戻る



少女への目覚めpart3

作:NATO


「うーん……まぶしい」
あたしは手でカーテンの隙間から漏れた朝日を遮断した。
「朝……だよね?」
頭が回らない……
「起きて、あたし」
あたしは自分で自分にビンタをした。

バチン!

「いた!」
えっと……今日は学校お休みだっけ。
それとお姉ちゃんとお買い物も……
「……?」
なんだろう? 変な感じがする。気のせいかなぁ?
いつもの『あたし』のはずだけどなにか違うような……?
ま、いっか。さっさと着替えないとまた怒られちゃう。





とりあえずピンクのTシャツに青のジーンズの格好に着替えた。
うーん、なんかイマイチ。水色Tシャツに緑のスカートはどうかしら?
……うん、こっちのほうがいいかも。これにしよう。
「恵子ー。そろそろいくわよー」
いけない、お姉ちゃんが呼びに来ちゃった。
「いま行くー」
あたしはそう返事をすると急いで着替え直した。










「ふう、何もあんなに買わんでもよかろうに……」
恵子がどっさりと服を買うものだから運ぶのに重いのなんの……
そーいうわけで疲れた私は自分のベットに倒れこんでいる。
「こりゃ術を強くかけすぎたぜ」
……! おっとボロが出ちゃったな。
まあ俺も心が広い。順を追って説明してやるからちゃんと聞けよな?
まあ、口調から分かるように俺は男だ。
とある政府密造人体生成プログラムの関係者……ってとこだ。
名前が長いようならSNPと覚えてくれればいい。
で、そのSNPだが簡単に言えば今回のように男を女に変えることが目的だ。
男から女に変わった人間はTTP波なる特別なエネルギーを出す。
だが、男の心があるとそれは弱くなっちまう。
そこでそいつに術をかけて心を女にするのさ。
そうして回収したエネルギーをSNPの工場へ持っていくのが俺の仕事だ。
そのエネルギーを何に使うのかは企業秘密だから教えられねぇ。
で、そんな俺がどうして女になってるのかって?
それは、普通に俺たちがターゲットに近づいたところでそいつは怪しんで逃げ出すだろう。
そこで、そいつに怪しまれないように、そいつと最も馴染みがあるやつの体を借りる。
そうすればそいつに怪しまれずに近づくことができる。
どうやって借りるって? もちろん憑依するのさ。
相手の体を乗っ取ればこっちのもんだからな
今回の場合、憑依の相手が女だったがそんなの関係ない。
俺たちは『任務を確実に実行する』ただそれだけだ。
さて、そろそろこいつの体から出ないと吸収されて同化しちまう。
さっさとあいつのTTPを回収してこいつの体から出ないとな。
よーし、あいつの部屋へと行くか。




トントン

「恵子いる?」
「いるよ」

ガチャ


「何やってるの?」
「今日買った服を順番に着てるの♪」
「そんなにうれしい?」
「うん♪」
「うわぁ、これはいいTTPが取れそうだぜ」
「え、お姉ちゃんどうしたの?」
「え? 何が?」
「だって今、変な言葉遣いしたもん……」
ヤバ! またボロが出ちまった。
「き、気のせいじゃない?」
「そうかなぁ。でもTTPって何?」
「え、そんなこと言ってないわよ?」
「えー確かに聞いたよぉ」
ヤバ! ホントはこいつに気づかれないように回収するつもりだったがもう無理だな。
「聞いたのならしかたない。お前のTTPをいただくぜ」
「え、何? お姉ちゃんどうしたの?」
「静かにしろ!」
「……お姉ちゃんこわい……ぐすん」
「わ、泣くなよ。すぐ終わるから」
「ぐすん……ホントに?」
「ああ、だから動くなよ」
「うん……ぐすん」
俺は恵子の体に手をかざして霊力でTTPを吸い取った。
「よし、終わったぞ」
「もういいの?」
「ああ、もう自由にしていいぞ」
「……」
「どうした?」
「あなた誰?」
「誰ってお前の姉ちゃんだろ」
「違う、お姉ちゃんはこんなことしない」
「ふ、バレバレか。たしかに俺はお前の姉ちゃんではない」
「じゃあ誰なの?」
「SNPの関係者だ」
「SNP?」
「詳しくは言えないが俺たちはTTPを集めている」
「じゃあSNPさん、TTPって?」
「SNPさんって……まあいい。TTPについては波長とだけ言っておこう」
「うーん、よくわかんない」
「わからなくてもいい。これはあまり公開したくないからな」
「うん」
「さて、そろそろ時間だ。俺はそろそろ失礼する」
「行っちゃうの?」
「なんだ、寂しいのか?」
「ううん、お姉ちゃんは帰ってくるのかなって」
おい、そのお姉ちゃんは俺のことだよな? そ、それは……(汗)
「……きっと明日になれば帰ってくるさ」
お前の妹『美香』だけだが……
「ホント?」
「ああ」
そう、明日になればお前たちは『姉妹』に戻れる。
あいにく一度女にした男は戻すのに大量のTTPを使うから無理だ。
すまないが『兄妹』でなく『姉妹』として生活してくれ。
「それじゃ……な」
「サヨナラ……SNPさん……」

ズル!


だから俺の名前はSNPじゃないって!










翌朝……
「ん……朝か」
なんだか長い夢を見ていた気がする。
俺が美香に女の子にされて……そんなわけないよな。
さて、起きるか。
俺は体を起こすと手に髪が触った。
あれ? 俺の髪ってこんな長かったっけ? それにアソコが寂しいような?
俺は手をパンツの中へと入れた。
「ななな……なーい!!!」
まさかと思い、目で確認しようにもCカップほどの胸に邪魔されて見ることができない。
「お、男の俺に……む、胸が」
ならば裸になって鏡で確認するまで!
俺は覚悟を決めて服を脱ぎ去った。
鏡を見るとそこには茶色の髪が肩ほどに伸び、肌は白っぽい肌色。
そしてアソコは発育途中のアレがなく、変わりに縦に一本の線が入っていた。
中学生という発育途中のアソコはまだ毛があまり生えてなくきれいだった。
「のーわ!!!」
俺は顔を真っ赤にして慌てて目をそらした。
「み、み、見ちゃった。お、お、女の子の裸……」

自分の裸に恥ずかしがる女の子はいないだろうが、元男には恥ずかしいものである。

「こ、こら作者。冷静に説明するな!」

いつまでも裸でいないで早く着替えてほしいものである。

「無視するな!」

きりが無いのでさっさと着替えたことにしよう。

「勝手に決めるな! ってなんだこの格好」

いつもお前が着ていたものじゃないか。

「ピンクTシャツに紺のスカートが、か?」

そうだ。喜んで着ていただろ?

「ち、違う。俺は喜んでなんか……」

……あとは美香に任せて私は退散しよう。


「おい、ちょっと待て!」

トントン


「お兄ちゃん、入るよ?」

ガチャ


「あれ、お兄ちゃんその格好……」
「う、うるせー。俺だってしたくてしてるわけじゃ……」
「ふーん。これでも?」
美香は俺の胸を揉んだ。
あん……ってこらやめろ!」
「ほーら立派な女の子じゃない」
「ち、違う。俺は……」
「これならお兄ちゃんじゃなくてお姉ちゃんだね♪」
「だ、誰が……」
「それより朝ごはんだよ。早く行こっ!」
「で、でも……」
「大丈夫よ。私が女の子の1・2・3、お姉ちゃんに教えてあげるから」

「違うだろ!!!」

(終わり)


おことわり

この物語はフィクションです。物語に出てくる 人物、団体は全て架空の物です。実際の物とは全く関係ありません。


〜あとがき〜
なんだかんだ言ってこれもシリーズ化(?)っぽくなってしまいました。
次のシリーズ化する物語は10話以上の長編にする予定です。
いままで短編ものばかりだったのでハードルが高そうです。
1話の容量は20KB程度を目安にしようと思います。
しかし、いままで10KB程度ものばかりだったので難しいかもしれません。
それでは!

戻る


□ 感想はこちらに □