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お隣さん宅の小悪魔。

Wetten by fun9




◇◆◇ 1 ◇◆◇




 俺ん家の隣には小悪魔が住んでいる。…で、その小悪魔は日曜日の深夜、もうすぐ日付が変わろうという時間に決まって現れるもので、今も俺は内心、そろそろくるんじゃね〜かなぁ。と思っていたら案の定、コンコン、と俺の部屋の窓をノックする音が聞こえた。

「リョウちゃーん!」

 窓の外から小悪魔のちょっと鼻にかかったような(アニメみたいな)甘い声が聞こえた。だが、俺はこの声をあえて無視する。すると――、

「リョウちゃ〜ん!お願い、開けてぇ〜!開けてぇ〜!」

 と、小悪魔はバシバシ窓を叩いて俺を呼ぶ。なおも放置すると窓をさらに強くバンバン叩いて、開けて、開けて、と連呼する。…で、あんまりバンバン窓を叩かれると近所迷惑になるので俺は意を決して閉めていたカーテンを払うとガラリと窓を開けた。

「わ〜い!ありがとう。リョウちゃん!」

 小悪魔は窓枠を乗り越え、スルリと軽い身のこなしで素早く部屋の中に侵入してきた。

「おい、ナナミ。あんまり窓を叩くな。近所迷惑だろ」
「だって〜。リョウちゃんすぐに気付いてくれないんだもんっ!」

 この女小悪魔の名前は室星七海(むろほし・ななみ)。保育園の時からの俺の幼馴染だ。

「もぅ、外で待たされる身にもなってよねッ!」

 ナナミは頬をちょっと膨らませて怒ってみせた。その仕種は正直かなり可愛い。怒ると白くて透明な肌がちょっとピンク色に染まったりしてマジ可愛い。松浦亜矢?そんなアイドルしらねぇーなぁ。ってな位に超可愛い。はっきりいってオトコ心鷲掴みだ。

 ところが、こいつがとんだ小悪魔なのだ。

「それよかお前、屋根を渡って来んのやめろよなっ」
「え〜。別にいいじゃない。近くて便利なんだしぃ」

 ちっとも悪びれた様子も無いナナミ。年頃の娘がこんな夜更けに男の部屋に忍んでくるのってどーよ?色々ヤバくね?とか思うんだけど、そもそもナナミは自分が女だってことをほとんど自覚していない。というのも、ナナミは元々は男だったからだ。

 ナナミが女になったのは小学校五年生のことで、TS病とかいう病気が原因で、それ以前の俺とナナミは男同士で、小さなガキの頃から屋根を伝って直接お互いの部屋を行き来するような仲だったわけだ。だから、まぁ、十年近く前から互いの部屋を行ったり来たりしてたわけで、いまさら止めさせるもの難しかったりする。俺は、はぁ、と一つ溜息を吐くとナナミの方に向き直り――、

「…で、何の用なんだ?」

 俺はナナミの全身をくまなく観察する。キューティクルの行き届いた髪。パッチリとした瞳、通った鼻筋、小さくて美味しそうな唇。柔らかなラインを描くうなじ。タンクトップから伸びた細い腕、ショートパンツからはすんなりとしなやかな脚が伸びている。ホント、とても元男だったとは思えない。ナナミは背中に隠していたルーズリーフをそろそろと俺の前に差し出すと、

「リョウちゃん。お願い、数学の宿題手伝ってぇ」

 と、甘えた声を出した。

「またかっ!」

 またかっ!と思った。またなのかっ!と思った。またまたなのかっ!と思った。俺は昔っからこいつの宿題を手伝わされていて、(三つ子の魂百までとでもいうのか)高校生になった今でも度々俺に宿題を手伝わせる。

「お願い、明日提出しないと居残り補習させられちゃうの!」
「なんで昨日今日のうちに終わらせなかったんだよ?」
「だって数学難しいし、苦手なんだもん。だからお願い手伝ってっ!」

 胸の前で腕を組んですがるような瞳で俺を見つめるナナミ。…か、可愛い。だが、正直、ここでこいつの宿題を手伝うのは危険だ。なぜなら、明日俺のクラスでは一時間目に古文の小テストがあって、早めに寝ておかないと寝不足でテストを受けるハメになるからだ。

「なぁ、明日誰かに写させてもらうんじゃ駄目なのか?」
「他の人じゃダメッ。リョウちゃんがいいのっ!」

 ぐはぁ!…ほ、他の男じゃ駄目だなんて、そんなこと言われたら男として断れないじゃないかっ!と、思わず顔が緩んでにやけそうになったので、俺は慌ててちょっと不機嫌そうな表情を作ってみせる。

「チッ、仕方ねぇな…。ほら半分かせよ。さっさと宿題終わらせんぞっ」
「ありがとうっ。リョウちゃん大好きっ!」

 俺の腕に飛びつくナナミ。コラッ、引っ付くなっ!胸が当たってるっ!俺は慌てて掴まれた腕を振り払ってごほん、ごほん、と咳払いをすると――、

「い、いいか良く聴け。宿題は手伝ってやる。ただし、これだけは約束しろっ」

 と、ナナミに注意を促す。ゴクリと唾を飲み込むナナミ。

「絶対に、宿題が終わるまでは絶っっ対に寝るなっ!」

 するとナナミは、ハ〜イ!と気の抜けたような返事を返してきた。駄目だこりゃ。ナナミは昔っから夜更かしが苦手で、いっっつも途中で先に寝ちまいやがるのだ。そんで、結局は俺が全部やるハメになる。俺は疑いに満ちた眼差しでナナミを見つめ、

「頼むから絶っっ対に寝るなよっ!」

 強く念を押した。すると、

「そんなに言わなくっても今日は大丈夫だよ。夕飯のあとコーヒー飲んだし…」

 心強いんだか強くないんだか良く分からない応えが返ってきた。

 ま、まぁ、こんな風にいつまでも会話を続けているとそれだけ時間の無駄だ。俺は喉元まで上がってきた、おいおい、マジに頼むぜ〜。という言葉を無理やり飲み込み、宿題の半分を受け取った。




◇◆◇ 2 ◇◆◇




 小さなテーブルを囲んで向かい合う俺とナナミ。二人ともだまって黙々と宿題をこなしていく。それにしても、タンクトップにショートパンツだなんて、男の部屋を訪れるカッコじゃないよなぁ。女だからプチエロだけど、男だったらセクハラじゃないか。とか考えながら黙々と計算をこなす。黙々、もくもく、もくもくもく。チラッとナナミに目を向ける。まだ寝ていない。どうやら宿題に集中しているようだ。よしよし。――と、手元に視線を戻そうとした時、俺は発見してしまった!

(こ、こいつ、ブラジャーしてやがらねぇ!)

 いや、だって、普通タンクトップ着てたら肩のところにストラップが見えるでしょ!?いや待て、落ち着け。ストラップのないブラだって存在するじゃないか。あっ、でも、じゃあ胸のところのあのポチッってなってるのは何だ!?とか考えていたら、私の中の良からぬモノが、

(ジョジョビ、ジョバーーーー!)

 じゃねえよ!うわぁー!静まれマイサン!

 あ゛ー!六根清浄!六根清浄!六根清浄!あ゛ー!六根清浄!六根清浄!六根清浄!あ゛ー!六根清浄!六根清浄!六根清浄!ろっこんしょ……ふぅ。何とか収まった。

「んっ…。リョウちゃんどうかしたの?」

 俺の異変に気付いたのかナナミが顔を上げた。

「なっ、なんでもねぇよっ!」
「でも、リョウちゃん顔が赤いよ。熱でもあるんじゃない?」
「熱なんかねぇよ。それよか宿題に集中しろっ!」

 しまった。つい声がでかくなっちまった。ナナミは俺の顔をしばしジロジロ眺めると、

「む〜っ。変なリョウちゃん」

 ちょっと首を傾げただけで、再び宿題に向かい始めた。良かった。どうにかバレなかったようだ。その後、俺は努めてナナミを見ないように意識を集中し、黙々と数学の問題を解いてった。

 どのくらい時間が経っただろう――。

 さすがにちょっと目が疲れてきて、俺は窓の外に視線を向けた。民家の明かりはほとんど消え、街灯だけが道路を照らしている。窓際に置かれたデジタル時計は深夜一時三十ニ分を示していた。次にナナミに視線を向けると、

 寝ていた。

 ナナミは自分の腕を枕代わりにテーブルに突っ伏して眠っていた。気持ちよさそうに。チクショウ!どうせそんなことじゃないかと思ってたぜっ!俺はうらめしげな視線を投げつけ、ナナミの頬を軽くペシペシと叩いた。

「ナナミ、ナナミ。おい起きろっ!」

 けれどもナナミは気持ちよさそうな小さな寝息を、すぃ〜。すぃ〜。と立てるばかりで一向に起きる気配は無い。

 こうなっては仕方が無い。もはやこうなっては、何が起ころうともナナミは朝まで目覚めないだろう。となれば、俺のするべきことは一つ。一刻でも早く(ナナミの)宿題を終わらせ、自分の睡眠時間を確保することだけだ。うぉーーーー!

 半ば悲愴な気持ちで計算に取り組む俺。

 と、その時――、

 くちゅんッ!

 小さくくしゃみをするナナミ。でもナナミは目覚めない。イカン。このままではナナミが風邪をひいてしまう。ううむ仕方あるまい。俺のベッドで寝かせるか…。

 いや、別に下心なんて無い。女の子をベッドに連れて行くからって、別にやましいようなことは考えていないぞっ!ま、まぁ、確かに俺のベッドじゃなくてナナミのベッドに寝かせてやるのがスジってもんだが、眠るナナミを抱えたまま細い屋根を伝ってナナミの部屋まで行くのは(万が一ナナミを落としたときのことを考えると)リスクが大きい。だから、これが最善の方法なんだっ。

 と、誰に言い訳するでもなく心の中でつぶやくと、ナナミを起こさないよう(まぁ、起きないんだけど)俺は静かに立ち上がってナナミの背後にまわり込んだ。




◇◆◇ 3 ◇◆◇




 ナナミの背後に立った俺は、注意深くナナミを観察する。ナナミは規則正しく小さな寝息を立てている。今度はナナミの髪を撫でてみた。まるで絹のようなサラサラの指触りで、シャンプーのよい香りがした。耳にふぅ、と息を吹きかけると、くすぐったそうにちょっと首を動かした。(これは関係ない上にどうでもいいことだが)背中側から見てもタンクトップの下にブラジャーのラインはやはり発見できなかった。

「ナナミ。起きてるか。本当に寝たのか?」

 返事はなかった。やはり本当に眠っているようだ。オシッ。と俺は決意を固めるとナナミを静かに抱き上げた。いわゆるひとつのお姫さま抱っこというヤツだ。

 ナナミは小柄で華奢な体型なので、こうやって抱き上げていてもあまり腕に重さを感じない。ってか、やわらかくてふわふわで、何ともいえない気持ちいい感触だ。あぁ、出来るならもっとこうしていたい。…が、それは本来の目的に反するし、(ナナミの)宿題だってやらなくちゃいけない。む、無念……。

 ナナミを慎重にベッドの上に運び、そっと降ろしてやる俺。すると――、

 うぅん!

 突然ナナミは何だか悩ましげな声をあげた。

(ま、まさか俺を誘っているのかっ!?)

 俺の心臓の鼓動が瞬間バンッ!と跳ね上がった。全身に緊張が疾走る。俺はナナミを注視した。だが、あの一瞬見せた悩ましげなナナミの姿はなく、元の静かな寝息を立てているナナミがいるばかりだった。いやはや、どーして俺の早とちりだったようだ。俺はドンドンとうるさく鳴る心臓をなだめながらナナミの身体から手を離すと、眠るナナミの顔を見つめた。

 正直、俺はナナミにキスしたかった。あの鮮やかな紅色をした美味しそうな唇に唇を重ねたかった。こうして毎回、ナナミをベッドに運ぶ度に、俺はナナミにキスしたい誘惑に駆られる。ホント、キスしちゃおっかなー。と思うこと山の如しだ。

 しかし、女が眠っているのをいいことに、キスや他にもあんなことやこんなことをするのは男として卑怯じゃないだろうか?第一、キスした瞬間女が目覚めたらどうする?『眠れる森の美女』とかみたいな童話だったら目覚めた女はキスした男と恋に落ちてハッピーエンドだが、現実はそんなに甘いものであろうはずが無いじゃないか。

「チクショー。俺を悩ませやがるっ!」

 俺はひとり呟いた。そんな俺の気持ちも知らず、ナナミは相変わらず静かな寝息を立てている。…と、ナナミが、ふふっ、と声を立てて笑った。何か楽しい夢でも見ているのだろう。瞋拳(しんけん)も笑面を打せず。ってことわざにもあるけど、俺はこのナナミの無邪気な寝顔に弱いのだ。

 それにしてもだ。タンクトップ(&ノーブラ)にショートパンツだなんて、なんてラフなかっこなんだろう。これじゃあ、男に襲われたって言い訳できないじゃないか。う゛〜。辛抱たまらんっ!だいたい、ナナミは俺のことをどう思っているんだ?などと、とりとめもないことをグルグルと考える俺。…で、ふと時計に目を遣ると深夜二時五分。ヤヴァいぞ俺っ!三十分もナナミの顔を眺めてたのかっ!?うおぉーーーー!!

「イカン。俺の睡眠時間がなくなっちまうじゃねぇかーーー!」

 俺はナナミの体に布団をかけてやると、猛然とテーブルに向かい(ナナミの)宿題に取り組む。さっきまでは半ば悲愴な気持ち。だったが、今は本当に悲愴だ。正直、泣きたくなってくる……。何の因果でこんなことしてるんだろう?とか考えると自分が馬鹿に思えてきた。…で、人間、追い詰められれば追い詰められるほど余計なことが頭に浮かんでくるもので、俺の脳裏に、ふと、小説『走れメロス』の一節が浮かんだ。

――日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいいことは言っては居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!メロス。――

 うおぉぉ!そうだ、俺はメロスだ!俺はナナミに信頼されている。だから宿題をやらねばならないのだ。俺の明日の古文のテストなんぞ問題じゃねぇ。厄介ごとを持ち込んだのは寝ているナナミの方だなんてことも全然問題じゃねぇ。土下座でお詫び、などと気のいいことは言ってらんねー。俺はナナミの信頼に応じなければならないのだ。いまはただその一事だ。

「走れ!亮一。ぐぉぉぉーーー!!」

 俺は勇者メロスのように走った。

 荒れ狂う濁流のような二次関数のグラフ問題を泳ぎ渡り、襲い来る山賊たちのような邪悪な三角不等式問題を撃ち破り、めくらめっぽう獅子奮迅、疲労困憊の脳ミソと我が身にムチを打って走りに走った。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た…ような気がした。(これは勿論気のせいだが)メロスは沈む夕日を追いかけて走ったが、俺は迫り来る朝日から逃げるように走った。迫り来る朝日の十倍(俺比)も早く走った。走りに走りに走りまくった。

 そして、遂に宿題は終了した。



◇◆◇ 4 ◇◆◇




 頭の芯がしびれるような心地よい疲労感が俺を包む。窓の外からは、牛乳を配達する音や、朝刊を配達する音が聞こえてきた。街では朝を迎える準備が進んでいるようだ。俺はデジタル時計に目を向けた。深夜三時三十分。やれやれ、これなら四時間眠れる。

 俺はテーブルの上に広がったルーズリーフや筆記用具を片付け、テーブルを部屋の隅に押しやると、床に自分が寝るためのスペースを確保した。凝り固まった背中と首を伸びをして少しほぐすと、二つに畳んだ座布団を枕代わりに床に横たわる。すると、視線の先にちょうどナナミが見えた。ナナミはおだやかな笑みを浮かべながら眠り続けていた。

 ふと、ナナミがまだ男だった頃の記憶が俺の脳裏に甦った。

 その頃は俺もナナミもほんの小さなガキだった。年も同じなら身長も同じ。お互い、すぐ目と鼻の先に住んでいたこともあって互いの部屋を行き来する関係になり、俺たちはたちまち仲良くなった。俺たちはいつもどちらかの部屋に二人で入り浸っていた。枕を並べて同じ部屋で眠ることもしょっちゅうだった。毎日が本当に楽しかった。

「でもさぁ、ナナミ。俺たちはもう高校生なんだぜ?」

 俺は眠るナナミに囁きかけた。

 そう、俺たちはもう子供じゃない。昔は同じだった身長も今じゃ俺の方がずっと高くなっちまったし、ナナミだってずいぶん女らしい体つきになった。俺たちの関係は相変わらずだが、俺は知っている。俺はもう気付いている。昔のような関係を続けていくのは、ほとんどもう限界に近いことを……。

「なぁ、いつまでも何も知らなかった小さなガキの頃のようにはいられないんだぜ?」

 だがナナミは答えない。

 正直、俺はナナミのことが好きだ。俺はナナミを女として見ていて、ナナミを異性として愛している。これまでの親友としての関係を乗り越え、男女の仲になってもいいと考えている。出来るならば今すぐにでもナナミを抱きたいと思っているくらいだ。

 しかし、ナナミが今の俺との関係を変えたいと望んでいるのか、それが俺には分からない。俺はナナミの本当の気持ちを知らない。

 仮に俺がナナミに告白したとして、もしナナミが俺を拒否したら、ナナミはもうこの部屋には来なくなってしまうだろう。そして俺は恋に破れるだけでなく、ナナミという親友を失ってしまうことになる。だが、それでも俺は今のどっちつかずな状況に甘んじていたくはない。要は俺がナナミに告白するか否かが問題なのだ。告白しさえすれば答えは出る。ただ、いつ告白すればいいのか、なかなか踏ん切りが付かないんだよなぁ〜。

 とりとめもなくそんなことを考えていると、ふいに強い眠気が俺を襲ってきた。まぁいい。今はこの甘美な睡魔にすべて身を委ねて眠ろう。と、その時――!

 あぁん!

 ナナミが切なげな声をあげて寝返りを打った。

 拍子に掛け布団が、パサリ、と落ち、ナナミの体が露になった。何度も寝返りを打っている間にめくれたのか、タンクトップが胸のあたりまでずり上がり、ナナミの白くて柔らかそうなおなかが丸出しになっていた。そして、

(は、半乳してるじゃねぇーかぁぁーーー!!)

 乳首の部分はかろうじて見えなかったものの、小さいながらも形のよいバストの下半分が俺の目に飛び込んできた!ぐはぁっ!こうなると嫌が応もなく俺の脳ミソいっぱいに素っ裸のナナミが浮かび上がって広がり、

(やめろ。落ち着け。大人しくしてろよ、マイサン!)

 ええぃ、暴れるなっ!静まれーぃ!静まれーぃ!静まれ、静まれーぃ!この紋所が目に……静まれーぃ!静まれ、静まれーぃ!こちらにおわすお方を……し、静まれーぃ!静まれ、静まれーぃ!先の副将軍……静まれーぃ!静まれ、静まれーぃ!…って、俺は助さん角さんかっ!

 あ゛ー。静まんねぇー!収まんねぇー!眠気も吹っ飛んじまったじゃねぇか!ちくしょう。ナナミ!

「お前はホンっト小悪魔だよっ!」






お隣さん宅の小悪魔。<END>





あとがき


 最後まで読んでいただき有難うございます。

 私はこの文章を深夜に書いています。時計の表示は夜中の1時を過ぎてしまいました。多くの文庫作家が(おそらく)そうであるように、私も小説を書くときは一人です。集中力を乱されないよう、世間が寝静まる深夜12時以降に書くことが多いです。(ちなみに、本作のタイトルは元々は『寝るなっ!』でした)

 私の場合、目の前のディスプレイに集中できるよう部屋の電気は消し、照明は電気スタンドとモニターの明かりだけ、といった環境で執筆しております。これは余計なものが視界に入らないので結構良いです。

 …で、執筆に倦んで、ふと、キーボードを叩く指を止めると、私は周囲を薄暗く重い闇に取り囲まれていて、聞こえるのはCPUの冷却ファンが立てる小さな唸り声だけ。そんな時、窓から湿気を帯びたヒヤッと冷たい冷気に肩をなでられて振り返ると…、幽霊フォーーーーーーwwwwwwwwwww。

 無駄にテンションが高かったりします。

 いや、すっかり涼しくなって、山の木々も色づき始めて、栗ご飯も美味しくて、うっかり窓を開けたまま寝たら風邪をひきそうです。秋ですねぇ…。食欲の秋。スポーツの秋。読書の…。皆さん、読書の秋を満喫してますかっ!?(何なんでしょう。この後書きは?)



 ま、まぁ。そんな訳で、また次回作でお会いしましょう……ではでは。


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