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「死ぬ前にもう一度……。」

第二話 〜帰宅・学校・また帰宅〜

作:セル



 帰り道は下り坂なので俺たちは安全運転のためゆっくり走っていた。
「なあ、小夜〜、さっき何の話してたんだ?」
「え? さっきって?」
「ほら、占い師のところで……」
 小夜は急に顔を赤くした。
「べ、別に何話してたっていいじゃない!」
「な、何怒ってんだよ?」
「いいの! 気にしないで!!」
 そう言って小夜はスピードを上げて走り始めた。
「お、おい! そんなに速く走ると危ねぇぞ!!」

 キキィイイイイイイイイ!!

 と、ドラマみたいに事故には会わず、
 無事、家に着いた。
「はあはあ……あ、あんなに速く走ったら危ねぇだろうが!!!」
 帰りは小夜が急いだ所為でかなり早く帰ってきた。
「でも良かったじゃない、無事に帰って来れて」
「あ〜の〜な〜! 何が無事に帰って来れて良かっただよ! まるで、山を道案内してた人が遭難させちまったのに、最終的に無事山のふもとに戻ってこれた時にお前の所為だ! って責められた時の逆切れみたいな言い方してんじゃねぇ!!!」
「何? その例え……まわりくどくてわかんないよ」
「つまり良くないってことだよ!」
「そうことならはっきり言えばいいのに……あたしなら……」
「あのなぁ、危なかったって話からつまらない例え話の話に変えてんじゃねぇよ!」
「あ、バレた?」
「バレた?っておい……まあ、いいや……」
 ここで反論したら、かなり長引きそうなので止めておいた。
「そう?楽しかったのに……」
「お前っていろんな体力ありすぎだよ……!」
「そんなことないよ。翼が弱すぎるだけだよ」
「ハハ……、まあいいや。俺は疲れたからもう寝るよ」
「そう、わかった!」
「じゃあな〜!」
「あ……」
「ん? どうした?」
 小夜が何かを伝えたそうに見えた。
「…………ううん、なんでもない!」
「ん、そうか……。じゃ、お休み〜」
「お休み〜。まだ六時なのにもう寝るのかな……?」
「ん? なんか言ったか?」
「ううん、なんでもない!」
 こうして小夜と別れた。

「ただいま〜」
「お帰り〜、早かったじゃない?」
 母さんが出迎えてくれた。
「そうか?」
「そうよ、小夜ちゃんと遊ぶときはいつも八時越えてたじゃない!」
「あぁ〜、そうだったけ?」
「翼が小夜ちゃんと遊ぶなんて久しぶりだもんねぇ〜」
「それ、小夜にも言われたんだけどさ、いっつも一緒にいたから気づかなかったんだ」
「へぇ〜そうだったんだ。で、お腹減ってないの? お昼も食べずに行っちゃったじゃない」
「あ、そういえば……」
 考えてみるとかなり腹が減っている。
「じゃあ、飯用意して!」
「はいはい。あ、そうそう。母さんが準備している間にお風呂入っちゃいなさい!」
「は〜い」

 風呂にも入り、飯も済ませて自分の部屋に入った。
「はあ、つかれた〜」
 ばたんっ! と大きな音を立てて布団に寝そべった。
「今日は寝よっと……」
 言葉を喋り終えたとほぼ同時にいびきが部屋中に響き渡った。


 …………朝日が眩しい……。
 もう朝のようだ……。
 まだ眠いのだが、今日は学校がある。
 そう思って、俺はゆっくりと起き上がった…。
「ふわぁあああ……。よし! さっさと準備して学校行くか」
 と、言いながら俺は準備を始めた。

「あら、今日は起きるのがずいぶん早いのね……」
「ま、かなり早い時間から寝たからな」
「そうね。じゃあ、朝ごはん出来てるから食べちゃって!」
「わかった」
 今日も俺の特技を発揮して、あっという間に食べ終えた。
「ご馳走様〜」
「は〜い」
「む……けっこう時間が余ったな……どうしよっかな……」
 まあ、マンガでも読んでよう。と、思ってマンガを読み始めた。

 集中すると周りが見えなくなる俺が、安心してマンガを読んでいるのには訳があった。
「翼〜、小夜ちゃんが迎えにきたわよ〜」
 そう、小夜がいつも俺の家に来るからだ!
「わかった〜。今行く〜!」
 そう言って玄関に向かった。
「いってきま〜す!」
「は〜い。ぼけぇ〜っとして車にひかれないようにね〜」
「はいはい」
 と、普通の家庭の会話をして、家を出た。

「おっはよ〜」
 元気な声で挨拶をしてきた。
「うっす!」
 軽く挨拶を返して歩き始めた。
「あれ? 翼、妙にスッキリした顔してるじゃない」
「そりゃあ、宿題終わったからな」
「あ、そうだっけ?」
「何ぃいいい!? 俺が宿題を終わらせたという奇跡の出来事を忘れただとぉおお!!!」
「あんたね〜、自分で奇跡とか言ってちゃ、世話無いわ……」
「あ……」
「で、昨日あたしと別れた後、ホントにスグ寝たわけ?」
「まあな。でも、風呂とか飯とか済ました後だけどな」
「え? ホントに!? でも、お風呂とか済ませても大体七時くらいじゃない! あんた、よく寝れたわね〜」
「そりゃあ昨日あんだけ体力使ったからな」
「え〜、全然体力使うような事してなかったじゃない」
「あのなぁ〜、家から街まで全力疾走で走り続けたのに、どこが全然使って無いだよ!!!」
「だから、あんたが弱すぎるんだって……」
「いや! 普通だろ!!」
 と、漫才みたいなことをしながら学校に着いた。
 この小さな村の唯一の良いところは、小・中学校が他の町に比べて近くにあることである。とは言っても、家からは徒歩二十分は掛かるのだが……。

 そんなこんなで教室に着いた。
 小夜とは毎年同じクラスである。こういうのを腐れ縁と言うのだろうか……。
「翼、何誇らしそうな顔してんだよ?」
「ん? おお、駿太か〜」
 こいつは三竹駿太(みたけ しゅんた)。
 こいつは中学校に入ってから出来た友達で、三年間同じクラスである。
 そして、こいつは、小夜と付き合って別れた男の内の一人でもある!
「こいつね〜、宿題終わらせちゃたのよ!」
「え? マジで!?」
 この様子を見ていると、小夜は別れた相手ともうまくやっているみたいだ。
 小夜って意外と駆け引きがうまいのかも……。
「あ〜あ、今年も翼が宿題忘れるから、俺もやんなくていいやって思ってたのにな〜」
「オイッ!」
「駿太も今年は受験なんだよ……。しっかりしなさいよ」
「残念ながら俺は受験しないんだよね」
「え? 何で?」
「俺はもう就職先が決まってんの! 翼たちにもこの間話したじゃん」
「え? そうだっけ?」
「はあ……、お前たちって物忘れ多くないか……?」
「う……そうかも……」
「まあ、いいや。せっかくだからもう一度説明しとくよ」
「うん、お願い」
「俺の親父は大工だから、早く修行しろ!って言われてさ……。それで、親父の紹介で仕事場が決まったわけ」
「駿太の家も大変なんだね……」
「まあな。でもその分勉強しなくて済むけどな」
「前向きというか、楽観的というか……」
「でも、落ち込むよりはいいんじゃない?」
「そういうこと」
 キーン、コーン、カーン、コーン……。
 チャイムだ。なんて丁度良いときに鳴るんだろう? 流石小説といったところか。
「ほら〜、皆。席に着け〜!」
 こうして、新学期の学校生活は始まった。

「ん〜、やっぱ初日は授業が少なくて楽だな〜」
「それに早く帰れるしね」
「いいよな〜、お前ら……」
 駿太の雰囲気が暗い。
「あ、そっか。駿太は委員会で残るんだっけ?」
「はあ、何でこの俺が委員会なんかに入っちゃたんだろう……」
「まあ、今頃悔やんでも仕方ないじゃん」
「はあ……」
「ま、あたしたちは帰るね」
「ああ、じゃあな……」
「じゃあな〜」

「なあ……」
「ん? 何?」
 今、小夜と一緒に下校中である。
「お前って、チャリじゃかなり速いのに、歩きだと遅いよな」
「え? そう?? 普通だと思うけど……」
「いや、普通、中三が歩いてんのに小学生に抜かれないだろ……」
 この時間帯は小学生と同じ下校時刻なのか、小学生がたくさんいた。
 そして、後から歩いてきた小学生たちがどんどん俺たちを抜いていっていたのだ。
「む〜、たしかにそうなのかも……」
「お! 今日は素直じゃん」
「今日はって何よ〜」
「ははは……」
「じゃあ、もう少し速く歩いてみますか」
 と、言って小夜はスピードを上げて歩き始めた。




あとがき
ハイ、第2話デス。いかがでしたでしょうか。
感想掲示板でアドバイスを活かして書いたつもりデスが、すごくダメダメデスね……。
特に次回が気になる!ってさせる方法が思いつかなかったので、ちょっとした次回予告をしたいと思います。

次回予告:帰り道、翼と小夜は会話の成り行きでマラソンをすることに。
     その走ってる途中、小夜の不注意で……。

って感じでどうでしょう?
こんな感じで気になって頂けたら幸いデス。
ってことで(?)次回に期待してくれたらうれしいデス。


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