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「はあ……」

 あたしは、やるせない表情をうかべながらため息をついた。
 あたしの願いはいつ叶うのかな? そう思いながらベットに横になった。
 今日も願いは叶わなかった。いつになれば叶うのか……
 そう思いながら、あたしは眠った。




ありえない出来事

第1話 『寺』での発見

作:NATO





 あたしの名前は高野友也(たかの・ともや)、河根(かわね)町の青根(あおね)高校に通う高校1年生。
 さっきから自分のことを「あたし」と呼んでいるが、あたしは男の子である。
 え? 男の子なのに「あたし」は変だって? あたしはどういうわけか、高校生になってから自分のことを「俺」と呼んだり、「僕」と呼んだりするのに違和感を感じるようになったのだ。
 そして、文頭にあるように、夜、自分の部屋でいつも叶うはずの無い(?)願いを心の中で唱えてから寝るようになった。
 もちろん朝、起きても特に何も変わらずに1日が始まる。
 そんな毎日を過ごし、高校に通い始めて約4か月が経った。 そして、あたしの身に思いもよらないことがおきた。



キーン、コーン、カーン、コーン……

 その日の授業の終了のチャイムが鳴った。
 ホームルームの後、掃除をして、あたしはいつも通り下校しようとした。
「おーい。高野ー」
 あたしを呼び止めたその声の方を見ると、水元君が駆け寄って来るのが見えた。
「なあに? 水元君」
 あたしは立ち止まって水元君に聞いた。
「今日、一緒に帰ろうぜ」
「え? いいよ」
 あたしは水元君と道を歩き始めた。
 紹介しよう。今、あたしと歩いているのは水元健一(みずもと・けんいち)君である。
 あたしと水元君は中学の時からの同級生である。今では親友で、今日みたいに一緒に帰る日が多い。
 悩み事などは、お互いに励ましあって解決している。
「今日は『寺』に寄ってみないか?」
 突然、水元君が言った。
「え? でもあそこは……」
 あたしは困ってしまった。
「10分くらいならいいだろ?」
「でも……」
 迷っているあたしを無視して、水元君は『寺』に向かって歩き出した。
「まって、あたしを置いてかないでよ」
 あたしは慌てて水元君についていった。



 しばらくすると『寺』に着いた。昼間、近くを通ったことはあるが、中に入るのは今日が初めてだ。
 夜の『寺』は昼間とはまるで違った。昼間とは対照的に、ぶきみである。
「やっぱ近くで見るとすげーな」
 『寺』を観察する水元君。あたしも『寺』を見回してみる。
「どこも草だらけだね」
 あたしは水元君にそう言った。
「そりゃそうだ。長い間手入れがされてないんだ」
 当たり前のように水元君が答えた。
「こうゆう場所は珍しいものがあるらしいぜ」
 あたしは嫌な予感がした。あたしはおそるおそる水元君に聞いた。
「ねえ、まさか『宝探し、しようぜ』なんて言うんじゃ……」
「お、当たり。さすが親友。俺の考えてることを読み取るとは」
 水元君はうれしげにそう言った。やっぱり嫌な予感が当たってしまった。
「じゃあ、どっちが珍しい宝を見つけられるか競争しようぜ」
 水元君は思ってた通り、競争しようと持ちかけてきた。
「え――――――?」
 あたしはそう言ったが、水元君の考えは変わらないようだった。
「制限時間は7分間だ。よーいドン!
 水元君は勝手に始めた。あたしはいやいや宝を探し始めた。



2分後……草の中や岩の下などを探すが、何も見つからない。
4分後……水元君はやる気満々で探している。一方のあたしは飽きてきた。
6分後……あと1分、何も見つからない。さすがの水元君もあきらめ半分のようだ。
6分30秒後……あたしは木陰にきらっと光るものを見つけた。あたしはそれを拾い上げた。



「よおーし、終了―――」
 水元君がそう叫んだ。あたしは水元君のところへ駆け寄った。
「どう? 何か見つかった?」
 あたしは水元君にそう尋ねた。
「じゃーん!」
 水元君はあたしに何かのコインを見せた。
「なあに? これ?」
「よくわかんないねえけど、古いお金みたいだぜ」
 水元君はお金を月にかざしながらそう言った。
「で、高野は何か見つけたか?」
 今度は逆にあたしが尋ねられた。
「これだよ」
 あたしはそう言って、何かの機械を差し出した。
「何だ? これ?」
「わかんない。でも、動けばそっちより珍しいよね?」
「馬鹿か? 電池もないのに動くわけねえだろ!」
 たしかに道に落ちてる機械に電池など入っているわけがない。
「でも電池を交換しなくても動くみたいだよ」
 あたしはそう言って機械を裏返した。その機械は分解ができない構造に見えた。
「本当だ。だったらこの機械の動力は何だ?」
「たぶんこのパネルがソーラーパネルで自動的にこの機械に充電してるんじゃないかな?」
 あたしはそういって機械の表の四角いパネルを指した。
「なるほど。ようするに最初からこの機械にバッテリーみたいなものが入っているわけか」
 水元君は関心して機械を観察した。
「ねえ、遅くなるからそろそろ帰らない?」
 さっさと帰りたいあたしはそう言った。
「賛成……って勝負の結果はどうなるんだよ?」
 慌てて水元君が言った。
「ま、お互い宝を見つけたし、引き分けということで!」
「引き分け? ま、いいか」
 水元君の表情はいまいち満足していなかった。



 水元君と『寺』で分かれた10分後に、あたしは家に着いた。あたしは玄関の扉を開ける。
「ただいまー」
「あら、友也お帰り」
 お母さんが玄関に出てきた。あいかわらず玄関を片足立ちで覗き込むくせは直ってなかった。
 あたしは『寺』で拾った物を自分の部屋に置いた。おそらく水元君もそうであろう。
「今日も水元君と帰ってきたの?」
 お母さんがあたしに尋ねる。
「うん。今日は、少し寄り道したけどね」
 さすがに『寺』に寄ったことは言いたくなかった。
「あら、珍しいわね」
 ひさしぶりの事なのでお母さんは少し驚いた様子だった。
 夕食後、いつも通りお風呂に入った。お風呂から出ると自分の部屋に行った。
 あたしは自分の部屋で『寺』で拾ってきた機械を眺めた。
「いったい何の機械なの?」
 あたしはそうつぶやいた。明日、学校から帰ってきたら調べてみよう。
 そう思ったあたしはいつものように願いを心の中で唱えてから眠った。
 そのときあたしはあんなことがおきるとは思っていなかった。

(続く)


おことわり

この物語はフィクションです。物語に出てくる 人物、団体は全て架空の物です。実際の物とは全く関係ありません。


〜あとがき〜

 こんにちはー。早速、私の物語を読んでくれてありがとうございまーす。
 もともと物語をためしに書いてみたのが始まりで、気がついたらこのような物ができました。正直、自分でも初めて書いたのにすごいと思いました。
 では次回をお楽しみに!

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