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昼休み
(最終回)
作:こうけい





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主な人物紹介

岡部 勝
男子。淑子のもとの姿で、今はもうどこにもいない存在。帰宅部。

岡部 淑子
女子。現在の主人公で、勝が変身した姿。バレー部。

間宮 基晴
男子。淑子の同級生で、おとなしい。帰宅部。

間宮 澄香
女子。基晴が変身した姿。メガネをかけている。バレー部。

大原 理絵
女子。淑子の同級生で、クラスの女子のリーダー格。バレー部。

藤野 真由美
女子。淑子の同級生で、理絵といっしょに行動することが多い。バレー部。

坂井 晶
女子。淑子の同級生で、理絵とはわりと仲がいい。演劇部。

棚橋 健也
男子。淑子の同級生で、男子のいじめっ子のリーダー格。バスケ部。

松村 諭
男子。淑子の同級生で、健也といっしょにいじめをすることが多い。バスケ部。


21 反復

突然女子の姿になっただけでなく、大と小を同時にもらしてしまった基晴。
クラスメイトたちが、そんな基晴のまわりから一目散に逃げ出す中、淑子は基晴に歩み寄った。
「澄香!なに突っ立ってるの!?」
「…スミカって、ぼくのこと?」
基晴が力なさげに振りむく。
「あたりまえでしょ。そんなことより、トイレで後始末してよ!真由美、晶、床は頼んだわ!」
淑子はそういうが早く、基晴の手を引いて廊下に出る。
「ほら澄香、おとなしく来なさいよ!」
「わっ!じょ、女子トイレ!?」
「当然でしょ!女子なんだから!」
「ええっ、ぼく男子だよ!…あれ、声が?」
淑子は自分から個室に入ると、抵抗する基晴を引きずりこんだ。
「ほうら、よく見てよ!あんたは女子でしょ」
おもらしの始末のためにスカートとショーツをずり下ろされた基晴は、まざまざと自分の下半身を見せつけられる。
「あっ!…ない…」
「上も確かめてごらん!」
淑子は基晴のセーラー服のすそを手際よく持ち上げ、ブラジャーを下にずらす。
「…ふくらんでる…これが…ぼくの胸…」
「Cカップじゃないの、うらやましいわね。あたしBなのに」
淑子は基晴の胸のふくらみをパンとはたいた。
「あつっ!」
基晴は、自分が女子の体になったことを、痛みで実感したのだった。

「…じゃあ、スミカっていうのは?」
「澄香、あんた自分の名前も忘れちゃったの?」
淑子は基晴のセーラー服の胸ポケットに指を入れて、生徒手帳を取り出す。
そこには“間宮澄香・女”とあり、今の基晴と同じ、メガネと三つ編みの女子生徒の写真が貼ってある。
「これ…ぼくなの?」
「ああ、もうじれったい、鏡見てよ!」
淑子は基晴を個室から引っぱり出して、洗面台の鏡の前に連れていった。
「う、うそ…同じ顔…」
鏡に映る自分の姿と、生徒手帳の写真を見比べているうちに、基晴はみるみる怯え顔になっていく。
「それに…どうして、メガネかけて…?」
基晴はようやく自分の鼻の上にあるものに気づいて、何度も手をやった。
「澄香、自分の持ちものを忘れちゃだめでしょ」
「えっ?ぼく、視力1.2あるのに」
「中学入ったときの視力検査でも、澄香は0.1もなかったじゃないの」
「そんなばかな!」
「だったら確かめてみれば?」
そう言いながら、淑子は意地悪く基晴の顔からメガネを外す。
「…あ!…み、見えない…ぼやけて…それ、返して!」
「ほら」
メガネを受け取った基晴は、恐る恐るかけてみる。
「…見える、ようになった…」
「でしょ。つまり、そのメガネは間違いなくあんたの、間宮澄香のものなのよ。わかった!?」
「…わかっ…た…」
「じゃ、確認するけど、あんたの名前は?」
「間宮…すみ…か…。…うううっ…」
自分が変わってしまったことを認識させられて、澄香は洗面台の前で泣き崩れるのだった。

「わかったら、保健室に服借りに行くわよ!」
淑子の後ろについて、しょんぼりと廊下に出る澄香。彼女のメガネのレンズは、涙で半曇りになっていた。


22 踏轍

澄香のおもらしの後始末をしている真由美や晶たち。しかし、理絵にはそれが目に入らなかった。
理絵の頭の中では、自分がやってしまったことへのショックが渦を巻くばかりだった。

(岡部くんが淑子になったのは、あたしのせい…。
どうして、こんな大それたことをしちゃったんだろう…。
そして、淑子が間宮くんにやったことは、あたしが岡部くんにやったことと同じ…。
あたし、岡部くんが女になってしまえばいいって念じたら、本当に岡部くんが淑子になっちゃって…)

「………真由美。間宮くん、どうなっちゃったの?」
「どうしたの理絵?間宮なんて男子、いないわよ。女子なら澄香がいるけど」
(やっぱり…そうなってるのね…あのときと同じだ!)
理絵は直ちに状況を把握した。
「あっ!…ごめんごめん、澄香のことだった」
「澄香なら、淑子が保健室に連れてったよ」
「…そうだ、あたしも床の後始末手伝おうか」
「もう終わったからいいわよ!…理絵、あんたもちょっとどうかしてない?」

基晴も、もとから女子の澄香ということになってしまったのだ。勝が淑子になったときと同じように。
あのときと違うのは、この変化から取り残された者がただひとりいること。つまり、理絵だ。
基晴が澄香に変わったとき、理絵以外のすべての者は基晴についての記憶を澄香についてのものに変えられてしまった。
しかし、理絵だけはそうならず、それどころか勝が淑子に変身する前の自分の記憶を、部分的にだが取り戻したのだ。

午後の授業中、澄香は、慣れないメガネを時折持ち上げながらべそをかいていた。
斜め後ろの席の理絵は、そんな彼女が気になって授業に集中できない。
(岡部くんが、淑子になって、あたしと同じことをしてるなんて…。澄香、かわいそう…。
淑子を岡部くんに戻すのも大事だけど、まずは、澄香を間宮くんに戻さないと。
それができるのは、多分淑子だけ。そして、あたしには淑子を説得する責任があるわ!
でも、どうやって説得しよう…。
そもそも、あたしが岡部くんを淑子にしちゃったのは、なぜだったのかしら…)
「大原、なにブツブツ言ってる!?」
「…す、すみません!」
先生に注意されてあわてる理絵。しかし、すぐにまた授業から心が離れていく。
(どうしてあたしは岡部くんを…?
…だめ…わからない…頭が痛い…思い出せない!
後にまわそう…そのうちわかるかも…)

放課後、帰宅の準備をしている澄香に、淑子が話しかけてきた。
「あんたもバレー部でしょ?鼻つまみさん、行くわよ」
「どうしてぼ…あたしが!?」
鼻つまみさんというのは、淑子たち女子が澄香につけた呼び名。そして、女子の澄香はバレー部所属ということになっているのだ。
先日とあまりにそっくりな光景が繰り返されるのを見て、理絵は胸が痛くなった。
こんな状況を解消するためにも、淑子を説得しないといけない。
「淑子、ちょっといい?」
「ちょっとだけね」
「あのね、澄香をもとの男子の間宮くんに戻してあげて」
「は?男子の間宮くん?戻すって何のこと?
鼻つまみさんははじめっから女子に決まってるじゃないの」
「…あたし知ってるのよ!淑子が間宮くんを女子に変えたことを」
話すうちに、理絵は紅潮してきた。
「今、あたし以外のこの世のだれもが、もとから間宮澄香っていう女子がいたと思ってる。
でもそれは違う。澄香っていうのは、淑子のせいで間宮くんが変えられてしまった存在なのよ」
「…わけのわからないこと言うのね。あたし急いでるから」
「ほらほら理絵、淑子がいやがってるんだから、もう話はおしまい」
真由美が横から割って入った。
「あたしたち早くバレー部行かないと。じゃあね、理絵」
「部活なら、あたしもいっしょに行くわよ」
「は?理絵って部活入ってなかったんじゃないの?」
声をそろえる淑子と真由美。
「えっ、そんな?」
理絵は焦った表情で、近くにいた諭に尋ねる。
「ね…ねえ、松村くん。あたしってバレー部よね?」
「大原、おめえ帰宅部だろ。変なこと言うなあ」
ほかのクラスメイトたちの答えも、諭と同じだった。
(これも淑子のしわざなの?あたしまで変えられてるなんて…。
それに、あたしより淑子のほうがリーダーって態度とってる…)

淑子と真由美に両肩を抱えられるようにして、澄香はバレー部へと連れていかれる。
大きく振り向いた彼女は、何か訴えるような目で、メガネのレンズの向こうから理絵を見つめていた。

それからの澄香は、生き地獄の連続だった。
部室で、淑子は澄香に紙オムツをつけさせた。理絵ですら淑子につけさせなかったというのに。
「間宮、どうしたそのブルマの下は…紙オムツ!?」
「澄香がおもらししたんで、あたしがつけさせたんです。先輩もごぞんじじゃないですか?昼休みのアレですよ」
3年生部員の質問に、あっさりと答える淑子。澄香は、ただ黙っているばかりだった。
「…間宮ならしかたないな。よし、今日はつけてろ」

今日の女子バレー部は体育館が使えない日なので、男子バレー部と合同で屋外グラウンドでのランニングだった。
しかし、澄香はたちまちへばってしまい、淑子たちにはっぱをかけられる。
「オムツメガネ!岡部たちの足引っ張るなよな!」
同じく屋外で柔軟体操をしていた男子バスケ部の健也たちからも、嘲笑の声が飛んだ。
けれども理絵には、そんな惨状をグラウンドの片隅からながめることしかできなかった。


23 模索

翌朝、澄香はやつれた表情で登校してきた。
初めて女子として過ごした自宅でも、不愉快なできごとがあったのかもしれない。

「おはよっ、鼻つまみさん!」
澄香のすぐ横を淑子が通り過ぎる。次の瞬間、淑子はサッと澄香のかけているメガネを取り上げた。
「あっ、ごめん、手がすべった」
「…ああっ…返して、メガネ返して!」
「ほーらほら、取り返してみたら?」
黄色い声をあげながら、淑子の持つメガネに触れようとする澄香。
しかし、基晴だったときから運動神経がなかった上に、視力まで弱くなっている彼女には無理な話だ。
そこへ健也が通りかかる。
「棚橋くん、これパス」
「ほいよ」
淑子がメガネを軽く放り投げると、健也はあっさりと受け取った。
「壊れちゃう!返してよ!」
半泣きで追ってくる澄香を、軽くかわす健也。
「岡部、もう一度パスだ!」
「オーライ!」
淑子はメガネを受け取ると、澄香のほうを振り向く。
「ま、このくらいでいいわね。
ほら、鼻つまみさん、返してあげるから!」
「あっ…ありがとう…」
澄香は、淑子の手からおそるおそるメガネを受け取った。
「でもね、鼻つまみさん、あんた本当に運動神経にぶいのね。
バレー部なんだから、もっと体動かさなくちゃ」
「岡部、オムツメガネって、からかいがいがあるよな、はははは」
淑子と健也は、澄香をダシに笑い合っていた。

あまりの澄香いじめにたまりかねて、理絵は淑子に抗議した。
「もうやめてよ淑子!お願い、目を覚まして」
「えっ?あたし、今日は寝覚めよかったけど」
「とぼけないで。澄香をもとの間宮くんに戻してあげて!」
「また鼻つまみさんの話?そっちこそ目を覚ましたら?」
「あたし、昨日の昼休みに、淑子が念じてるところ見てたんだからね。間宮くんなんて女になってしまえって。そうしたら、彼が本当に女子になっちゃったのよ」
「…なんのことだか、さっぱりわからないわ」
「淑子、あなたがわからないって言うのは、自分の心まで変えてしまったからじゃない?
そう、澄香をいじめようって、自分自身を洗脳しちゃったのよ。
お願いだから、淑子、目を覚ましてよ!」
理絵は、自分が勝にやったことを思い出しながら、淑子に告げていく。すると、淑子の顔に動揺の色が現れた。
「…やめて!その話はやめてよ!」
「どうして?」
「思い出したくないの。気分が悪くなるから!だいたい、どうしてあたしがそんなこと念じなきゃいけないの?理絵、説明してよ」
「それは………?!」
理絵の回想は、そこで止まってしまった。
頭に痛みが走って、回想しようとしたことが脳裏から姿を消してしまったのだ。

(昨日の午後と同じだわ…。あたしが岡部くんを淑子に変えた理由を思い出そうとしたときと…。
淑子が動揺してるから、図星なのは間違いないんだけど…。
あたしが思い出せないのは、あたしにもショックなことだから…?)

「ねえ、大原さん」
2時間目の後の休み時間。澄香の呼ぶ声に、理絵はふりむいた。
「もしかしたら大原さん、あたしと岡部さんの本当のこと、わかってるのかな?」
澄香は理絵の態度に感づいていたのだ。
「澄香……ううん、間宮くん…。ごめんなさい。まだ完全にはわかってないの…」
「そうか…。まず岡部さんを、変わっちゃった岡部さんを、もとに戻して…!そうすれば、あたしだってもとに戻れると思うから…」
まだ慣れないのか、澄香は話しながら何度もメガネをずらし直す。
いわば淑子に強要されたその動作が、理絵の澄香への同情心を深めていった。
「ありがとう…。なんとかがんばってみるから。それまでは、とにかく堪えてね、澄香。お願い」
(澄香って、こんなにされても、淑子のことを大事にしてるのね…)

澄香と入れ替わりに、晶が理絵に話しかけてくる。
「澄香って変わってるわよね。あんなにいじめられても、淑子から離れたがらないんだから」
そのとき理絵は、調理実習のときの晶の言葉を思い出した。
『でも、間宮くんって変わってるわね』
(あれって…!どうして今まで気づかなかったのかしら?)
昨日の昼休みまでの淑子と基晴の態度が、理絵の頭の中に走馬灯のように再現される。
(これだわ!もう一度、淑子を説得してみよう!三度目の正直、今度こそうまくいくはず!)


24 氷解

昼休み、理絵は淑子を部室裏へと呼び出した。
まずは、今朝と同じように話を切り出す。
「…そのことは思い出させないでよ!しつこいわね」
「ううん、あなたには思い出してもらわないと困るわ」
理絵は姿勢を正して淑子を見つめた。
「ねえ淑子、あなたは間宮くんの態度が気に入らなくて、あんなことを念じたのよね。
でもね、澄香、ううん間宮くんの本心は、あなたの思ってるのとは違うはずよ」
「…なんなの?一体」
「間宮くんはね、淑子のことが好きなのよ!
淑子、思い出して!お願い!間宮くんを許してあげて!」
理絵は、基晴がしたことを、ひとつひとつ淑子に告げていった。
淑子の背中に紙が貼られていたことを、基晴だけが教えてくれたこと。
淑子の罰ゲームだった調理実習の準備を、基晴だけが手伝おうとしたこと。
淑子が味つけに失敗したシチューを、基晴だけが食べようとしたこと。
「それにね、間宮くんはね、淑子をもとに戻してほしいって、さっきあたしに頼んできたのよ!淑子にいじめられてるっていうのに」
理絵の話が進むにつれ、淑子は混乱の色が隠せなくなっていった。
「………そんな、そんな!あたしは澄香が大嫌いなのに!」

そのとき理絵の脳裏に、今朝回想しようとしたけれどもできなかった、大切なことがよみがえりかけてきた。
回想をめぐらせようとするにつれ、頭も再び痛くなってくるが、理絵はそれを懸命にこらえる。
(我慢よ、理絵。澄香と淑子、ううん、間宮くんと岡部くんを救うために。
澄香だって、つらいいじめに堪えてるんだから!)
「ねえ淑子。あなたは自分の心を、澄香をいじめようという一心に凝り固まらせてしまったわね」
そこまで言ったところで、理絵の頭の痛みは頂点に達した。
しかし、彼女は一瞬顔をゆがませながらも、大きく深呼吸して、とどめの言葉を口にした。
「…でも、間宮くんを変えてしまっていじめたのは、愛情の裏返しじゃないの!?
淑子だって本心は、間宮くんのこと好きなんでしょう?」

「…あっ…!!」
理絵の頭痛が引いていくのと同時に、まるで催眠が解けたかのように、淑子の表情が和らいでいった。
淑子は、自分が異常な心理に凝り固まっていたことと、その原因を瞬時に理解したのだった。
「理絵…ごめん…どうしてあたし…」
「謝る相手はあたしじゃないでしょ。間宮くんを許してあげるって、念じるのよ」
「…うん…」

淑子が静かに目を閉じると、教室の隅でひとりたたずんでいた澄香の体が、光と熱を発しながら変化を始めた。
制服のセーラー服が丈を伸ばして、黒い学生服へと変わっていく。スカートも下に伸びながら、ふたつの筒へと分かれた。
胸とお尻のふくらみが体内に吸収されるにつれ、体全体がひとまわり大きくなる。
髪の毛は三つ編みがひとりでに解けて、みるみる縮んでいった。顔にかかっていたメガネも、消滅する。
昨日とまるで正反対の現象が起こったのである。
「戻ってる…。男だ…ぼく…基晴だ…」
基晴の体だけではない。淑子、基晴、理絵以外のすべての者の記憶も、基晴が澄香に変身する直前のものに戻っていた。

理絵といっしょに教室に戻った淑子が、扉を開けて真っ先に確認したものは、もとに戻った基晴の姿だった。
とたんに、淑子の目からは光るものがあふれ出てきた。
基晴を変身させてしまう直前に、淑子は彼を衝動的にかばいたくなっていたけれども、彼女は今やっとその理由に気づいたのだ。

淑子がゆっくりと基晴に近づくと、基晴も淑子に歩み寄ってきた。
「ま、間宮くん…あたし…ごめんなさい…」
「岡部さん…」
「本当にごめんなさい、間宮くん…あんなことしちゃって…。
……そして………好きです。…あなたが…」
「………ぼくも…好きだよ…岡部さん」
「あたしを許してくれるの…?」
「ぼくのほうこそ、ごめんなさいだよ…。岡部さんの気持ちに気づかないなんて」
「うれしい…ありがとう、基晴……………」
理絵たちクラスメイトが固唾を呑んで見守る中、淑子と基晴は両想いになったのだ。

そのとき、理絵は全身に激しい衝撃が走るのを感じた。
(あっ…!あたしも同じだったんだ…)
理絵はとうとう、自分の心の動きを完全に思い出したのだ。
(あたしもあのとき、岡部くんのこと、好きだったのね…。
なのに愛情が裏返って、岡部くんなんて女になっていじめられてしまえって念じたら、それが本当になって、あたしの心まで変わっちゃって…。
あたし…自分の気持ちに気づくのが怖くて…頭が痛くなったのね…)
真相に気づくことで受けるショックを防ぐための、逃避本能。それが、理絵を襲った頭痛の正体だったのだ。
(女子になったばかりの岡部くんも、あたしから離れようとしなかった。
あたしも、岡部くんのこと、許してあげないと…)


25 萌芽

授業中、放課後、バレー部の練習中。
理絵は何度も、淑子がもとの男子の勝に戻るように念じた。
しかし、理絵がどんなに願ってみても、淑子の体が変化することはなかった。
(まさか、もう淑子を岡部くんに戻すことはできないの…?)
理絵を底知れない不安感が襲った。

バレー部の練習が終わり、下校の途につく淑子、理絵、真由美の3人。
校門を見ると、ひとりの男子生徒が立っていた。
「あっ、基晴!」
淑子は基晴の姿を確認すると、理絵と真由美を残して、彼に駆け寄っていった。
「岡部さん、いっしょに帰らない?」
「待っててくれて、ありがとう。うん、帰りましょう」
「淑子…?」
あっけにとられる、理絵と真由美。
「ふたりともごめん。…今日は基晴といっしょに帰りたいの。それじゃあね!」
淑子は理絵と真由美にそう言うと、基晴と手をつないで歩いていった。

「ねえ、理絵。今の淑子、いい笑顔してたよね?」
「うん…。あんな笑顔…初めて見たな…」
「間宮くんといっしょに帰れて、心の底からうれしいって感じよね。あたしも、好きな人ができたらああなれるのかな」
「そうだね、真由美…」
(ほんと、間宮くんといるときの淑子って、心から安らいでる。
あんな表情、男子の岡部くんだったときには見たことなかったな…)
淑子が今、女子としての初めての幸せを味わっていることを、理絵と真由美は強く認識した。


26 違和

それから、数日が過ぎていった。
淑子はクラスメイトたちにも積極的にとけこんでいた。
おもらしやいじめのことは、もうだれも口に出さなくなっていた。

理絵と淑子は、すっかり同性の親友になっていた。
休み時間になればいっしょにおしゃべりをするし、トイレもいっしょに行く。
放課後は真由美と3人でバレー部に向かい、練習に汗を流していた。
家に帰ってからも、しばしば電話で話に花を咲かせて、両親から注意される。
そしてそれは、淑子の家のアルバムの写真にあった、幼いころからのふたりの関係と同じだった。

もちろん、淑子と基晴の関係も順調に続いており、日曜にはデートもしていた。
基晴もあれから一変して、だれとも自然に会話できるようになっていた。淑子と共通の話題を少しでも増やすためにと、男子バレー部に入部して体を鍛え始めたほどだ。
そんなふたりを、理絵は表から裏から応援した。時には淑子が基晴とのことについて理絵に悩みを打ち明けることもあった。

お互い率直に物を言い合える関係になった理絵と淑子。
しかし理絵には、淑子に言い出せないことがただひとつだけあった。
そう、淑子が、理絵によって変えられてしまった存在であることだ。
もう淑子を勝に戻すことはできまいと悟ってから、理絵はこのことを必死で忘れようとした。淑子と仲良くやっていくためには、妨げになるからだ。
だが、淑子との関係が順調にいけばいくほど、忘れることができなかった。
自分や真由美や健也たち、そして基晴と楽しそうに話す淑子を見るにつけ、これは彼女の本当の姿じゃないということと、彼女をそうしてしまったのは自分の責任だということを、理絵は痛感させられるのだった。

(今の淑子は幸せなんだから、このまま本当のことを言わないでいたほうがいいのかな…。
言ったってもうどうにもならないんだから、言ったらきっと淑子は傷つくだろうな。
…でも、淑子の幸せだって、いつまで続くかわからないじゃないの?
本当のことを知らないまま幸せでなくなるのは、それこそ本当の不幸よ。
一体、どうしたらいいの…)
しかし、この悩みはだれにも相談ができなかった。理絵と淑子以外のすべての者にとって、岡部淑子は生まれつき女子の淑子なのだから。

「理絵?理絵ったら?休み時間だよ」
「…あっ、淑子。びっくりした」
淑子の声に、理絵はあわてて振り向いた。
「理絵、今日は顔色悪いわね。ううん、昨日だってどこか変だった。
もしかして、理絵、なにか悩んでることあるんでしょう?」
「ううん、淑子には関係ないことだから。心配しないで」
「………」
淑子は、自分を避けようとする理絵の顔に食い入ってきた。
「あたしたち、幼稚園のころからの親友よね。なんでも話せる仲だったわよね。
理絵、お願い、どんな悩みなの?あたしに聞かせてよ、ねえ?」
迫ってくる淑子の目に、理絵は一瞬ドキリとした。
(これ、岡部くんの目だ…。あの、合格発表のときと同じ…)
不意に、懐かしい記憶がよみがえってくる。
(やっぱり、淑子は、岡部くんなんだ…)
理絵は何かを悟ったかのように大きくうなずくと、淑子に返答した。
「わかったわ、淑子。昼休み、着替えたら部室裏まで来てくれる?大切な話があるの」
ついに、理絵は自分の最後の責任を果たそうと決めたのだった。
(本当のことを言おう!淑子の心の底の岡部くんが、そうしてほしいって願ってるんだから!)


27 清算

その日の昼休み。
5時間目がグラウンドで体育の授業だったので、体操服に着替えた理絵と淑子は、人が来ない部室裏へと向かった。

「理絵、大切な話って?あたし、ハチマキ見つからないんだけどさ…」
淑子は少し落ち着かない様子だった。
「それは、あたしの話が終わったら探せばいいでしょう」
淑子を鎮めるように、理絵は彼女の両肩に手を置いた。
「…うん」
「じゃあ淑子。単刀直入に言うわ。
…あなたはね、本当は、男子なのよ」
「………」
淑子は神妙に話を聞いている。
「あなたは、岡部勝くんっていう男の子だった。
でも、あたしがあなたを女子に変えたのよ」
「……………」
「淑子、間宮くんを女子に変えちゃったことがあったでしょう。
あたし、あのときと同じことを、あなたに…勝くんにやったのよ…。
好きだった男子の、勝くんに…」
そこまで言ったところで、理絵は自然と声が震えてきた。

「…ごめんなさい!勝くん!あなたが好きだっていう気持ちを伝えることができなくて。
あたしがいくら勝くんをかばっても、勝くんに気持ちが伝わらなくて、逆に反感を買っちゃって…。
あたし、不満がたまっていくうちに、とんでもないことを考えちゃって…。勝くんが女子になってしまえばいいって念じたら…、まさか、本当になるなんて…。
勝くんだけじゃなくて、みんな変わっちゃった。あたしも、真由美たちも、いじめの鬼に変わっちゃった。
つらかったでしょう、勝くん。突然おもらしをしたり、バレー部に連れていかれたり、背中に貼り紙をされたり…。
でも、一番取り返しのつかないいじめは、勝くんから、生まれてからのすべてを奪って、代わりに岡部淑子っていう女の子のすべてを押しつけたことね。
こんなひどいことをしたあたしが、本当は好きだったなんて言っても、都合よすぎるわよね。
はじめからはっきりと、あたしは勝くんが好きですって言ってれば、こんなことにはならなかったのに…。
忘れてたかもしれないこと、思い出させちゃって、ごめんね…。
でも、言っておかないと、あたし、すっきりしないから…」

淑子も、ゆっくりと口を開いた。
「…ううん、ありがとう。男子だった勝のこと、好きだって言ってくれて。
理絵の気持ちに応えられなかった、あのときの勝も悪かったの…。
こんな男の子、いじめられたって当然よね。
それにあたし、みんな覚えてるから…、思い出させたってことは気にしないで。
もともと男子の勝だったことも、突然女子になっておもらししていじめられたことも、いじめられてもいいって開き直ったら淑子としての自覚が芽生えてきたことも、基晴を女子にしちゃったことも。
何日もたってないのに、もう思い出よね…。
それと、勝だったときの記憶だって、そのまま残ってるし…」

「そうだったんだ…」
理絵は淑子の言うことに納得はしたものの、違和感はぬぐえなかった。
(男子だった勝?あのときの勝?わかるけど、わかるけど…!)
淑子が勝のことを、自分自身ではなくまるで昔の友人かなにかのように語るなんて…。
「勝くん!」
興奮した理絵は、あらためて淑子をそう呼んだ。
「あなたは勝くんでしょ、聞いて!あたしが、あなたを好きになったときのことを…。
もう今更なことなんだけど…」
遠くの空を見つめながら、理絵は思い出話を始める。
「いつも目立たなくて、いじめられてた勝くん。でも、あたしは気にかけずにはいられなかった。
あたしが勝くんのことを気にかけはじめたのは、そう、小学校卒業間際。あたしが私立中学の入試に失敗して、合格発表会場からしょんぼり学校に戻ってきたときよ。
あのとき、クラスのみんなが『残念だったね』って言ってたのに、勝くんだけは別なこと言ったわよね。覚えてる?」
「あっ…覚えてる。あたし、『中学もいっしょになれて、よかったね』って言ったはずよね」
「そうそう!勝くん、うれしい…」
淑子が確かに勝時代のことを覚えていたことと、勝のことを三人称の“勝”ではなく一人称で呼んだことが、理絵にはとてもうれしかったのだ。
「勝くん、あんなこと言ったもんだから、みんなになんやかんや言われたでしょう?」
「うん、あとでいじめられた。ムードのわからないやつだとか…」
「そう、みんな勝くんのこと怒ってたわね。だけどあたしには、とてもうれしい慰めだった。
だって勝くん、あたしといっしょにいたいって言ってくれたんだもの。
あのときの勝くんの優しい目、今でも忘れられないな…」
さっきの休み時間に、淑子への告白を決意させた目のことだ。
「理絵…喜んでくれてたんだ…。
あとになったら、試験に落ちたのに『よかったね』なんて失礼だったかな、とも思ったけれど…。やっぱりああ言ってよかった…」
「そうなの、そうなのよ…勝くん…」
淑子の『言ってよかった』という言葉に、理絵は自分が救われたと感じた。
(今更じゃなかったんだ…。あたしのほうこそ、思い出話をしてよかった…)
そして淑子のほうも、理絵の思い出話に救われていたのだ。

「それからね、あたしは勝くんのこと、いろいろ構ってあげたくなったの。
今思えば、あれが“好き”っていう感情だったのよね…」
「あたしも、理絵と離れたくなくて、理絵がいっしょの公立に行くって決まって、純粋にうれしかった。
…あのときからあたしも、理絵が好きだったんだな…」
(あのときは、お互い、気持ちは伝わってたんだ…)
ふたりの顔に、安堵の色が広がった。
勝と理絵は好き合っていた。そのことが確認できて、ふたりはもう一度救われたのだ。
しかし、淑子はゆっくりと記憶をしぼり出すように話を続ける。
「理絵と勝は両想いだったのに、せっかく同じ中学に入ったのに、それからはお互いの気持ちを受け止められないままに、こんなことになっちゃった…。
今のあたしも、理絵のこと好きだけど………もう、違う“好き”になっちゃってる。
女の子どうしの“好き”…」
その言葉に、理絵の表情は再び曇ってきた。
「やっぱり、淑子と勝くんはもう別の人格なのね…」
「………」
長い沈黙。
理絵は、胸が締めつけられるように苦しくなってきた。
(この感覚は…どうして…。あたし、女子の淑子だって好きなのに…)
淑子のほうを見ると、彼女も同じように、胸をおさえながら懸命に苦しさをこらえていた。

気づいたときには、もう遅すぎた。
淑子と理絵は、異性どうしの勝と理絵の関係には決してなれない。
そのことをお互いに確認したふたりは、“せつなさ”という言葉の意味を体で理解したのだ。

グラウンドから、昼休みのサッカーを楽しむ生徒たちの歓声が風に乗ってくる。


28 収束

やがて、淑子のほうから、口を開いてきた。
「あのね、あたしを変えたのが理絵だってことだけは、今はじめて知ったわ」
「そうだったの…?」
「棚橋くんが“岡部淑子”ってラベルを貼ったせいだって、ずっと思ってた。
もう一度ラベルを貼ればもとに戻れるとは思ってなかったけど」
「うん、あのラベルは偶然ね。でも、淑子っていう名前は、棚橋くんが言ってたのが聞こえたから使ったの。『淑子って名前の女子になれ!』ってね」
これが、あの日の昼休みの真相だったのだ。
「そうか…でも、あたしが基晴に澄香って名前をつけたのは、ただの思いつきだったけどね。
…そもそも、念じる力の正体って、いったいなんだったの?」
「あたしもよくわからないな…。本当に、偶然の奇跡としかいえないのかも。
あたしだって、あの一度しかうまくいかなかったし」

そこまで言ったところで、理絵は表情を転じた。
「あたし、もうひとつはっきりと謝りたいことがあるわ。
…あなたを男の子に戻せなくてごめんなさい!」
「………」
「間宮くんが男子に戻ったんだから、あたしが勝くんを許してあげるって念じれば、淑子も勝くんに戻るはずよね?
だけど、何度念じても、うまくいかなかった。
理由はわからないけど、もう、あたしにはあなたをもとに戻せないんじゃないかって気がするのよ…。
本当に、ごめんなさい!」
「理絵、ありがとう。でも、もういいわ」
「えっ?」
淑子の言葉に、理絵は目をまるくした。

「それって、ずっと淑子のままでいたいってこと?」
「…うん…」
「どうして?いじめられて開き直ってた、あのときならわかるけど、もう開き直らなくたっていいのに」
「違うの。あたし、本心から淑子のままでいたいの」
淑子は自分の胸に手を当てながら、率直な心境を話しはじめた。
「淑子の毎日は楽しいし、父さん母さんともうまくやってるし、部活も調子づいてきたし、刺繍も新しいの完成しそうだし…。ごめんね、今は基晴にあげるのつくってるけど、次の刺繍は理絵にあげるから…」
「勝くん…すっかり淑子になりきってるんだ…」
「心配しないで。あたしね、今は、淑子としてと勝としての、両方の過去の記憶があるの。
話をするときにすぐに出るのは淑子の記憶だけど、意識して思い出そうとすれば、勝の記憶も出てくる。
でも、もう勝に戻りたいなんて思ってない。勝の記憶は持ったままだし、勝時代が懐かしいって思うこともあるけど、このまま女の淑子として生きていきたい…」
「でも、やっぱり、本当の姿に戻ったほうが…」
「それに、基晴がいるから…」
「あっ…!」
淑子から基晴の名前を聞いた理絵の背中に、一瞬ぴりっと電気が走った。

「あのね、あたしは…基晴の顔を見るたびに、声を聞くたびに、自分は淑子でいなきゃいけないって思いなおすの。
あたしが淑子でなくなったら、だれよりも基晴が悲しむから…」
「違う、間宮くんは悲しまなくてすむわ。あたしが念じて淑子を勝くんに戻したら、間宮くんの淑子についての記憶は、もともとの勝くんについての記憶に戻るだけなんだから」
理絵は思わず声を高くした。
「…だけど、記憶を消されるって、もっと残酷よね」
「あっ…そうか…」
「もともと、基晴って、男子だった勝よりももっと引っ込み思案で、よくいじめられてた。彼をあんな状況に戻すことなんて、考えたくないわ。理絵だって、そう思うでしょう?」
「うん…」
その頃の基晴の実状を思い出すと、理絵もうなずくしかなかった。
(本当に、淑子は女の子としての幸せの中にいるんだな。間宮くんも幸せだし。
あたしが念じても淑子が勝くんに戻らなかったのは、女子の幸せを覚えてしまったからなのかもしれない…。
あたしには、もうふたりをどうこうする権利なんてないんだ…でも…!)
「勝くん、勝くん………!どうしようもないってわかってても、あたし、あたし、……うううう…うくう……くっっ……」
込み上げてくる感情と、目からあふれ出すものをおさえきれなくなった理絵は、淑子の胸に飛び込んでいった。

「うくくっ…ま、さる、くん……ひくっ…。
しばらく、このままで…うくっ…いさせて……お願い……」
体操服の胸に縫いつけられた“岡部淑子”の布に、理絵の涙がしみこんでいく。
「ねえ理絵、そんなに、悲しまないで…。
理絵があたしを淑子に変えてくれたおかげで、あたし、基晴と出会うことができたんだから。
理絵とも心からの友達になれたんだから。
理絵…ありがとう…」
ゆっくりと顔を上げた理絵は、そう言う淑子に、またあのときの優しい目を見た。
(あたしの好きな、勝くんだ!)
『大原…さよなら…ごめん……。でも、ぼくは、いつも淑子の中にいるから…』
理絵の耳には、そうささやく勝の声が確かに聞こえた。
(勝くん…許してくれて…ありがとう………さようなら…)
理絵は、淑子の体をした勝のぬくもりに、いつまでも浸っていた。

「岡部さーん!」
長い長い余韻を破ったのは、基晴の声だった。
「あっ、基晴ーっ!こっちこっち」
「岡部さん、探したんだよ!」
体操服姿の基晴が、ふたりに小走りで近づいてきた。男子の体育もグラウンドなのだ。
「ほら、忘れ物」
基晴の手には、女子用のハチマキがにぎられていた。“岡部淑子”の名前がある。
「ああっ!それ探してたんだ。ありがとう」
「もうすぐ授業始まるから、いっしょに行こうよ」
「うん、基晴」
淑子は、基晴の手をとって走り出す。
「じゃあ理絵、お先にー!」

「これでよかったんだ…」
部室裏にひとり残された理絵は、ため息まじりにつぶやいた。
実は昼休み前に、ほかならぬ理絵が、基晴に淑子のハチマキを渡して、話をつけていたのだ。5時間目の直前になったら部室裏に来るように、と。
淑子への告白の結果がこうなるだろうと予期していたからこそ、自分の未練を断ち切るために…。

(淑子、間宮くんを大切にね。
あたしの失恋を、無駄にしないで…)

理絵がグラウンドへと駆けていくのと同時に、授業開始のチャイムが鳴った。

(『昼休み』・完)





(作者からのメッセージ)
4月中という公約は果たせませんでしたけど、とうとう『昼休み』が完結しました。
みなさん、励ましの言葉どうもありがとうございます!

もともと1回完結の予定で書き始めた『昼休み』ですが、書いていくうちに登場人物たちのその後の動きがどんどん思い浮かんできまして、ここまで話がふくらみました。
勝くんが男の子に戻れないという結末だけは真っ先に決めたのですが、そこに至るまでにどれだけのハプニングとせつなさといとおしさを盛り込んで、そのうえでいかに話を収束させるべきかで、幾多の試行錯誤がありました。
ひとつの話を完結させるということの大変さを、今しみじみと実感しております。

それでは、また次回作でお会いしましょう。



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