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 俺はチャイナドレスが好きだ。

 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだ! 好きだああっ!

 ……というわけで着てみたい。でも着れない。


 俺は、男だっ!!


 うにゃにゃにゃにゃあああああああああっ!! ……どうすればいい!?
 単純な俺が思いついたのは、“現実に無理ならば夢で見る” というものだった。
 枕の下に見たいものの絵を置いておけば、その夢が見られる。
 確かそんなこと、テレビで言っていたな……


 「思いついたら即実行」が俺のポリシーだっ。……いくぞっ!!











これは夢オチ

第9話「中華料理店・夢見飯店」

Zyuka





「う〜ん、どうしろっていうのよ? これ……」
「どうしました、ユイムさん?」
 一枚の紙を手に唸っているナイトメア・ユイムに、メグムが声をかけた。
「ああ、メグムぅ。……見てよこれ……」
「えーと、これは……チャイナ服、ですね」
「そうなのよ……」
「でも、それがどうしてそれが困ることになるんですか? この絵を枕の下に入れて寝ている男の人に、チャイナ服の似合う女の子になる夢を見させてあげればいいんじゃありません?」
「そうなんだけどさぁ……」
 ユイムは涙目でメグムを見る。「……私、中国語わからないもん」
「はぁ?」
「チャイナ服って、中国の人の服でしょ? それを着るってことは、中国語をしゃべるってことじゃない」
「……ユイムさん……」
「私、知ってる中国語は、『ニーハオ』と『イーアルサンスーウーリューチーパー』とパンダ……大熊猫ぐらいよっ」
「別に無理に中国を舞台にする必要はありませんでしょ? 日本の中華飯店を舞台にして、そこの従業員の制服がチャイナ服ってすれば……」
「そうね。メグム、天才!!」
 ユイムはそう言うと、早速男の心の粒子を集めだした。

「おい、ユイム!!」

「あら、シームさん」「……? どったのシーム?」
 海の夢のナイトメア、シーム君登場。
「俺は今回、お客かコックの役にしろよっ」
「え? 手伝ってくれるの?」
「……あ、もしかして俺が手伝う必要、なかった?」
 墓穴を掘ったな、シーム…… 「ま……まあ、端役くらいはやってやる。前から、中華料理店の机をぐるぐる回してみたかったんだ」
「じゃあ、お客をやる? コックは私がやるから、メグムは……」
「では私はウエイトレスをしましょう。夢を見ている人と一緒に」
「それじゃあ、急いで夢を組み立てましょう!!」



「……うん?」
 気がついたとき、目の前に赤いチャイナドレスの美女がいた。
「うををををををををををっ、好みじゃあああああああああっ!!」

 パシーン!!

 その美女を押し倒そうとしたら、何かの壁にぶち当たってしまう。「いてて……って、痛くない?」
「何やってるの!?」
 俺の後ろのドアが開き、金髪のコック姿の女性が入ってくる。
「お客さん来ているのよ!! 早く注文取りに行ってきて!!」
「……なんで?」
「ここは中華料理店『夢見飯店』、そしてあなたはここのウエイトレスでしょ!!」
「ウエイトレス……? 中華料理店……?」
 俺は、自分の体を見下ろした。赤いチャイナドレスに包まれた美女の身体が、そこにあった。
「……ほらっ、さっさと注文取ってくるっ!」
 コックの女は、俺にメモを押しつけた。
 何がなんだかわからないが、俺の夢がかなったということか……?



「ふふふ……今回は男性役……」
 シームはごく普通の服を着て、中華料理店のテーブルに着いた。
「いらっしゃいませぇ♪」
 赤いチャイナ服の美女が、注文を取りにやってくる。
 この女が、夢を見ている男か……
「ご注文は?」「ああ、えーと……」

 チャランチャッラ〜ン!

 突然店のドアが開き、大勢の客が入ってきた。
「……あ、あれ?」
 こんなの、ユイムの作ったシナリオにあったっけ……?
「いらっしゃいませぇ♪」
 事前に設定を知らされていないチャイナ美女は、普通に対応する。
 なんかむかつくハンサムに引き連れられた、太った連中が約二十人……

「あれ? あの人確か……」「げげっ! メ、メライ王!!」

 ウェイトレス役のメグムが叫ぶ。
 メライ……ナイトメアが作る夢を食べ散らかす、「バク」という生物たちを統率する王である。

「ご注文は?」
「ラーメン、餃子、チャーハン、天津飯、から揚げ、八宝菜、チンジャオロースー、春巻き、にくまん、あんまん、ピザまんにカレーまん、シュウマイ、チャーシュー、飲茶に烏龍茶を二十人前。……そしてオレンジジュースを」
「……だそうでーす♪」

 チャイナ美女が、メライの注文をコックのユイムに伝える。
「め……メグム、シーム、手伝って!!」
「わかったわ!」
「お、俺もか!?」
「あれだけ注文されたら、私一人じゃ作れないわよ!! それとも何? バグの王に目をつけられて、作る夢すべてを食い散らかされてもいいの!?」
「……わかったよっ!!」
 シームはしぶしぶ立ち上がる。

「できれば、女の子の手料理が食べたいんだがな……」

「え……?」
 メライの言葉に、シームの背筋が冷たくなる。

「えいっ!!」

 ユイムがシームの服の裾を引っ張ると、着ていたそれがするっと脱げ、代わりにチャイナドレス姿の女シームが現れる。
「うおおっ、この子もかわいい!!」
 チャイナドレス美女……実は夢見てる男が、いきなりがばっと抱きついてくる。
「結局こういう落ちかあああああああああっ!!!」



 夢とは、結構むちゃくちゃなものなのである。

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