな会社に勤めてて……、でも、会社名とか聞かれたら答えらんないな……。
 仕方ない、フリーターってことにしよう。それで、月八万……。いや、月給は関係ないな……。
 まあ、こんなもんだろう。
 あとは、喋り方だな……。何でこうゆうところは神様が手助けしてくれないんだろう……。えっと、とりあえず言ってみよう。
「わわわわわた私…………」
 …………ダメだ、噛み過ぎだ……。…………諦めよう。
 設定はこんな感じで十分だろう。いや、これ以上必要かもしれないが、これ以上何を設定したらいいのか分からない……。
 運悪く、近くに時計が無いので、あとどのくらい時間があるのかも分からない。
 とりあえず、街にでも行こう。街に行けばどっかで時間の確認ができるだろう。それに、ここら辺にいるよりはずっとマシだ。
 こうして俺は街に向かって歩き出した。


「はあ……はあ…………ゴホッゴホッ……」
 俺はすごい息切れをしていた。
 俺は元の体と同じ速さで歩いていたのだが、それでも息切れがした。たぶん、この体の所為だろう。
 だから、ゆっくりめに歩いていたのだが、
 近くに蜂が寄ってきた。
 普段なら枝切れとかを振り回して追い払えるのだが、(危ないって……)
 この体で近づかれたら、異常なほどに怖く見えて、逃げ出してしまったのだ。
 しかもこの慣れない体で全力疾走をしたのである。
 走りづらいし、体力が少ないし、坂道だし、すごく怖がっていて心臓もバクバクするし悪いことだらけだ。
 体の影響っていろんなところに出るみたいだ……。
 不便に思いながらもようやく街に着いた。
 街は意外と人が少なかった。
 近くに住宅街が無い所為か、人が意外と少なく、静まり返っている。
 とりあえず、どこか店に入ろう。
 そう思って俺は小夜と行った洋服屋に行こうとした。が、俺は入れなかった……。
 それは店の前にあるショーウィンドウで自分の姿を見てしまったからだ。その姿はパジャマみたいな服がヨレヨレすぎて谷間が丸見えだった……。
 元男なのに妙に恥ずかしくなって入れなかった。
 仕方ないのでトボトボ歩いていると、
「お! あそこは!!」
 俺が見つけたのは小夜と行った占いの家である。
 あそこなら大丈夫かもしれない。何の確証も無いが……。
 とにかく、外にいるよりはマシなので占いの家に入っていった。

「こんにちわ〜……」
「おや、こんな早い時間にこんなお嬢さんが来るなんて……」
「あ、すいません。迷惑でしたか?」
「まあ、いいんじゃよ。この占いはボランティアみたいなもんじゃし」
 そういえば小夜と来たときはお金取られなかったな。
 そうだ、ついでだからこの後どうしたらいいか聞いてみよう。
「あの〜……実は……」
 俺は言葉に詰まった。どういう風に切り出したらいいか分からない。
 もしもここで甦ったことがバレたらご褒美タイムが終わってしまうではないか。
 どうしようかと迷っていると、占い師が悟ったように話し出した。
「ああ〜、わかっとるよ。お前さんはこの間の娘と一緒に居た男の子じゃろ? これでも大体は分かるんでな」
 俺はドキッとしたがあの世に戻らないので甦ったことだけはバレていないようだ。てか、正体はバレてもいいみたいだ。
 この占い師はどういう風に解釈してるんだろう……。
「で、何を教えて欲しいんじゃ?」
「えっと、わ、私……」
「慣れないんなら普通に話しても良いぞ」
 ちょっとした気遣いでもすごく優しく感じる。
「あ、はい。じゃあ、俺、とある事情でこの体になっちゃったんですよ。それで今が何月何日とか、俺の家族とかがどうなっているのかとか分からなくって……」
「ふむ……まあそんなに隠さんでもよかろう。おぬしは死んだんじゃろ?」
 俺は突然そんなことを言われて心臓が破裂しそうになってしまった。
 しかし、何の変化も無く、おかしいなと思っていたら占い師は軽く笑って話を続けた。
「わしは神様じゃよ」
「え? でも、俺が会った神様はこんなに老いぼれじゃあ……」
 つい、思っていたことを口に出してしまった。
「誰が老いぼれじゃ!!!」
「あ、ごめんなさい……」
 神様ってみんなこんな風に神様らしくないのかな?
「まあ、良い、よく聞きなさいよ。神様っていうのはのう、何人もおるのじゃ。それが天国におると、神様と呼ばれたり、現世におると、宗教上の神として崇められたり、地獄におると、閻魔大王として恐れられたり、そして、わしのように普通に暮らしてたりするのじゃ。だから、神様らしいとかないのじゃよ」
 やっぱり心で思ったことが読まれる。でも、少し疑問が生まれた。最後のって、一般人と変わらないんじゃ……。
「平和主義なんじゃ!」
 すかさず突っ込みを入れられる。
「あ、そうなんですか……」
「そうじゃよ……。で、今の状況じゃが、今は九月三日の午前十時頃。残りの制限時間は八時間じゃ。それで今日はお前さんの元の体の告別式の日じゃ。
なんかすごく都合がいいのぅ〜。ま、そんなことは置いといてじゃ、十一時半くらいからおぬしの家で式が始まるんじゃ。そこには小夜も来るから行っておやり」
「え? でも、正体がバレちゃいけないんじゃ……」
「ああ〜、天国のあやつは面倒くさがりじゃからな。大丈夫じゃ。小夜にだけは会っておやり。そのことはどうにかなるはずじゃ」
「でも、バレたら魂は天国に戻っちゃうんですよね」
「別によかろう。おぬしはやりたいこともないんじゃし」
「はは、それもそうですね。あ、でも、小夜は俺のこと分かりますかね?」
「それはわからんのぅ〜」
「そうですか……」
「それとおぬしが小夜に会ってる間は消えんように頼んでおこう」
「ありがとうございます!」
 天国で会った神様よりもずっと優しく感じる。
「いやいや、気にせんでよろしい。じゃ、わしは頼んでくるかのぅ」
「お願いしますね」
「あと、葬式に行くんじゃから服装を整えなければな。そうじゃ、奥の部屋にわしが若いころに着ていた服があるからそれを着て行きなさい。鏡台もあるから髪も整えるんじゃよ。大丈夫じゃ、わしが何とかできるようにしておくから」
「はい、ありがとうございます」
「それと……」
 この神様も少し雰囲気が変わった。
「おぬしをこんな運命にしてしまってすまんな……」
「え? それってどういう……」
 と、言い終わる前に占い師(神様)は消えてしまった。
 ホントにどういう意味なんだろう……。
 とりあえず、神様に言われた通り奥の部屋に入って着替え始めた。
 なるべく自分の体は見ないようにする……。
 自分でも気付かないほど自然に服を着て、髪を整えることができた。……神様の力ってスゲー……。
 鏡で見てみたら黒い礼服をしっかり着こなしている。これも神様の力か、はたまた体の力か……。
 とりあえず準備が終わったので、靴も借りて自分の家を目指して歩き出した。





あとがき

 ハイ、第4話デス。いかがでしたでしょうか。
 描写……できてませんね……。すいませんデス……。ホント毎度毎度すいません……。
 こんなダメダメな作品でも読んでくれたらうれしいデス。
 ってことで(?)次回に期待してくれたらホントにうれしいデス。


戻る

□ 感想はこちらに □