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 部屋の中の光は消えていった。
 ミル「よし、終わったわよ」
 僕「なにが起こったの?」
 僕はミルに聞いた。
 ミル「ふふ、自分でもわかるはずよ」
 僕「わからないから聞いてるのに……ってなんか声が変わってない?」
 ミル「お、当たり。ほかには?」
 僕は全身をチェックする。
 僕「む、胸が大きくなってる?」
 ミル「ふふふ」
 僕「ということは?」
 僕はあそこに手をあてる……
 僕「な、ないぃぃぃぃ!!」


一人じゃない

第3話 女の子の生活

作:NATO



 僕はその場で固まってしまった。
 なぜなら僕は女になっていたからだ。
「もうわかるわよね?」
 ミルが僕に声をかけた。
「ミル、なんで僕を女に?」
「だってさっき『男子と女子だから恥かしい』って言ったでしょ?」
「言ったけど、なんで僕を女に?」
「だから恥ずかしくないように女子と女子にしたのよ」
「えー」
「ともわれこれで福本と話せるよね?」
「いや、まだちょっと……」
「外見だけじゃだめ?」
「どういうこと?」
「つまり、幸成の言葉遣いとか行動、心を女っぽくするのよ」
「そんなのできるの?」
 僕は不安なのでミルに聞いた。
「ええ、ちょっと待ってね」
 ミルは辞書を取り出した。
 辞書がぱらっ、ぱらっと音をたてている。
「うん、これだわ」
「見つかったの?」
「もちろん。さあ、準備はいいかしら?」
「いいよー」
「いくよ……※◇△♂!」
 ミルはまた、聞き取れない呪文を唱えた。
「よし、オッケー」
「何が変わったのよ? ……って女言葉になってる?」
「そ、あんたは言葉遣いふくめ、行動とか心が女っぽくなってるのよ」
「ふーん」
「これで福本と普通に話せるでしょ?」
「うん、これならいけそうね」
「でも、名前はどうする?」
「そうねー私は『奈美(なみ)』がいいなー」
 私は思いついたのを一つあげた。
「奈美かーよし、それでいこう」
「でも、制服とか学校はどうなるのよ?」
「大丈夫、問題はないようにしておいたから」
「そう、じゃあまさか?」
 私はタンスの中を調べた。
 やはり着ている服をふくめてタンスの中は女物の服ばかりだった。
 ちなみに今の格好はピンクのパジャマである。
「やっぱり」
「だから問題なしって言ったでしょ?」
 ミルがそう言った。
「でもちょっと恥ずかしいかも」
 そうなのだ。私は自分の意思と関係なく自然と女言葉をしゃべっているのだ。
「まあ、完全に心は『女』じゃないからね」
 ミルがそう説明する。
「さっきよりはましよ」
「それもそうね。さ、もう寝よう」
「うん」


















































 翌日……

「じゃあ、いってきまーす」
「いってらっしゃい、奈美」
 私は学校へ向かう。
 ここまでは名前と性別以外なにも変わっていない。
 学校でなにか変わるのかしら?




















 キーン、コーン、カーン、コーン……
 昼休みになった。さあ、由紀と話すチャンスよ!
 どこにいるんだろ? えーと……
 私は教室を見回した。しかし、由紀はいなかった。
「由紀いないね」
 私はミルにそう言った。
「ざんねんだね、誰かに聞く?」
「そーねー聞きましょう」
 私は教室にいる女子に聞くことにした。
 と、そこへ中村昌美(なかむら・まさみ)が来た。
「ねー奈美、由紀がどうしたの?」
「うん、ちょっと話があってね」
 どうやら昌美は私の友達になってるみたい。
「なら、図書室で見かけたわよ」
「ほんと? ありがとう、昌美」
 私は早速その図書室へ向かった。



 数分後、私は図書室に着いた。
 図書室の前には 開館中閉館中 というお知らせ看板があるので、
 これを見れば開いているかが一目でわかるのよ。
 私は図書室に入って由紀を探す。
 どこかな? んーと……あ、いた。
 由紀は資料関係のコーナにいた。私はそこへ向かう。
「由紀ーちょっと外いかない?」
 私は由紀にそう声をかけた。
「いいわよ」
 その後、私は校庭に向かった。










「由紀はさーいつも図書室にいるの?」
 私は校庭にあるベンチにすわってそう聞いた。
「ちがうよ、今日はちょっと調べ物があったからいただけよ」
 由紀はそう答えた。
「じゃあ、いつもはどこにいるのよ?」
「んーあそこの丘にすわっているよ」
「ふーん」
 なるほどね。
「あとは、家でお手伝いとかする?」
「ええ、お料理をね」
「由紀はお料理は得意なの?」
「まあ、そこそこ」
「すごーい、クッキーとか作れる?」
「お菓子はまだちょっと無理よ」
「そうなんだー」
「今日は奈美、すごくきげんいいよー」
「え? どうして」
「だって、顔がうれしそうだもん」
「だって由紀とこうやって話すの初めてだもん」
「それを言うなら『ひさしぶり』でしょ? おおげさなんだから」
「あら、そうだったかしら?」
「そうよ」
「じゃあ、今日一緒に帰ろうよ」
「え? なんでよ?」
「私、由紀と話しながら帰りたいの♪」
「わかったわ」
「やった!じゃ、また後で」
 私は由紀と別れた。




















 下校……

「由紀の家はどこなの?」
 私は歩きながら由紀に聞いた。
「R公園の北よ」
「ぐうぜんんねー、私もそこなのよ」
「ほんと? じゃあ奈美の家、近くだったんだ」
「そういうことなら由紀の家、教えてよ」
「いいわよ。そのかわり奈美も教えてね」
「もちろんよ」










 しばらくしてR公園に着いた。
 私と由紀はお互いの家を教えあった。
「じゃ、またね奈美」
「うん、またね由紀」
 私は由紀と別れた。
「やったね、奈美」
 ミルが話しかけてきた。
「ええ、ミルのおかげよ」
「良かった。あ、言い忘れてたこと思い出した」
「なによ?」
「えっとね、この呪文は一日しか効き目がないの」
「じゃあ、もうそろそろもとに戻るの?」
「そ!だから人に見られちゃまずいの。早く家に帰らないと
 大変なことになるわ」
「大変なこと?」
「そんなこと話してたら時間がきちゃう。さ、急いで」
「そうね」
 私は家に急いで向かった。



 私「ただいまー」
 お母さん「お帰り、幸成
 ミル「やば、名前が戻ってる」
 私「早く部屋にいこう」
 お母さん「あ、その前にこれをお隣さんに届けてくれる?」
 私「え、急いでるのに」
 お母さん「ちょっとそこだからお願い」
 私「わかった」
 私はお隣さんに走った。
 お隣といっても100メートルほどはなれているのだ。



 ピンポーン
 私はお隣さんの玄関チャイムを鳴らした。
 ???「はーい」
 ガチャ
 お隣さん「あら、なんのよう?」
 私「これを母さんに頼まれて届けにきた」
 ミル「急いで、言葉遣いも戻ってるよ」
 お隣さん「ほう、急いでるのにありがとね」
 私は家に走って戻ろうとした。しかし、服を見た瞬間、
 僕「え、僕はスカートはいてるの?」
 ミル「ますますやばい。心も戻ってる」
 僕「走るとスカートがめくれそうだよ?」
 ミル「だったら押さえて走って」
 僕はスカートを押さえて家に走った。



 僕「母さん、届けてきたよ」
 母さん「ありがとう」
 ミル「さ、急いで部屋に」
 僕は部屋に急いだ。



「ふう、セーフ?」
「体は戻ってないからセーフね」
「よかった」
「ところで、今日は楽しかった?」
「すごく楽しかったよ♪」
「じゃあ明日以降はどうするの?」
「どういうこと?」
「また女になるかそのままかってこと」
「楽しかったからもう一回やろうかな?」
「本当に?」
「うん♪」
「じゃあ、もう一度詳しく言うよ。女になるんなら
 そのまま一生女になるよ、男のままなら、なにもないけど?」
「え、こんどは女になったら戻れないの?」
「ええ、戻れなくなるうえに心とかを変えるのもできないから」
「でも、今日はできたじゃん」
「今日は一時的だったからよ」
「由紀はどうなるの?」
「女になるなら友達に、男のままなら結婚すれば?」
「うん」
「あと、女になるなら男と結婚することになるよ。どうするの?」
「難しい選択だなー」
 どうしよう?

(続く)


おことわり
この物語はフィクションです。物語に出てくる人物、団体は全て架空の物です。実際の物とは全く関係ありません。

〜あとがき〜
 3話が終わりました。
 運命の選択をする幸成は、はたしてどちらを選ぶのか?
 と言っても両方考えているんですけどね(笑)
 では次回をお楽しみに!


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