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おかしな客(後編)
作:アカトリ




 「その日、おれはその中に入れずにいたんだ。何の中かというとおれの親友であるトモキ、水野智樹のお別れ会だ。どんな理由で遠くへ行くことになったのか、どんな経緯でお別れ会になったのか、というのはおれはもう忘れてしまったけど。お別れ会で智樹にお別れを言いたくなかったからずる休みしたのはよく覚えてる。
 ちなみにどーやってずる休みしたかというと、母さんが居なくなったときに体温計をがーっとたたみにこすって体温が高いように見せかけたんだ。
 ……ま、まぁそんな事はどうでも良いんだけどさ。
 おれはそんなことをしたから、別れる前に挨拶なんてしなかった。
 それから、数日たった後だったかな。おれは授業中にいきなり気持ち悪くなったんだ。
 非常にやばい状況だったらしいから急いで病院に運ばれたよ。運ばれたら投薬とかいろいろなもんを受けてそのときは何とか助かったんだ。
 その後医者から自分のみに起こったことの説明を受けたんだ。もう少しで治りそうな今でも自分の病気についてはよく分かってないんだけど、確か遺伝子に問題があってその問題のせいでなんか体にいろいろな不調が起こってしまうっていう病気だったはず…だったと思う。
 で、その病気を治すためにオレには初めての治療法が行われたんだ。遺伝子治療の一種だったと思うんだけど、色々やられていたから腕に注射をされていたことしか覚えてないんだよ。今はもう点滴を受けているぐらいだし。
 で、その治療を受け始めてから2週間ぐらいたったころかな? 風呂をあがったときの気づいたんだ。
 『あれ? なんかおかしいぞオレの身体』
……ってさ。
 でもその時は気のせいだろうと思ってそのまま誰にも言わなかったんだ。
 本当の意味でおかしいと思ったのはそれから3日経ってからだよ。その時にはオレの胸の部分が膨らんできていたからマジで驚いたよ。
 そのことを医者に言って見せたらすごい顔になったんだぜ。すっげー面白い顔、あれは口じゃ説明できね−よ。
 でさ、色々調べたらなんかさあ、俺の身体はだんだん女の子になって行っちまうんだってよ。
 信じられる? 男のオレが女の子になっちゃうんだってさ。
 そういうことが分かったらさあオレ、智樹のやつに会いたくなったんだ。今の俺に会ったらなんて言うかな? って思ってさ」
 そこまで言うと彼女はため息を1つ吐いた。
 「……なーんて、こんな事君に言っても仕方ないよな」
 「あの……」
 「ん?」
 「会いたいんですか? その智樹って人に?」
 「ん〜、まあ会いたいよ」
 ちょっと照れた様な感じで彼女は答えた。
 「じゃあ、目をつぶってくれませんか?」
 「こう?」
 彼女は軽く目を閉じた。
 「そうですそうです、そんな感じで。目を開けたら前を見てください。見れば分かりますから。はい、もういいですよ――」
 「一体何だって……、え!?」
 そこにはもう彼の姿は無かった。いや、彼女がいる場所もさっきとは違っていた。彼女が今いる場所は子供のころ遊んだ懐かしい神社ではなくコンクリート壁のマンションの一室の前だった。
 (一体どうなってるんだ?)
 そう思いながらふと自分の時計を見ると彼女はもう一度驚くことになった。
 (10時18分!? そんな! 俺があの九院の部屋に入ったときは確か10時15分だったはず。それから今までの時間がたった3分ほどだったって言うのか!? 本当に一体どういう――。これって!)
 今彼女のいる部屋の扉の横にある表札にはこう書いてあった。
『水野』
「『前を見れば分かる』ってこういう事なのか?」
普通に考えればこの表札にある苗字はただの偶然の一致であると考えるのが妥当であるが、今自分に起こったことは普通の事ではない。
 (ほんのちょっとの間会ってただけだけど……信じてみるか)
 彼女は目の前の扉を開けるためドアノブに手をかけた。



 「あ〜あ、この二つあるコーヒー、どーしよー。2人分を1人で飲むってのもなぁ〜」
彼は自分の部屋に帰ってくるとテーブルの上にある2つのカップを見ながら言った。
 「でもまあ仕方ないか。んっ、我ながらいい味出してるじゃん」
(End)




(あとがき)
……といっても特に書くことは無いのですが。
 この話は無修正です。Hなこととは関係はありません。ただ単に書いてから特に手を加えていない、という事です。そーいう事でこの話は僕の分身のようなものです。
 ……↑に書いてあることを一体何人の人が分かるのか。(どこと無く意味がシッチャカメッチャカな文章だもんな)




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