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 ???「おぬし、友達ができたのか?」
 僕を呼ぶ声がする。
「うん。で、君は誰?」
 ???「私か? さあな」
「隠さないで教えてよ」
 ???「では、ヒントだ。今日たぶんどこかで会う」
「どこかってどこ?」
 僕は知らない人に聞き返した。
 ???「さあな」
「教えてよ!」
 ???「じゃ、またどこかで」
「待って。まだ話が……」
 僕のその声はその人に届かなかった。


一人じゃない

第2話 友達ができた

作:NATO



 はっ!
 僕は目が覚めた。
「い、今のは夢?」
 僕は思わずそう言った。
 だが、夢でないのはすぐにわかった。
 それは、かなりはっきりと覚えているからだ。
 詳しく言うと、普通の夢なら最初のほうはよく覚えていないはずなのにさっきの夢は最初から最後まではっきりと覚えている状態だ。
「なにか僕にメッセージでも送ってきたのかな」と僕は思った。
「おはよう〜。幸成」
「あ、ミル。おはよう」
 ミルが起きたみたいだ。
「今、何考えてたのよ?」
「『不思議な夢を見たなー』って」
「へー。どんな夢?」
「それがはっきりと思い出せる夢なんだ」
「ふーん。で?」
「よくわかんないけど、何かのメッセージみたいだった」
「なんだったの?」
「『今日、たぶんどこかで僕に会う』って」
「……」
「どうしたの? ミル?」
 ミルは急に黙ってしまった。
「あ、……ううん。な、なんでもない」
「それならいいんだけれど……」
「それより学校でしょ?早く着替えないと遅刻するわよ」
「うん」
 僕は急いで着替え始めた。








































 キーン、コーン、カーン、コーン……
 先生「では今日の授業はこれまで」
 生徒全員「ありがとうございました」
 ふう。やっと四時間目の授業が終わった。さあ、給食を食べよう。
 ……っと言っても準備しないと食べられない。すぐに準備を始めよう。



 数分後、準備が終わって僕たちは給食を食べ始めた。
「うまい? ミル」
 僕はミルに聞いた。もちろんミルのことは学校に説明済みである。
「うん、おいしいよ」
「よかった」
 僕はそう言った。しかし、よく考えると給食にまずい物が入ってるわけがない。
「もぐもぐ……幸成も早く食べなよ」
「うん」
 僕は給食を食べ始めた。










 数分後……
 さあ、昼休みになった。遊ぶぞ。
 僕はミルのおかけで友達になった山本副也(やまもと・ふくや)、坂田達也(さかた・たつや)とサッカーで遊んでいる。ミルは木陰で見ている。
 山本「いくぞ坂田」
 坂田「こい山本」
 ドン!
 坂田「こんどは島田に行くぞ」
 僕「いいよー」
 ドン!
 僕「じゃあ次、山本」
 山本「いいぜ」
 ドン!
 僕たちはそんな風にパス回しをしていた。
 すると一人の女子生徒がやってきた。
 女子生徒「ねえ、ただパス回しやってるだけじゃつまんないと思うよ」
 山本「おまえ、サッカーやるの?」
 女子生徒「あたしだってたまにやるわよ」
 坂田「じゃあ、どうすればもっと楽しくなるんだ?」
 女子生徒「サッカーの試合でもやったらどう?」
 坂田「三人だからそれは不平等だ」
 女子生徒「じゃあ、あたしも入れれば平等でしょ?」
 山本「おい、おまえ女だろ?」
 女子生徒「なに? 『女だったらサッカーやるな』って言いたいの?」
 山本「ああ」
 女子生徒「そんな決まりはないわよ」
 山本「でもなー」
 女子生徒「とにかく入れてもらうわよ」
 山本&坂田「……」
 僕たちはその女子生徒と一緒にサッカーの試合をやることになった。
 チームわけは

山本 V   僕
坂田 S 女子生徒


 という形になった。先攻は山本のチーム。
 ルールは最初に点を取ったチームが勝ちだ。さあ、試合開始!

 まずは山本がボールをけっていく。それを僕たちが取りに行く。
 山本は取られまいと坂田にパスをする。しかし、そのパスは届かなかった。
 女子生徒がそのボールを取ったからである。女子生徒はボールをけっていく。
 それを僕と山本チームが追って行く。
 坂田がボールを取ろうとしたが、女子生徒にひょいとかわされた。
 そこに山本が行ってボールを取ろうとする。しかし、女子生徒は軽くかわしてしまった。
 ゴールが近づいてきた。女子生徒はボールをシュートした。
 山本、坂田がそれを止めようとするが、間に合わなかった。
 バシ!
 女子生徒はゴールを決めた。よって僕たちの勝ちだ。

 ……試合終了。
 女子生徒「どう? あたしのサッカーの腕前」
 山本「う、うまいなぁ」
 坂田「ああ……」
 女子生徒「女でも強いってわかった?」
 山本&坂田「わかった」
 僕「なんでそんなにサッカーうまいの?」
 女子生徒「それはひ・み・つ♪
 ドキ!……な、なんだ今の「ドキ!」は?
 僕「な、なんで?」
 女子生徒「なんでも」
 僕「わかった……」
 女子生徒「じゃあ、あたしはこれで」
 女子生徒は行ってしまった。
 僕「これからどうする?」
 僕は二人に聞いた。
 山本「教室に行こうぜ」
 坂田「俺もそうしたい」
 僕「じゃあ、行こう」
 僕たちは教室に向かった。




















 キーン、コーン、カーン、コーン……
 その日の授業が終了した。僕はミルと一緒に帰る。
「今日は楽しかったよミル」
 僕は歩きながらそういった。
「よかったね、幸成」
「そういえば朝の夢の人……まだ会わないね」
「う、うん」
「いったいどこで会うんだろ?」
 僕はミルに聞いた。
「……」
「ミル?」
「え? あ、うん……そ、そうだね」
「ちゃんと答えてよ!」
「えっと……わ、わかんない」
「ふーん」
 ミルは少し慌てているように見えた。
 ま、そのうち出てくるさ……たぶん。










 数分後、僕の家の近くにある公園の前に着いた。
 ひゅ〜と風が吹いている。家まであと少しだ。
 この分だと夢の人には会わなそうだ。
 ……! 突然ミルが公園に入った。
「どうしたの?」
「静かにして」
 ひゅ〜ぅー……
 公園は静かになった。
 ???「ほう……私の気配を感じるとは」
 ……? 突然声が聞こえてきたぞ。
 ん? この声は夢の声に似ているような……
「だれなの?」
 僕はその声に尋ねる。
 ???「それはおぬしの前におる者が知っておる」
「ミル知ってる?」
 僕はミルに聞いた。
「監視係のメーナよ。詳しい説明はあいつがしてくれるよ」
 メーナ「ミルファル・ミナの言う通り、私の名は『メーナ』という」
「で、メーナは何の用なの?」
 メーナ「そうあせるな。まずは地上に降りさせてくれ」
 そう声が聞こえると光の柱が目の前に降りてきた。
 まぶしいので、目を閉じた。そして、光はだんだん消えていった。
 目を開けるとそこにはミルより少し大きい妖精がいた。
 メーナ「ひさしぶりだな、ミルファル・ミナよ」
 その妖精がそう言った。
 ミル「はい、メーナ」
 メーナ「早速だが、ミナの隣におる者がおぬしが呪文をかけた者か?」
 ミル「そうです」
 メーナ「ほう、その者の名はなんという?」
 ミル「『島田幸成』といいます」
 メーナ「では幸成よ。おぬしの困ったことはミナの呪文で解決したか?」
 僕「はい」
 メーナ「うむ、そうか」
 僕「それがなにか?」
 メーナ「これも妖精界のほうで決まっておっての、妖精たちがきちんと呪文で人々を助けているかを監視係である私たちが確認するのだ」
 僕「ふーん」
 メーナ「ではミナよ。これからも頑張りなさい」
 ミル「はい、メーナ」
 メーナ「では、また時がくるまでさらばだ」
 メーナはそう言い残して空に帰っていった。




























































 翌朝……

「ミル〜メーナには『ミナ』って呼ばれてたの?」
 僕は昨日の疑問をミルに聞いた。「昨日聞けばいいのに」と思う人もいるだろう。
 昨日はメーナにあった後、ミルに何を言っても答えてくれなかったのだ。
 だから朝からミルに質問しているわけである。
「う〜それ聞くの何度目だと思ってんのよ!」
「だってミルが答えてくれないんだもん!」
 朝から口げんかである。
「はいはい。答えればいいんでしょ」
「そ、早く教えて!」
「メーナには前から『ミナ』って呼ばれてたわ」
「そうなんだ」
 疑問が解決したとこで学校へいきますか。








































 ドン!
 山本「ナイスパスだ、坂田」
 坂田「おう」
 昼休みにパス回しをしている僕たち。
 僕「なあ、試合しないの?」
 僕は昨日のこともあるので、二人に聞いた。
 山本「三人じゃ平等にならねえだろ」
 僕「じゃあ誰か誘おうよ」
 坂田「そうだな、誰か誘ってくるか? 山本?」
 山本「そうしてくれ」
 その後、僕たちは坂田が誘ってきた人とチームを組んで試合をした。




















 放課後の下校……
「今日も楽しかったなー」
 僕はミルにそう言った。
「そうだね」
「それにしてもあの子誰なんだろう?」
「『あの子』って?」
「ほら、サッカーがうまかった女子生徒のことだよ」
「たしかに気になるけど、なんで?」
「いや、名前を聞いてなかったから……」
「じゃあ、聞けば?」
「そうしたいんだけど……」
「なにか問題でもあるの?」
「いや、別に……」
「じゃあ、恥ずかしいの?」
「そうかも……」
「ふーん。もしかして幸成、あの子のこと……」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「慌てるとこがあやしい……」
「だからちがうって」
 僕がそう言い返すと後ろから声が聞こえてきた。
 ???「やっほー♪ 何話してるの?」
 僕「あ、君はこの前の……」
 女子生徒「あたしのこと覚えてくれてたの?」
 僕「うん」
 女子生徒「んで、そのちっこい妖精は?」
 ミル「『ちっこい』とは失礼ね(怒)」
 女子生徒「あら、ごめんなさい。あなたの名前を教えてくれないかしら?」
 ミル「人に名前を聞くときには自分から!」
 僕「ミルの場合、『人』じゃなくて『妖精』かと思うけど……」
 ミル「細かいことは気にしない!」
 女子生徒「『ミル』ね。あたしは福本由紀(ふくもと・ゆき)よ」
 ミル「あちゃ、順番が逆になっちゃった。幸成のせいよ」
 僕「だって……」
 福本さん「まあまあ。こんなとこでけんかしないで」
 ミル「で、福本は何の用なの?」
 福本さん「気になったから声をかけただけよ」
 ミル「それだけ?」
 福本さん「ええ」
 ミル「……」
 福本さん「じゃ、また明日ね幸成君♪」
 僕「う、うん……」
 福本さんは行ってしまった。



 私「さ、帰るよ幸成」
 幸成「……」
 私「幸成?」
 幸成「……」
 私「おーい、もしもーし」
 幸成「……」
 返事がない。
 私「ぼっとしてないで歩いてよ。うーん……お、重い……」
 私は幸成を押したが歩いてくれなかった。
 私「しょうがないわね、奥の手よ」
 私はさっと辞書を取り出した。
 私「えっと……イフェル!」
 この呪文は行きたい場所に一瞬でいける便利な呪文なのよ。



 幸成の家の前に着いた。
 だいたい三秒くらいかかったかしら?
 それより誰か家にいるかなー?
 ピンポーン
 私「誰かいますー?」
 ???「はーい」
 ガチャ
 幸成の母「あらミルちゃん、どうしたの?」
 私「それが……」
 私は事情を説明した。
 幸成の母「わかったわ。ちょっと待ってね」
 幸成の母さんは家の中に入っていった。
 なんでだろ?



 しばらくして幸成の母さんが戻ってきた。
 幸成の母「はい、このはりせんで幸成をぶったたいて」
 私「それで?」
 私はあまりにも意外なものに驚いてしまった。
 幸成の母「大丈夫よ、何度もこんなことはあったから」
 私「わかった、やってみる」
 私は試しにやってみることにした。
 私「せーの……」

 バシ!!

 幸成「いて!なにすんだよ(怒)」
 私「あ、やっとおきた」
 幸成「ミル、これは?」
 私「実はね……」
 私は事情を説明した。
 幸成「なにい! 母さん、そうなのか?」
 幸成の母「そうよ」
 幸成「うう……」
 私「やっぱり幸成は福本のこと……」
 幸成「ち、ちがうって」
 幸成の母「なに? 『福本』って」
 私「幸成のす……んぐ!」
 幸成「えっと……な、なんでもないよ」
 幸成の母「そうなの? じゃあ、早く家に入りなさい」
 その後、私は幸成に口を抑えられたまま家に入った。










 夕食後の幸成の部屋……

 私「幸成ーほんとのこと教えてよー」
 幸成「え? 何のこと?」
 私「とぼけちゃって。福本のこと実は好きなんでしょ?」
 幸成「う、うん……」
 私「やっぱり。でもなんで隠してたのよ?」
 幸成「人前でそんなこと言うのは恥かしいから」
 私「じゃあ、なんで私に教えてくれたのよ?」
 幸成「最初の友達だから……」
 私「ふーん。で、福本には告白するの?」
 幸成「え、まだまともに話してないし……」
 私「じゃあ、話せばいいのに」
 幸成「女子と話すなんて恥ずかしいよ」
 私「私、一応なんですけど?」
 幸成「ミルは別だよ」
 私「たしかに。人間と妖精だからね。そうすると男子と女子だから恥ずかしいの?」
 幸成「うん……」
 私「じゃ、ちょっと待ってね」
 私は辞書を取り出した。
 幸成「なにかいい呪文でもあるの?」
 私「ええ、うーん……」
 こういう時はどれを使うのかしら?
 ぱらっと!これは違う、これも違うなー。
 幸成「まだわからないの?」
 私「もうちょっと待って」
 このページは? ……違うな。
 こっちのページは? ……うーん、ない!……ってあったー。
 私「よし、この呪文ならいけそうね」
 幸成「見つかったの? じゃあ、早くそれを僕にかけてよ」
 私「じゃあいくわよ。準備はいいかしら?」
 幸成「いつでもオッケーだよ」
 私「じゃ、いくよ……フェジューム!」
 私がそう呪文を言うと部屋の中は光につつまれて……

(続く)


おことわり

この物語はフィクションです。物語に出てくる 人物、団体は全て架空の物です。実際の物とは全く関係ありません。


〜あとがき〜
第2話が終わりました。今回もTSがありませんでしたが、起承転結の通り、三話でTSがあります。お楽しみに♪


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