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ヒロイン
作:kagerou6



「はァー」アンコールの中、僕はため息をついた。
「恵(めぐみ),いい加減あきらめたら・・・」「そーだよ,かわいいのに・・・」「そんなじゃ、もてないぞ?・・・」・・・散々な言われようだ。
「僕は何時までこんな格好しなきゃならねんだ?」
「「「ファンレターが無くなるまで♪」」」
僕は頭を抱えた。


僕は佐々木恵一(けいいち)、普通の高校生?だったはずだ。(今,僕はスカートをはいているが・・・)
すべてはあの日から始まったのだ。
僕は,伯父の経営する喫茶店でバイトしていたが、うちの高校はバイトNGの為髪形をを変え薄化粧(女装?)して店に出ていた。(判らないように)
あの日、店に女の人がコーヒーを飲んでバッグを忘れて出ていった。僕は追いかけていって「バッグ忘れましたよ」そう言って手渡した。
女の人は僕の顔を見つめていたが「ありがとう」と礼を言い行ってしまった。
翌日、僕は女の人を学校で見つけ(先輩だった)避け様としたが、「君?ちょっと」と、演劇部に連れて行かれた。
「ここはいったい・・・」部室の前で僕は先輩に聞いた。
「演劇部よ、さあ入って」僕を中に入れ「私が部長の山口裕子宜しくね!」先輩はそういった。
「昨日はありがと」訝しがる僕に「・・・・バッグ・・・」と笑い呟いた。「うちの学校、バイト禁止なの知ってる?・・・それに」部長は笑いながら「君、男の子だよね?・・・・」
・・・まずいの見られた!・・・・僕は顔が引きつるのを感じていた。

「実はあの店行ったのはかわいい子がいる噂を聞いたからなの、・・・・男とは思わなかったけど・・・・」部長は俺の顔を見てそう言った。
「今度の演劇祭、君に協力して欲しいんだ。」
「・・・さっきから”バッグの“言ってますが人違いじゃないですか?・・・・」僕は惚ける。
「君ねー、そんな事言って良いのかなー・・・耳の所にファンデ残ってるのに・・・」
僕は慌てて耳を隠したが、いきなり笑われた。「自分で証明してどうするの?」部長はカマ掛けたのだ。
「まァほんとは化粧品の香りがしたからだけど・・・・で、返事は?」
「判りました・・・・」力無く呟いたが
「バイトの事、辞めなくていいよ。安心して・・・」、驚く僕に「無理やり頼んだんだもん・・・私以外知らないから・・・」そう言って手を取った。僕は翌日、演劇部に入部した・・・

演劇部に行ったがざわついたままで挨拶もろくに出来ず、変に思ったが演劇祭が近いとわかり納得した。
なぜなら演劇祭に上演する題目が決まらなかったからだ。良いアイデアが生まれず危機感だけが大きくなり大胆な発想が出来なかった。
そんな中、新人の僕はひとつ提案した「他と違うやりそうでやらないもの」をどうかと・・・・そうして“シンデレラのコメディ“の上演が決まった

演劇祭で劇はウケ(シンデレラは何故か僕?)、大成功だった(うちの学校は特別賞・・・ラッキー・・・)が”シンデレラの佐々木恵(めぐみ)さんの演技がすばらしかった”とコメントされた。・・・なんでだ?・・・
この快挙は、翌日には特報として学校に流れ紙面に演劇中の写真と審査員コメントそして、記念写真、出演題目、出演者リストが併記されていた。
その時、間違いに気付いたがもう遅かった。写真部が”シンデレラ”の写真を何処からか手に入れ売りだし始めたからだ。
余計な?御節介で”あの子は何処の子?”から”サインください””彼女になって”といった面会者まで現れ、演劇部は対応に追われる羽目になった。
「大変な事になっちゃったね・・・」僕は部長と一緒に校長に相談に言ったが、校長は僕を見てびっくり、訳を聴いてびっくりで”ほとぼりが冷めるまで女子で過ごしたら”と言われてしまった。
僕は校長のアドバイス?で“佐々木恵”として学校に行くハメになった。


「はァ、今日から女子高生か・・・」ため息と共に制服をながめる。・・・・これを着るなんて・・・
「行ってきます」僕は伯父夫婦に挨拶をして家?を出た。(伯父に頼み込んで“娘“として下宿させてもらっている)
「おはようって・・・・・・・佐々木君?・・・」校門前で部長に会ったがびっくりしてじっくり僕の制服姿をながめていた。
僕は俯いたままだったが「・・・似合うよ、・・・」そう呟いた。
「・・・ほんとに?・・・」僕は部長を見ながら聞き返した。
「・・・恵(ケイ)ちゃん・・・かわいい!」後ろから鈴木直美が僕と部長を見つけ声を掛けてきた。
「さて、校長には言っておかないと」部長が手を取り校長室へ引っ張っていった。
「演劇部の山口です」部長は僕を推しいれ「今日から佐々木君は佐々木さんになります」笑いを含んだその声に校長は思わず聞き返した。
「君が・・・・まさか」校長は言葉を切って僕の顔を見た。
「これなら問題は無いですね、先生?」部長は校長に質問(そーかな?)した。
「・・・佐々木さんのことは手配してある、これが生徒手帳だ」校長は机から手帳を出し、僕に手渡しながら「クラスは変わってもらうが、いいな?」異存は無かった。
「問題を起こさないように」校長はいっていたが「恵のほうが危険だと思いますが・・・」部長は言い返した。三人は普通でない会話に笑っていた。

校長は“役作りの為”と説明したらしく各先生は笑いながら“佐々木さんて裁縫とか苦手なのね?””かわいいのにおかしいね“とか言われ恥ずかしかった。
クラスには転校生として紹介されたため、女子の質問攻めに合い「ねェ、恵って前の高校は?」「恵って彼氏は・・・」・・・・答えられないっての・・・・
転校生?なので改めて演劇部に入部したが「初めまして・・・・」挨拶した途端爆笑(当たり前か・・・)され「佐々木恵です」と言いったら「新しいヒロインね・・・・」・・・それはやめろ・・・

僕は学校にいる間(行き帰り含めて)女の子するハメになったので、素性がばれない様に気をつけていた。
幸い,直美とは同じクラスになったので共に行動する事が多く、ガード?にもなっていた。
「いい?恵,こんな時は・・・」「・・・そんないい方じゃばれるよ・・」「ほら、この本・・・・」直美が色々教えてくれる。
クラスには”恵って大人しいから“と直美がいい広めていた。・・・・直美感謝!・・・・


転校生が珍しいのか(それとも演劇祭の話題のせいか)喫茶店まで追いかけくる奴がいたらしく(こいつらストーカーか?)、数日後写真部が”恵の写真と家の地図”を販売していた。
おかげで学校中に”恵の家が喫茶店”と知れ渡り大勢が店に来るようになってしまい、俺は家に帰ってから”看板娘?”として店を手伝う事になったのだ。
「今度デートしない?」「君の誕生日は?」「彼氏いるの?」・・・俺はただ笑顔でいて何も言わなかった。・・・言えるわけが無い・・・・・
「うちの娘に変な事聞くなよ・・・・」伯父がそう言ってフォローしてくれている。
寝るまでこのかっこ(制服)か・・・客(高校生)の相手をしながら俺はそう考えていた。

「部長相談に乗って欲しい事が・・・・」僕は部活終了時部長に声をかけ「実は・・・」訳を話した。
「そうねー、恵このままじゃいつかばれちゃうわねー」
「・・・恵、ちょっとここにいて?・・・」部長は他の女子と何やら話をしていた。
「明日、家に皆でお邪魔する事にしたから」部長はそう告げた。「大丈夫,なんとかなるわ」、僕は頷いただけだった。

「・・・・いらっしゃい・・・」僕はそう,皆を招き入れた。
「・・・それは?・・・」皆が紙袋を持っているのに僕は不思議に思い、部長に聞いた。
「実はこれ、あたしの服・・・・」直美がそう紙袋を手渡した。
「これはあたしの・・・・」「これはお姉ちゃんの・・・・」僕は紙袋に覆われた。
「どうせ,男に戻るんでしょ。新品なんてもったいないから・・・」部長が説明してくれた。
「さ、着替えましょ♪」直美がそういって袋からブラウスとスカートを取り出し僕に手渡した。
「ちょっと,今から・・・・」僕は受け取りながらも引いてしまった。
「着て見ないと似合うか判らないでしょ?」直美が笑いながら近づいてきたが「ま,待て・・・」僕は推しとどめた。
「・・・お前・・・もしかして楽しんでない?・・・」僕は直美にそういった。
が、いきなり全員が圧し掛かってきて僕の服を剥ぎ取ってしまった。
「メグにはピンクが似合うって!・・」「ダメ,恵は白!」「このミニだってば・・・」・・・何か勘違いしてないか君達?・・・
僕は一日,オモチャになってしまった。

しばらく、“恵の家“ツアー?が続き,休日などは朝から閉店まで混雑(高校生がいつまでいるな)していた。
僕はスカートとブラウスの普通の格好(普通かこれ?)の上にエプロンをつけ、接客している。
「恵ちゃん,私服もかわいいね!」「似合ってる,その服」・・・・誉めてくれているんだよな,一応・・・
おかげ?で客の増えた事に伯父はバイト料を上げてくれた。ラッキー

しばらくは演劇祭の話題から廻りにファン?(ストーカーかもしんない)がいたが、”普通の女の子、佐々木恵”が定着したのか徐々に追っかけも減り、段々僕の廻りは静かになってきた。・・・じつは勉強、スポーツで目立たない?努力をしていた・・・


そして樹木の葉が色付く頃には、ばかげたラブレターもほぼ無くっていった。
「恵?最近いい事有ったの・・・」「なんか最近の恵って・・・」部員が何やらひそひそ言っていた。
”このまま行けば男に戻れそうなのさ!”僕は言いたかったが部員の驚く顔がみたくて言わなかった。
「ファンが減って寂しくないの?」そんな事を心配してくれる?のもいたが「さァ、練習練習」そう話題をそらした。
“せっかく忘れてくれるのに・・・”僕はそう思いながらも”・・・女の子辞めるの惜しいかな・・”とも、感じていた。


そんなある日、喫茶店の前で泣きそうな顔できょろきょろしている女の子を見つけた。
普段だったら、通り過ぎるのを機嫌のいい僕はつい「お嬢ちゃん、どうしたの?」と、優しく声を掛けた。
女の子はいきなり「おうち・・・ママ、ママ・・・」と泣き出ししがみ付いてきた。
僕は女の子を抱き上げ頭を撫でながら喫茶店に入って,女の子を椅子に座らせた。
「お名前は・・・・」僕は女の子にココアを渡し、出来るだけ優しく話しかけた。。
「・・・めぐみ・・・」一口ココアを飲んだ女の子が呟いた。
「めぐみ・・ちゃんね、・・・お姉ちゃんも恵って言うのよ」そういうと女の子はパッと笑顔になって「ホント?」聞き返してきた。
「ホントよ・・・ママが来るまでお話しましょうね・・・」伯父が交番に電話したらしく、しばらくして母親が警官と一緒に迎えにきた。
母親に礼を言われ「お姉ちゃんありがと」女の子にまで言われた。「よかったね・・・もう迷子になっちゃだめよ・・・」そう言って女の子の頭を撫でて送り出した。
・・・・今日はいい事したなー・・・気分良く店に戻った僕であった。


11月も末に差し掛かった頃、部長は困った顔で僕を呼びとめた。
「・・・・恵・・・」部長が何やら言い出し「・・・・今回のクリスマス公演、実は・・・・」そう言いながらファンレターを取り出した。
俺は受け取り読み出したが、”クリスマス公演には聖母マリアをぜひ・・・・マリアは佐々木恵さんで・・・”僕は顔を上げ「なんだこれ?」大声で叫んでしまった。
「演劇部に来たファンレターよ」部長は手紙の束を出し言った。
「・・・全部恵のファンなの・・・・」直美が小声で言い出した。
「・・・・僕のファン?・・・」僕の頭はパニック寸前に陥った。
「恵は気付いてないと思うけど恵のファン最近また増えてんのよ・・・」と部長は手紙の束を手でたたきながら
「・・・・いい?、これも”恵をマリアに”って書いてあるの!・・・」
「そんな馬鹿な・・・」なんでだ、僕にマリアなんて?
「この手紙には、”子供をあやす恵さんがマリアみたいに感じました”って書いてあるのよ?」直美が手紙を読んでそう告げた。
・・・まさか、アレか・・・僕の顔は固まった。
「・・・・・覚えがあるようね。そういう事なの・・・・」
誰かが見てたんだ、喫茶店での事・・・・僕は愕然とした。
「恵のファン、ミーハーが多かったけど、最近はクラブのキャプテンやらエースやらのだからなー」直美がそう呟く。
「?」訳のわからない僕は直美に聞き返した。・・・どう違うのかを・・・・
「今まではもてない男子が騒いでいたの・・・でも今度はもてる男子まで騒いでいるの・・・」直美はため息をついた。
僕は思い当たる(アレしかないが)事を話した。
「しかしねェ、ほんとにそんな事でに人気出るのかな?」
「ヤダヤダ、是だから・・・・いい、恵?自分だったらどう思うの・・・良く考えてみたら・・・」
・・・・そんなの考えてやってねーよ・・・・・
「かわいいだけじゃなく、やさしい女の子、あんたならほっとく?」直美に言われて始めて気付く情けない私・・・・
「恵は自分がこんな女の子が理想とかないの?・・・・」直美がそう呟く。
「もしかしたら、気が付かないうちに理想の女の子を演じていたんじゃなくて・・・・・」直美は僕に向かい言った。
・・・・そんははず・・・俺はいい返せなかった。・・・・もし直美が言った様に気付かずに“自分の理想”を演じていたら・・・
黙ったまま僕は部室を出て帰宅した。

家に帰りついた僕はそのまま部屋に引きこもり、伯母は心配して声を掛けてきた。
「恵(ケイ)ちゃん、いい?」伯母はそう言って部屋に入ってきた。
「恵ちゃん、何かなやみがあるの?・・・伯母さんに相談できる事なら話してみて?」
伯母の問いかけに僕は今までのいきさつを話し
「僕はいったい・・・自分が判らなくて・・・」話しながら僕は涙をこらえきれず、ついには伯母に泣きついてしまった。
「・・・・恵(めぐみ)・・・」しばらく伯母は僕を抱きしめ,そして「恵(ケイ)ちゃんは迷子の子供を助けたの、”女の子”の恵(めぐみ)だったから?」そういって涙を拭いてくれた。
「そんな事無いよね?、だったら問題ないわ・・・」伯母は僕を見て
「普段の恵(ケイ)ちゃんが何よりあなたらしいのよ、格好なんか関係なく・・それでもなにかを演じているとしたら、それは理想の人だと思うわ」
僕は伯母の顔を見ながら次の言葉を待った。
「人にやさしい、気遣いが出来る・・・そんなの男も女も関係無いでしょ恵(ケイ)ちゃん?」
伯母の言葉にまた涙が出てきた。
そんな僕を優しく抱きしめながら「・・・・娘の相談て、いいものね・・・」不意にそう言って「うちは女の子居ないでしょ・・・これで夢が叶ったわ!」と笑い出した。
伯母の急変に驚いたがつられて僕も笑った。
・・・僕の理想か・・・・その夜僕は伯母の言葉を思い出しながら眠りについた。

そして公演当日、「今日から恵一に戻ります」そう部員に宣言した。
「僕らしいのが一番良い事だと気付いたから・・・もちろん、劇はきちんとやります”恵”として・・・結果としてどうなるかわからないが」
「じゃあこれが最後の公演ね」部長が呟き「“恵“の最後の舞台よ?頑張って盛り上げましょう!」そう皆に言った。

公演は始まった。
今まで噂でしかなかった“恵“の演技が見られるとして定期公演ながら観客は一杯になった。
緊張する部員が多い中”恵“は一人リラックスしていた。伯母の言葉を思い出せていたからだ。
・・・さて普段の僕で“マリア“をやってくるか・・・
僕は自分が考える“マリア”を演じる事にしていた。
何故なら最も人らしいのが“マリア“らしいと感じたからだ。
・・・迷子の子を助けた時の様に・・・

すべてが終わり僕は舞台上で観客に向かい挨拶をしていた。
「実は・・・」話しかけたとき校長が大きな花束?と舞台に上がってきたのをみて、僕は驚き見つめた。
花束で気付かなかったがかわいい女の子がそこにいた。
女の子は大きな花束を大事そうに抱え近づき「これ,お姉ちゃんに」そう差し出した。
・・・何処の子・・・受け取りながら女の子の顔を見たが思い出せなかった。
校長は静かに「君の助けた子だョ!」そう呟きマイクを手にした。

「今回の公演にあたり多くのファンから”マリアを佐々木恵さんで“と要望があったと聞きまして調べたところ、”彼女が迷子のこの子をあやす姿に感動したからだ”と知りました」
「私は佐々木さんを誇らしく思い、この場をお借りしてご報告させていただきました。」校長はそういって舞台を女の子と一緒に降りて行った。
が,生徒会がインタビューにあがってきた。


「また戻れなくなったね。」直美が俺に近づきそう呟いた。
・・・校長,そんな事今いうなー・・・
「まァ、来年までスカート決定ね」「卒業までだろ」・・・・段々話が・・・・


その後,見学者が増え続け、「ほら、あの子が・・」「へー、かわいいジャン・・・」練習を見学に来た人がそう呟く。
部長は苦笑いしながらいったん練習を取りやめにした。
見学者が出て行くのを見て、つい俺は“俺なんかに興味持つな“と呟いてしまった。
「恵!女の子はそんな口の聞き方はしないの!」直美が俺をたしなめる。
「でも・・・」「デモも無いでしょ・・・・女の子なんだから」
「・・・判ったわ・・・・気をつければいんでしょ!」「そうよ、そうでなきゃ・・・」・・・・あァ変な会話・・



神様・・・僕は男だよね?男にもどりたいよー





後書き?
なんと無く書いてしまいました。反則?寸前(アウトかな)かも・・・・(^^;;)大きな心でチャイしてね、、、、駄文で反省してます

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