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ビーナス
ヒロイン・IV
作:kagerou6


「恵さんそのまま動かないで・・・」僕は椅子に座りただじっとしている。(何でこんな事を僕が・・・・・)
「ハイ,今日はこれまで。皆さん恵さんにお礼を言って・・・」美術部の部長は声をかける。
「つかれた?・・・」そう言って着替えを部長はもってきた。
「しかしこんなに人が集まったのは始めてですよ!・・・・有名人は違うな」退出する部員に目を向け驚きを隠さずに部長は言った。
”有名人は違うな”部長の声を聞き僕はただ笑うだけだった。


街のイベントが終わった後、僕は普通?の生活に戻り部活を再開した。(まだ普通でない・・・だって女の子だもん)
イベント中はなにかと勧誘があり部活もできない有様だった。
そんな僕に「このままモデルになったら」「プロが君を待っている」など怪しい誘いが家に学校にそしてイベント本部に届いた。
僕は毎日ため息で暮らしていた。


イベントが終わり学校に戻った僕は早々に失敗をした。
借り物の小物を壊してしまったのだ。
「部長,すみません・・・」僕はただ謝った。
「仕方ないわね・・・直美?あなたも来てくれる・・・」部長は直美に声を掛け出て行く。
「恵,気にしない・・・」直美はそう言って部長の後に続く。
二人の姿を目で追いながら僕はついため息を吐いた。


「・・・うまくいったわね!」部長は講堂を出た後直美に話しかける。
「ハイ・・・しかしいいの?恵を騙して・・・」直美は部長と美術部に向う途中でそう答える。
「仕方ないじゃない・・・元はあなたのせいでしょ・・・」部長の話に直美は黙り込む。

実はあの小物は恵が戻る前に直美が壊したのだ。
二人は壊した事で美術部に謝りにいったが交換条件を出されてしまった。

恵をモデルとして一ヶ月貸し出す事・・・

美術部はそう提案してきたのだ。
「何で恵なの・・・」直美は聞き返し、美術部部長は苦笑いをしながら言い出した。
「うちは演劇部と違い実績がなくてね、しかも幽霊が多いせいか生徒会の締め付けがきつくて・・・」部長は語った。
「そこで恵君にモデルになって貰い来月の展示会で実績を上げたいのだ」段々力が入ってくるみたいだ。
「そんな訳でな、君達が壊してくれた小物は痛いがうちにはいい機会だと思ってな・・・」
「・・・・判ったわ、何とか口実をつけて恵を来させましょう・・・・」うち(演劇部)の部長は確約した。
恵が戻ってくる3日前のことである。


たくらみを知らない恵は罠に嵌り美術部に来たのである


「あと半月お願いね・・・・」部室を出る際声が掛かる。
「・・・判ってます。それじゃー・・・」恵は振りかえりもせずに答え部室を出た。




「うまくいきましたね・・・・」部室に残った副部長は部長に話しかける。
「ふ・・・所詮文化部なんてこんなもんよ・・・」部長は笑いながら返事する。

実はこの二人部費を使い込んでいたのだ。
高校生活を部費を使い込んでエンジョイしていた二人だが卒業を前にして気が付いた

・・・どうやってごまかそう・・・

幸い?演劇部で貸し出した備品を壊してくれた。
・・・これだ!・・・二人は早速計画を練った。

多分、謝りに来るから恩をきせる・・・・
何とか恵君をモデルにする。・・・・
恵君の画を出展して実績を作る・・・・
それ以外のクロッキーは恵君のファンに売りさばく・・・・
集めた金を使いこみの補填に当てる・・・

こんな陰謀を二人は考え出していた。

「副部長・・・おぬしも悪よのう・・・・」
「・・・いえいえお代官サマには・・・・」


互いの言葉に笑い合う二人だった。


こんな陰謀が企まれている事は恵はもちろん演劇部は誰も知らない・・・・


数日が過ぎ恵は今日も美術部に来ていた
「・・・あの、部長?一つ提案が・・・・」クロッキーを製作中の部員が手を休め質問してきた
・・・オメー達は書いてりゃいいんだよ・・・そんな事を考えつつ「何かな?・・・」提案者に顔を向けた。
「どうです、せっかくですからリトも創っては・・・」そんな事を提案してきた。

・・・・リト,リトグラフか・・・部長の打算器が動き出す
・・・今のままでは得るものはない,しかしうまくいけば・・・
「考えてみましょう・・・でも今はクロッキーの製作に頑張ってください・・・・」部長ははっぱをかけ、目で副部長に意見を求める。



そして数日後、念願?のクロッキーは完成しいくつかの候補を決めた二人は「皆さん,今回はこの4点を出展する事にします・・・・出来ればすべてを仕上げたかったのですが,先日提案のあったリトの製作をしたいと思いまして・・・」部長は候補者とリト製作者に分ける。
「・・・・どうです?レリーフも創りますか・・・」今度は副部長が提案する。
部員達はざわつき,そして恵に視線が集まる。


・・・・なんで僕をみるかなー?・・・・不思議そうな目で部長に問い掛ける。
「・・・恵さんには判りませんか・・・・リトもレリーフも木や金属などに彫り込で創る作品なんです・・・・」部長は丁寧に説明する
「・・・その為時間が掛かりますので、皆恵さんにもうしばらくいて欲しいのです・・・」言葉のトーンを下げながらいう・・・俺も役者ヤ・・・
「・・・私からもお願いします,こんな機会はもう・・・」副部長は懇願するかのように僕の手を取った。
「お願いします・・・」「ぜひ,創らせて・・・」「僕はカメオを・・・」僕は圧倒されてつい

「・・・判りました,お引き受けします・・・」

「「「恵さん,ありがとう・・・」」」部員が合唱した。

その声にほくそえむ悪代官と越前屋・・・じゃなくて部長,副部長だった


僕の追加出張は2週間に決まった。


翌日,美術部に来た僕は部員が部長に懇願しているのに気付いた。
「どうしたんです?・・・」僕は後ろから声をかけた。
「あ,恵さん・・・恵さんからも言ってくださいよ・・・」そんな事を言っているのは出展予定者の4名である。
「俺達にも創らせろ・・・・」「しかし時間が・・・・」そんな中身の会話をしていたらしい
「部長さん,私美術の事判らないですけど・・・希望を聞いてあげられません?」僕は雰囲気に負けお願いした。

一瞬考えこんだが(打算器,作動中・・・)顔を上げて「いいでしょう・・・・」そう言った。
そのまま顔を僕に向け(・・・?なに・・・)
「この4名は出展作が終わらないと製作にかかれませんのであと2週間伸ばしてくれませんか・・・」部長はそう言った。

「「「恵さん,お願い!」」」また部員達の合唱が起きた。

余りの反応に僕は自分の迂闊さを呪い、そして頷いた。

喜ぶ部員達と対称的な恵・・・・その場を冷ややかに見る二人

・・・またチャンスが増えた・・・

部長と副部長がそんな事を考えているのを部員と恵は知らない



「あァ、折角イベントが終わって・・・・・」僕は直美につい愚痴をこぼす。
「・・・ゴメンね、ごめんなさい・・・・」直美は俯きそして言った。
「?,如何したの急に・・・・」僕は直美がいきなり謝ってきたのでなだめながら聞き返した。
「・・・・あの小物壊したのほんとは私なの・・・」直美は言う。
「美術部に謝りにいったら”恵を貸してくれればいいから”って・・・・」遂には泣き声になる直美
そんな直美に僕は怒る気が起きなかった。
「・・・・もっと早くいってよ・・・」僕は直美に言った。
びくつく直美を見て僕はプっと吹き出した。
「怒ってないよ,安心して・・・」僕の言葉に直美は顔を上げる。
「びっくりしたけど・・・・でも」僕は直美に向って意味有り気の表情を造る。
「これで今月お菓子に困らなくなったし・・・・」僕は”気付けよ”と言わんばかりの顔を向ける。
一瞬考え込んだが直美は気付き怒り出した
「恵ひどいよ,そんな事・・・・」
「う・そ、ちょっとからかっただけ・・・」僕は笑いながら呟いた。

「でもさ、隠さなくったって・・・」部室に向いながら直美に話しかける。
「ゴメンね・・・・・」直美はそれしか言わない。
僕は美術部の前で直美に「部長に言ってくれる?”恵にばれた、どうしよう”って。ちょっと困らせといて・・・・」と笑う
直美は一瞬考え込みそして「OK・・}と頷いた
僕は美術部に入っていった


部室の中はまたざわついていた
・・・・またか・・・僕は声をかけようとしたが雰囲気が変だ・・・なんか部長副部長対部員で揉めている

「俺はレリーフしか創らん」「リト創れ・・・」なんだ・・・この争いは・・・・別にいいじゃないか
「ちょっといい?・・・」僕は声を掛け言い争う皆をとめた
「部長なんでこの人に創らせてあげないんですか?・・・」
「それは・・・・」部長は言いよどむ
「・・・・じゃあ,私帰ろううかな・・・・」振りかえりドアに手を掛けた。
「・・・・判った・・・」部長は返事した


「いいのですか・・・」皆が居なくなった後,副部長は声を掛ける
「仕方ないだろ・・・あの場合・・・」部長は憮然として答えた。
「レリーフが出来たらそれを使ってリトを作ればいいさ・・・・」そんな事を話している二人であった


「なにこれ・・・・」折角作ったレリーフに部長がインクを垂らしてしまったのだ。
「すまん・・・」謝る部長
「しゃーない,また創るか・・・・」部員は別の素材を出してまた製作に掛かる。
そして部長は笑った。


・・・なに笑ってんだ・・・僕は不思議に思い,今までの部長の会話を思い浮かべた
・・・・・リトに拘っていたな・・・・
・・・・レリーフにインク・・・・
僕はレリーフを汚された部員に声を掛けて部屋を出た
「君のレリーフどれくらい出来てたの?」僕は聞く
「アウトラインが終わって後は彫り込めば・・・・」そう答える。
「・・・・もしかしてそれリトの替わりになる?・・・・」僕は一番聞きたい事を口にした。
「・・・・なんでです、まァ出来なくは無いけど・・・・」
「ありがとうこのこと部長には内緒にしてね・・・」僕は中に戻った。


「いい出来だ・・・・」刷り上ったリトに部長は喜ぶ。
「高く売れそうですね・・・・」副部長が相槌を打つ。
「これで高校生活は安泰だ・・・・」二人は笑った。


ポン・ポン・ポン・ポン鼓の跡が鳴り響く


驚く二人の僕は声を掛ける
「なにをやってるんですか・・・」
驚いた二人だが相手が僕だと判ると「版画だよ・・・」とまた作り出した
・・・こいつ等惚ける気か・・・僕は外に合図を送る
「それは僕の・・・・」原版を見た部員が声を出した
「二人ともなにかいいたい事は・・・・」僕はさらに詰め寄った。
「・・・・折角の作品を無駄にしたくなかったんだ・・・・」さらにいい訳を重ねる。


「これを聞いてもまだシラをきれるのか!」

僕はMDを取りだし再生した

「高く売れますね・・・・」


二人は逃げようとしたが外には部員が待っていた。

「「「部長・・・・」」」部員は詰め寄る、まるで殴りかからんばかりに

立ちすくむ二人に僕は”謝っちゃえば”と呟く

「ごめんなさい,私が悪ゥございました」二人は床に平伏した


「で,その後どうなったの・・・・」話を聞いた直美が聞き返す
「・・・あれよ・・・・」僕は指をさす
「やだ。なにあれ・・・・」直美は堪えきれず笑い出した
そこには小間使いに成り下がった二人がいた。
「でもね・・・・二人の使いこんだ部費が凄くて結局あのリト売る事になって・・・・」僕はため息をつく。
「何枚?・・・」直美が聞いてくる。
「500枚・・・・」僕はただ答えた。
「そんなに・・・・」直美は唖然として僕を見返すが「・・・他の部員のせいじゃないから・・・」答え僕は外を見た
そこにはリトを買い込んだ男子の姿があった


美術部のバカヤロー

ますます戻れなくしやがってー





恵ちゃん遠○のキ○さんバージョンいかがでしたか?
たまには恵ちゃんにも良い事が無きゃ・・・・・え,違う・・・(^^;   なにも考えてないから
と,とにかく、これからもどんどんいっちゃいますので恵をよろしくね!
さて、恵ちゃんには何になってもらおうかなっと

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