戻る

「おみごとでした・・・」
田辺は、俺に拍手を送り、そう言った。
「た・・・田辺さん・・・あ、私・・・」
「おもしろい見せ物でしたね・・・話を聞かせてください・・・まあ、校長室へどうぞ・・・」

ど、どうしよう!見られちまった!俺は、何も言い返せず、校長室まで、田辺についていった・・・





デビルズ・ハンター 第3話

著者:キング





俺は校長室で、自分の今までのことを全て話しつくした。田辺は、俺が本当は男で、魔法界から来たのだというと、以外にすぐにわかってくれた。
「ほう・・・魔法界ですか・・・私も子供の頃あこがれましたね・・・」
「し、信じてくれるんですか?」
「あんな怪物を見たんです。信じないわけにはいかないでしょう。」
俺は、胸がほっとした気持ちだった。だが、見られたには変わらないのだ。俺は、慌てて話を戻した。
「田辺さん、お願いです!今日見たことは誰にも言わないでください!俺、このままじゃ大変なことになります!」
「ほほほ・・・言いませんよ・・・私はそんな悪い人じゃありません。これからも悪魔退治、がんばってくださいね・・・」
俺は、田辺からやさしい言葉をかけられると、思わず涙を流しそうになった。俺は、彼にお礼を言った。
俺は、学校の前まで見送ってもらった。
「となると入試はなしです!いつでも来てくれれば、入試無しでこの学校に入れて差し上げます。」
「ありがとうございます。じゃ、さよなら・・・」
俺は、ゆっくり彼に別れを告げた。



『な、なにー!?見られただと!?』
俺が父さんとメールすると、父さんは思いっきり驚き、叫んだ。俺は、あまりにもうるさくて、耳を塞いだ。
「ああ、でも彼は大丈夫だよ、ちゃんと黙っててくれる!あ、それより、ほらっ!初めて悪魔を封印したよ!『クランバ』だ。」
『おーっ、よくやった。そうだキロ、ゲットした悪魔は、カードに封印したあと自分の仲間になるぞ!悪魔達に助けてもらいたいときはカードを使うといい。自分がその怪物の能力を使うこともできる!』
怪物の能力を?そりゃいいな。頭のよい怪物を手に入れたら、人間界のテストなど簡単なことだ。
『じゃあ、キロ、油断するなよ!じゃあな!』
すると、父さんは俺の手帳から姿を消した。
「ああっ!今日は疲れたぜ!寝るとするか!」
そして、俺はベッドにもぐりこみ、ゆっくりと眠ることにした。女の体じゃ生活しにくいぜ・・・



翌日。俺は大量の人間の金で、『桜学園』の学用品や制服を購入した。もちろん制服は女子の制服だ。かわいいリボン付きの半袖シャツに、短いミニスカート、白いルーズソックスをはいてみた。こんな物を着る気にはならなかったが、鏡を覗き自分の姿を見てみると、なかなかかわいいと自分で思った。
「ふーん・・・これが俺か・・・」
俺は、鏡に映った自分が、本当に自分なのかと思うほどだった。
「さあ、行くか!」



俺は学校に行くと、まず校長室へ向かった。あの優しい田辺に話をするためだ。
「いらっしゃい。キロ君・・・」
「どうも・・・」
俺が入ると、田辺は優しく迎えてくれた。俺が制服姿で入ってきたので、田辺は驚いていた。
「ほう、ようやくこの学校に入りますか。それじゃああなたは転校生ということにしておきましょう。さあ、さっそく転入ですよ。2年B組にでもいきましょう!」
俺は、田辺に誘われるまま、2年B組に転入することにした。



「転校してきて、今日からこのクラスで一緒に勉強することになった高橋由美さんだ。みんな、仲良くするように!」
担任の中西サトシが俺をみんなに紹介した。
「よろしくお願いします・・・」
俺があいさつをすると、男子生徒が騒ぎ始めた。「かわいい!」や、「友達になりてー!」など、いろいろな声が聞こえた。はあ・・・どうせなら男どうしで友達になりたかったぜ・・・
「それじゃあ高橋はあそこの席へ・・・」
「はい・・・」
俺は、中西に言われて、1番奥の列の左から2番目の席へ座った。席につくなり、男子生徒がたくさん声をかけてきた。だが俺は、ただにっこり笑いかけるだけだった。だが、俺の隣の子は違った。
「よろしくね?」
その子は、とてもかわいく、俺に優しく笑いかけてくれた。
「私、立花麻衣っていうの!」
彼女の名前は、どうやら立花らしい。俺は、その瞬間に名前を覚えた。体は女だが、心は男。俺は、その子に少しだけ恋をしてしまったらしい。
「よ、よろしくね、高橋由美です。」
そして、俺と立花麻衣は、にっこりと笑いあった。



『ほーっ、よかったな、友達ができて。』
「ああ、田辺さんのおかげだよ。」
「いえいえ・・・」
俺と父さんがメールで話していると、横で田辺が言った。
『それで?悪魔はゲットしたのか?』
父さんは俺に、他に悪魔をゲットしたかと聞いてきた。だが、今はまだ『クランバ』以外に1ぴきも手に入れてない。俺は、父さんに笑ってごまかした。父さんは、深いため息をついた。
『しょうがない奴だなー。もう魔法界へ帰る頃には100歳くらいになるかもしれないぞ。』
「へん!父さんには言われたくないね!じゃあね!」
俺は父さんにそう言うと、荒っぽくその電子手帳を閉めた。もう、長く父さんと話すと頭が痛くなるよ!
「田辺さん、俺もう帰るよ。」
「ほう、そうかい?それじゃあ明日もがんばってね。」
「うん、ありがとう!」
その帰り、俺は校門前で深井先生にあった。深井は数学教師で、いつも元気で優しく、とても生徒に人気だと田辺に聞いていた。俺は、その深井にとても優しい声であいさつをされたので、負けないくらい元気良く返事をした。学校中あんな先生だらけだったら、俺は文句はないだろう。



家へ戻ると、さらに父さんから人間界の金が送られてきていた。俺は、その札束を袋に詰め、引き出しへしまった。そのあと、俺は学校から出された宿題をしようと机へ向かったが、とても続かなかった。
「あーっ!ぜんぜんできねーぜ!やっぱり人間界の勉強は難しいぜ!!」
そして、俺は勉強をあきらめ、もう寝ることにした。このまま続けたら、頭を破壊してしまうかもしれないからだ。起きたら父さんに人間の勉強の解き方を習おうかな。



その夜・・・
場面は、さっき話した深井のことに移る。深井は、学校の仕事を終え、1人家へ帰るところだった。
「いやー、今日も生徒達は元気がよかった。こっちもうきうきしてくるよ。」
深井は、1人ごとを言いながら歩いていた。だが、そこにはもう1人いたのである・・・歩いていく深井を狙う奴が。
スーッ・・・
何かが深井に近づいていく・・・
カッ!!
「うっ!!」
すると、何かが深井の体を貫いた。深井は、うめき声をあげ、その場に倒れこんだ。一体何が起こったのだろうか?



「ん?なんだ?あっ!どうしたんですか!?しっかりしてください!」
パトロール中の警官が、深井を見つけ、倒れた深井に向かって大きく呼びかけた。だが、深井はいつまでも目を覚まさない。・・・と、その瞬間・・・
ガッ!!
「ぐっ!!なにを・・・」
いきなり深井は警官の首をつかみ、空中に持ち上げた。
「ぐあっ・・・あなたは・・・」
深井の目は、真っ赤に変色し、まるで猛獣のようだった。

・・・そして・・・

「ぐああああ・・・!!」
警官の叫び声だけが、誰もいないその大通りに響き続けた・・・



翌日・・・
俺は、昨日友達になったばかりの女の子、立花麻衣と廊下を歩いていた。彼女とは、とても仲が良くなり、もう親友のように接していた。そして、しばらく彼女と歩くと、俺達は不可解なものを目にした。驚いた。あの深井が、女子生徒を壁に押し付け、何か言っていたのである。俺達は、あわてて階段の影に隠れた。
「ど、どうしたのかな?深井先生・・・」
「しっ・・・」
彼女の言葉を止めるように、俺はそう言った。すると、深井と女子生徒の話し声が、はっきり聞こえてきた。
「なんだと!?もう1度言ってみろ!!」
「だ、だから・・・いつもの先生ならそんなことはしないと言っているんです!!」
女の子は、おびえているようだった。あの深井が女子生徒をどなりつけている。麻衣も俺も、本当に驚いていた。
「どうしたのかな?深井先生・・・」
俺は、麻衣にそう質問してみたが、麻衣はただ首を横に振るだけだった。
バシッ!!
そのとき、大きなたたく音が聞こえ、俺達は急いで飛び上がった。なんと、その女子生徒が、深井にひっぱたかれていたのだ。俺は、そのとき全身の怒りが、頭に集まってきた。
「先生!!」
「ん?なんだ!?」
深井は、俺にも怒鳴りかかってきた。俺は、そんなことは気にもせず、深井をにらみつけた。
「生徒をひっぱたくなんて、教師のやることですか!?」
俺がそう言うと、深井は不気味に笑った。何を考えているのだろうか。
「ククク・・・生徒いじめ・・・なかなかいいもんだよ。それ以上俺に食って掛かると、貴様らもいじめの対象にしてやる・・・」
深井はそう言うと、ゆっくりと奥の部屋へと歩いていった。
「グスン、先生が・・・」
その女子生徒は、泣きながら俺に抱きついてきた。それを見ると、俺の怒りはさらに高まった。そして、俺はあることに気がついた。考えてみれば、あんなに優しかった深井が、1日であんなに変わるのだろうか?もしかしてこれは・・・そして俺は、今夜深井と会うことを心に決めた。



そしてそのあと俺は、職員室の深井の所へ行った。
「先生・・・」
「なんだ?高橋・・・」
「あ、あの。やっぱり先生のしたことは許せません。今夜、学校前の公園に来てください。話し合いましょう・・・」
俺がそういい終えると、深井は、その大きな顔を、俺の目の前ぎりぎりまで持ってきた。
「ククク・・・先生に指図するとはいい度胸だな・・・いいだろう・・・夜9時だ!遅れるな・・・」
深井にそう言われると、俺はゆっくりとその職員室を出た。・・・遅れるもんか・・・必ずカードに封印してやる!



ブオオーッ!!
夜の公園も、突風は吹き荒れていた。俺はそこに、ちゃんとカードの束、電子手帳、『ナルシル』を持っていった・・・俺は、それが悪魔の仕業だってことは、わかりきっていた。
「ククク・・・時間通りだな。」
「先生もね・・・」
俺と深井は、そのままにらみあった。
「で、話とは?」
そして、俺はポケットから電子手帳を取り出した。
「先生・・・今のあなたはあなたじゃない。おそらく悪い悪魔が乗り移っているのね・・・まあ、自白してくれなくても大丈夫・・・これでわかるから・・・」
そして、俺は電子手帳キーをいつもどおり、<KITY>を押した。俺の目の前は光だし、深井の後ろに、巨大な悪魔の影が見えてきた。・・・やっぱり!
「ふーん・・・なかなかするどいじゃないか・・・そうだよ。この体は俺が手に入れた体だよ。」
「今すぐ離れろ!!深井先生は、お前なんかに渡せねー!!」
俺は、すぐに男の口調に戻った。そして、『ナルシル』を握り締め、大きな剣に変化させた。
「ククク・・・この体を傷つけていいのか?」
「くっ・・・」
俺は、慌てて電子手帳を見た。『幻影悪霊−クリブラー』と、手帳は発していた。
「クリブラーだと!?」
「ああ・・・そうだよ!!」
ブン!!
するとクリブラーは、いきなり細長い剣を手にすると、俺に向かって思いっきり振り落としてきた。俺は、すれすれでかわした。
「くっ!!」
ドゴッ!!
俺は、思いっきりこぶしでクリブラーの顔を殴りつけた。剣を使うわけにもいかない。剣で奴を殺せば、深井を殺すことと同じになるからだ。
「へへっ・・・へなちょこパンチはきかねーよ!!」
ドゴッ!!
「ぐはっ!!」
今度はクラブラーのパンチ攻撃だ。奴の攻撃は見事俺の腹に命中した。俺は、地面へ倒れこんだ。くっ・・・
「まだまだだー・・・貴様を殺すのはもう少し苦しんでもらってからだー・・・さあ、おきろー・・・じっくりと痛めつけてやるぜ。」
どうすればいい・・・このまま剣で攻撃したら、深井の命まで・・・
「手出しはできまい・・・ククク・・・」
ならば、狙いは1つだろう。奴の体から悪魔を放り出す。
「さあ・・・どうした・・・」
「・・・・・・・・・・・」
ダッ!!
「なっ!!貴様!!」
その瞬間、俺はその場を走り去った。草むらに隠れて人間の体から悪魔を放り出すという方法を手帳で検索するためだ。
「逃がさんぞー!!」



だが、どうやら逃げられたらしい。俺は、草むらに隠れて、1人検索をしていた。・・・何かあるはずだ!何か・・・!これか!!俺は、やっとのことで検索に成功した。電子手帳には、『剣を天にかざす』と書かれていた。さっそく実行するときだ。
「よし!やったぞ!」
「何をやったんだー・・・?」
俺が上を向くと、そこには大きな深井の顔が現れた。
「見つけたぞー・・・小娘めー・・・」
「くっ!!」
俺は、思いっきり飛び上がってそこを急いで退いた。そのあと、手帳をポケットにしまった。
「グハハハ・・・何か見つけたかー?だが、貴様は俺を倒せない・・・ククク・・・」
「へん!そう言っていられるのも今のうちだぜ!」
スッ・・・
そして、俺は剣を抜いた。
「ぬっ!!」
すると、奴は何かに気づいた様子を見せた。自分が深井の体から放り出されるとわかったのか。だが、もう遅い!
「とっとと出て行け!悪魔め!!」
「貴様―・・・やめろー!!」
ビュン!!シュルルー!!
「くっ!!ああっ!!」
すると、クリブラーは、左手から長いロープを出し、ロープが自動的に俺に捲きつき、俺の手足や全身までもぐるぐる巻きに縛り上げてしまった。
「ぐはっ!!」
全身を縛られた俺は、思いっきり地面にたたきつけられた。やばい!!身動きがとれなくなり、俺はもがき苦しんだ。
「ククク・・・油断は禁物だ、高橋由美よー・・・」
クラブラーは、俺にそう不気味に言うと、右手の剣を大きく振った。
「くっ・・・くそっ・・・」
俺は、必死にもがいたが、ロープはびくともしなかった。このまま俺は奴にやられてしまうのか!?
「くっ・・・」
俺は、こいつにやられるくらいなら、父さんに一生ねずみに変えられたほうがましだと思った。だが、そう思っても状況は変わらなかった。俺を縛り上げているロープが、奴の命令でさらにきつく締めあがった。くっ・・・
「グハハハ・・・残念だったな・・・どうやら俺の勝ちのようだ・・・これで邪魔者もいなくなる・・・この人間界、そして魔法界までも、俺達悪魔の物となるのだ!!」
「くっ・・・そうはさせねーぜ・・・」
俺は、強気にそう言ったが、ぜんぜん手は出せなかった。
「ククク・・・すばらしかったよ・・・じゃあ・・・死ね!!」
奴が、頭上で剣をかまえた・・・くっ!!やられる!!

俺は、どうなってしまうのだろうか・・・!?

・第4話へ続く・



・(あとがき)次回予告・


キロ:監督―!!俺どうなるんだよー!?
キング:んー・・・今考え中・・・
キロ:考え中って!!
キング:それより、俺今度ホームページ作ってみようかなーと思うんだけど・・・
キロ:おーっ!
キング:そんときは読者のみなさんや運営委員のみなさん。遊びに来てくださいね?それでは次回予告です。

次回!ピンチになったキロの前に現れた謎の男!こいつは何者なのか!?

戻る


□ 感想はこちらに □