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狩人 - 第1の石【後編】 -
作:DEKOI



6:最強の銃
 
 あの石をこの家に最初に持ち込んだのは母さんだったよ。母さんは昔っから宝石といったきれいな石を集める癖があってね。
 ある時、母さんはあの石をあたいら家族にみせびらかしたんだ。まあ気持ちはわかるよ、事実あの石はとても綺麗な石だったしね。内側から七色の光を放って輝いてさ。
 そしたらパパが石を見た途端にその石をほしがり始めたんだ。今まで宝石なんて金の元としか見てなかった男がだよ? いま思えばあの時点で既に石に魅入られていたんだろうね。
 もちろん母さんは断ったさ。そしたら大喧嘩が始まっちゃってね。まあそれを気にどんどん二人の仲が悪くなっていったよ。
 でもそれ以上に、親父が日に日におかしくなっていってたんだ。当時のあたいには気がつかなかったけどね。でもいまにして思い出してみれば、あきらかに異常だったよ。
 そしてあの日、パパは母さんの部屋に押し入ると石を奪ったのさ。・・・・・母さんを殺してね。
 その時点であたいはパパを糾弾しようとしたよ。でもあの目を見た途端、何も言えなくなっていた。あの何かに捕りつかれた、奥で異様な光を称えているあの目をね。
 それからパパは地下室に閉じこもると、部下に命じて老若問わずに女性をさらって来させる様になった。そして下水道には何かによって食いちぎられたかのような女性の死体が浮かぶようになった。何が起こっているかは、容易に想像できたわ。
 ある日おもいあまって部下を数名つれて銃を片手に部屋に飛び込んだ。そこで何を見たと思う?
 顔の形はパパみたいだったよ。でもその体は最後に見たときから5倍以上に膨れていたね。しかも肌の色もまるで白いペンキを塗りたくったかのように真っ白になっていたよ。目も、瞳がなくて白目だけになってた。そして「ソレ」はちょうど食事の真っ最中だったよ。・・・・小さな女の子を丸呑みしてたのさ。
 あまりの気色の悪さにあたいは銃を撃った。部下も一緒に撃ったわ。でも弾丸は当たって穴は開いたけど赤い血は一滴も流れなかったわ。
 あたい達の行動を見ると「ソレ」はにんまりと笑ってね。そしてあたい達に向けて口を開けた。すると突然あたりを七色の光が照らしたのさ。
 その次の瞬間には「俺」は「あたい」に変わっていたよ。部下もね。
 一体なにが起こったのか当初わけが分からなかったよ。でもあいつは意味あってあたい達を変えたのさ。だってその後、あいつはあたい達を・・・・・。
 あんな事されたせいかね、あたい以外はみんな発狂して、あいつの餌になったよ。辛うじて正気を保ったあたいだけが必死になって逃げ出したのさ。後ろであいつが笑ってたのが聞こえてたよ。
 そして今、あたいはこの家であいつが暴走しないように見張っているってわけさ・・・・・


 オルグは話を終えると一回深くため息をついた。その目にはうっすらとだが涙が浮かんでいる。
 対してクロウはオルグに銃を突きつけたまま無表情に話を聞き入っていた。そしてオルグの話が終わると同時に銃をおろした。
「なるほど。ライバートは地下室か。」
「ちょっと、本当にあれと戦うつもりなの? あれは不死身なのよ?」
「俺の目的は"石"だ。それを持ってる奴がわかった以上そいつを倒すだけだ。不死身というが本当かどうか疑わしいしな。」
 そういい捨てるとクロウはきびすを返してドアに向かって歩き始めた。その光景をオルグは神妙な顔で見つめていたが、何かを思い立ったのか口もとをひきしめると小走りでクロウの前にまわりこんだ。
「・・・・なんのつもりだ。」
「ねえ、その銃であいつと戦うつもり?」
 心配そうな顔でみつめるオルグに対してクロウはぶっきらぼうに頷いた。
 事実、彼は裏狩人として今もっている銃で幾多もの怪異を撃破してきたのだ。今回ももちろんそのつもりだった。
 だがクロウの答えに対してオルグはあきれ返ったかのように顔を横にふった。そして真剣な眼差しでクロウを見つめなおす。
「あたいがあいつを撃った時の口径は実は45口径だったのよ。それに部下にはマシンガンとか持ってぶちかました奴もいたし・・・。はっきり言ってその銃じゃあいつは倒せないわ。」
 そう言うとオルグはベットに向かって歩き出し、そしてしゃがみこむとベットの下から何かをとりだした。
 それは幅80cm近い大きさを持った大きな銀色のアタッシュケースであった。それを重そうに持ち上げるとクロウの前に持っていった。
「あいつを倒す方法をあたいは考えていた。導きだした答えは45口径の銃を超える圧倒的な火力とマシンガン並みの連射力でもってあいつの体を根っこからこそぎ落とすこと。そしてあたいが見つけ出したのが・・・・これさ。」
 そう言うとオルグはアタッシュケースを床に置き、静かにケースを開けた。
 ケースの中には2丁の拳銃が収められていた。いや、これを「銃」と呼ぶべきか?
 最強の自動拳銃、デザートイーグルの全長は260mmである。だがこの2つの「銃」は形こそ自動拳銃の形をしていたが大きさはその倍以上の大きさ、およそ700mmにおよぶ大きさを誇っていた。
 2つの銃は一方が白に、もう一方は黄色に塗られていた。そして白い銃のグリップにはヤギの頭の、黄色の銃のグリップには獅子の頭の刻印が打ち付けられている。
 それはあまりにも異様な物であった。本来ならありえない造りであることは誰が見てもあきらかであり、それでいながら神の手を持つ細工師が手間隙かけて作ったかのような精巧さも持ち合わせていた。
「・・・・・・なんだ・・・・これは・・?」
 2丁の銃がかもしだす威容さにまるで押されるかのように、思わずクロウはうめき声をあげつつオルグに問いかけていた。
「『ゴートヘッド』と『ライオンヘッド』・・・・・。あるいかれた組織が「最強の銃を作る」という理念の下で作り上げた『キマイラ』の頭だよ。」
 クロウの問いに答えつつオルグは青年の顔をじっとみつめた。その目には強い意志がこめれている。
「変わっちまったあたいの腕じゃこいつは扱えなかったわ。そして他の誰もこの銃は扱えなかった・・・。でもこの銃ならあいつを殺せる。」
「・・・・俺にこの銃が扱えるかというのだな?」
 再び無表情の顔に戻ると淡々とクロウは少女を見つめながら言葉を放った。対して少女は何も答えず、ただ頭を縦にふるだけであった。
 しばしの時が過ぎた。いやほんの数秒だったのかもしれない。だがそう思わせる緊張が二人の間に流れた。
 そして、おもむろにクロウはしゃがみこむとアタッシュケースに収められていた2丁の銃をとりあげた。一瞬、怪訝そうに顔をしかめたが銃を持ち上げるとさきほどまでオルグが寝ていたベットを目がけて構えた。
 引き金が引かれた。そして次の瞬間には豪奢なつくりのベットが大きく跳ね上がった。つづく銃声によってベットは空中で破裂し、轟音をたてつつ崩れ落ちた。
 銃をかまえたまま静止するクロウに対してオルグは砕け散ったベットを呆然と見ていた。
「すごい、本当にそいつが使える人間がいるだなんて・・・・・。」
 心ここにあらずに思わず呟くオルグ。それを冷淡にクロウはみつめていた。
 すこしたつと、ドタドタとした足音が部屋の外から流れてきた。そして大きくドアが開け放たれ、数名の男たち銃を構えながらなだれこんできた。ベットが崩れ落ちた時の音に反応してかけつけて来た者達がドアの前の死体を見て何事かと部屋に入ってきたのだ。
「どうしましたオルグさま・・・、なんだお前は!?」
 一人の男があげた疑問にたいして答えられた反応は重なり合った2発の轟音。1丁ずつの銃から放たれたたった2発の弾丸は彼らを引き裂き無残な肉塊へと変貌させた。
 まるで何事もなかったかのようにクロウは肉塊がちらばる床の上を歩いて部屋の外にでていった。その後ろ姿を少女はじっとみつめていた。あまりの暴虐不尽さに対する嫌悪感とわずかに心に宿った希望という思いをもって。
「あんたならパパを・・・・。お願い、パパを救って・・・・。」

7:肉塊

 オルグと別れたクロウは2丁の銃を構えながら慎重に歩を進めていった。屋敷にいる殆どの者はいまだに外にいる「人形」に気を取られているのか廊下には彼を見咎める人物はいなかった。
 頭の中に叩き込んだ屋敷の間取りを思い出しながら進むと、クロウは地下におりる階段をみつけることに成功した。地下室に近寄りたくないのか誰も警備の人間がたっていないのを確認するとすばやく階段をくだっていった。
 地下に降りていくとつき当たりなり、そこに一枚の鉄製の黒い扉がついていた。
 それが見えるとさらに慎重に歩を進めていくクロウ。その顔には緊張の度合いがましていった。
 ドアの前につくと耳を扉につけてみた。するとクチャッ、クチャッという音が微かに漏れ聞こえてきた。それを聞いて何がドアの向こうで行われているかを想像してかすかに顔をしかめる。
 ドアノブに手をかけてわずかに手首を回す。すると抵抗なく動いた。その事から鍵がかかってない事を確認すると一気にドアノブをひねって中にとびこんだ。
 床で横まわりの如く一回転すると片ひざを床につけた状態で油断なく2丁の銃を前方に向けて構えた。そして、目を見張った。
 クロウの前には青白い大きな物がおかれていた。歪んだ三角形の形をしたその物は頂点に金色の何かをのせていた。それはよくよく見ると、金髪である事であった。
 それは大きな肉塊(にくかい)であった。とほうもなく肥え太った人間の姿だ。そしてその肌の色は不自然なほど青白かった。青白い色もまるで死んだ人間のような、いやさそれすらも超える「死」の匂いを感じ取れる色だ。
 その肉塊からクチャクチャという音が鳴っていた。クロウからは背後になってわからないが、青年には一体それがなにが行われている音なのか予想がついた。
「ん?誰だお前は。」
 物は一言くぐ曇った声で呟くと、のそりと後ろを振り返った。
 顔の部品は異様に間合いが広がっていた。だがそれをつめて考えればライバード・ネクロードの顔を連想させることができなくもない。
 そして喋っている最中も何かを噛んでいた口の周りは血まみれになっており、そして大きく肥え太った手には人の死体−−20歳には満たない女性−−がまるで肉食動物に食いちぎられたかのような大きな傷跡がつけられた状態で握られていた。女性は生きたまま食われたのだろう、凄まじい苦痛と恐怖に彩られた表情を顔に浮かべていた。
 不思議そうにクロウを見つめる肉塊に対してけがわらしいものでも見るかのように唾を床にはき捨てた。
「ugly(醜い)。」
 一言そうつぶやくとクロウは銃の引き金を引いた。凄まじい破裂音が鳴り響き、強烈な勢いで弾丸は銃から弾き出された。弾丸は死体を持っている手と顔面にぶち当たり、大きく肉塊をゆらした。
 だが次の瞬間にはグジュグジュッという音を立てながら傷口が復元し、瞬時のうちに元どおりに再生していた。
「なぁにをするんだぁ、お前はぁ? 人の食事を邪魔するのはいけなぃんだぞぉ。」
 愚痴をこぼす肉塊。あまりの光景に唖然としていたクロウであったがすぐさま気を取り直して舌打ちをうった。
「ちい、やっかいな・・・・。」
「おでの食事がバラバラになっちまっただぁ、こうなりゃお前が食料になれぇ!」
 肉塊が叫ぶと同時に大きく口を開いた。そこから七色の光が大きく迸った。
「しまった・・・・!!」
 そう叫んだのもつかの間。辺りを荘厳な雰囲気すら感じさせる七色の光が照らした。

 光が収まったあと、醜く笑う肉塊がいたが、クロウを見てすぐに驚きの表情に変わった。
「あ、あで? なんで変わってないんだ?」
 クロウもまた自分の身に何も起きていないのを確認して驚いていた。ためしに胸と股間を触ってみたが無い物はやっぱり無く、ある物はやっぱりあった。
「な、なんでおまで女にかわんねんだ? おまで実は女か??」
「いや、男だがな。どうやらそちらの技は不発だったようだな。」
「そんなごどありえねぇ! おまで一体何者だ?」
「俺か? 俺は・・・・」
 クロウは立ち上がると銃を再び肉塊に突きつけた。
「お前を「狩る」者さ・・・・!」

「ええぃ、なんだがわがんねぇがぶっ殺してやぶっぅ!!!」
 肉塊はそう叫ぶと大きく全身を揺らし始めた。すると腹部の肉の一部が盛り上がり、ちぎれて下に落ちた。落ちた肉片は奇妙に変形しだし、2本の腕が生えた。異様に細長い指がわきゃわきゃと蠢いている。
 肉片は腕で這いよりながらクロウに近づいていった。這っているにも関わらずその速度は凄まじく速い。
 肉片はクロウのすぐ側まで近寄るとジャンプしてきた。クロウは横っ飛びに跳んで肉片の体当たりを避ける。肉片は次の瞬間には大きな轟音を立てながら爆発した。クロウがすぐ前まで立っていた床が爆発で抉り取られた。
 続けざまに肉片を生み出そうと蠕動を繰り返す肉塊。クロウは精密な射撃で肉片を狙撃していった。
 銃の破裂音と肉片が生み出す爆発音が辺りに響き渡った。その間も何発かの弾丸が肉塊に命中しているが片っ端から傷が再生していって手傷を与えていない。
「らちがあかないな・・・どうすれば・・・・。」
 次第に焦りに近いものが心の内に生まれてくるのを感じつつも、打開策を必死になって頭の中で練り上げる。
『こういった無限に再生する類いの奴には核になるのがあるはずだ。恐らく"石"がそうのはずなんだがどこにある?』
 次々に無尽蔵の如く肉片を生み出す肉塊を撃ちまくるクロウ。全身をくまなく撃ちこんでいるにも関わらず肉塊は少しもかけようとしない。
『まてよ・・・』
 クロウは端とあることに気づいて動きを止めた。そこに殺到する肉片達に気づいて咄嗟に身をひるがえして避ける。
「散々食事を貴様はしていたな、すなわち"石"は、」
 クロウは肉塊の一点を狙いをつける。そこは人間で言えば腹部、いやさ胃にあたる箇所だ。
「そこだ!!」
 凄まじい勢いで銃の引き金を引き出した。残像すら残るその指の動きに通常の銃ならついいけなかっただろう。だが今クロウの持っている銃は驚くべき事についていった。
 一瞬のうちに打ち込まれた数十発の弾丸は肉塊の再生能力を凌いで腹部に風穴を開けていった。そしてクロウの目にわずかにきらめく七色の光が飛び込んだ。
「JACK POT !!」
 叫びとともに2発の弾丸が肉塊の内部で輝く光を打ち抜いた。次の瞬間、乾いた音を立てながら七色の輝きを放つ小指の爪ほどの大きさの石が床に転がった。
「あで? おでの身体からだ、からだぁぁぁぁぁぁぁ」
 石が体内から弾き出されたとたんに肉塊の全身から白い湯気をたてながらドロドロと溶けていった。数瞬後には白い肉の山が湯気をたてながならのさばっており、更に数十秒後にはその肉の山もまるでなかったかのように消え去っていた。
 後にはただ、七色に輝く小さな石だけが残った。

8:封印。そして次の石へ

 屋敷の外で行われていた銃撃は既におさまっていた。ニールであった「人形」は弾薬が撃ち終えても歩き続け、最後には全身を八つ裂き状態になるまで撃たれて活動を停止していた。
 クロウは「人形」の残骸にまだ気を取られている者達を尻目に、石を持ってさっさと屋敷から脱出していた。
「よう、戻ったか。」
 グレイの言葉を受けつつクロウはバー『Marshland Vulcher』のドアをくぐり抜けた。
 するとカウンターで水を飲んでいたアインが立ち上がると、無表情なままつかつかとクロウに向かって歩いていき、

 バシーン!!

 おもいっきり平手を食らわした。
「・・・・どういうつもりだ。」
「なんで・・・なんであんな酷い事するんだよ。」
「酷いこと?」
「あんな子供を薬漬けにして鉄砲玉にするだなんて・・・・ひど過ぎるじゃないか! あんたの腕なら屋敷に潜入するなんて簡単だったろ?」
 アインは思わず涙目で抗議していた。それに対してクロウは冷ややかな目で答えた。
「効率の問題だ。あの「人形」があったほうが色々と手間が省けたしな。」
「「人形」って・・・・あんた他人の事なんだと思ってるんだよ?」
「俺にとって他人とは使える道具か使えない道具かだ。それ以上もそれ以下もない。」
「・・・・・・・!!」
 あまりの言い様に絶句するアイン。それを無視してカウンターまで歩くとクロウはどっかりと座り込んだ。
 そして懐から石を取り出すとカウンターの上に転がした。
「ほう、これまた綺麗な石だな。やたらと小さいが。」
「ああ、だがこの石で化物に変化していた奴は確かにいた。この石に何かしら力はあるのは確かだな。」
「ふむ、なるほどな・・・・」
 あごをしゃくりながら薄気味悪そうに石をみつめるグレイを尻目にいまだ硬直しているアインをジト目で見つめた。
「おい、アイン。さっさとこの石を封印とやらしろ。」
 その言葉を受けて我に返る少女。キッとクロウを睨みつけるとズカズカと歩いて石をひったくった。
 そして・・・・・
「お、おい何を・・・??」
 なんとあろうことか、石を飲み込んだのだ。思わず懐から銃を取り出すクロウ。彼女も怪物化するかと思ったからだ。
「大丈夫だよ・・・・。俺は『封印の巫女』だからね。こうやって体内に石を入れて封印するのさ。」
 アインはさびしそうに笑いながらそう答えた。我ながらおぞましい方法だと思っているからだ。
「そうか・・・・。では次の石の場所を・・・」
 クロウが気を取り直して次の行動について話そうとすると、カランカランという音をたてながらバーのドアが開かれた。
「あー、おったわー。」
 ドアの外にはなんとオルグが立っていた。
「お前は・・・・」
「ひどいなー、一言も喋らずに出て行くなんて。出て行く後ろ姿見かけなかったら見失うところだったのよー。」
 オルグはそう語りながら店の中に入っていくと、クロウのすぐ隣に座りこんだ。その様子を見てアインがムッとした表情になる。
 グレイに水を注文するとオルグは息をついて、そしてクロウをじっと見つめた。
「ありがとう、パパを倒してくれて。ああなった以上パパは殺すしか救えなかったしね。」
「お前のためじゃ・・・」
「わかってる。石の為、でしょ? でもパパを倒してくれたのは事実。だからお礼は言わないとね。」
 そう言うとクロウの手を取ってからませた。それを見て更にアインの顔に渋味が増す。
「あんた石探しするんでしょ? だったらあたいも手伝うわ。」
「おい。」
「石探しには『キマイラ』を使うんでしょ? それの構造を理解しているのは世界広しといえどあたいくらいのものよ。その整備士として、あなたに付き添いまーす。はい、決定〜〜〜。」
 オルグはまるで猫がじゃれつく様にクロウの胸に跳びこんでみせた。
 ここでアインの中で何かが切れた。凄まじい形相を浮かべると二人の間に割ってはいる。
「なにするのよ、あんた。」
「俺? 俺はこいつのパ・ー・ト・ナ・ー。こいつと石集めをするのは俺とコイツとだけで充分だから年増はあっちいってろよ。」
「年増ぁ? あたいはそりゃ確かにそれなりの年であることは確かだけど、年増って言われるほどじゃあないわよぉ!」
「あーら年増って言葉に反応する時点で充分に年を気にしてるってことじゃないか。やっぱ年にはかてねーよーだねー。」
「キィィィィィィ。言ってくれるわねこのペチャパイ!」
「なんだとぉ? そっちなんて無駄に色気だしてるだけじゃないか第一・・・」
「なによあんたこと・・・」
 壮絶な口喧嘩を繰り広げる二人の少女を横目に見つつクロウは大きくため息をついた。
「やれやれだぜ・・・・」
 そしてグラスを一杯、傾けるのであった。



 <あとがき>という名の戯れ言

 はい。狩人27作目完成〜〜〜〜。一体幾日かけてるんだ自分。と言っても一回PCが壊れた影響で3分の1まで書いてたのがお釈迦になったのもあるんですけどね。

 さてなが〜〜〜〜〜く続いた第一の石編終了です。今度から次の石に向けて彼らは動きます。

 また前の作品にでてきたキャラもそろそろ動き始める予定です。どーなるんでしょうか?自分でもわかりません。

 つーか悪魔シリーズのネタばっかりできて狩人のネタ詰まってます。困りました。こっちがメインなのに。
 
 それ以上にFF11がおもしろくてそっちのほうにかかりっきり。いいのかそれで自分。

 まあそんなこんなありつつも。また皆様とお会いできることを願いつつ筆を置かせていただきます。またお会いしましょう。

 by DEKOI


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