戻る







いつからか貴方は私の中で・・・


いつからか私は貴方の事を・・・


いつからか貴方は私の側で・・・


いつからか私は貴方を・・・




そして私は願う貴方の事を・・・


そして私は願う二人の事を・・・


そして私は・・・






















ステキな贈り物
ヒロイン・X
作:kagerou6



「今年もいよいよクリスマスだねー」直美が着替え終わり僕に話しかけてきた。
「・・・クリスマスか・・・はァ・・・」僕はあの事を思いだし、着替える手を止めついため息をついてしまった。
「恵?はクリスマス嫌いなの?」そんな僕を直美が見逃すはずも無く、コートを羽織ながら僕に言ってきた。
「僕が・・・こんな格好をしているのは、あの時のクリスマスのせいなんだよ・・・」スカートをヒラヒラさせ、僕は直美の問い掛けにそう言い返す。
「・・・そうだったね、校長があの時・・・」直美もそんな僕の様子から理解してくれたみたいだ。

1年前のクリスマス公演で僕はマリアを演じていた
迷子を助けた僕に"マリア"が似あうと一部からリクエストされて
公演会は何事も無く終わったが、後でハプニングが起きた
校長が迷子を連れステージに上がって来たからだ
おかげで?全校生徒に知られてしまい男に戻れなくなった
それが1年前のクリスマスの事だった

「でも恵?そんな事他の人の前で言うと嫌われちゃうよ・・・」直美は着替え終わった僕に、バックを手渡しながらそう言った。
「でもさ・・・あんな事が無かったら今頃は・・・」僕は言いながら更衣室を出た
先に着替え終わり部室にいた部員達に”お先に"と声をかけドアを開けた。

「さむー」

出たとたん頬を駆け抜け、足に纏わり付く風に僕はつい言っていた。
「まったく恵は寒がりなんだから・・・・」一緒に出た直美は笑いながら僕を見つめている。
「そんな事言ったって・・・寒いモンは寒いの・・・」僕は直美に言い返す。
「しかし・・・恵?1年も経つのに・・・」直美は言う。
「1年が10年でも・・・・寒いものは寒い」僕はキッパリと言い歩き出した。
「まってよ・・・・恵」直美も僕と一緒になって歩き出す。

「アレから結構経ったのに・・・かわんないんだね・・・恵は」
直美は僕の隣で何かボソボソ呟いていた。
「直美?なに」僕は直美に聞き返したが何も答えないでいる。
「今年のクリスマスは・・・雪が降るのかなって思って・・・」直美は僕の問い掛けに、いきなり空を見上げ呟いた。
「昔はそんなクリスマスが良いと思ったけど・・・降らない方が良いな」僕は直美の返事に空を見上げ答える。
「恵にロマンティックなことを求めるのは無駄か・・・」僕の答えに直美は言い出す。
「直美・・・・それって・・・・」僕は直美を見つめ言う。
「そのままよ・・・恵さん!」直美は笑いながらそう呟く。
「まァ、恋人もいない恵にそんな事を聞いた私がバカってモンだわ」
「直美だって・・・いないくせに」僕は言う。
「僕なんかよりずっと女の子やってるくせに・・・いないのはいったいどんな訳なんでしょうね直美さん?」僕はそう言い返す。
「言ったな・・・」直美はそう言って笑う。
そんな直美につられ僕も一緒に笑う。

「クリスマスに雪か・・・・」僕はまた歩きながら呟いた。
「どうせ降るなら・・・イブに降った方がロマンティックかな?」
「そうなら・・・ステキなクリスマスになるわね」直美もそう呟き答える。
「・・・ホワイトクリスマスか・・・」僕達は二人はゆっくり歩いていた。



「恵?今年の公演会はまた”マリア”をやるの」12月に入ってから合う人会う人、皆にこんな事ばかり聞かれる。
「今年はまだ決まってないから・・・それに毎年同じ題目でするわけにもいかないでしょ」僕はそう言って誤魔化し逃げている。
「でもさ・・・去年の恵、良かったわよ・・・」「似合ってたよ・・・佐々木の”マリア”」聞いて来た皆がそう言う。
「・・・ありがと・・・でもホント決まってないから・・・」僕はそう言ってその場を離れる。
最近は毎日そんな事が続いている。

・・・ヤッバイなー・・・このままじゃ・・・僕は去年の事を思い出していた。
・・・このままじゃまたやることになりそうだから何とかしないと・・・僕は今日もそんな事を考えながら部室へと歩いていた。

「直美・・・今年も"マリア"やるんでしょ?」部室に向う途中で、直美がクラスの女子にそう聞かれていたのを見て僕は思わず隠れた。
「まだ・・・決まってないのよ」直美はそうクラスの子に言っている。
「だったら”マリア"にしてよ、恵の・・・また観たいから・・・お願い!」そう言って直美に詰寄り懇願?している・・・脅しとしか見えないが・・・
「・・・部長に聞いてみるから・・・」直美は押しきられそう返答していた。

・・・直美にまで・・・僕は隠れて女の子がいなくなるのをまって直美に声を掛けた。

「直美?さっきの子達は・・・・」僕はそう聞いた。
「なんだ・・・いたのなら助けてよ!もう・・・」直美はそう言った。
「あんな雰囲気で僕が出ていったらもっと大変な事になると思ってさ」
「確かにそうね・・・あんな雰囲気じゃ」直美はそう言う。
「企画、考えなきゃ・・・ね」僕は直美と色々と話ながら歩き出した。

「佐々木さん・・・ちょっと」僕は後ろから声を掛けられ振り返った。
・・・ゲ!校長・・・僕は声の主に驚き、身体を硬くした。
「今年も”マリア”をやるんだって?」校長は校内に流れている噂を聞きつけ、僕等から”ホント”の事を聞き出そうとしている。
「いえ、まだ・・・」校長の質問に僕はあいまいに答える。
「そうか・・・楽しみにしているんだが・・・」校長はそう言ってにこにこしている。
「まだ、シナリオはおろか企画すら出来てないんです」僕はそう言って校長の前から逃げ出した。
「今年も頑張れよ」校長は後から声を掛けてきた。
・・・あんまり頑張りたく無いんだが・・・僕達は思いつつ部室へ急いだ。


「・・・はァー・・・」部室に着いた僕達を待っていたのは部長のため息だった。
「・・・部長?どうしたんですか・・・」僕はあまりの様子に話しかけていた。
「これ見て・・・・」何か投げやりに部長は言って、机を指差した。
・・・え!・・・僕等は机を見て驚いた。
「部長・・・これって」直美が、机の上の束を見て部長に聞いた。
「そうよ・・・クリスマス公演のリクエストなの・・・」部長はそう言ってまたため息をついた。
「生徒会の役員がさっき持ってきたんだけど400通くらいあるんだって」部長は束を手に取り言った。
・・・えーと、ウチの学校800くらいだから・・・え!半分・・・僕は生徒数を思いだしながら、手紙の量を計算をしていた。

「・・・それだけじゃないの・・・」部長は床に置いてあった箱を指差して
「・・・これは事務の先生が持ってきてくれた手紙なんだけど・・・・」そう言った。
「・・・それって・・・誰から・・・」僕は聞くのが怖くなったが、イヤな予感がして部長に聞いてみた。
「・・・卒業生から・・・100通以上あったわ・・・」部長は言ってため息をついた。

「でも、部長・・・卒業生からの手紙がどうかしたんですか?」僕は不思議な思いがしてそう話しかけた。

「部長・・・これって」手紙を読んでいた直美は、部長を見つめ部長は頷いた。

”ぜひ、今年の公演会には呼んで下さい”

手紙の内容はこの一言に要約されるらしい。
どうやら昨年の公演を忘れられず手紙を出したみたいだ!
僕達3人は深いため息をついた。

「・・・どうする?ココで開くのは無理かも知れない・・・」部長は手紙がこれで終わりとは思っていないらしい!
「・・・街の講堂か何かが借りられればいいのだけれど・・・ツテがあるわけでもないし・・・」部長は言ってため息をはく。

・・・ツテか・・・ない事はないけどまた大事になりそうだし・・・僕は部長には悪いと思いつつ黙っていた。
「・・・恵・・・」直美は部長に判らないように話しかけてきて
「・・・恵、絶対にばれない様にしないとネ・・・」
「・・・あァ、関わりたくないね・・・街の人たちとは・・・」直美の話に僕はそう答える。
・・・今までいい事ないから・・・僕は直美に答えながら思い返していた。

「恵、直美・・・何かツテが有るの?」部長はボソボソ言っている僕達が気になったのか聞いてきた。
「・・・特には・・・ところで部長?公演会を2回に分けて行う訳にはいかないんですか?・・・」
「そーすれば無理やり詰め込まなくて良いよね!・・・」直美はそう援護してくれる。
「・・・そーだね、あまり外部に迷惑を掛けたくないし・・・顧問に相談してみようか・・・」部長は言った。

公演会は、部長が顧問に掛け合い顧問が校長に掛け合って学校の講堂で2回行われる事になった。
初日、一般生徒・先生、二日目卒業生・PTA・教育会の開催が決まった。

「部長・・・なんですかこのPTAとか教育会は・・・」僕は日程説明を聞いて言い返した。
「校長が・・・”卒業生だけに見せるのは勿体無い”なんて言い出して・・・」
「”どうせ座席が余るから・・・来賓を呼んだぞ"だって・・・」部長も嫌々らしい。

「しかたないわよね・・・こちらから言い出した事だから・・・」直美もそんな部長に同調して言う。
「しかたないか・・・まあ教育会はおまけと思ってやれば良いじゃない・・・」ぼくもそう呟き、二人に合わせた。
「おまけ・・・確かにおまけね・・・教育会は」二人は声を合わせ、そして笑った。
「おまけはおまけ・・・気にしないでやりましょう」部長はそう言ってみんなを集め公演会の説明を始めた。


「今回の定例公演会は都合により2回行います・・・これはウチの演劇部が多くのファンを抱えている為ですので皆頑張りましょう!」
「で・・・部長・・・いつ公演日なんですか?」部員からはそんな声が聞こえる。
「予定ではクリスマス前に行うつもりですが・・・」
「「「・・・良かった・・・・」」」皆のホっとした声が響き渡る!
・・・イブじゃなければいいさ!・・・
・・・クリスマスが潰れなければ・・・
皆、公演会よりクリスマスが心配の様である!

「・・・じゃあ、皆それで良いわね・・・日にちが無いから練習は今日から舞台稽古よ」いきなり言い出し皆を駆り立てる部長!
「・・・いきなりはちょっと・・・」僕と直美はそう言って部長を止めようとしたが
「何いってんの?期末テストがあるの忘れてない?」部長は向き直りそう言う。
「クリスマスの前には期末があって・・・練習は出来ないんだからね!」
「・・・それとも・・・練習無しでも上手くやれるの?・・・」今度は意地の悪そうな顔で言う部長!

「たぶんお目当ては恵だから・・・恵さえそう言うなら練習は・・・」そう言って部長は台本を取りに部室に向って出ていった。
・・・はァー・・・僕は部長の言いぐさについため息を吐き肩を落とす。
「まァ、部長の言う事はあってるから・・・」直美もそう言い出し僕の肩に手を置いて
「練習頑張って本番を成功させよう・・・ね!恵」そう呟き、僕も頷いた。


「・・・クリスマス・・・か・・・」帰りながら直美がポツリ呟いた。
「?直美・・・なにか」僕はいつもと違う直美の態度に途惑いながら聞き返す。
「・・クリスマス・・・」明らかにいつもと違う様子の直美。
「たぶん伯父さんとこで・・・」僕はそう言う。
「そうなの?・・・」俯きながら聞いてくる直美。
「あのさ、僕は男とデートすると思う・・女の子がデートしてくれると・・・」
「そーだよね・・・恵はそんなんじゃないものね」ボソボソ呟いて降りかえる直美!


「なに、見つめあってんだ?女同士で・・・」いきなり言われ二人で振りかえる!
「「・・・なんだ・・・克也か・・・」」僕達は相手の顔を見て呟いた。
「まったく道の真中で二人でなにやってんだか・・・」あきれた口調で呟く克也!
「別に・・・ただのお話」僕はそう言ってまた歩き出した。
「・・・直美?なにしてんの・・・電車、間に合わなくなるよ・・・」立ち止まったままの直美に声をかける僕!
「・・・あ・・うん・・」直美も一緒に歩き出したが、何か変だ!

「・・・ねえさっきの事だけど・・・」僕は克也に判らない様に直美に言った。
「・・・いいの・・・」呟きなにもいわない直美。
・・・変なの・・・そんな直美を見てるうちに駅について「じゃあ、明日ね」と僕達は別れた。

12月に入り期末テストが終わり後は公演会に向けて最後の調整をしているときに、舞台装置がいきなり壊れてしまった。
「先生!修理にはどれくらい掛かりますか?」部長は予定を変更したくないので顧問の先生に詰寄る!
「今、業者の人が見てくれているがなにせ古い設備だ・・・直るかどうか・・・」顧問も困った顔をしている。
「・・・先生・・・ちょっと・・・」業者が顧問になにやらボソボソ呟いて顧問は頭を抱えた。

「校長の所に行って来る!・・・山口それと佐々木!すまないが一緒に来てくれ」顧問はそう言って僕達と共に校長室に向った。
「・・・ダメ?なんですか・・・」部長が口を開く。
「配電盤その物が逝かれたらしい・・・古いモノだから年内の修復は難しいそうだ・・・」顧問は言う。
「公演会は中止?なんですか・・・」二人の会話を聞いていた直美が割り込み質問する。
「中止には出来ないだろう・・・色々あるからな・・・それで校長に相談しに来たんだ」
僕達は校長室に入っていった・・・公演会をどうするか決めるために・・・

「事情は判った・・・で、話とは?」事情を聞いた校長は顧問に質問する。
「私としては中止にはしたくありません・・・今までの部員の努力も皆の期待も無にしてしまいますから」顧問はいう。
「校長は・・・修理業者か、場所にツテはありませんか?」
「業者は・・・委員会に聞いてみるが、ばしょはな・・・・」校長は腕を組んで答える。
「業者だけでも構いません・・・あと、お願いが・・・・」顧問はそう言って僕の方を向いた。

「校長に佐々木君を説得していただきたく・・・」なにやら顧問が言い出した。
「先生・・・それって・・・まさか・・・」僕はドアに近付いていった。

「佐々木・・・このまま公演会が中止になっても良いのか?他の部員の事は・・・」顧問は痛いところを言い出す。
・・・でも・・・僕はなにも言わず目をそらせた。
「年に一度、楽しみにしているファンが多くて・・・しかも卒業生まで・・・なァ、佐々木!」
「・・・センセ?・・・それって・・・」僕は・・・脅迫?・・・といわずに顧問を見つめた。
「街のイベントに色々参加したお前だ・・・ツテがあるだろ?色々・・・」
「それは・・・無いとはいいませんが・・・・」
「佐々木・・・皆の為なんだ・・街内会なり役員なりにあたってくれないか?」顧問は言って僕を見つめる。
「佐々木君・・・わしからもお願いする」校長も言う。
「ですが・・・約束は出来ませんよ」二人の態度に僕はそう言った。
「出来るだけのことをしてくれたらそれで良い」校長は言い顧問も頷く。
「・・・判りました・・・」僕はただ呟いた。

「ココでは連絡が取れませんので、家に帰って良いですか?」僕はそう顧問に告げ帰宅する事にした。
「恵待って・・・私も」直美がそう言ってついてくる。
「直美?・・・練習はいいの?」僕の後を追いかけてきた直美に僕は話しかける。
「うん・・・それより・・・恵?連絡するの・・・」直美はいきを切らせたまま話し出した。
「伯父さんから言って貰おうと思うんだけど・・・・」
「でも・・・チャンスなんだよ」いきなり直美は言い出す。
「チャンス・・・って、直美、なんの事言ってるの?」いきなりの事に僕は直美に聞き返した。
「クリスマスの公演会が中止になれば・・・・恵の事を皆が忘れてくれるかも知れないじゃない」直美はボソボソ呟いた。
「チャンスって・・・その事」直美の問い掛いかけにやっと気付く僕!

「恵は・・・せっかくのチャンスを・・・」直美は言いかけたが僕を見て話を止めた。
「恵?・・・どうしたの、怖い顔をして」
「直美は公演会が・・・中止になっても良いんだ」僕は言った。
「私は・・・・恵の事を・・・・」
「直美さ・・・僕は今まで色々有ったけどそんな事を考えた事は無かったよ」
「・・・でも・・・・」
「今まで僕がなんとかやって来れたのは直美や部長、皆のおかげじゃないか」僕は直美を見つめ言う。
「その僕が皆が困ってるのにそんな事出来るはずが・・・・」僕はそこまで言って話を止めた・・・いや出来なくなった。
僕の目の前で直美が泣き出していたから・・・
「直美?・・・・いきなりどうしたの」僕は泣き出した直美にそう話しかけた。

「恵は・・・恵は男に戻れなくてもいいの?」直美は泣きながら言い出した。
「直美・・・今はそんな時じゃ・・・」
「なんでョ・・・こんな事を続けていたら何時までたっても・・・」泣きながら僕を見つめる直美!
「・・・直美・・・」僕も直美を見つめ返す。
「私だって公演会はやりたいのよ・・・でも・・・私は・・・恵の事」直美は消えそうな声で呟いて、いきなり走り出した。
「ちょっと・・・直美・・・それって」僕は声をかけたが聞こえていないのかそのまま何処かにいってしまった。
僕はただ直美を見送っただけだった。

「伯父さん、少し良いかな・・・」家に帰り着いた僕は、伯父に学校でのことを相談した。
「なんとかしたいんだけど・・・修理してくれる人か場所を誰かに紹介してほしいんだ!」僕は伯父にいう
「俺はあまり知らないが・・・聞いてみてやるから少しマッテな」伯父はそう言って電話をかけだした。
僕は伯父を見ていたが、心の中では別の事を考えていた・・・直美はあの時いったい?どうして・・・と

「恵(けい)ちゃん・・・変わってくれないか?」伯父はそう言って僕に電話を渡した。
「夜分すみません・・・」僕はそう言って電話に話しかけた。
「聞いたよ恵(めぐみ)ちゃん・・・場所は講堂を一応確保しておく、修理できる業者は明日朝までに調べて学校の方に連絡をしておくよ」電話の相手はそう僕に告げた。
「ありがとうございます」僕は本心から電話の相手に言った。
「なに商店街で世話になったから・・・何時でも相談に乗るよ、じゃあね」電話はそう言って切れた。
僕は静かに電話を置き伯父に礼を言った。
伯父はただ笑って”良かったね"とだけ呟いていた。
僕はそのまま伯母の部屋に向った。

「伯母さん・・・話を聞いて欲しいんだけど」僕はそう言って部屋の外から声を掛けた。
「恵ちゃん?・・・いいわよ、入って」伯母はそう言って僕を部屋に入れた。
「あのネ・・・さっき・・・」僕は直美の言ったことが気になり伯母に相談していた。
「伯母さん・・・こんな事僕は初めてで」と麦芽言うと伯母はいきなり笑い出した。
「・・・伯母さん?・・・」いきなり笑い出した叔母に僕はつい見やっていた。
「まったく1年も経つのに・・・恵(めぐみ)ちゃんは・・・いや恵(ケイ)ちゃんは・・・」伯母は苦しそうに話し出す。
「どういう事?伯母さん」僕はそんな伯母に聞き返す。
「貴方は”1年も女の子”をやってるのに鈍いのね」伯母そう笑っている。
「鈍いって・・・伯母さん?」
「直美ちゃんは恵(めぐみ)ちゃんが・・・恵(ケイ)ちゃんの事が好きなのよ・・・」

「そんな事は・・・無いと思うんだけど・・・」僕はいきなり言われた事に驚きながら伯母に言い返した。
「じゃあ、恵(ケイ)ちゃん?・・・他に理由があると思うの」伯母はいう。
「貴方の話を聞いているとね・・・それ意外には考えられないのよ、伯母さんはネ!」そう言ってまた笑う。
「今まで直美はそんな事・・・」
「きっと直美ちゃんも気付いていないのよ・・・自分の心に・・・」
「でもネ恵(ケイ)ちゃん?・・・直美ちゃんは貴方が"男の子"に戻るきっかけが出来た事で"本心"が出たんじゃないのかしら」
「きっかけ・・・が」
「そうよ!直美ちゃんは貴方が”男の時”から知っているんでしょ?・・・ステキな"男の子”だった時を」
「その貴方が”男の子”の戻れると思って出た態度じゃないのかしら」
「いまの恵(ケイ)ちゃん・・・恵(めぐみ)ちゃんは女の子なんだから・・・もっと直美ちゃんを理解して上げないとね」伯母はそう僕に言った。



翌日僕は早めに学校に行き直美を待っていた。
・・・直美に本心を聞きたい・・・ただその思いで!
僕はしばらく校門の所で待っていたが、直美は来なかった。
・・・変だな?直美はいつもならもう・・・僕は時計を見て考え込んだ。
予鈴がなり、もう待っていられなくなり僕は校舎へと入っていった。
そのまま僕は顧問に昨日の電話の内容を告げ一緒に校長室へ行った。
「佐々木君、いま業者から連絡があって”今から伺う“と言っていた・・・ありがとう」校長は僕にそう言った。
「いえ・・・でもまだ判りませんし、商店会会長は講堂を仮押さえもしてくれるといってましたので」僕はそう電話の内容を校長に告げた。
「あとは我々がやる・・・ご苦労だった」校長はそう言い、僕は退出した。


僕がクラスに行くともうホームルームが始まっていて僕は事情を担任に告げ席についた。
「「ねェ?・・・直美は休みなの」僕は隣の女の子に小声で話しかけてみた。
「うん・・・いないから」その子はそう言ったきりだった。
・・・あの後・・・直美は・・僕は一日中そんな事を考えながら授業を受けていた。

授業が終わり部活出僕は昨日の事を部長に話した。
「ご苦労さんネ・・・・さっき顧問の先生が言ってらしたわ”修理が出来そうだ”ってネ」部長はそう僕に返答してくれた。
「でも・・・日程が変わりそうなの」部長は言う。
「詳しくは修理が終わらないと言えないのだけど・・・イブになりそうなのよ、二日目が・・・」部長は僕を見ながら呟いた。
「他の部員達はどう言ってますか?」僕は聞き返す。
「皆しかたないとは言ってるんだけど・・・せっかくのイブでしょ」ため息をつく部長!
「冬休みに行うわけにはいかないし・・・中止にならないだけでも良いじゃないですか」僕はそう部長をなだめるしかなかった。
「そうなんだけど・・・」部長は間だ残念そうにしている。

「部長?提案なんですが・・・」僕は部長にそう言って
「先生に言って終わった後ここでクリスマスをやっちゃいませんか?」
「ここで・・・クリスマスを?」部長はいきなり僕が言い出した事を理解していないみたいだ。
「そう・・・ココで、クリスマスを皆の為にも!」
「・・・皆の為にも?・・・」
「皆で楽しいクリスマスにしましょうよ!」僕は部長の手を取りいった。

「でも・・・どうする気なの恵?」部長はそう僕に言った。
「皆で色々持ち寄れば良いと思いますよ」僕はそう言う。
「でも・・・大丈夫だと思う?・・」部長はそう言って廻りを見まわした。
「・・・それは・・・」僕は部長の問い掛けに答えられなかった。
「公演が終わった後、準備してパーティやって片付けて・・・無理だと思うわ」部長はそう言う。
「良い案だと思ったんだけど・・・」僕は呟き、肩を落とした。

「佐々木・・・それは我々がやるから」いきなり僕達の後から声がした。
「先生・・・それと会長さん!」僕は二人を見て声を上げた。
「佐々木、話は聞いた・・・そうだよな、せっかくのイブだもんな」顧問は近付きながらそう言う。
「終わった後のパーティは俺がなんとかしてやる」
「「ホントですか?」部長は顧問を見つめ問い掛ける。
「ああ、山口・・・皆のクリスマスを台無しにはできんからな」顧問はそう部長に言った。

「でも・・・せんせ・・・良いんですか?そんな事・・・お金とか色々・・・」僕は気になり、つい聞いていた。
「恵ちゃん・・・それは私が準備する」会長さんがそう言って僕を見た。
「恵ちゃんには色々手伝ってもらったからさ!」会長はそう言う。
「でも・・・会長さん・・・」僕が言い出すと僕の口を遮るかのように
「・・・じゃあ、こうしよう・・・公演会に子供達を呼んでくれないか?・・・そうすれば子供達にも最高のクリスマスになると思うんだ」会長はそう言って僕と部長の手を握った。
部長は顧問の顔を見、顧問は部長に頷いた。
「ありがとうございます」僕達はただそれしか言えなかった。


「これでみんなも頑張ってくれるわ・・・・恵?どうしたの」部長は二人が帰った後僕に話しかけてきた。
「あの・・・部長・・・」僕は直美の事が気になり、昨日の事を部長に話した。
「・・・直美は・・・そんな事をねェ・・・」部長はそう呟いた。
「どうしたら良いと思います?」僕は部長に聞く。
「ねェ・・・恵・・・恵一君」部長はそう言って
「これは私なんかがいう事ではないの・・・二人の事なのよ」
「でも・・・僕は・・・」僕は言いよどんでいた・・今、自分は女なんだと・・・

「直美が言い出した時・・・貴方は男だったの?」部長は僕の心を見透かした様に言い出した。
「いいえ・・・そんな事有るはず・・・」
「直美は貴方が好きなのよ・・・今の貴方が・・・」
「・・・部長・・・」
「好きな”男の子”だから気になって、つい言ってしまったんじゃないのかな・・・ついね」
「そう思いますか・・・」僕は小声で部長の話に答えた。
「貴方がもとに戻れるか判らないわ・・・でも、気にしてくれている人がいる事を・・・近くにいる事を忘れないで・・・」部長はそう言って僕の手を握った。

僕は翌日も直美を待っていたが、直美は学校には来なかった。
その翌日も・・・・
そして、公演会の前日になっても直美は来なかった。
僕は気になり、帰り道に直美の家による事にした。


「こんばんは・・・佐々木といいますが直美さんは・・・」僕は直美の家のインターホンを押し、マイクに向いそう言った。
しばらくして、母親と思しき人が出てきて僕に
「直美はこの間から熱を出していて・・・」と告げ
「宜しかったら・・・・」と僕を招き入れた。

「貴方、佐々木さんといいましたけど・・・佐々木恵さん?ですか」母親は僕にそう話しかけてきた。
「はい・・・それが何か」僕は出来る限り女の子ポク返事をした。
「いえ・・・直美が言っていたのとは随分違うと思ったもので・・・」そう言って笑う。
「直美さんは・・・私の事を?・・・」僕は尋ねた。
「ええ・・・いつも“僕”って言っている子がいるのよって」笑いながら答える母親。
・・・なんだか直美そっくり・・・僕はその笑顔を見てそう思っていた。
「そのうえあの子ったら、”男のくせに可愛いの”なんて言ってるのよ」そう言ってまた笑う。
僕はただ俯いてしまった。

「あいにく直美は寝込んでいるの・・・ごめんなさいネ」いきなり口調を変えて母親は言った。
「そうでしたか・・・あの・・・直美さんの容体は?」僕はつい聞いていた。
「随分良くなったみたいなの・・・熱も下がったし」
「直美さんが良くなったら・・・これを渡していただけます?」僕はそう言ってクリスマスイブの事を書いた紙を渡した。
「公演会の後、皆でパーティをやるんです」僕はそう言って席を立った。


公演会初日、直美は来なかった。
部長は代役を立てて、公演会を行った。
僕は劇の最中も直美の事が気になっていたが
・・・今日来れなくても明日があるから・・・と、楽観していた。

翌日も直美は来なかった。
公演時間ぎりぎりまで待っていたがまだ来ない!
・・・せめてパーティの時に間に合えば良いけど・・・僕はそう思っていた。
そして公演会が終わった。

「皆さん、ご苦労様でした・・・」顧問の挨拶でパーティが始まったが直美の姿は何処にも無かった。
「部長・・・直美来ませんね」僕は部長に声を掛けた。
「そうね・・・でも、もう少し待ったら」部長はそう僕に言った。
そしてパーティも終わった。
直美は来なかった。
僕は帰りゆく部員達をただ眺めていた。

「佐々木・・・閉めるぞ!」顧問がそう僕に話し掛けてきた時、誰かがドアを開けた。
そこには雪を纏った直美の姿があった。
「・・・直美・・・」僕は直美を見てそう声を掛けた。
「えへへ・・・遅くなっちゃった」直美はそう笑っている。

「直美・・・もう大丈夫なのか」僕は昨日も来れなかった事が気になり直美に聞く。
「・・・今日は恵といたくて・・・」直美はそう呟いた。
「でも・・・」僕は言いかけたが直美は僕の首にマフラーを掛けた。
「これを・・・貴方に渡したくて」直美はそう言って微笑んだ。
僕はそんな直美を静かに抱きしめた。



「佐々木、着替えて・・・鈴木を送って行ってやれ・・・」いきなり顧問に言われ僕は恥ずかしかったが、頷き更衣室に向った。
・・・直美の気持ちにこたえたい・・・僕は服を脱ぎながら考えていた。
・・・なにか・・・無いか・・・僕は廻りの衣装を見渡す。
僕は男子用のスーツを着て、髪をまとめた。

「ケイちゃん?・・・」僕を見た直美はそう言って、僕に抱き付いてきた。
「そうだよ・・・今日だけは恵一だよ」僕はそう呟きながら直美を抱きしめる。
僕達は雪の中を歩き出した。


「クリスマスに・・・こうしているの夢だったんだ」直美はポツリ呟く。
「そうなんだ・・・」僕はそんな直美に寄り添いながら腕を廻す。
「ね・・・キスして」直美はいきなり言い出した。
「・・・直美?・・・」
「恵一・・・ね、キスして」直美はそう言って目を閉じた。
僕は直美を抱きしめたまま静かに唇を重ねた。

そして二人は雪の衣を纏いながら雪の中を歩いて行く
いつもと違う何かを感じた二人
初めてキスはお互いの心にステキな贈り物として刻まれた

それは雪の日のクリスマス












後書き?

今回いつもと違って変だなと思った貴方・・・正解です(^^)
これは元々、最終回用に考えていたネタなんで!
直美とくっ付けて終わりにしようかと(^^)・・・・・実はヒロインは10話で終わりにするつもりでしたから
ですからいつもと違い1話目みたいにちょっとシリアスになっています。
期待されていた方・・・・すみませんでした
次回をお楽しみに・・・・いつ出来るか判りませんが(^^;;;

ではでは、“ヒロイン“1部の終わりとさせていただきますm(__)m

戻る


□ 感想はこちらに □