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それは、3000年ほど前のことだった・・・
当時、『テクノシー』は、文明もあまり発達していなく、当時の風景も全く別のものだった。
しかしそんなとき、大量の悪魔が誕生したのであった・・・
悪魔達は、その自分達の魔力を使い、次々に『テクノシー』を滅ぼしていった・・・
だが、そんなときそれに対抗する者もでた。それが、6人の神官であった。
そのころ最も魔力の発達していた彼らは、6つの力全てを集め、協力し、その大量の悪魔を、大量のカードに封印した。



そしてそのカードの入った箱は、ある一家に受け継がれてきたのであった・・・





デビルズ・ハンター 第1話
(改訂版)

著者:キング





ここは、『テクノシー』・・・簡単に言えば魔法界だな!
だが、この世界の風景や文化は、あまり人間の暮らしている世界と変わりはしない。俺は、そんな『テクノシー』のある大きな屋敷に住んでいた。

「キロ・・・キロ・・・キロ!起きろ!!」

父さんのうるさい声に起こされて、俺は慌てて布団をひっくり返した。
俺の名前はキロ・クーパー。魔法界じゃ結構有名ないたずら坊主だ。・・・って・・・自慢にはなんねーけどな・・・
そして、今俺を起こしたのが、俺の父であるサバス・クーパーだ。
俺は、この父さんに、今まで失敗魔法をかけられ、ひどいめにあわされ続けてきた。
「早く支度しろ。飯はとっくにできている。」
「変な調味料とか入ってないよね?」
俺はそう言いながら、半袖の学校のシャツを着た。
前にもやられたことがある。父さんは間違えて、ねずみの死骸のかけらを入れていて、俺は1日中トイレにこもりっぱなしになった。
その日から、俺は毎日食事に何か変な物は入っていないかチェックしている。
学校の制服に着替え終わると、俺は下の食堂へ下りた。
今日の朝飯は、食パンにちょっと工夫を加えたピザに、スープ、ミルクに野菜サラダって感じか。
どうやら『ねずみの死骸』らしきものはちっとも入っていないみたいだな・・・そして、俺は落ち着いて自分の椅子に腰掛けた。
「この前新しい術を習ったよ。ねずみの死骸なんかすぐに取り出せるよ。」
ピザにかじりつきながら俺が父さんに言った。
「キロ、俺はあのとき以来ちゃんとしてるって!もうねずみの死骸なんか2度と入れないよ。」
父さんは俺にそう言うと、一笑した。
まあ、最近入っていないみたいだし、勘弁してやるか!


「いってきまーす!」
元気にそう言うと、俺は制服姿でかばんを持ち、家を出た。
人間界にある道路とそっくりの道に出ると、何人もの学校生徒が、並んで学校へ向かっていた。その中に、俺の親友の姿もあった。
「サムー!!」
「おう!キロ!」
彼の名は、サム・ギムリー。俺の1番の大親友だ。
俺は急いでサムの所へ駆け寄り、彼と並んで歩き続けた。
「宿題やってきたか?」
俺が横へ来ると、真っ先にサムが聞きだした。
「うわっ!やべっ!『魔法薬』だろ?忘れちまったぜ・・・あの先生忘れたら何されるかわかんねーぜ。」
俺とサムは、一斉にため息をついた。
すると、目の前に何やら見たこともない小さな、しかも不気味なテントが見えてきた。みなれないテントだ。新しくできたのかな?
テントの前の看板には、『未来占い』と書かれてある。俺達は、そこへ差し掛かり、おもしろがってその看板を見た。
「『未来占い』だってよ!ハハッ。入ってみようぜキロ。」
サムが俺に入ろうと誘った。中は薄暗く、不気味な雰囲気だった。
「ええっ?でも・・・」
「いいじゃん、キロ。先生にひどいめに合わされるってわかったらさー、それなりの覚悟はできるじゃん!」
それもそうだ。
ここで占い師が、「あなたは先生にひどいめに合わされるでしょう・・・」と言ったら、覚悟して授業に望めるし、もしかしたら、「今日は先生にもしかられず、とても幸運が降り注ぐことでしょう・・・」と言うかもしれない。
俺はそう思って最終的に結論を出した。
「よし!行ってみよう、サム!」
「決まりだな・・・」
そう言い合うと、俺とサムの2人は、不気味な暗さを漂わせているテントへと足を踏み入れた。
「いらっしゃーい・・・」
俺達が入るなり、そこの持ち主である老婆が声をかけた。俺達は、少々驚いたが、すぐに質問を繰り出した。
「ばあさん、俺達のこれからのことを占ってくれよ!」
サムが言った。すると老婆は、なにやら鏡のような物を取り出し、サムの顔に向けた。
「ほほう・・・」
老婆はすぐに、何かわかったようにうなずいた。
「あなたは何か不吉な目に合いそうだねー。何かすぐに起こりそうだ・・・」
すぐに、『魔法薬』の授業のことだと、俺達2人にはわかった。これで覚悟をする準備はできたってとこかな?
どうせだから、俺もいっちょ占ってもらうか!
「おばあさん、俺も占ってよ!」
俺がサムを引っ張りどかし、老婆の前に立つと、すぐに老婆は鏡を俺に向けた。
「ほほう・・・」
老婆はまたしても、すぐにうなずき、俺の顔を見た。
「こりゃすごい・・・あんたは中学生だろ?だがここには『人間界へ行く』と書かれてある。」
「本当に!?」
そこにいる3人が驚くのも無理はない。なぜならこの世界では、20歳以下の魔法使いは、人間界へはいけないというルールがあるからだ。
その前に、20歳以下の者が人間界へいけないように、魔法界にはシールドが貼られているのだ。
だが今老婆は、俺に『人間界へ行く』と言った。これは一体どういうことなのだろうか。
「すごいねー・・・あんたが初めてかもしれないねー。20歳以下で人間界へ行くのは。」
「それはいつのことを予言する鏡なんです?」
俺はそんなことが気になって、老婆に質問した。
「早くて・・・今日中のことじゃ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
俺は、驚きと興奮で、声が出せなかった。


だが、サムの予言はすぐに効果が現れた。
テントを出たときは登校終了時間はとっくに過ぎ、先生にはしかられ、やはり『魔法薬』の授業で、先生にひどいめにあわされたことは、わかりきったことだった。
今日は、1時間ねずみに変身させられ、檻の中で過ごさなくてはいけなかった。

キーンコーンカーンコーン・・・

下校のチャイムが鳴り、俺は教室でサムと机に倒れこんだ。
「あーっ!今日も1日終わったなー、サム!」
「ああ!きつかったぜー!!」
しばらく俺達は、その場を立つ気にはなれなかった。そこで俺は、休んでいる間あの話を持ち出すことにした。
「でも、今日中に俺が人間界へ行くって、どういうことだろー?」
「知らねーよ!」
サムも首をかしげて言った。朝、老婆が言ったあの言葉、『人間界へ行く』。あの言葉がいつまでも俺達2人の頭から離れない。
そりゃ、あこがれの人間界で自由に楽しめるなら、それほど最高なことはないだろう。だが、どういうことだろう・・・
「なあ、もう1度あのおばあさんのところへ行ってみないか?」
俺は、もう1度老婆のところへ行くことに決めた。
「ああ、そうするか。」
サムも当然賛成した。こうして、俺達は疲れなど全て忘れ、席を立ち、急いで教室を出た。


あの老婆のいたテントは、今もあの場所にあった。俺達は、早く謎が知りたく、急いでテントの中に駆け込んだ。
「おや?今朝のあんた達かい?」
息を切らして走ってきた俺達に、老婆がそう言った。
「おばあさん、俺達、どうしてもあの謎が知りたくてやってきたよ!」
「あの謎?ああ、あの人間界の話かい?」
老婆は少し考えたが、すぐにキロの言っていることがわかった。
「それってさ、どうやってそんなことになるかとかわからないの?」
俺は、そうなるきっかけを聞いてみた。
「ハハハ・・・いくらなんでもそこまではわからんよ。でもこれはあくまで占い・・・そんな虫のいい話が100パーセント当たるかわからないんじゃよ。」
「・・・・・・・・・・」
俺は、何も言えず、とりあえずその場を立ち去ることにした。まあ、老婆の言うとおり、そんな虫のいい話は当たるわけないよな・・・


「じゃあな、サム!」
「ああ、何か起こったら連絡くれよ。」
「わかったよ。」
サムに別れを告げると、俺は角を曲がり、俺の家へ向かってまっすぐに歩いた。
家には誰もいなかった。父さんはどっかに出かけているらしい。しばらく俺は机へ向かったが、ぜんぜん続かなかった。そして・・・そうだ!俺はひらめいた。
「今日こそ作戦を実行させるときだ!」
俺は、前から計画してきたことを実行することにした。
俺は、前から父さんの書斎へ入ってみたく、いつもうずうずしてきた。父さんは、俺に書斎への入室を禁止していていたのである。
「ちょっと覗くぐらいならいいだろうな・・・」
俺は1人そう言うと、急いで2階から1階へ飛び降りた。階段を下り、すぐに左に曲がり、奥にある父さんの書斎へ歩いていった。

ガチャッ・・・キー・・・

俺はゆっくりと書斎のドアを開け、初めて見る光景を、楽しみにするように中へ入った。
「う、うわーっ!!」
俺が声をあげるのも無理はなかった。父さんの書斎は見事なものだったからだ。
中は本当にうちか?というくらい広く、本棚がたくさん並び、奥には大きな机が1つ置いてあった。
「すっげーっ!」
俺はすっかりその光景に見とれてしまった。そして俺は、父さんが帰ってくる心配などすっかり忘れ、ゆっくりと書斎を見回った。
そして、しばらくすると俺は父さんの大きな机の前へと差し掛かった。
「すっげーでっけー机だな。・・・ん?・・・」
俺はおもしろがって、机の中を空けてみると、そこには、少々大きめの箱が入っていた。ふたには、何か不可解な文字が刻んである。
「なんだ?これ・・・」
興味津々の俺は、その箱のふたをはずしてみた。中には、結構な束のカードのような物と、1枚の紙が入っていた。
「この紙・・・」
広げてみると、ふたと同じような文字がぎっしりと書かれていた。何かの暗号なのだろうか?
俺は、それが読めるような気がして、口を動かした・・・
「イ・・・インスブラゴン・・・〜〜〜〜〜」
俺は、まるでそれを解読したように、意味不明な言葉を発し続けた。

すると・・・

ガタ・・・ガタガタガタ・・・

突然壁や床が大きな音を発し始め、机や本棚が大きく揺れだした。
「な、なんだよこれ!?」
だが、揺れは激しくなり、今度は、箱の中身が光りだした。
「ん!?」

ピューン!ブウォー!!

すると、激しい音と共に、4、5線ほどの光が、周りに勢いよく飛び出した。

「こ!これは!!」
俺は、何かが自分の体の横を通り過ぎていくような感覚に襲われた。


しばらくすると、まばゆい光も収まり、激しい揺れもなくなった・・・俺は、床にひざまずき、激しく荒い息をしていた。
「はあ・・・はあ・・・なんなんだ?」

ガッ!!

「わっ!!」
いきなり俺は、誰かに服の襟の部分をつかまれ、机に押し付けられた。
「父さん!!」
「貴様!一体なんということを!!」
父さんが俺にそう言うと、俺は不思議そうな顔をした。
「あれは3000年前の悪魔の入った箱だったんだぞ!!」
「えーっ!?」
「600年前、6人の神官が協力してカードに封印した悪魔達だ!それを私達が引き継いで守っていたのだ!!それを貴様は封印を解き、悪魔達を外へ追い出したんだ!!もし悪魔達が再び暴れだしたらどうなる!?この世は滅びるぞ!!」
と・・・とんでもないことになっちまったな・・・俺はそう思った。
「父さん、許してくれよ・・・俺が全部封印しなおすからよ・・・」
「ふん!貴様のようなバカが、あの悪魔達を全て封印しなおすことができるか?」
「その悪魔の数って。何匹いるの?」
「箱に残ったカードの数を数えてみろ!」
父さんは、箱の中に残っていたカードの束を指さし言った。そして、キロはそれを手に取り、1枚、1枚数え始めた。
「ろ、60匹!?」
「そうだ・・・」
俺は、肩を落とした。
「60匹の悪魔なんて・・・全部封印するのに何年かかるんだよー?」
「文句を言うな!お前には必ず、悪魔全てを封印しなおしてもらうからな!」
しかたねー・・・
「で、悪魔達はどこへ?」
「人間界だ!」
「に、人間界!?」
俺はこのとき初めて知った。あの老婆が言っていた『人間界へいく』ということは、このことだということを。
俺は、さらに肩を落とした。
「お前は人間界で、1人で悪魔退治をしなくてはならない・・・そこでだっ・・・お前を悪魔退治に適切な格好にしてやる!ほれっ!」

カッ!!

突然、周りが光だし、俺は何か不思議な気持ちに襲われた。
・・・そう、俺は思い浮かべていた。かっこよく顔は変化して、悪魔退治にぴったりな男らしい体つきに変わり、背も高いかっこいい戦士だ。

・・・そして・・・全身の光が解け・・・自分の姿が見えてきた・・・

「・・・って・・・なんだよこれー!!?」
その瞬間、俺は泣きそうなめに襲われた。なぜなら、自分が想像した体型とぜんぜん違ったからである。
その前に、性別さえ違っていたのだ。そう、体はもはや完全な女の体に変わっていたのだ。まさか・・・父さん・・・また!?
「父さん・・・」
「すまん、キロ!またミスっちゃったよ!」
笑い事ですませるなー!!俺は、一瞬失神しそうになった。だが、父さんは笑ったままだ。
俺が鏡を覗くと、かわいい女の子の顔、長い髪、服装は黄色いパーカーにホットパンツと、どこから見ても女の子の体になっていた。
「まあその方が悪魔に警戒されずにすむだろう!」
「冗談じゃねーよ、バカ親父!元に戻せよ!!」
これには俺も本気でキレた。俺の言葉はさらに激しくなった。
「それが・・・悪魔を全て集め終わるまで元に戻らないとインプットしてしまったんだよー・・・」
父さんは急に弱気になったが、俺はそれ以上口出しできなくなった。
「と・・・父さん、俺をなんだと思っているんだ・・・」
「だ、だが、かわいいからきっといいぞ!人間界でもいろいろと役に立つ!」
父さんはいいかげんにいった。
「くそーっ!クソ親父!!」
俺は、ドアを開け、そのあと、バン!と大きな音をたて閉じた。


「旅の道具をやろう・・・」
俺が部屋で旅の準備をしていると、父さんが入って来て言った。
「まずはこれ、『ナルシル』だ・・・見た目は小さい剣だが、手で握り締めると大きな剣に変わる!これで悪魔達を倒すんだ。」
父さんが俺に、小さな剣を受け渡した。
「それに、『基本呪文集』と、『魔法電子手帳』だ。電子手帳は俺とメールもできるし、欲しい物があれば何でも送られるぞ!」
父さんは続いて、1冊の本と、少し変わった電子手帳を俺に渡した。
「女のようなグッズだな・・・よし!じゃあ父さん、もう行くよ!」
バッグに道具を詰め終わると、俺が言った。すると父さんは、いきなり俺を見つめた。
「キロよ・・・さっきはいろいろとあったが、これは笑い事ではない。奴らが再び動き出せば、世界は破滅してしまうのだ。」
「ああ・・・」
俺は、ゆっくりうなずいた。
「じゃあな、父さん・・・」
「頼んだぞ・・・」
「元の姿に戻ったら許さないからな・・・」
そして俺は、荷物を持ち、自分の家を離れた。とうぶんの間、この家も見ることはできないだろう・・・


人間界へ向かう駅へ行く途中、サムの姿があったが、こんな姿で話しかけても、何がなんだかわかってもらえないだろう。
俺は、何も言わずそこを立ち去った・・・じゃあな、サム・・・


しばらく歩き続けると、ある大きな建物の前へ差し掛かった。
「よし・・・」
そこには、大きな文字で、『魔法駅』と書かれてあった・・・


・第2話へ続く・

 




・(あとがき)次回予告・

キロ:はーっ・・・今日の収録終わったよー!
キング(監督):ごくろうさん!
サム:でも女の子に変身するなんて大変ですねー!
サバス:キングさん、次回予告をお願いします。
キング:はいっ!

次回!人間界へとキロは旅立ちます!それからキロにどんな試練が待っているのでしょうか!どうぞご期待!!

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