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「・・・・この傘、使いな・・・・」「・・・有難う・・・・」自販機前の若い二人の会話が響く



「・・・・気をつけてな・・・・」男は走り去る。



「・・・・名前・・・・」女は声を掛ける。



「・・・・・・」激しい雨に何も届かない。



女はただ男を見送っていた。
















































・・・・ドラマティック・・・・
ヒロイン・VI
作:kagerou6



















































「はァー・・・・・」朝から僕はため息をついた。

「・・・?恵どうしたの・・・・・」いつもと違う様子に直美が声を掛ける。
僕は何も言わず、脇の傘に目が行きまたため息をついた。


僕は昨日体調が悪く部活を途中で帰宅した。
しかし、帰り際に雨が降り出し仕方なく自販機の前で雨宿りをしていた。
一向に止みそうに無い雨に駅まで走ろうと決意した時、傘が渡された。
傘の先には一人の男が立って笑っていた。
「・・・・・・」笑いながら何か言ってるみたいだが朦朧とした頭には理解が出来なかった。
「・・・・傘・・・・」男は押し付ける様に差出し、雨の中を走っていった。
僕の手には一本の傘が残っているだけだった


僕の視線を追った直美は傘に気づき”恵?の”小声で聞いてきたが答えない(言えないちゅーの!)
僕の態度に直美は怒ったのかいきなり傘を取り

「・・・・これ男物だー・・・」

皆に聞こえるように大声を出す。
クラスの視線はいきなり僕に集中した(直美,なんてコトを・・・・)
僕は顔を赤くして俯いた。


「・・・恵?ひょっとして・・・・」僕はその子が何を言い出すか気づき席と立とうとしてが廻りを囲まれた。
「・・・・やっぱり,恵好きな人が出来たんだ・・・・」さらに追い討ちをかける。
「どんな人・・・」「いつ知り合ったの・・・」質問が降り注ぐ。
「・・・この間の雨の日に・・・・」僕は仕方なく話し出した。
「・・・・傘を貸してくれて・・・・」皆の視線が集まる
「・・・・それだけよ・・・・」僕の言葉にいきなり廻りがざわつく。

「それだけ?ウソー・・」「ナンダー・・・」何人かが席の戻ったが一人がいきなり話し掛けてきた。

「・・・・恵?ひょっとして男の子と付き合ったこと無いの・・・・」その言葉に再び皆が集まった。

「恵?そうなの・・・」「ホント?・・・・」僕はつい小さく頷いた。

「「「・・・・恵カワイー・・・・」」」いきなり合唱され
「・・・お姉さんたちが協力しましょう・・・・」僕に迫ってきた。

あまりの迫力に僕は頷いた。


「恵?心あたりは無いの・・・・」「どんな服着てた?・・・・」様々な質問が飛び交う。
僕は何も答えられずただ俯いていた。
クラスの女子はそんな僕を見て「・・・普段の恵は変わらないのね。転校してきた時から・・・」と納得し、何やら相談を始めた。
僕には何も聞こえなかった。


その日からクラスの女子達は学校付近の男子のリストを作成し”男”の特定を始めた。
「恵に興味を持ちそうで、普段から優しい・・・・・」選別をするために基準が決められた(・・・僕の事なのに・・)

「恵、ゴメンあんな事になっちゃって・・・・」帰り道直美が今朝のことを気にしてかただひたすら謝る。
「・・・いいよ、あんな状況だったし・・・」僕は答える。
「・・・ホント、ゴメン・・」まだ謝っている直美。
「じゃあサ、協力してよ・・・この傘の持ち主捜すの・・・」・・・こんな時はこう言うのが一番・・・
「・・・いいけど、気になるの、恵は?」
「・・・少しね・・・」僕は答える。
「・・・まさか恵、ホントに・・・・」直美は驚いた顔で僕を見つめる。

「自分が男の子だってこと・・・」直美の口をあわてて僕は塞ぐ。

「違うって・・・御礼してないからさ・・・」僕は直美を押さえたまま呟く。
「ホント?に・・・」まだ疑う直美
「ホント!だって・・・」

「・・・カッコ良かったんじゃないの?・・・」直美は惚けた口調で僕に言ってくる。・・・この!・・・
「・・・だって、あんな事始めてだもん・・・」・・・さあ、直美さん答えて!・・・
「あんた、やっぱり・・・」直美はまた驚いた顔を僕に向ける。

「・・・プ・・ハハ・・・」直美の顔を見てつい吹き出してしまった僕。
「・・・あー、恵?引っ掛けたねー・・・」やっと気付く直美!
「・・・ハァ、・・苦しかった・・・」僕は息を整え呟いただけだった。
「・・・・でもはじめてなんだ。あんな事は・・・・」僕は続ける。
「・・・そう?・・・」直美は急に僕が言出した事に不思議そうだ。
「・・・今までって、この後しつこい男が出てきたのに・・・不思議でサ」
「・・・だから気になってるんだ・・・女の”恵”としては」さりげなく直美は呟く
「・・・判らないんだ・・・僕は、自分が・・・・」僕はそう言うしかなかった。
「・・・女の子だったら”初恋”なのかなー・・・」・・・・自分でも驚く言葉がすんなり出たぞ、なんで?・・・
「・・・・女の子ならそーよねー・・・」・・・直美も変だぞ・・・
「いいじゃない,きっと判るよ・・・・恵の気持ちも・・・傘の持ち主も・・・」僕を見て直美は言った。


「ねえ,伯母さん。初恋の事覚えてる?」僕は店の手伝いをしながら伯父さんに判らないように聞いた(・・・判ったら・・・あとが怖いもんな・・・)
「いきなり,どうしたの?恵ちゃん」伯母は僕に話しかけてくる・・・あのやさしい顔で・・・
「じつはサ、・・・・」僕はまた伯母の顔にまけ訳を言い出してしまった。
訳を聞いた伯母は微笑んで昔話を始めた(伯父には聞かれないように)
「私の時も今の恵と同じ気持ちでいたわ・・・なんでもないものが凄く気になって」伯母はそう言う。

僕は部屋に入って考えていた・・・・あれだけの事にこんなになって考えている自分に・・・
「・・・初恋か・・・」窓を見ながら呟いていた。


いつしかクラスの話題が学校の話題へと広がっていったのは言うまでも無い!(・・いつもの事だしなー・・・)
「・・・・あの傘俺が・・・・」「・・・・ほら自販機で・・・・」言い寄る男が激増してしまった。(・・・いまさら出てくるな!・・・)
僕は”なんで皆興味を持つんだ?”またため息の日が始まった。

そんなある日,部活が終わり帰り道にあの自販機の前を通るとそこには傘の袋が落ちていた。
気づいた僕は自販機でジュースを買う時、鞄を脇に置き取り出すとき一緒に持った。・・・・直美に気付かれ無い様に・・・
そのまま家に持ち帰り袋を調べてみた。
・・・・K,S・・・か。イニシャルだけが刺繍してあったのだ。
翌日、皆?が作成してくれたリストの中からK,Sの頭文字を探していた。

「・・・恵,何か判ったの?・・・」後ろからの声に僕はリストを隠した。
「なんでも無いよ・・・・」僕は言いつくろった。が、その子はリストを見て

「あァ,恵マーカーで・・・」その子は大声を出した。

僕は慌てて止めたがもう遅かった。聞いた女子が近づきリストを取り上げチェックしていたのだ。


「恵ちゃん,隠さなくたっていいのに・・・・」周りの女子はリストを見ながら微笑んだ・・・・それが怖いんだー・・・
「この中にいる訳かー・・・」「恵に合いそうな男子は・・・」「?,恵はなんでこれに・・・」話をしていた女子は僕に近づき

「「「このチェックは・・・・なんで判ったの?」」」僕に尋問(こうとしか言えないよー)してきた。

あまりの迫力に僕は喋ってしまい,傘の袋を取られた。
女子がワイワイ騒ぐ中、ただ直美だけが傘の袋を不思議そうな目で見ていた。


「恵?話が有るの・・・・」直美が部活に向う途中僕に言ってきた。
「・・・何なの、直美?・・・」僕は直美と一緒に脇にそれは無しを聞いた。
「・・・あの、傘の袋・・・なんだけど・・・」直美は何かを隠しながら話そうとしている。
「え!直美、知ってるの・・・」僕は直美の表情が読めず喜ぶ。
「・・・もし、持ち主がその人なら・・・・」直美は言葉を詰まらせる。
「・・・その人なら・・・なんなの?直美・・・」僕は聞こうと更に直美に迫る。

「・・・絶対、うまくいかない!・・・」直美は断言していた。

呆然とする僕を置いて直美は部活にいってしまった。
僕はその日部活をサボった。

・・・直美、何でうまくいかないなんていったのかな・・・僕はベッドに寝そべり考えていた。
・・・やきもち?なハズないよねー・・・直美だし・・・
・・・でも、これどっかで見たような?・・・
・・・なんか引っ掛かるんだよなー・・・


「直美、おはよ・・・昨日の・・・」僕は直美を見つけ聞こうとしたが逃げられた。
・・・なんでだ?直美のやつ・・・僕はそのまま追いかける。
「どうして?教えてくれないの」教室まで来た僕は小声で聞いた。
「・・・言えない・・・」直美は顔を背けてしまった。

そして授業が終わり放課後、僕は”今度こそ”の思いで直美を追いかけた。
僕の表情にあきらめたのか直美は克也を呼び舞台裏へ引き込んだ。
「・・・恵、何があっても驚かないでね・・・」直美はまず僕に聞いてきた。
「・・・大丈夫・・・」
「・・あの傘、見覚えない?・・・」始めに直美が言い出したのは傘の事だった。
「・・・何処かで見たような気がしてたんだ・・・直美は気付いたんだ・・・」僕は聞き返す。

「だって、あれは佐々木恵一君の物だもの!」

・・・佐々木・・・恵一・・・え・・・
僕の顔はその時あるべき所にパーツが無い事になっていただろう。
「・・・それって、僕?・・・」恐る々々直美に声をかける。
直美はただ僕に頷くだけだった。

「じゃあ、誰があの時・・・」僕は直美に聞く。
「風邪をひいてた恵が早退してすぐ雨が降ったでしょ・・・克也が追いかけたの、あなたの傘を持って・・・」
「俺は傘を渡してすぐに戻ったから・・・・自分の傘を忘れてるとは思わないし・・・」

・・・・そんなー・・・僕はそのまま座りこんだ。

「だから言いたくなかったの・・・」直美は悲しそうな顔を向ける。
「気付かない俺らも悪いけど・・・恵もなー・・・」克也が後を請け追い討ちをかける。

僕はただボーゼンとしたままだった。



そんなー・・・僕の・・・私の・・・はつこい・・・







今回はオープニングで姑息な手を使っちゃいました
盛り上がったでしょ?    え、全然?そんなー(T_T)
今回は”恵ちゃん”の初恋?をテーマにしてました     え、違う・・・・(^^)
所詮私が書くとこんなもんです・・・だってコメディだもん!
期待されてた方、次回こそは恵をもっと・・・
でも,何も考えてないしなー・・・投稿前に感想書かれてるし

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