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狩人 - 第2の石 -
作:DEKOI



「あつい〜〜〜〜、暑すぎるよ〜〜〜〜〜〜。」
 少女は大きく息をつきながらへたりこんだ。美しいブロンドの髪が汗でびっしょりと濡れた額にべったりと張り付く。
 ここはインド南西部にある森林地帯である。原始の色を深く残すその森にまるで一匹の妖精が迷い込んだかのように少女は輝かしく、そして美しかった。
 だがツインテールに結ったブロンドの髪は乱れ、快晴のごとく澄み切った青い目は辛そうな色を滲み出し、蕾のごとき唇はへの字を形作り、染み一つない艶やかな白い肌は汗でびっしょり濡れていた 。
「もうへこたれたか。情けない奴だな。」
「そう言ったって、この身体じゃ辛いよ〜。」
 冷たい目で見下ろす少年に対して少女は抗議の声を上げた。
 この美しい姿とは裏腹に言葉が野暮ったい少女の名前はアインという。彼女ほど変わった経歴の持ち主はそうそういないだろう。何故なら彼女はつい先日まではれっきとした男だったからだ。
 この世にはほとんど誰も知られていないが。『カオスクリスタル』という名の邪悪な力を秘める石が存在する。アインという名の少年が石を封印する為の存在として変身した姿がいまの彼女なのだ。
 その為、未だに自分が男だという気持ちが抜けていない。風呂に入る度、トイレにいく度、着替える度に自分が自分でないような感じを与えられ、ぎぐしゃぐしてしまう。
 しかもまだ慣れていない身体の為にすこし激しい運動しただけですぐ疲れてしまう。例えば原生林を銃器を抱えて歩くような事をしたりとか、だ。
 そしてへこたれているアインを冷たい目で見下ろす男の名前はクロウという。灰色の逆立った短髪と長くて赤いマフラーが特徴的な16、7歳くらいの若者だ。
 彼もまた特殊な存在である。彼がついている職業の名は「裏狩人」という。己の異能の力を殺人やテロ行為といった非合法な活動に用いる裏社会でも最も汚い部類にはいる職だ。
 クロウとアインは一応パートナー関係にある。アインが「カオスクリスタル」を見つけ出し、封印する存在ならクロウは彼女を守るガード役という訳だ。最もクロウ自体はアインのことをただのお荷物としか見てない節があるが。
「ふう、疲れたよ〜、ちょっとここで休もうよ。」
「もう少しくらい頑張れんのか。全く情けない奴だな。」
 あきれ返った目でアインを見つめるクロウだが、このままでは動きようがないと判断すると荷物を下ろした。
 そして荷物の中からボトルを取り出すとアインに放り投げた。慌ててキャッチしたアインは嬉々として中の水を飲みだした。
「ぷは〜、生き返る〜〜〜。」
「そうか。しかし本当にこんな所に石があるのか?」
「うん、あると思う。『感じ』るんだ。恐らくこの奥地に石は隠されているよ。」
 クロウの何気ない問いかけに対してアインは神妙な面持ちで答えた。石を探しだし、封印する存在として変身した彼女には、石のありかを感じ取れる能力が備わっているのだ。
 クロウとアインは手に入れた情報を元に、このインドの深い森林帯にやってきたのだ。その情報は彼らをサポートしてくれる少女と老いた元殺し屋から得たものだ。
 この森は古くから『迷いの森』と現地の者から言われており、一度入ったら何人たりとも外にでることが叶わないと伝えられている。現に、この森に分け入った者のほとんどが戻らないのだ。
 そしてはるか昔にこの森に1個の石が運び込まれ、それ以来この森は魔の森と化したという伝説があるのだ。そこで彼らはインドに飛び、そして森に分け入っていったのだ。
 しばし彼らは休憩をすると、再び彼ら森の奥に入っていった。そこが危険な場所と知りながら。


「参ったな・・・・・。」
「ど、どうかしたのか??」
 突然足を止めて苦虫を潰したかのような顔をしだしたクロウにアインはびっくりしたかのように問いかけた。
「方向感覚がいきなり狂った。いまどっちの方角を向いているのか分からん。」
「ええ!?」
 クロウのとんでもない言葉に慌てたアインは手持ちの方位磁石に目を向けた。だがアインの目に飛び込んできたのは・・・
「ああ、針がぐるぐる凄いスピードで回転してる〜〜〜〜!!!」
「だろうな。どうやらはまったらしい。」
「はまったって、そんなに落ち着いてどうしていられるんだよ! このままじゃこの森から出られないジャン!!」
 冷静にこの事態を受けとらえているクロウとは対象的にアインはじたばたと手足を動かしながら慌てふためいた。知らずうちに涙目にもなっている。
「落ち着け・・・・・どうせそのうち遅かれ早かれ、何かしらの妨害じみたことがくるのは目に見えていた事だ。どっちにしても俺達がやる事は1つだけだろう?」
「う・・・・しょれはそうかも知れないけどよ。でも・・・・」
「・・・・・アイン、お前はどっちだ?」
「へ?」
 クロウの突然の質問にアインは間の抜けた声で受け答えた。心なしかクロウの目には嘲りにもからかいにも似た色が浮かんできている。
「男か? それとも女なのか?」
「お、男にきまってるだろうっ。」
「そうか、だったら腹を括って頑張ることだな。「男」だったらな。」
「う・・・・・・」
 クロウの言葉にアインは鼻白んだ。そこに叩き込めるように冷笑を浮かべつつ言葉を重ねていく。
「どうした? やっぱりそれとも身体だけでなく心まで乙女に変わっちまったのか?」
「そ、そそそそそんな事ないだろっ!? ほ、ほら、さっさと行こうぜ!」
「ふん、無理をしおって・・・・」
「無理なんかしてない! ほら、いくぞ!!」
 ふくれっつらな顔をしながらどすどすと森の奥にいく少女の背中を見ながらクロウは苦笑を浮かべた。その笑みは彼にしては珍しく、少々やさしげだった。
「ふん、足手まといとはいえ少しは自分で動いてもらわないとな・・・。まあこれで少しはマシになったか。」
「どうした〜〜!? 早くいこうぜーーー???」
「やれやれだぜ・・・・・。」
 再び苦笑を浮かべるとクロウもまた森の奥へと分け入っていった。


「うわっ!!??」
「ふん、死体か・・・。」
 驚きびっくりするアインとは対照的にクロウはさも当然のものを見たかのように冷たくその現実を受け止めた。
 方角を見失った彼らを待ち受けたのは、木に寄りかかった一体の死体だった。既に何年も死んでから過ぎ去っていたのか肉が完全になくなっている服も着ていない白骨と化しており、雨ざらしになってであろうその身体には茶色のコケが生え始めていた。
「死んでから3年は経過しているな・・・まあ俺達の先客かそれともただ迷い込んだだけか・・・・。」
「うう〜〜〜〜」
「怯えるな・・・、ただの死体だ・・・・。今の所はな・・・・。」
 そう言って冷たくアインを見据えるクロウであったが、死体の周囲を見渡していて少々怪訝そうな表情を浮かべた。
「妙だな・・・・。」
「どうした?」
「遺留品が全くない。何かしら手がかりになるものが一つくらいあってもいいはずなのに全くないってのは・・・・いくらなんでもおかしすぎる・・・・。」
「小動物が持って行ったんじゃないのか?」
「ここに至るまで気配がほとんど感じられなかった。ふむ、そう言えば方向感覚がなくなってから全く動物の気配がしなくなったな。そういった意味ではこの森は「死の森」かもしれんな・・・・。」
「おい、怖いこと言うなよ・・・・。」
 クロウは怯えまくるアインを再び冷たく見据えるとやれやれといった感じで死体から離れた。
 そして懐から2丁の銃をとりだした。
 いや、それを『銃』というのは他の銃器に対する冒涜か。それは他の銃とは大きく異なる様子をかもしだしていた。
 ある組織が「最強の銃を作る」というコンセプトの元に多額の資産と膨大な時間、そして幾人もの実験台の末に作り上げた世界で最も狂った銃。その銃たちに与えられたコードネーム『キマイラ』。その伝説の幻獣の頭の名を冠した銃、「ゴートヘッド」と「ライオンヘッド」・・・・。いまその銃が今、最も侮蔑される職につく若者の手に握られていた。
「この辺りを探索してくる・・・・お前はここにいろ。」
「ええ、し、死体の側にいろってのかよ??」
「こういった方向感覚が狂った場所では死体ってのはいい目印になるのさ・・・・。何か来るかもしれんから一応銃でも構えておけ。」
 言いたいことを言い終えたのかさっさと少女を置いて少年は森の奥に消えていった。端から見ると凄く薄情な光景である。
「あ。ちょっと・・・・ああ、言っちゃったよ・・・・・。」
 1人で取り残された途端に不安が胸のうちから沸き上がってくる事を止めることができなくなっていた。その顔はどんどん泣きそうな表情に変わっていく。
「うう、怖いよぅ。昔はこの程度なら大丈夫だったはずなのになぁ、俺ってこんなに弱虫だったけ?」
 高性能で有名な短機関銃H&K MP5の小型版、H&K MP5を握り締めながらブルブルと全身を振るわし、できる限り死体に目を向けないようにあからさまに辺りを見渡すアイン。その姿は第三者から見たらはなただみっともない格好であった。
 そんな風に怯えながらクロウの帰還を待ちわびるアインであったが。

 カラン

「ふみゃあ!!!」
 いきなりすぐ側で鳴り響いた乾いた音にまるで驚いた猫のような叫び声をあげながら跳び上がった。
 慌てて音がした方・・・・死体の方を目を向けてみると、

 カラン、カラカラカラカラ・・・・カラン

 骨と骨がぶつかりあう軽い音をたてながら白骨死体が肉もないのに立ち上がろうとしていた。
「ひ・・・・・・・」
 涙を浮かべながらその光景を見ていたアインを白骨死体は顔を向けると、腕を伸ばして襲いかかろうとした。
 その直後。
「ひにゃああああああああああああああああんんんん!!!!!!!!」
 何を言ってるのか判別できない叫びをあげつつ持っている銃を乱射していた。その目から涙が流れてくるどころか怖くてつぶってすらいる。
 ずっと引き金を引き続け、弾倉の中の弾丸が空になってもずっと引き金を引き続けた。
「ふ、ふええ、えっく。」
 しばらくずっともう弾を吐き出さない銃の引き金を引いていたが、ようやく嗚咽まじりになりながら目を開けて死体を見た。弾丸の乱射を食らって白骨死体は粉々に砕け散っていた。だが。
「ひっ!?」
 砕け散った骨の破片から黒い靄みたいなものが沸き出して来るのを見て短い悲鳴をあげていた。それは徐々に集まっていくと一抱えのするくらいの大きな黒い霞を作り出した。その内部に下ひた笑みを浮かべる男の顔が写っているのは気のせいか。
 そしてゆっくりと、だが徐々にスピードをあげながらアインに向かって霞は動き出した。少女は恐怖のあまり動くことすらできない。そして声もだす事も。
 霞が少女に覆いかぶさろうとしたその瞬間、
 激しくも低い破裂音が辺りに木霊した。その直後には苦悶の声をあげながら霞は霧散していき、最後にはポシュっという音をたてて消え去った。
「ふん、さすがオルグが作った対霊魂用の弾丸だな。この程度の悪霊なら一撃で吹き飛ばすか。」
 少女は声に気がついて後ろに振り返ると、そこには銃を構えて立つクロウがいた。銃口から一筋の白い煙が立ち昇っている。
 アインはその光景を見るとへなへなと崩れ落ち、ぺったんこ座りで地面に座り込んでしまった。
 少女の様子を見て呆れ返ったかのようにため息を1回つくと、クロウは銃を懐に仕舞いこんだ。
「おい、大丈夫か。全く情けない奴だな。この程度でじたばたするとは・・・・。」
「もういやだ・・・・。」
「うん? なんだって??」
「もう嫌っ!」
「はっ?」
「こんな所もう嫌っ!! お家に帰るぅぅぅぅぅぅ!!!!」
 突然さけびだすと地面に寝っ転がり、じたばたと手足を動かし始めるアイン。その様は子供がデパートで駄々をこねる姿そのままであった。
「おい、何を言い出すんだお前は。」
「嫌ったら嫌っ!! 帰るったら帰るぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「男だろうが、この程度でへそ曲げてどうする。」
「かんけーないもん! お家に帰るったら帰るの!!」
「第一からしてどこをどう行ったら判んないんだぞ、それでどうやって帰ると・・・・」
「それでも帰るの〜〜〜〜!! もうこんな所いや〜〜〜〜〜!!!!」
 駄々をこねまくるアインを呆れ返った表情でなだめるクロウ。その様子は無防備以外なにものでもなかったが、不思議と次の追っ手がかかることはなかった。
 ただ単に悪霊たちが呆れ返っているから・・・・かもしれないが。


 その後、強引につっこまれたご飯で機嫌をすこし取り戻すと2人は更に森の奥――アインが感じる石の方向というなんとも頼りないものにだが――に進んでいった。
 それと同時に異変も彼等の周りに起き始めた。霊と思わしきものが彼等の周りをただよい始めたのだ。
 それは苦悶の表情を浮かべた女性の顔であれば、2人を嘲笑する男だったりした。遠くからはけたたましい笑い声が聞こえてきてアインをびくつかせた。
「ううう、怖いよ〜〜〜、ねーそんなにスタスタと歩かないでよ〜〜〜。」
「あのな、お前は元は男なんだろうが。なんだか性格がなよなよしてきてないか?」
 怖がって寄り添おうとするアインを冷たい目で撥ね付けるクロウ。だがそんな言葉をかけられたにも関わらず少女は少年の側から離れようとしなかった。
「こっちで合ってるんだな?」
「うん、そっちで合ってる・・・・ってちょっと待って。」
「どうした?」
 突然足を止めた少女をいかぶしげに見つめる。だが少女はあさっての方向を見ていた。まるで何かに気がついたかのように。
「うん・・・・なんか感じが違うような気がするんだ。」
「どういう意味だ?」
「なんか周りと違って・・・・そこだけきれいな気が流れてるような感じがする。気のせいかもしれないけど。」
 そう言うとあさっての方に指をさして神妙な面持ちになった。心なしか自信がなさげだ。
 だがクロウはそのアインの様子を見てしばし考え込んだが、なにかを決断したかのように真剣な顔で少女を見つめた。
「この瘴気まみれの森に清浄な気か・・・・。なにかあるかもしれんな、案内しろ。」
「う、うん。わかった。」
 少年にうながされて少女はうなずくと、とことこと足早に歩きだした。少年も黙って追いかけていった。


「なるほど・・・・確かにここは・・・・。」
 アインが案内した場所は岩肌が滑らかな洞窟の1つであった。奥行きは5mくらいである為、洞窟というよりも岩穴と言ったほうが正しいかもしれないが。
「俺でもはっきりとわかるな。たしかにここは辺りと違って汚れた気配がしない。それどころか教会のような清らかな気が漂っている。しかしよくこんな所に気がついたな、たいしたもんだ。」
「え、そうかい? えへへへ・・・。」
 めずらしく褒められたのでアインは思わず頬を染めて恥ずかしがった。その様子はとても愛らしいものであったが、目の前の少年にはまるで反応がない。
 だが別の目が少女の姿を見て反応した。
『はあ可愛い女の子だなぁ。ウブな反応をして。』
「誰だ?」
「だ、誰がウブな反応だよ!?」
 突然あがった声にクロウは即座に反応すると銃を引き抜いて構えを取った。もう1人は全然別な事に反応したようだが。
 クロウは鋭い目で辺りを見渡す。すると洞窟の最奥に何か白いものが目に入った。それは・・・・
「・・・・・・妖精?」
「わぁ、可愛い。」
 少年はいかぶしげに目をしかめ、少女はきらきらと目を輝かした。彼らの視線の先には一つの人影が笑っていた。
 それの高さは20cmくらいか。緑色のロングヘアーをした人形に白いトンボのような4枚の翼がついている。見た目の年齢は10歳で、顔に対して大きめな目は髪の色にあわせたような緑色をしていた。白いワンピースのような物を着た姿はまさしく絵本から抜け出してきた妖精そのものであった。
『ふふふ、ひさしぶりに会話ができる奴にあえたな。・・・・・コラコラ、そんな物騒なモノをこっちに向けるな。』
 見た目に反映したような玉を転がしたような可愛らしい声だ。
 クロウは無愛想に銃を妖精に突きつけるだけだったが、アインは妖精の口調にちょっといかぶしげに眉を細めた。なんだがその声と口調が合っていない気がしたからだ。
「なんだか、口調が可愛くない・・・・。」
『フフ、しょうがあるまい。なんせなりたくてこんな姿になったわけではないからな、ワシは。』
「わ、ワシィいい??」
 コロコロと笑う妖精に対して唖然として目を丸くするアイン。クロウも面を少し食らったのかちょっと眉をひそめた。
「おい妖精モドキ。」
『も、もどきってお前な。ワシにれっきとしたちゃんとした名前が・・・・・名前が・・・・あれ?』
 クロウのあまりにもひどい言葉に頬をふくまらせて怒る妖精。だがその言葉は途中で尻つぼみになり、何かを考え込むかのように頭を傾けだし始めた。
「どうしたの、妖精ちゃん。」
『えーっと、ワシの名前・・・・名前なんだったっけ・・・・? 長年使ってないからすっかり忘れてしまったわい。』
「ふーん、名前忘れちゃったのか。じゃあ俺が名前を仮につけてあげるよ。ピクシーだからピーちゃんね。」
『ピ、ピーちゃんって何か安直な名前の気が・・・・あう。』
 名前に文句があるような様子を見せた妖精だが、アインがグワシと掴んできたので思わずうめき声をあげた。アインはニコニコと笑いながらも片眉を吊り上げている。
「ふっふっふ。くやしかったら自分の名前を思い出しなさい。いいわね、ピーちゃん。」
『わ、わかりました。わかりましたから力を込めないでぇ・・・・。』
 承諾の言葉を聞いて妖精を掴んでいた手を開放した。ケホケホと咳こみながら妖精――ピーちゃんは身体を振るわせた。
『ふ〜、ひどいなあ。この身体はもろいのに。』
「そんな事はどうでもいい、妖精モドキ。聞きたい事があるから答えろ。」
『もどき、もどきってお前な、さっきから何ていう言い方・・・・わかった、わかったから銃でぐりぐりしないで。』
 ふくれっつらして答えようとピーちゃんに対して、ピーちゃんよりでかい銃でこづくクロウ。端から見ればいじめているようにしか見えない。
「・・・・・この場を清めているのはお前だな? そもそもお前は何者だ?」
『まあ、確かにワシがこの場所を清めているがな。そっちこそ何でこんな魔の森に入ってきたのだ? その装備からしてどうやら意味があってこの森に入ってきたみたいだが。』
「質問を質問で・・」
「えっとね、ピーちゃん。俺達はこの森にあるという『カオスクリスタル』という石を封印する為に来たんだよ。」
 1人と1匹の会話が一悶着しそうな気配を敏感に察知してアインは2人(?)の間に分け入ると、森に入ってきた理由を端的に説明した。
 それを聞いてピーちゃんの顔色はさっと変わった。まるで何か悪い事を聞いた子供みたいな変わりぶりだ。
『石を封印? という事はお主等はあの殺傷石(さっしょうせき)が目的でこの森に入ったのか?』
「ピーちゃん、石の事を知ってるの?」
 アインの言葉を聞いてピーちゃんはもじもじとしだした。親に叱られた子供みたいな仕草のように見える。
『うん・・・・知ってるよ。そもそも石をこの森に持ち込んで、この森を魔の森に変えたのはワシなんだからな。』
「ええ!?」
「どういう事だ。説明しろ。」
 驚くアインを押しのけるとクロウは問いただした。ピーちゃんはバツが悪そうに下を向いて唇を噛んでいたが、意を決したように顔をあげた。
『石を封印って事からして、お主等はあの石を悪用しにきた訳ではないようだな。だったら話してもいいかもな、ちょっと長くなるけどな。』
 そう言うとピーちゃんはとうとうと話を始めた。それは遠い昔の話であった。



『・・・・・・・・・・・もう何百年も前の事だったかな。ワシはある国の家臣をしていた。小さな国だったけど、心やさしい王と活気のある民に恵まれたいい国だった。
 ある日。ワシは家来から譲り受けた小さな石を王に献上したのさ。内側から七色の光を放つ不思議な、だけどとても綺麗な石だったよ。
 その石を王はいたく気にいられてね。ワシは王が喜ばれて大変よかったと思ったよ。
 だがその日を境に王の様子が段々と変わっていったのさ。心やさしい方だった王はいつの間にか人々を恐怖で縛る暴君と化していた。
 王は兵を集めると隣国に攻め入っていった。何故かはその当時はわからなかったけど、多分石のせいかね、兵は死を恐れぬ凶器と化し連戦連勝を重ねていったよ。
 攻め取った国に対して王は徹底した弾圧をして民を痛みつけた。更には若い娘達を生贄として差し出させて呪術まがいの儀式を行ったりした。
 国の領土は広がっていったが、どちらかと言えば王の恐怖が蔓延していった・・・って感じだね。ワシは何もできずに日々王の機嫌をそこねぬように縮こまってばかりいた。
 そしてある日、ワシは見た。王が若い娘を生きたまま食べている所を。王は心だけでなく身も化け物に変わってしまったいたのさ。
 そんな風に恐怖に満ちた日々が続いていたある日、1人の僧がワシの家にやってきた。そしてワシにこの国の王は七色に光る石を持っていないかと聞いてきた。
 ワシは持っていると言うと僧は『その石はわが国では殺傷石と言われる災いを呼ぶ石。恐らく王は石にとり憑かれたと思われます。つきましては私が王の下に連れて行って下さい、必ずや王から石を取り除いてみせましょう。』と言ったのさ。
 ワシは僧の言葉を信じて彼を王の下に連れて行った。
 そしておもむろに王と僧の戦いが始まった。巨象すら超える体躯の魔物に変貌した王に対して僧は優れた法力で戦った。
 戦いは3日3晩続いた。ワシはその目の前で起こっている超常な戦いを縮こまって見守り続けた。
 戦いは僧の勝利で終わった。僧の渾身の法力が王の体内から石を取り出すことに成功したのだ。
 だが僧は傷つき、既に虫の息であった。恐る恐る近づいたワシに向かって僧は石を差し出しながら言った。
『この石をどこか人里はなれた場所に捨ててください。この石は災いの石。最早私には封印するだけの力も残っておりません。どうかよろしくお願いします・・・・・。』
 そう言うと僧は息絶えた。ワシは一瞬迷った。だがこの国をこんな風に変えたのはワシが原因でもあったしな。
 そしてワシは人里はなれたこの森の一番奥まった所に石を捨てると、この岩穴で息を絶った。ワシの口からあの石の事がばれるのを恐れたからじゃ。
 ふと気がつくとワシはこの身体になってこの岩穴にいた。男のワシが何でこんな姿になったのかわからんが、まあ恐らくあの石を持っていた影響じゃないのかな?
 そして何とか翼で空を飛ぶ事を覚えると穴の外にでた。いきなり悪霊に襲われたがな。
 どうやら石がこの森に隠された事を知った王達が兵を集めてこの森に探索しにきたらしいのじゃ。その結果石の魔力に侵されて殺し合いをし、この森に大量の悪霊が住み着くようになってしまったのじゃ。
 そして悪霊が悪霊を呼び、この森には想像を絶する量の悪霊達が潜む魔の森と化してしまった。この森に入った生者もまた悪霊に惑わされて悪霊の仲間入りをされてしまう・・・・・。』



『ワシのできる事は少しでもこの森に入った悪霊達を浄化する事だが・・・・、なにぶんこの辺りの悪霊はこの森に引き込まれている為におぞましい量でな、この辺りを浄化するのが精一杯な訳だ。』
 長い長い話が終わり、静寂が辺りを包んだ。
「・・・・・この話から仮定するならば、悪霊達がこの森に留まっている原因となる核は、石と見ていいだろうな。」
「えっ、どうしてさ。」
「石は悪意を好む。恐らく石にとってこの森の今の状況は好ましい状況なはずだ。だから石を1回でも浄化する事ができれば恐らく悪霊達は行き場を失い、この森から開放されるはずだ。ひいて言えばこの森から脱出する事ができるはず・・・・・。」
『じゃろうな。ワシもそう考えて石を浄化しに行こうとしたが悪霊達がまるで石を守るかのように立ちはだかって石の下に行く事はできなかったがな。』
 クロウの言い分に同意するようにピーちゃんは言った。そしてそれを確認するとクロウは銃を持って岩穴の出口に向かって歩き出した。
「おい、どこに行くのさ?」
「石を浄化しにいく。アイン、お前はここにいろ。」
「え、なんでさ?」
「下手に悪霊にとり憑かれて敵にまわったら面倒だしな。お前は石を封印する役目がある。だからここにいろ。」
「で、でも石がどこにあるかわからないだろう?」
 尚も食い下がるアインにクロウは一笑して返した。
「さっきまでの案内で大体の予想はついている。それに悪霊共は石を守っているのなら悪霊が襲ってくる方向に石があるって事さ。」
「でも・・・。」
 それでも尚も何かを言い出そうとするアイン。彼女にしてみれば自分の使命をクロウに押し付けるようで悪い気がしているのだ。彼女なりにカオスクリスタルを封印する使命を重く捉えている。
 そんなアインの態度に対してクロウはクルリと振り返ると、冷たい視線で少女を見つめた。その視線には侮蔑と呆れかえったものが入り交ざったものであったが、ほんのわずかに少女を気にかけている感情が入っている気がするのは気のせいか。
「アイン、お前はさっき悪霊に襲われそうになった時に慌てふためく事しかできなかった。そのお前が大量の悪霊が襲いかかってくる状況になっても戦力になりうると思うか?」
「う・・・。」
「俺は表の狩人の奴らのような綺麗事を言うつもりはない。だが俺にも決めた事がある。依頼は必ず完遂する・・・・、これだけは表も裏も関係ない約束事だ。」
 クロウはそこまで言うと彼には珍しく微笑んだ。その笑みには微妙な照れとそして少女を気にかける思いが確かに含まれていた。
 その笑みを見た瞬間、アインの胸が一拍高鳴った。頬を中心にまるで熟したトマトのように顔全体が真っ赤に染まる。
「お前にはお前の役割がある。そしてこういった荒事は俺の役割だ。お前はここにいてお前の役割が来るまで待っていろ、いいな?」
「う、うん。わかったよ。じゃあ俺はここにいるね。」
 少女の言葉を聞くとクロウは再び無表情になった。そして銃を両手に構えると岩穴から出て行った。
 残されたのは緑色の髪の毛をした妖精と未だに顔が真っ赤な少女。
『のう。あ奴本当に1人で大丈夫なのか。』
「大丈夫だよ、あいつ凄く口が悪くて態度も悪くて根性も曲がってるけど、凄く強いから・・・。」
 心配げにクロウが去った方向を見続けるピーちゃん。対して熱にでもやられたかのようにぼぅっとした口調でアインは答えるのであった。
 どうでもいいが本人がいたらぶん殴られても文句言えない言葉である。案外、照れ隠しなのかもしれないが。
 
 
 クロウは1人森の奥に走っていった。辺りには黒い霞のようなものが漂い続けているが段々とその量が増えてきていた。
 そしてある地点でクロウの足がぴったりと止まった。両手に持った銃が木々の間からこぼれ出る月光に照らされ鈍い色に輝く。
「くるか・・・・。」
 クロウの辺りの木々の枝が異様な速度で伸びていった。そしてまるで怪奇映画の触手のようにクロウめがけて襲いかかった。
 枝がクロウに覆いかぶさろうとした次の瞬間、クロウは地を蹴っていた。空(くう)に残像すら残す速度で枝達の追撃をかわす。
 そのクロウの前に白い靄が現れた。次の瞬間それは苦悶と怒りの表情を浮かべる男の顔になり奇怪な叫び声と共にクロウに向けて勢いよく突っ込んでいった。
 しかしその超常現象に対してクロウは慌ても騒ぎもせず更には地を駆る足を止めもせず、左手に持つ銃を前方に向けると一発弾丸を放った。カウンター気味に入った弾丸は亡霊を悲鳴をあげる事すら許さずにこの世から強制的に排除した。
 だがそれをきっかけにかは判らないが、クロウの周囲を百を超える数の靄が生まれ、それは人間の顔に変貌した。老若男女、それらの顔には同じ顔は1つとしてなかったが浮かび上がっている表情は皆同じであった。苦悶と、そして生きとし生ける者への憎悪と怒りだ。
 亡霊達は一斉にクロウに襲いかかった。同時に木々の枝もクロウを襲う。それらをクロウは超人的なステップでかわし、両手に握られた「キマイラ」の双頭から放たれる弾丸で迎撃していった。
 クロウは着実に自らが目指している地点にめがけて近づいていた。だがそれに比例するかのようにクロウに襲いかかる亡霊の数もまた増していっていた。
 亡霊の中には手足を持ってクロウに襲いかかるものも出始めた。クロウはそれらの亡霊が繰り出す手足の攻撃からも身を翻して避けていった。
 しかし多勢に無勢。亡霊の手足の爪が、枝の穂先がクロウをわずかに捕らえ、少量なりとも血を流させた。わずかに走る痛みがクロウの集中力を削いでいく。
 とうとうクロウは行きゆく足を止めて迎撃と回避に忙殺する状態に陥ってしまった。亡霊と枝の猛攻は更に激しさを増し、クロウの身体に幾多の傷を作っていった。
 クロウの顔に苦渋の色が濃くなっていった。傷は彼の集中力を削ぎ、動きを鈍らせてきていた。
「しかたない・・・あれを使うか・・・・!」
 目を閉じ、何かに集中するかのようになるクロウ。それを絶好の機とみたのか亡霊と枝は一斉にクロウに躍りかかった。


「・・・ピーちゃん。何だか寒くなってきてない。」
『うん? そうなのか?? ワシはこの姿になってからは寒さ暑さには鈍感になってしまったようなのじゃが・・・。』
 不安げに両肩を抑えて震えるアインをピーちゃんは不思議そうに見つめた。
『まあ外でも見てくるよ。』
 そう言うとピーちゃんは岩穴の外に飛んで出て行った。すると
『な、なんじゃあれは!?』
「どうしたのピーちゃ・・・なんだよあれ!?」
 いきなりあがった素っ頓狂な声に驚いて岩穴から出てきたアインは目にとび込んできた光景に驚きの声をあげた。
 彼女等が見た光景、それは月光に照らされた森の上空を白い粉末状の何かが浮遊している光景であった。それは月の明かりに照らされ美しくも幻想的な趣を生み出していた。
「ダイヤモンドダスト・・・?」
 テレビで見たことがある光景に思わずアインは呆然とそう呟いていた。


 シュワアァァァァァァァァ

 突然浴びせられた冷気に亡霊たちは悲鳴をあげながら凍りつき、次の瞬間には砕け散った。
 目を閉じているクロウから想像を絶する冷気が迸っていた。それは辺りの木々を凍りつかせ、音を立てながら崩れ落ちさせていった。
 そしてクロウの目は開かれた。黒かった瞳はその色を深い藍色に変貌していた。
「かはあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 叫びと共にクロウは両手を振るう。それにあわせたかのようにダイアモンドダストは舞い、それに触れた木々達が、亡霊達が凍りつき砕け散っていく。
 再びクロウは地を蹴った。進みいくクロウを亡霊たちは止めようとするかのように挑みかかるが、彼の周囲にまとわりついただけで凍りつき、霧氷と化した。
 千を超える数の亡霊を退けながらクロウは森の最奥目指して走り続けた。
 そして走る事十数分後、一気に視界が開けた。クロウが到達した広場の中央には多くの樹木が交じり重なりあい、途方もなく巨大な1本の木を作り出していた。
「恐らくここだな・・・。」
 クロウはそう言うと辺りを探索しようと一歩前にでた。すると、

 うおぉ――うぼおぉぉぉぉぉ――――

 辺り一面を不可解な叫びが木霊する。それと同時に巨木の前に白い靄が大きく立ち昇り始めた。
 靄は徐々に1つの形を作り上げていった。それは1人の少女の姿だ。しかしそれはどこか病的に侵され死を連想させる。見上げるような大きさの少女の幻像はぎょろりと目をクロウを睨みつけた。
 そして少女の眼球が徐々に上を向いていく。それと同時に目から赤い血が流れ始めた。そして目が完全に白目になった瞬間、少女の口が大きく縦に裂けた。

 きゃああああああああああああああああ

 耳を突き刺すような悲鳴があがる。そしてつい先ほどまで少女の形をしていた何かは凄まじい速度でクロウに襲いかかった。クロウは無言で後ろに跳んだ。
 ドスンという重い音が辺りに響き渡る。高いところから落とされたトマトのように潰れた巨大亡霊の顔からうぞうぞと幾多もの亡霊が這い出てくる。亡霊たちは立ち上がるとクロウに襲いかかった。
 だがクロウに触れようとする亡霊は皆、凍りつき霧氷と化した。それでも亡霊たちは知性がないのか襲いかかる。
 そんな亡霊たちを尻目にクロウは2丁の銃を前方に構えると引き金を引いた。青白い力場を纏って弾丸は空を舞い、亡霊たちを粉みじんにしながら突き進み、巨大亡霊の顔面に突き刺さった。瞬時のうちに巨大亡霊を凍りつき音を立てながら砕け散る。
 続いてクロウは巨木に向けて銃を放った。すると巨木を形成する木と木の間から大量の亡霊があふれ出し、まるで木の盾になるように立ちはだかった。弾丸は亡霊たちの壁に阻まれて木に触れる前に落ちてしまう。
「やはり石は木の中か。・・・ならばっ!」
 クロウの叫びと共に2丁の銃から1発づつ弾丸が発射された。弾丸は木から大きく離れて飛んでいく。そしてまるで意思を持つかのように巨木を中心に回転運動を始めた。
 弾丸は細かく震え、お互いに衝突しあった。そして遂には白熱し始めた。白熱した弾丸は光の尾を引きながら巨木を囲むように飛び続ける。
 弾丸から放たれる光はとうとう巨木を囲みきった。それはさながら白く輝く巨大な光の繭だ。繭はまばゆいばかりの光と凄まじい高温を放つ。
 クロウは両手の銃をくるくると回転すると両手の銃を交差させた。そして銃口を光の繭に向けた。

「Jack Pot!!」

 叫びとともに弾丸が放たれた。弾丸は空気を切り裂きながら飛んでいき、光の繭に突き刺さった。
 次の瞬間。すさまじい轟音と共に光の繭がはじけ散った。そしてその衝撃は繭の内部に恒星の爆発に匹敵する温度を生み出し、巨木を瞬時に蒸発させた。

 うおぉぉぉ〜〜〜〜〜ん

 凄まじい叫び声が森全体に木霊する。そして森から幾万もの光が空に駆け上がり、虚空に消えていった。


「・・・・・ふうっ、なんだよ今の声は・・・。ピーちゃん大丈夫?」
『ああ、大丈夫じゃ。』
 突然轟いた叫び声に思わず目を閉じ、耳を押さえてしゃがみこんだアインはどうやら収まったらしいと判断するとのろのろと立ち上がった。その横をピーちゃんが寄り添うように飛んでいる。
「あれ? なんか森の雰囲気が・・・。」
『うむ、悪霊達の気配がしなくなったわい。どうやらあの男は石の浄化に成功したようじゃな。』
 アインの周りをピーちゃんは嬉しそうにくるくると回りながら飛んだ。アインも楽しそうにその様子を見ている。
 しばらくすると、彼女等の前にひとつの人影が現れた。それはクロウであった。全身のあちらこちらから血を流しているが足取りははっきりしている。そして瞳の色は元通りの黒に戻っていた。
「あ、クロウ。無事だった・・どうしたの、その傷?」
「たいした事ない、出血はあるが軽傷だ。それよりも、ほらよ。」
 心配そうにクロウにかけよるアインを押しとどめると、右手に持っていた物をアインめがけてほおり投げた。慌ててアインは投げられた物をキャッチする。それは内側から七色の光をはなつ小さな石であった。
「あ・・・」
『殺傷石、いやさカオスクリスタルじゃな。』
「そうだ。さっさと封印しろ。」
 クロウの言葉を聞くと黙ってアインはうなずいた。そして・・・
『お、おい!? お主なにを・・・??』
 アインは石を口に含むと飲み込んだ。その様子を見てピーちゃんは慌てだした。
「大丈夫だよ、ピーちゃん。俺はカオスクリスタルを封印する存在だから、こうやって体内に石を入れても大丈夫なんだ。」
『そ、そうなのか? ワシはてっきり化け物化するかと思ったわい。』
「こいつが大丈夫だと言ったら大丈夫なんだろうよ・・・。それよりピー坊、これからどうする。」
『えっ?』
 突然クロウに声をかけられて戸惑うピーちゃん。名前で呼ばれて心なしか嬉しそうだが。
「もうお前が森にいる意味はなくなったはずだ。カオスクリスタルが封印されても存在している時点でお前は完全に自由の身だ。どうするつもりだ?」
『あ・・・そうじゃな・・・。う〜〜〜んと、じゃあできるなら・・・』
 
 
「ピーちゃん。顔だしちゃダメ。」
『そう言われてもこんな狭いところにずっといられんわい。』
 ここは飛行機内。アインが抱える小さなバックのなかにピーちゃんは入っていた。
 ピーちゃんがだした答えはアインについて行きたいという事だった。カオスクリスタルの事が気にかかっていたし、何より「友達」のアインと一緒にいたいという思いからだった。
「ピー坊。ごちゃごちゃ騒ぐな。ばれたら面倒なんだからな。」
『そう言われたってこの中はいこご地が悪いんだからしょうがないじゃろ? それからピー坊なんて呼ぶな。』
 ぷんっとむくれてそっぽを向くピーちゃん。それを楽しそうに見るアイン。そして、
「・・・やれやれだぜ。」
 軽くため息をつくとクロウは目を閉じるのであった。



 <あとがき>という名の戯れ言

 ハイ! 狩人28作目をお届けさせてもらいますです。この頃執筆速度が遅いデスね!FF11にどっぷり浸かってますね!!いいのかな!?人として!!

 まあそれはともかくとして狩人もなが〜く執筆させて頂いてますが、主人公がTS関係に全然タッチしない作品なんて、こちらの文庫じゃ全然全くさっぱりないのに気づいてちょいびっくり。いやあいいのかなこんなんで。

 さてこれで狩人2部の前半が終わろうとしています。これから中盤そして終結に向けて作品が進むわけなんですが。

 書けるのかな。この頃文章能力に疑問を抱いていますので。まあ気長に書いてこうと思います。

 それではまた皆様とお会いできることを願いつつ筆を置かせていただきます。またお会いしましょう。

 by DEKOI




<<18歳未満おいてきぼりコーナー>>


 あ、さて。Xchange3というゲームが昨月発売されました。

 このゲームは「性転換 ゲーム」でググルといきなり頭にでてくる(2004/07/21 現在)エロゲ。クラウドという会社が作っているこの作品で3作目の主人公が女性化する作品です。ちなみに御社では一番売り上げが高いシリーズだそうです。TSも捨てたもんじゃないね! エロゲだけど

 さてTS作品という事もあり、Xchange、Xchange2もやった事がある私としてはやっぱり手を出すべきだろうと考えて購入してやりました。ちなみに私いま休職中。ついでに言うなら自宅療養中親、います。こんな状況でエロゲに手をだす私は勇者と言っていいでしょう(ただの馬鹿たれ)。

 とりあえずやってみました。

 感想。エロイなあ。以上。

 いや待て、もうちょっとあるだろう。という訳で再プレイ。

 全てのエンディングを見たわけではない(やる気が失せた)のですが、まあなかなか楽しめるゲームです。

 ただ言わせてもらうと主人公が女性になるのになれているという事と、変身した時点で喋り方が女性のになるって事に不満があるといえばありますが。

 ほとんどが元の男性に戻るエンドですが、女性化したまま終わるエンディングもしっかりあります。ハッピーエンドで。バットも結構ありますが。

 またTS化した人物は不幸というのが決定ずけられているのもミソかもしれません。まあそれが全部エロに繋がっているのが残念といったら残念ですが。エロゲですからしょうがないですけどね。

 TS作品としては楽しめるかというと微妙な線かも。ですが女性になった事による葛藤とかそういったものもあって楽しめます。あとXX染色体の方が生物として安定してるとかいった何とも女性化作品としてニヤリとさせる所もあってなかなか心憎いです。

 まあ18歳以上の方は1回試してみてもいいかなぁと思わせるゲームです。Xchange1、2のリメイク版も近日発売されるそうなのでやってみてはいかがでしょうか。

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