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書いてて思ったんですが、今書いてるのって『前書き』って奴なのかな?



熱血!TS野郎選手権!!
作:干支



 八月某日。稲毛海岸は異常な熱気に包まれていた。
 誰もいないステージ。そこに群がる水着姿の男ども。
 そう『男ども』。
 そこにはうようよと男たちが群がっていた。いるわいるわの群雄割拠。ヤセにチビ
にハゲにイケメンデブ中年兄ちゃん子供にお坊ちゃま。皆が皆異様な雰囲気をかもし
出しながら、何かをじっと待っていた。中には待ちきれない様子で行ったり来たりす
る者や、貧乏ゆすりをするものもいた。
 だが彼らのそんな行動も終りを告げるときが来た。会場全体の雰囲気に動きが現れ
始めたのだ。そう彼らは感じ取っていた。これから来る『物』の。
 そして遂にステージから独りの男が現れた。キラキラとしたスーツに蝶ネクタイ。
手にはマイクの、バラエティ番組の司会のような姿をしている。動き始めた会場の雰
囲気はさらに動きを増していった。そして・・・・・・・・
「おらーーー!!!!!お前等!!!TSしたいかーー!!!」
 唐突にステージの上の男が叫ぶ。一瞬時の止まる会場。やがて、初めは小さな小波
が大波へと姿を変えるかのように会場から次々と声が上がり始め、遂にはそれは巨大
な一つの叫びへと変貌を遂げていった。
「おおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
 それを見てステージ上の男は満足げに口元をゆがめた。
「OKOKOKOKOKOKOKOKOKOK!!それじゃあ今から始めるぜ!!!第25回TS野郎選手権
を!!!!!司会はこの俺!!!!ホーミー高だぜ!!!ブェイベ
――――――――――!!!!!!!」
「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!」
 司会が叫びステージから火柱が上がると、会場全体が爆発した。

     TS野郎選手権!!!
 これは知る人ぞ知る伝説にして幻の大会である。何年かに一度どこかの浜辺で行わ
れ、優勝者にはその時期最も人気のあるアイドル(基本的には女。優勝者が女の場合
は男であるが、未だそう言った事例は存在しない。)との肉体の交換権が与えられる
と言われているが、その真偽は確かではない。そして今年、過去最高の十年間もの情
報さえも現れない空白期間を経て遂にこの大会が開催されたのである!!
そう。今この会場に集まりぎゃあぎゃあと喧しく叫んでいるのは、皆、TSFを愛して
やまない男たちの群れだったのだあああああ!!!!

「ヘイヘイ。ブラザー。まだよ。まだまだ。今ので最高潮にして貰っちゃ困りますぜ
!」
 未だ興奮冷め遣らぬ会場を押さえ込んだホーミー高は、やたらと大きなモーション
をステージ上で繰り広げ、掌を上にして腕を右に水平に上げると、
「へー―――――――――ィ!!!!!今日の目玉のキーパーソンにして今最も人気
のアイドル『三鷹サヤカ』ちゃんのお出ましだ――――!!!」
 と叫ぶとステージが競りあがり、そこから二つの巨大なガラス管が現れた。その
てっぺんは幾つものチューブでつながれ、片方は空っぽ。そしてもう片方には・・・
・・・
「ちょっと!!何よ!これ!!一体何なの!!!??」
 髪の毛は程よい茶髪のセミロング。パッチリとした瞳が特徴的な肩の良いバスト・
ウェスト・ヒップをした水着少女がガラス管に手をつき困惑した様子で立っていた。
「えーっと・・・・なになに?彼女は16歳のおわん型の方のいいオッパイですか
あ。いいですねえ。っちゅう訳で!!!優勝者には彼女と体入れ替わる権利をおおお
おおおおおおおおお!!!!!!授与おおおおおおおいったしまああああああああっ
す!!!!」
 叫ぶ彼女を無視して司会が解説すると・・・・・・・
「うわあああああああああ!!!!!!!!お・・・俺が!!!!彼女にいいいいい
いい!!!!!」
「ぼぼぼ・・・・・・僕が嗚呼嗚呼!!!!彼女にいいいいいいいいい!!!!!!
!」
「YES!!!SHE IS ××××××××!!!!!!!」
「うっひゃあああああああああ!!!!!!ワシの第二の人生じゅわあああああああ
ああああ!!!!!」
「ぎゃはははははははははははっははは!!!!!彼女になったらあれしてこれして
グヒヒヒヒ!!もうかなわん!!!!!」
 もはや会場の熱の高まり様は抑えようがなくなっていった。
「え!!?何?冗談じゃないの!!???本当なの!!????嘘でしょ!!!嘘で
しょ!やめてよお!!!」

 こうして大会は始まった。

「第一回戦はあああああああああ!!!!!!単純にクイズ!!!!!っだ!!!!
!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
 第一回戦は早押しであった。画数ブロックに分かれたTS野郎達は幾つものTSFに関
するクイズを答えていき、残った者が第二回戦に進むと言うルールであった。
「ハイ!外れ!正解は・・・・」
「くっそお!!!」
「ハイ!!正解!!」
「うおっシャぁ!!!サヤカちゃんに一歩近づいたぜえ!!!」
「ハイ△!!0,5点!!!」
「△!!??小学校のテストかよ!!!?」
「ハイ・・・・」
「うお・・・・・・」
「ハ・・・・」
「う・・・・」
 繰り広げられる第一回戦。激烈なはや押しに継ぐはや押し。そしてそれらの回答全
てに神業ともいえるスピードで答えていくホーミー高。 
 そして第一回戦は終わった。
 およそ十二人のTS野郎が勝ち残り全員が全員はや押しから来る疲労から方で息をし
ていた。だが、さすがにここまで残ったと有ってそうそうたる顔ぶれである。
「おおおおおおお・・・・・・・」
 それを見た脱落者達はため息にも似た声を漏らす。彼らは優勝を逃したにも関わら
ずまるで後悔の様子を見せる事は無かった。そう。そこにならぶのは、それほどの顔
ぶれだったと言う訳である。
「おい!!あれはあの伝説のサイト経営者だ!!!一回見た事あるんだ!!」
「あれは!!!ああ!!やっぱりSさんだったのか!!あのゴーストライターの!!
!」
「あの太っちょ!!!全て正解してたぜ!!」
「あのイケメン野郎!畜生!!すげえ押すのが速いぜ!」
 そんな感嘆や賛美の声が漏れる中、アイドルの方は・・・・・・・・
「何で・・・・・何でこんな事に・・・・・・・・・・・」
 床に座り込み泣きじゃくっていた。
 それを見た司会者はそこに近づいてしゃがみこんだ。
「なあ。もう諦めろって・・・・・そんなに嫌がるとあいつ等に失礼だぜ?」
 マイクを外しゆったりと彼は語りかけた。
「何よ!!!そっちの方がよっぽど失礼じゃない!!!勝手にこんなのに狩り出して
!!マネージャーは!!!!」
 悪魔でも落ち着いて話し掛ける司会者に、猛然と食って掛かるサヤカ。まあ当然と
言えば当然なのだが。
「だからあ。あいつにゃぁ。いい女の体をやったんだって。あいつ喜んでお前を差し
出したぜ。おっと!それから事務所の所長もお前の親もなぁ。」
「なんでよお!!なんでこんなことするの!!!」
「ふふ・・・・・見てりゃ解るよ・・・・・・・・・」
 そう言うと司会者はマイクを取り付け、立ち上がってステージ中央へと歩んでいっ
た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・
「ごふ!!!!」
 太ったにきび面の男。多田康二十七歳独身の顔に強烈なアッパーが叩き込まれた。
 ボテ!
 くぐもった音を立てながら彼の体はリングの上に落ちた。
 第二回戦にして早くも最終戦の種目は、何故だかバーリトゥウド(なんでもあり)
のボクシングであった。
 太ったからだの彼がボクシングにむくはずも無く、一方的に殴られていった。
「ああ・・・・・お願い。太ったあいつだけは・・・・・・」
 その様子を見ていたサヤカは手を組んで祈っていた。彼と入れ替わるのがよほど嫌
なのだろう。
「ほ〜う。もう諦めがついたのかい。」
「おかげさまでね!!でも入れ替わるならイケメンがいいわ!」
 ふてくされた感じで答え、顔をそむける彼女。だがそれを見た司会者は・・・・・

「ふふ・・・・・解ってないな。」
 不敵な笑みでそう呟いた。
「なにが!?」
 耳ざとくそれを聞き取り、顔を歪め彼女は聞いた。
「ふふふふ・・・・お前は解っちゃいない。そう。今まで容姿だけで生きてきたお前
には、あいつ等の熱さがな。」
「何が熱さよ!!あのデブだってもうやられちゃっ・・・・・ええ!?」
 リング上の光景を見た彼女の言葉は途中で止まった。
 なんと康がゆっくりと立ち上がったのだ!それを見た彼女の目が驚愕で見開かれ
る。そしてリングを映し出した巨大モニターがゆっくりと康をズームアップする。
「僕は・・・・・今まで・・・・・・・・何も出来なかった。」
 そう言って彼はゆっくりと語り始める。
「だけどTSFは・・・・・・そんな僕に、初めて光を与えてくれたんだ。だから・・
・・・だから・・・・・・・・・・」
 その様子に会場は水を打ったように静かになり、サヤカでさえもモニターにを目を
離せずに凝視していた。
「この大会に優勝して!!!僕は新のTSを手に入れるんだアアアアアアアアアア嗚呼
!!!!」
 その言葉に再び会場は爆発した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 その声に混じって康の声がまるで戦場の角笛の如く高らかに響き渡り、彼は猛然と
相手に向かっていった。
「な、なんなの・・・・・・これ・・・・・・・・」
 それを見た彼女は声を失っていた。彼女は生まれてこの方こんな真剣な様子を見た
事が無かったのだ。
「今度はあっちを見てみな。」
 その声に彼女が目を移すと・・・・・・・・
「はああああああああ!!!!」
「うおおおおおおおおりゃああああああああ!!!!!!」
「だあああああああああああ!!!!!」
 Sが!伝説のサイト経営者が!イケメンが!!!!
 血を吐きボコボコにされても、まだ立ち上がり、まだ挑み続け、何度でも立ち上が
り戦い続けていた。
 そう。そこには漢たちの世界が広がっていた!TSに命を賭け、それを愛してやまな
い者達の飾り気の無い魂と魂のぶつかり合いが。
「ああ・・・・・・・・」
 そういって彼女は涙を流した。今まで彼女は一人のアイドルとしてしか見られた事
が無く、誰かと本気でぶつかった経験など皆無であった。そんな彼女の乾いた心に彼
らの裸と裸のぶつかり合いは、たくさんの水を与え潤したのである・・・・・・・・
・・・・・
「ふ・・・・・どうやら解ったようだな。」
 満足げにホーミーは呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここに・・・・ここに・・・・・・・ここにいいいいいいい!!!!!優勝者が!
!!!!!!」
 司会者は涙声で隣に立つ男の腕を上げた。
「優勝者は!!!!!!!!多田康だあああああああああああああああ!!!!!
!」
 会場がその日何度目かの爆発を起こした。だがその威力は、それまでの比ではな
かった。
 康はなみいる強豪たちとの戦いで、慢心相違であったがそれでも弱弱しく笑った。
「そしてえええええええええ!!!!!彼とは!!サヤカちゃんと入れ替わって貰い
ます!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「ハイ!!それではサヤカちゃん!!何か一言!!」
 モニターはガラス管の中の少女の姿を映した。
「す・・・・凄いです・・・・・・彼・・・彼となら入れ替わってもいいです!!!
!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「よっしゃあああああああああ!!!!!!!!!それじゃあ多田さん!!ガラス管
に入るんだ嗚呼ああ!!!」
 その言葉を聞くと彼はよろよろとガラス管に歩み寄ると、何とか自力でそこに取り
付けられたドアを開けて中に入った。
「それではあああああああああ!!!!!!入れ替え開始いいいいいいいいいいいい
!!!!!!!」
 ガラス管が光った瞬間の会場からは最早声とはいえぬ声が奇声とともに響き渡り、
それは何時までもやむ事は無かった。


 大会は終わった。



 午後10:00。大会も終り、昼の熱さと騒がしさを失い、代わりに静けさと寂しさ
を得た、海岸近くにいくつか点在する飲み屋。
 そのうちの一つに司会者を含めた大会関係者たちの姿があった。
「いや〜今年は無事終了しましたなあ!TS野郎選手権。」
 ビールの大ジョッキを傾けながらホーミーは満足げに言った。
「そうだな。今までは終了後がいけなかったな。」
 たっぷりとひげを蓄えでっぷりと太った、いかにもな姿の開催者が何やらいわくあ
りげな言い方で答えた。
「だから前からいっつも言ってたでしょ。入れ替える相手に何も知らせないってのは
やばいって。」
 そこに企画担当が口をはさむ。
「ああ。特に前回は酷かったな。優勝者が自分の体に未練を持った相手に刺殺された
からな。」
「そういや、刺した人どうなったんだっけ?」
「服役しとるらしい。あの姿でな。まだ自分は違うと叫んどるらしいな。
「ハハ!何が違うのかねえ。刺したの自分なのに。」
 それに同調したほかに関係者達は次々と喋り始めた。
「それ考えるとやっぱり今回のは成功ですよね。」
「ああ。あんなふうに見せて感動させれば前回までのようにストーカーやら刺殺やら
なんてしやしないだろ。」
「まっ。少なくとも暫くはな。ともかくこの期間が過ぎれば優勝者も手はず通り、
我々の用意した住居に移ることが出来るからな。」
「相手とは決して会う事は無い住居。ですよね。」
「そういう事。ハッハハッハッハ。まっ。とにもかくにも成功を祝って・・・・・
・」
「「カンパーィ!!」」
 飲み屋に歓声とグラスのぶつかる音が響いた。


後日談。
 三鷹サヤカは男っぽいアイドルとしてレズ疑惑だ何だのと騒がれながらも、男達に
大人気となったとさ。


<後書き>
燃え尽きた。灰になったぜ。真っ白にな。今回も二時間ちょィで書き上げました。
えーっと今回はズバリ『TS野郎の熱さ』をテーマに書きました・・・・ってなにやっ
とんじゃ俺はああああああああ!!!!!
萌えは!?揉みは?飛びは?何処へ言っちゃったの????どこ?どこ?どこ?
WHERE?
ってな訳で。萌え話で無くてゴメンナサイ。次回こそは萌え萌えな奴をお送りしま
す。ついでに私事ですが前作のレスで着なかった分もレスします。
絶対!
ちなみにSさんは前々作のキャラで、ちょっとしたお遊びって事で。許してちょんま
げ。
ふう。それにしても今まで大変だったゼイ。何がっ?てスランプが。これがもう大変
でッタ。ところが昨日(これかいてる時点で)前々手が進まずにもごもごしてた所
へ、DKOIさんがもうすぐ復帰できるってのとDARKROSESへいってみたらジョーカーさ
んが帰還してて声転換2と3が予約開始って言う朗報がいっぺんに来たものだから、
うれしくて嬉しくてウレシクテURESIKUTE、まるでお正月と夏休みが同時に来たよう
な気分になって気が付いたらこんなの書いちゃってました。
かなりざるな内容かもしれませんが、まあとりあえずお許しを。ともかくここまで読
んで下ってありがとうございましたまる



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