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全身をロープでぐるぐる巻きにされた俺は、もう奴に手出しができなくなってしまった。
「ククク・・・この世は俺達の物だーっ!!」
くそっ!! そして、奴は、頭上で剣をかまえた。
「じゃあ・・・死ね・・・」
ビュン!!その瞬間、剣が俺に向かって思いっきり降りかかった。・・・やられる!!

ドーン!!

だが、俺の胸に剣が刺さる様子は見られなかった。その代わりに、大きな爆音と共に、クラブラーは大きく吹っ飛んだ。・・・何がおきたんだ・・・?
俺が爆音の飛んできた方を見ると、そこには、1人の見たこともない男が立っていた・・・



「や・・・奴は・・・?」





デビルズ・ハンター 第4話

著者:キング





誰なんだ!?俺は、不思議に思いながら、その男を見た。マスクもしていない。確かに見覚えのない顔だ。
「あ、あなたは?」
俺は、ねんのため、女の子らしく声を出した。
「俺はクライス。君の正体はわかっている、キロ・クーパー・・・」
男は、自分は『クライス』だと名乗った。聞いたこともない名前だ。
「くっ・・・き・・・貴様―!!」
吹っ飛んだ深井は、無傷だったが、クリブラーはすごくいらだっていた。そして、深井の目がさらに深く赤色に染まった。
「ぶっ殺してやる!!」
スーッ・・・ゴゴゴ・・・
クリブラーは、深井の体から抜け出すように飛び出した。体長は20メートルある巨大生物だった。・・・大丈夫か!?
「雑魚はひっこめ・・・」
すると、クライスは、ポケットから黒いカードを取り出し、そう言うと、ものすごい勢いで、クリブラーを吸い込んでいった。
「く・・・ぐあああ・・・!!」

・・・あっという間だった。クライスが黒カードをかざすと、すぐに悪魔が封印されたのだった。全身の縄が解けると、俺はすぐさまそのクライスの所へ駆け寄った。そして、俺はポケットのカード束を覗いたが、やはり、彼が封印した分、1枚、白紙のカードがなくなっていた。・・・これは一体・・・
「キロ・クーパー。悪魔達はかつての大きな力を取り戻そうとしている。君ががんばらなくては、この世はだめになるんだぞ・・・」
「・・・・・・・・・」
俺は、彼をにらむように見つめた。そ、そんなことわかってらい!
「俺はクライスだ。もうこんなことにならないように、気をつけるように・・・」
「あ・・・なあ、お前・・・」
俺が、そういい終えないところで、奴は姿を消してしまった。そこには、全く何も残っていなかった。
「・・・って・・・俺は、どうなったんだ?カ、カード(悪魔)を取られた!?くっそー!!」
俺は、1人そう叫び続けていた。


「とうりゃー!!」
1週間後、俺はまだ怒り続けていた。今日も、1枚カードをゲットした。
「はあ・・・これで4匹目だ・・・奴に取られたカードが1枚だから・・・あと55匹か・・・まだまだだぜ・・・」
今俺は、あのクライスと名乗る男を、この手で殴りたくてたまらなかった。奴は一体何者なんだ?一体何をしにきたんだ!?俺の怒りは、それを考えると、さらに深まっていった・・・そして、俺は今手に入れた4匹目のカードを、カードケースに入れるときに、あることに気がついた。
「・・・カ、カードがまたなくなってる・・・」
そう、カードケースからは、さらに5枚のカードがなくなっていた。おそらく、あのクライスが、悪魔をゲットしたからだろう。これで、悪魔は残り50匹となったわけだが、本当にこれでいいのだろうか・・・俺は、自分の役目を横取りにされたと思うと、とても腹が立ってきた。俺は今、4枚のカードを持っている。だが奴は、俺から奪ったカードを合わせて、今6枚のカードを所有しているわけだ。つまり、奴に俺は負けているのだ。俺は、そう思うと、剣を地面に叩きつけた。怒りがさらに高まった。


その夜・・・
俺は父さんとのメールで、彼クライスのことを話した。父さんも、なんのことかわからず、首をかしげていた。
『妙だな・・・悪魔の封印が解かれたことは、俺とキロしか知らないはずなのに・・・』
「だっろー!?俺、もう頭が痛いよ!今日なんか奴にカードの所有数負けちゃったんだよ。俺、あいつぶん殴りてー気持ちだぜ!」
俺はそう言うと、テーブルをバン!と叩いた。
「そりゃあ俺は早くそっちに帰りてーさ!だがよ、役目を横取りにした奴にまかせて、ただ見てるだけってことはいやなんだよ!なあ父さん、もっと悪魔を簡単に集める道具ないの?」
『ばか者!そんな物あったらとっくに・・・あっ!・・・そうだ、キロ!あるぞ!』
「ええっ!?本当?」
俺は、うれしくなって、目を思いっきり開いた。
『俺のやった「基本呪文集」第260ページを開いてみろ。』
「260・・・?」
俺は不思議に思いながらも、父さんの言うとおり、260ページを開いた。悪魔を倒せる道具が、本当にこんな簡単な本に隠されているのだろうか・・・
「はい・・・開いたよ。」
俺は、改めて父さんを見た。
『そこに「パワー倍増法」と書いてあるだろう?』
「『パワー倍増法』・・・?・・・あっ、あった!これだね父さん。」
俺は、すぐにその『パワー倍増法』を見つけた。そのやり方の呪文には、『スペ~ラル・タ〜レン』と書いてあった。
『力を込めてそう言えばいいんだ。そうすれば、今の自分の力よりも2倍の力が手に入るのだ。』
「ハハハ・・・そりゃいいや。ありがとう、父さん!」
俺はそう言うと、電子手帳のふたをパタンと閉じた。そして、俺は再び、クライスのことを考え始めた。・・・奴は本当に魔法界から来たのだろうか・・・なんで俺のことを助けるのだろうか・・・いや、助けてもらっているとは思わないようにしよう!俺はそう思って、自分のベッドに荒々しく入った。


次の日・・・
今日も、俺はいつものように、朝食のあとに学校の制服を着ていた。・・・女子の制服にも、だんだんなれてきたな・・・すると、俺の耳に、テレビのニュースの驚くべきことが飛び込んできた。それは、学校から1キロほど離れた公園が、すっかりなくなっていたという情報だった。実際にその現場の写真を見せられたが、本当に何もかもなくなっていた。その瞬間、俺の目が光った。これは悪魔の仕業に違いない!!だが、今までのあんな悪魔で、あんなにすっかり公園をなくすことができるのだろうか?
「変だな・・・」
『キロ!!キロ!!』
俺はその瞬間、電子手帳が中に浮かび、中で父さんが叫んでいることに気がついた。俺がそれをすばやく開けると、中からあわただしく父さんが現れた。
『キロー!!』
「どうしたの!?父さん!!」
父さんは、すっかり息があがっていた。
『に、人間界のニュース見たぞ!!こ・・・公園がなくなっていたんだって!?』
「あ・・・ああ、そうだよ。それが何か?」
『キ、キロ、よく聞け。お前が今集めている60体の悪魔の中には、6体だけ特別な悪魔がいるんだ!』
「な、何!?」
俺は、ちゃんと意味が理解できなかった。
『つまり、6体の最も特別で凶悪な悪魔がいるということだ。そんな奴らなら、建物などを消滅させることなど簡単だ・・・』
「えっ!?じゃ、じゃあ・・・これって・・・」
『ああ・・・6体の中の1体が・・・町に出現しているということだ・・・』

・・・俺と父さんは、しばらくの間黙り込んだ・・・

「・・・父さん。俺はそいつを倒したい・・・倒したいけどよ!・・・どこに出現するんだよそいつは!?町は広すぎる!次はどこに現れるか考えているうちに町全部消えちゃうよ!」
俺は、かなりいらだって、テーブルを叩いた。
『キロ・・・次に必ずどこかを消す・・・それには必ずある決まりがあるはず・・・それで次の場所を探し出すのだ!!』
「わかったよ父さん!」
そのためには、もう1つどこかを犠牲にする必要がある。気は進まないが、俺はそうするしかなかった。


そして、次の日の朝・・・
昨日と同じように俺は、必死にニュースに釘付けになって、どこか建物や土地が消えたという情報を待った。俺の目は、真っ赤に燃えていた。
そして、ついにその時が来たのだった・・・
ニュースキャスターの顔が、俺に焼きついた。今度は、図書館が消えたという・・・そして、ニュースを全て聞き終わると、俺は急いで行動に出た!地図を引っ張り出し、広げ、次の消える場所を確認するのだ。
「今日消えた図書館は、昨日消えた公園から南に500メートル離れている。つまり、同じ方向、距離の所が消えるとすると・・・そのまま南に500メートル・・・そこは・・・」

・・・俺は、一瞬口を閉じてしまった。

「・・・学校だ!」


次の日の夜・・・
俺は1人、学校の運動場に立って、悪魔が来るのを待った。辺りはかなり暗く、何も見えなかった。
「さあ・・・来い!」
俺は、『ナルシル』をしっかりと握り締めた。剣はたちまち大きくなった。
・・・と、そのとき・・・
ビュオオオ・・・
いきなり突風が吹き荒れた。やっとおでましか!?そして、俺は剣をかっこよく構えた。
「グオオオ・・・」
こ・・・こいつは・・・するどいほど黒い闇に包まれ、今まで見たこともないほど大きな悪魔が現れた。こいつは、俺が電子手帳キー<KITY>を押さなくても、俺の前に姿を見せた。どうやら自分の力に自身を持っているらしい。
「誰だ・・・貴様はー・・・」
と、悪魔は俺に向かって言った。・・・で!でかすぎる!俺は、少しだけ足が震えた。すると、俺の電子手帳は、この悪魔の名を、『ハグマ』と表した。
「敵にしても味方にしても・・・いい食料にはなりそうだな・・・ギャース!!」
悪魔は、そのするどい爪を、思いっきり俺に振り落とした。
「ああっ!!」
俺は、横に飛びのき、攻撃をかわした。そのあと、ハグマの同じ攻撃は、3回ほど続いたが、俺はぎりぎりでかわした。
「ほー・・・なかなかやるな・・・ならこれでどうだ?」
「くっ!!」
何をするのだろう・・・と、俺が思うのも束の間、悪魔は口から見たこともない液をはきだし、俺に向かって放射した。俺は、急いで飛びのいた。これも、ぎりぎりだった。
「な、なんだよ一体!?」
見ると、その駅を受けた地面は、みるみる溶け出した。あの液は、どんな物でも溶かせるらしい。これは危険だ!
「くそっ・・・こっちも反撃しなければいけねえな!」
そして、俺は今まで捕まえた悪魔達を使ってみることにした。そして、ポケットのカードケースから、翼の悪魔『グンドール』を取り出すと、俺は急いで天にかざした。
「ああっ!!」
俺がそう叫ぶと、たちまち背中に大きな翼がはえ、俺は空を飛べるようになった。上に飛び、浮かぶと、ハグマの手の届かないところまで離れた。ここなら奴も狙いやすいぜ!だが、俺は奴を甘く見ていたようだ。奴は、俺の予想をくつがえし、背中から俺よりもかなり大きな翼を出し、俺の元へ飛んできた。
「くっ!なんて奴だ!」
「グハハハ・・・ハアーッ!!」
ドゴーッ!!
奴の爪の攻撃が、見事俺に命中し、俺は激痛と共に地面に突き落とされた。
「ああーっ!!」
俺は、傷だらけになりながら、自力で立ち上がった。背中の翼は、ぼろぼろになり、もうそのカードは使えなくなった。・・・くっ・・・俺は、歯をくいしばった。
「グハハハ・・・これが俺達を倒すためにきたデビルズ・ハンターかよ?聞いてあきれるぜ!」
ハグマは、俺を思いっきりバカにした。だが、今の力ではとうてい勝てっこなかった。
「俺を甘く見るんじゃねー!いくぞ!『クランバ』、『クラブラー』!!」
ブオオーッ!!
俺は、前回捕まえた2体の悪魔を、いっぺんに召喚した。いくら奴でも、この2体の悪魔いっぺんにかかられたらたまったものじゃないだろう。
だが、そう思った俺は、少し甘かったようだ。
「バカめ・・・」
ズゴーン!!
俺の2体の悪魔が、一瞬にして滅ぼされてしまった。な!なんて力だ!!『クランバ』と『クラブラー』は、一瞬にして煙と化し、俺のカードケースへと戻った。やられたカードはもう2度と使えない・・・残りは1枚しかなくなった。
くっ!やべーぞ、こりゃあ!
「グハハハ・・・おしまいだな、キロ・クーパーよ・・・」
奴は、巨大な爪を俺に振り下ろした。俺は、すばやく剣をつかみ、攻撃をかわした。
「貴様もあきらめの悪い奴よ・・・」
俺は、できるだけ残りのカードを使わないようにした。最近捕まえた悪魔の中でも1番すごい力を持つ、魔術使いの『ハーマーグ』だ。これを使うのは、本当にピンチになったときだけだ!俺は、急いで学校の壁に隠れ、奴の様子をうかがった。
「カカカ・・・無駄だー」

・・・そのとき、学校の屋上では、ある1人の男が立って、こちらを笑みを浮かべてうかがっていた。

・・・クライスだった・・・

・第5話へ続く・

 

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