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「死んだ……?本当なのか!?愛美!!」
 
「ぐすっ……なんで……なんで!!」
「幸二!」
 事故から1日と3時間後、秋山幸二は病室で息を引き取った。
 側に幸二の両親と弟がいてその目の前でその時は突然訪れた。
「健一!」
 わぁっ!と泣き出す私。
 病室の健一の胸に顔をうずめていた。 





Angel

驟雨

第10話 『始まり』





 帰宅した私は咲香に話した。
「幸二さんが亡くなった……のですか」
「咲香、私、どうしたらいいの?今では過去になっちゃったけど私の親友なのに……」
「お姉さん、落ち着いてください。……・お姉さんはこの件を無かったことにする自信はありますか?」
「……どういうこと?」
「天使術……滅びの魔法の中に蘇生術があることはご存知ですよね?」
 
「うん……"リゼレク"、でしょ?」
 
「本来"ケアルガ"と"タイムデント"以外は使用許可がでていない天使術ですが、これまで優さんは"ジャジメントロード"を使いましたし、歴代天使の中でも使用不許可の天使術を使った人はいます。そう言う者達は必ず使用前、あるいは使用後に魔法大聖堂長の審判を下されています」
「優も一応大聖堂長から説明みたいのを受けてたけど……でもコントロールができるから大聖堂長は禁止する理由はないって……」
「そうです。ですからコントロールすることができれば"リゼレク"を使用して幸二さんを……」
「ちょっと待って。それって人間界の倫理に反するってことだよね?確かに幸二が生き返れば一件落着になるかもしれないけど……う〜ん……」
「よく考えてください。時間に猶予はあります。ただし、幸二さんの遺体が焼却、または土葬などされてしまっては手がつけられませんので……」
 
 考えてみれば恐ろしことだった。
 死んだ人が生き返るなんてどこかがゆがんでいる。
 それに周りの人も気味悪いだろうし……まあその辺はなんとか対処できるとしても、 
 死んでしまった人はやっぱり生き返らしちゃいけないんじゃ……と思った。
 でも仮にこれが健一だったら迷わず"リゼレク"を使ったとも思った。
 
「私は……」


「お姉さん、そろそろ幸二さんのお通夜が始まる頃です」
「うん……」
「研究成果なのですが、過去に使用した天使は"リゼレク"を1人の天使で制御することは不可能としていたそうで、スペルする際には3〜4人の天使で魔方陣を囲んで使用したそうなのです。お姉さんや健一さんはたとえ魔力が前代未聞の強さを誇っていても3人確実に必要とするでしょう」
「私と健一と……優?」
「はい。そう言うことになりますね。まあ他にいないのですけど。どうします?時間はあまりありませんが……」
「やるよ。幸二も大切な親友だし、健一だったら迷わずやるっていう自分がちょっと恥ずかしいかなって思った」
 このとき咲香は『やはり、健一さんなら迷わずスペルするんですね。』と思っていた。
 その思いが表す意味は咲香にしかわからないのは当然だが……。


「優、ごめんね」
「いいの。私も幸二さんのお通夜に行くつもりだったし。お兄ちゃんのお友達なんでしょ?……お姉ちゃんのって言った方がいいのかもしれないけどね……」
 優は冬の制服に黒いタイツと靴下を履いて私と幸二の家に来ていた。
 私もちょっと赤めのブレザーに黒いタイツと靴下の格好だった。
 髪もしっかりツインテールにまとめた。
 
 夜、幸二の家に明かりは灯っていたが、どこか暗い感じがした。
 喪服をきた多くのひとが幸二の家に訪れ、お辞儀をしていた。
「お通夜は私3回目だけど、悲しいね」
 優が言う。
「人が無くなる悲しさを考えると攻撃魔術なんて使いたくないよね」
「うん」
「すみません、遅くなりました」
「咲香。って、その格好。私とおんなじじゃん」
「咲香お姉ちゃんがお姉ちゃんになった」
 咲香は私とまったく同じ格好をしていた。髪形まで一緒だった。
 仕方なく私はポニーテールに縛り直して見分けがつくようにした。
「すみません。髪を結うのは大変なのですね」
「うん。私も最初はすごく苦労したよ」
 3人は幸二の家に入った。
 
 中で多くの人にお辞儀されて私は何度お辞儀をしたのか覚えていない。
 広間に来ると幸二の家族が座っていた。
「石垣さんも来てくれたのですね。……どちらが愛美さんでしょうか?」
「私が愛美です。こちらが妹の咲香と優です」
「こんばんわ。この度はご愁傷さまでございます」
 咲香が召喚獣とは思えない挨拶をした。
「ご、ご愁傷さま……」
 優はご愁傷の意味がわかっていないらしい。
 優にとってはこれが精いっぱいだろう。
 私は正座して焼香を上げた。
 立ち上がって優、咲香と続く。
 部屋をちらっと見たときすでに健一がかべ際に正座しているのが見えた。
 すでに人員はそろっていた。
 私は咲香に耳打ちされた。
「健一さんには伝えてあります。1人が"タイムデント"、私が魔方陣で魔力を固定するので2人は一緒 に"リゼレク"をスペルしてください。タイムデントをスペルする人は健一さんです。魔力の消費が激しいので素早くやります。合図は健一さんの"タイムデント"です」
 
 何人も入れ替わりに広間に入ってくる。
 外で3人は健一の"タイムデント"を待った。
 
 約5分後、辺りの時間が止まった。
 正確に言うと歩いている人も止まって、車も動かない。
 音も何も聞こえない。耳に入ってくるのは3人の呼吸の音だけだった。
「行くよ」
「うん!」「はい」
 
 3人は急いで家の中に入る。
 
 広間で健一は緑の羽を広げ"タイムデント"を詠唱し続けていた。
「急いでくれ」
「うん」
「"アルバステッド"!」
 咲香は魔方陣発動術をスペルした。
 棺桶の前に赤い魔方陣が現れた。
「優!」
「うん!」
 私と優は両手を広げた
 マナの粒子が飛散し、背中にそれぞれピンクと青の羽を出現された。
「お姉さん、優さん、一緒に……!」
「「せーのっ!"リゼレク"!!」」
 私と優は魔方陣を囲み、同時にスペルした。
 魔方陣から白い光の塊が飛び出し、空中を浮遊した後、
 棺桶の中に入っていった。
「はあっ……」
 私と優はその場に座り込んでしまった。
 マナはほとんど残っていない。
「くっ……」
 健一も限界だった。
 "タイムデント"はその効力を失い、人々はまた動き出した。
 健一もその場に座り込んだ。
「私しかいないのですね……"スプレッド"!"オヴィジョン"!!」
 咲香は上級魔術と初級魔術を続けてスペルした。
 忘却術は広範囲に拡散して発動し、その家の周りの人々すべてに忘却術の効果が行き渡った。
 その後、咲香は残り少ないマナで3人を私の家まで運び、3人をベッドに運んだ。
 
 目が覚めた。
 ここは家の寝室だった。
 ベットの横に咲香が座っていた。
 
「……成功した、の?」
「はい。あれからもう3日ですよ。みなさん、何も無かったように過ごしています。記憶は私が整理しておきました」
「えっ!?私は3日間も眠ってたの?」
「天使の3人が全員マナ枯渇では"ケアルガ"を使う天使がいなくなってしまうので自然回復を待つしかなかったのです。学校には風邪で休養と連絡済です」
「ああ……うん。わかった。健一と優は?」
「隣です」
 目をとなりのベッドにおくる。
 左側で優が、右側で健一が眠っている。
 見る限りではマナはすっかり回復しているみたいだった。
「咲香、1人でこんなにやってくれてありがとう。でもマナは大丈夫だった?」
「私も少し眠りましたがすぐに回復しました。さすがに上級魔術3回連続はきついです」
「……う、うん。そうだよね」
 咲香が以外と余裕だったから私は逆に戸惑ってしまった。
 出会ったばかりの咲香はこんなに魔法は使うほどの魔力は感じなかったし、
 私というディペントがいるだけでここまで変われるのだと考えると
 私は自分のことばかり考えていられなかった。
 咲香のことも、優のことも……健一のことも。
「あ、健一さん、おはようございます」
 健一も目を覚ましたようだ。
「あう……まぶしいな」  
「おはよ、健一」
「ああ……おはよう。実はさっきの会話聞いてたんだ。よかったな幸二が生き返って」
「うん……ホントは悪いことだと思うんだけどね」
「そうだな。人を生き返らせる魔法なんて無くなればいいのにな」 


 ホントにその通りだった。
 もう人を傷つけたりするのは嫌だった。
 
 こんな風に健一と話して、咲香にお礼を言って……そんな日が続けばいい。
 そう思ってた。
 
 
「魔法大聖堂長、魔法界大統領にお伝えしなければなりません」
「なんてことだ……ついに、ついに『あの方』の怒りが頂点に達したのだな。まさか魔法界に宣戦布告とは……!」
「私は一足先に大統領邸へ向かいます。聖堂長は全世界の魔法使いに伝令をよろしくお願いいたします」 
「天使の力が必要だな……。彼女に頼むとするか」
「以前お話になっていた石垣……愛美様でしょうか?」
「そうだ。彼女のバティクスは咲香(しょうこう)だ。文句はあるまい?」
「はい。では……」
 魔法界大臣は"コンダクション"をスペルし、大統領邸へ向かった。
「さて、愛美を呼ばねばならんな」


「えっ…………!!」
「どうしたの咲香?」
「お姉さん、健一さん。『あの方』の宣戦布告を確認したそうです。魔法界は滅ぼされます」
「…………?」
「バカな!」
 私にはさっぱりだったけど、健一は突然大きな声を出した。
「『あの方』って……死んだって聞いたのに……!」
「その説は覆されたようですね。ともかく、お姉さん、大聖堂長がお呼びです。また行かなければなりませんね」
「……なに?宣戦布告って。……また戦うの?」
「愛美、これは魔法界だけの問題じゃなくなった。人間界にも大きな影響を与えるだろう。なんたってこの地球上で戦うんだからな。甘い考えは捨てないと……」
「そんな!……もう、もうやらなくたっていいと思ったのに!!」
 バタン!と部屋を飛び出した。
 目にはうっすら涙を浮かべていた。
「お、おい!愛美……」
「健一さん。行ってあげてください。お姉さんは迷っているのです。戦いに迷いは不要ですがお姉さんの気持ちも察してくださいね」
「ああ、わかってるよ。俺だって元々女の子だったんだしな。それは関係ないかもしれないけどな……」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんはきっと戦いたくないって言うと思うけど……でも戦わなきゃいけない理由があればお姉ちゃんも考え方が変わると思うから。お兄ちゃんが言わなきゃいけないんだよ……」
 優が今の騒ぎを聞いて起きてしまったようだ。
「そうだな」
 健一は立ち上がって部屋を出ていった。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの頑固頭をやわらげてくれるかなぁ?」
「健一さんを信用しましょう……」
 
 
 私はまた隣町まで走ってきた。
 町の外れにある小高い山の頂上。夕暮れになると木々も紅に染まり、
 紅くなった葉はさらに紅く染まっている。
 
 町の向こうに太陽が沈みかけていていい眺めだった。
 ここにいるとさっきまで怒りで浸透していた心も落ち着いてきた。
「戦うなんて……もう嫌だよ……」
 
 手すりに寄り掛かって夕日を見つめる。
 さわさわっと風が吹く。
 制服のスカートも髪も風に揺られたが、
 いつもみたいに気分はよくならなかった。
「やっぱりここにいたな」
「健一! ……もう追いついてきちゃったの」
「お前の来そうな場所はわかるよ」
「そう……」
 私は振り向いて話しをしていたが、
 また町の景色を眺めた。
「あの……愛美。今回は地球上の全生命を懸けた戦いなんだ。関係ない者にも被害が出る可能性がある。大聖堂長のご依頼は愛美に全世界の魔法使いにこのことを伝令してほしいってことなんだ。だれかを傷つけるっていっても相手も本気でお前を狙う。だからお前も人のためだけでなく自分のためにも戦って欲しい。これが終わればもう戦わなくて済む……そう思う」
「私は別に戦いたくないとか思ってないよ。ただ自分の魔法が人を傷つけるのが怖いんだよ……」
「俺も最初天使に覚醒して、攻撃魔法を使うってとき怖かった。きっとどの魔法使いもそう思うに違いないよ。みんな同じなんだ。世界のために、地球のために、愛美。お前が必要なんだよ」
「相手は……神なんでしょ?」
「ああ、知ってたのか。ゼロ・ジョーカー。あの方の本名だ。多くの魔法使いを従え、召喚獣を操り、天使まで配下にしている。全面対決となるが……覚悟があるか?」
「もう人は傷つけない。でも傷つけるやつに攻撃をするんなら惜しまないよ」
「それじゃあ……!」
「ふうっ、やるよ!私。神を倒す」
「……それならもう俺から言うことはないよ。……あの夕日がまた見られるといいな」
 健一は遠くに見える夕日を見る。
 横顔に紅い光りがあたり、健一がとても素敵に見えた。
 
「それじゃあお姉さんを説得できたのですね」
「さっすがお兄ちゃん!」
「ごめん。自分勝手だよね……私」
「いえ、お姉さんのように考えるのは当然のことです」
「……うん……」
「じゃあ大聖堂へ行くか?」
「行こっか」


 またここに来るとは思わなかった。
 白い壁に大理石の床。
 以前も感じたこの雰囲気……
「聖服に着替えておいて良かった」
 私は帽子をかぶり直しながら言った。
 優がキョロキョロしながら言う。
「なんかシーンとしてるね」
「そうですね」
「あっ、ジェイド〜!」
 優が遠くから来る黒い影に手を振る。
 黒いしっぽを振り、耳を立て、ふわふわの赤と黒の毛を纏ったジェイドが歩いてくる。
「おっ、優じゃんか。おいおい咲香と愛美まで!また来たのかぁ!」
「うん。……あのこと、ジェイドも聞いてるでしょ?」
「ああ。『あの方』の宣戦布告の話だろ?エクス・マオ様も大慌てさ。で、愛美は大聖堂長に呼ばれたんだろ」
「なんでわかった、の?」
「エクス・マオ様は魔法界大臣だからな。大聖堂長と同じランクで大統領からの直属だ。情報はこっちに流れてくるってワケだよ」
「だからジェイドがここにいるのですね」
「ああ、そうだよ。たぶん愛美は扉の間に行くことになるだろうな。がんばれよ」
 ジェイドは私の肩をたたく。
 蹄が見えたが、怖いとも感じなかった。
 そんな自分の方がちょっと怖い。
「おい、ジェイド。大聖堂長はどこにいらっしゃるんだ?」
「健一。お前、愛美と優のこと、しっかり守ってやれよ。経験豊富でこの魔力だ。何かあったら許さないぞ」
 ジェイドは健一の胸にこぶしをあてた。
「わかってるさ。ジェイドもエクス・マオ様の足手まといになるなよな」
「言われなくたって」
 健一もジェイドの胸にこぶしをぶつけた。
「ねえ咲香?健一とジェイドってあんなに仲いいの?」
「さあ……あんなに楽しそうなジェイドははじめてですけど……」
 3人は健一とジェイドを見つめた。
 見られていることに気づいた2人は急に顔を赤くして手を後ろに引っ込めた。
 みんなで笑ってると礼拝堂から大聖堂長がでてきた。
「皆、そろっているのだな。では愛美よ。こちらへ来なさい」
 一緒に大臣も出てきた。
「ジェイド、新しい友ができてよかったですね」
「はい……」
 大臣は紳士だった。
 丁寧な身のこなしに言葉遣い。若い男の人だった。
 足まで長い緑のローブを羽織っている。
 私はみんなに目線を送って振り向き、大聖堂長についていった。
  
 扉の間と呼ばれる部屋に入ると
 魔方陣を囲んで高台があった。
 咲香がスペルして出す魔方陣よりさらに大きかった。
「この魔方陣の真ん中に立つのだ」
「はい」
 私は魔方陣の中央に歩み寄った。
「この魔方陣から全世界の魔法使いに会話を伝えることが出来る。大聖堂の『扉』なのだ」
「…………」
「では天使化してくれ」
 私は言われるままに両手を広げ、強く念じた。マナの粒子が飛び散り身体を包む。
 そして背中にピンク色の羽を出現させ浮遊した。
「……クククク。うまくいったな」
「えっ!?」
 突然扉の間の「扉」が開いて健一達が入ってきた。
「愛美!そいつは大聖堂長じゃないぞ!今すぐその魔方陣から出るんだ!!」
 健一の叫ぶ姿の横にもう1人大聖堂長が立っている。
「お姉さん!早く!!」
「うん……って身体が……動かない……」
「フフフ、無駄だ。捕縛結界にかかればどんな天使であろうと身動きとれまい」
 私に命令していた大聖堂長は姿を変え、背中に黒い羽をまとった天使になった。
「黒い羽!!」
 優が言った。
 本物の大聖堂長が魔法をスペルした。
「悪異なる魔術から解き放て、響け、聖なる音色よ!"リバースウィスパー"!!」
 大聖堂長がスペルした瞬間、足下の魔方陣が薄くなり、消えそうだった。
「私をなめないでよ!!」
 私は力を振り絞り、捕縛結界から逃れようとした。
 纏わりついていた魔法の糸がピキピキっとわれた。
「なに!?くそっ、"ダークレイン"!!」
 黒いヤリが天井から大聖堂長へ降り注ぐ!
 大聖堂長は反対呪文の詠唱で回避ができなかった。
「ゼラっ、これを!"サキュバス"!!」
 魔法界大臣が大聖堂長の頭上に魔法の膜を作り、黒の天使の魔法を防いだ。
 大臣は大聖堂長をゼラと呼んでいたが、私はそれを気にするどころではなかった。
「ううん!!」
 私は捕縛結界から逃れることに成功した。
「ちっ、1人じゃ役不足か。"ローズ"!」
 黒の天使は一瞬でその場から消え去った。
「ゼラ、平気か?」
「大臣、その呼び名はやめてくれないか……」
「私だって名くらいある。そなたもそうでしょう?」
「…………フ」
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「愛美!!」
「お姉さん!」
 3人が私の元へ駆け寄ってきた。
 私は笑顔で答えた。
 みんなが私を囲む。


「ゼラ。あの4人ならゼロに勝てるのではないでしょうか?」
「4人では無理であろう。だがゼロの最大の弱点は団結力や仲間を信じる心が無いことだ。心術は使えるが……それは相手を憎む心しか生まない。……この戦い、負ける訳にはいかない」 
「そうですね」

 その後私は正式に魔力を展開し、大聖堂長・ゼラの指示に従い、全世界の魔法使い、天使と会話をした。
 そして1週間後、この大聖堂に全員が集合する。
 
 
 
 
 
「…………クロ、キサマ何をしている……?」
 
「申し訳ございませんゼロ様。大聖堂長にいとも簡単に見破られ、さらに石垣愛美の魔力は想像を絶するものでして……ぐあっ!!」
 ゼロはクロを魔力で持ち上げ、首をしめた。
「何のために我は大聖堂へキサマを送り込んだと思っているのだ?石垣愛美の誘拐を命じたはずだ。その任務をこなせない者は我の配下にはいらん!!」
「ぐあああ!!」
 ゼロはクロを消滅させた。
「ふん、くだらん。……石垣愛美、か。ますます興味深い。この戦い、やつらへの不意打ちではつまらんな」
 黒いマントを翻し、ゼロは神殿内へ声を拡散させた。
 
「者共!魔法界のクズどもと全面戦争をする!その中には相当の魔力を秘めた天使も何人かいる!苦戦を強いられる可能性が高いが……残りは雑魚だ……。け散らせ!そして……地球を奪え!」
 
 ゼロは恐ろしい発言をした。
 もはや止められる者はいなかった。
 
 魔法界対ゼロの戦いはすでに始まっていたのだ。
 
 


    第11話に続く……


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