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イマジン  by Reika Marie


(CHAPTER-7)

10時過ぎ頃、美穂が仕事の途中で見舞いにやってきた。
美穂は純子の部屋のドアを明けると、怪訝そうな顔であいさつをして
一度出ていってしまった。そしてすぐに引き返してきた。
「純、あなたは純なのね?あんまり可愛い女の子になっちゃたので
 部屋を間違えたと思ったよ!」
純子は昨日から今日に起きた出来事を楽しそうに美穂に話した。
「そうだったの・・。お母さんからちょっとだけ聞いていたけどこれほど
 可愛らしくなるなんてびっくりしちゃうわ。すっぴんでこれだもの、
 お化粧したらあたしは負けちゃうかも知れないね?」
純子は照れていたが、本当はうれしくてたまらなかった。

ついに純子は退院する日が来た。
治療にかかった医療費は公傷扱いになり、すべて国が負担してくれることに
なっており今後の治療も保険が適用できることになった。
母の智恵子といっしょに今後の治療方法の打ち合わせを済ませたのち、部屋に戻り
パジャマ姿から着替えることになった。
母はスカートをはかせて退院させたかったらしいが純子は時期がまだ早いと断った。
その結果、女性として始めて外に出るファッションはクリーム色のニットシャツに
レディスジーンズというボーイッシュなものだった。

パジャマを脱ぎ、ジーンズに足を通そうとすると、母は純子にパンストを手渡した。
「お母さん、別にソックスでもいいんじゃない?」
「ダメよ、レディになったらいつでもストッキングをはく習慣をおつけなさい。」
純子は袋を破り、肌色のナイロンを取り出した。
母からつま先の部分に一度集めてから引き上げるというはき方を教わり、腰の上まで
引き上げると純子の足は美しい女性の足に変わっていた。

「ねえ、ストッキングをはくと綺麗に見えるでしょう?
 こんな綺麗な足をジーンズで隠しちゃもったいないわ。
 お母さんは早く純子にスカートをはかせてあげたいな。
 スカートは女の制服なのよ?女らしくなった純子を自慢したいのよ。」
「わかっているよ、お母さん。いつかは僕もはくから・・・。」
トップのニットシャツは純子の胸の膨らみを強調する効果があった。
靴は踵の低いパンプスだった。ストッキングにくるまれた足を滑り込ますと女らしい足元になっていた。
純子は外に出ていくことが恥ずかしくてためらっていたが、
母は無理に手を引いてドアの外に押し出された。

病院の出口では十朱女医とありさが花束を持って待っていた。
「今度会うときはきっとおしゃれなスカートをはいてくるのよ?」
「またゆっくりおしゃべりしようね。暇になったら電話するよ!」
花束を抱いた純子は涙ぐんでしまった。
純子はこの病院に来るときは男性だった。しかし出ていく時は女になっていたのだ。

純子が家に戻ると自分の部屋の中は全く変わっていた。
シーツやベッドカバーがパステルピンク色になっている。
窓際には花が飾ってあり、テーブルには可愛いぬいぐるみが乗っていた。
そして机の横には鏡台があり、上には化粧水や乳液、ヘヤードライヤー、
ヘアーカーラーなど女性特有のアイテムがおかれていた。
そして華やかな化粧道具がフルセット用意されていた。

どきどきしながら洋服タンスを開けてみるとそこにはブラウスやスカート、
ワンピースがいくつか下がっていました。
整理ダンスのなかには新しいショーツやブラジャーが綺麗に折り畳んである・・。
純子がとまどっていると、智恵子と美穂が部屋にやってきた。
「どう、娘らしい部屋になったでしょう?以前の男性時代の服は何かあると困るから
 一着だけ残してすべて処分しちゃったからね。」
智恵子の言葉を受けて純子は照れ笑いを浮かべながらつぶやいた。
「これだけ揃えるには大変だったろう?ありがとう。
 僕はここから生まれ変わるんだ。ここで新しい人生を送るんだね。
 早く心の中のわだかまりを捨てて華やかな女の世界に飛び込んでみたい・・。」
純子の言葉に微笑みながら母は気を使って先に部屋から出ていった。

美穂は純子の背中にそっと顔を寄せて後ろからそっと抱きしめた。
「あたしたちは女同士になってしまったからもう結婚は出来ないわ。
 でも女になってもあたしの愛は変わらないよ・・。」
二人はしばらくぶりに熱いくちづけを交わした。
それは以前より数倍甘いものになっていた。

夕食を済ませたあと、3人はリビングで今後の打ち合わせをした。
「純子、防衛隊はどうする?明日、家にあなたの上司の方が見えるそうよ?
 もしよければ婦人防衛官としてやり直して見ないかって言っていたけど?」
母の言葉に純子は首を横に振った。
「僕の気持ちは変わらないよ。もうあんな荒っぽい仕事はしたくない。
 ここでお母さんと美穂といっしょに働きたいよ。いいでしょう?」
「ええ、そう言うと思っていたけど気持ちを確認しておきたかったの。
 ところで・・・いつまで自分のことを僕って呼ぶつもりなの?
 それに女になったのならスカートをはいて綺麗にお化粧してみたいでしょう?
 お母さんは早くあなたを娘らしくしてあげたいのよ。」
「僕は・・・まだ男としてやり残したことがあるんだ。それが済んだら
 心の中も女になりきれると思うんだ。それまで待っていてくれないかな?」
「いいわ、でも最低限の女のたしなみは覚えてちょうだい。」

入浴を済ませ部屋に戻ると美穂が待っていた。
「純子、そのうちにあなたもお化粧をするようになるわ。
 今からお肌を整えておかないとね?寝る前には化粧水と乳液をつけて
 お肌をしっとりとしておく必要があるのよ。」
肌にマッサージするように塗る乳液の匂いは子供のころに感じた母の匂いを
想像させた。またその行為はとても女性的に思えた。純子は心の中でつぶやいた。
「僕が男っぽく振る舞っていられるのも時間の問題のようだね。
 もうすぐお母さんと同じ女の世界に仲間入りするんだ・・・。」

(CHAPTER-8)

翌日、純子が防衛隊時代の教官である高倉がやってきた。
彼は純子の亡き父の親友で純子が防衛隊にいた時はいろいろと相談にのってもらった
恩人だったのだ。純子は「強い父親」のイメージがある高倉をずっと慕っていた。
高倉は奥さんを病気で亡くしずっと一人暮らしをしていたので純子を我が子のように
可愛がってくれたいたのだ。
純子はピンク色の半袖セーターにスリムなレディス・ジーンズをはいて高倉の元へ現れた。
母の手でピン止めでサイドに流した髪、薄いピンク色に彩られていた唇は戦場の勇士の
面影はすでになくなっていた。ブラジャーによって形よく補正された胸元はまさに女性のものだった。

高倉は別人になってしまった純子を見て一瞬言葉を失ってしまった。
「純・・・。こんな姿になってしまったのか。あの出撃がこんな結果になってしまい、
 防衛隊は君に申し訳ないと思っている。防衛隊を除隊することも聞いたよ。」
「教官、僕は少しも恨んでいません。女性に性転換してから僕はあんな仕事に
 向いていないことがわかったのです。いつかはこうなる運命だったのかもしれない。」
「君に報告しておくことがある。君の活躍が功を奏して戦争は終結した。
 多くの犠牲者を出したことで今ではお互いが反省している。
 国連が仲介に入り、もうすぐ再び国交が結べそうだ。
 君の活躍がなければもっと多くの犠牲者を出していただろう。
 わが国及び防衛隊は君に感謝している。今後の生活は一生補償してくれる。
 新しい戸籍を申請中だ。もうすぐ君は住民記録から免許証まですべて女性に
 書き換えられる。新しい人生を楽しんでくれ。」

話が一段落したところで母が会話に混じってきた。
「高倉さん、この子はまだ男性の時にやり残したことがあると言って、気持ちが
 女性に切り替えられないの。それでこんなボーイッシュな服装をしているんです。」
「純、俺が力になれることはないのか?お母さんに心配をかけるのは良くないぞ?」
「教官・・・。隣の国に行って犠牲者の慰霊をしてあげたいのです。
 僕がミサイルを撃ち込んだ基地にもきっと何人かいたはずです。
 コンクリートの下敷きになり亡くなった人を慰めてあげたいんです。
 それが済むまでは僕の気持ちはけじめがつかないんです・・・。」
「よし、わかった。慰霊祭に出席できるように手配してあげよう。
 それがすんだら新しい生活に入れるんだな?」
「はい。慰霊がすんだら・・・僕は女としての人生を始めます。」

高倉は帰り際に始めて笑顔を見せて言った。
「純・・・今は純子さんと呼んだ方がいいかな。とても可愛らしいお嬢さんになったな。
 これなら新しい人生もきっとうまく行くよ。」
突然の優しい言葉に純子は顔を真っ赤にして照れてしまった。
「教官・・・ありがとうございます。」

純子は外出せずに少しづつ母の仕事を手伝いながら新しい身体に順応していった。
智恵子は最初は抵抗していた純子に女らしいランジェリーを身につけさせることにした。
これは十朱女医から聞いた女性へ移行するためのアドバイスであった。

純子は入浴するたびに自分の肌が女らしいものになっていくのを感じた。
手術直後は生理用食塩水で膨らませた乳房も女性ホルモンの浸透によって
以前に増して大きくなっている。今では乳腺も発達してきているのだ。
ヒップが大きくなるにつれウエストのくびれも目立ってきた。
すでに純子の身体はなめらかなSラインを描いていたのだ。

入浴を終え母が出してくれた今夜の下着はサイドのスリットに華麗なレースを使った
ピンク色のスリップだった。今ではつけていないと落ち着かないほどなれてしまった
ブラジャーをつけてからスリップをかぶると腰の線がなまめかしい。
意識していないと仕草が女っぽくなってしまいそうだ。
次の日に用意された下着は可憐なパステルブルーのブラ・スリップだった。
純子の中に残ってる男時代のプライドは日増しに崩れていく。

女らしい下着になれると服装もだんだんフェミニンな物を身につけるようになった。
脇毛の処理をさせられパステルピンクのノースリーブ・タートルを着せられたことは
内面の女性化に拍車をかけてしまった。女の衣服は可憐で華やかだ。
純子は女の世界に魅せられている自分に気がついていた。
以前に比べ鏡を見つめる時間は明らかに増えてきている。

智恵子は毎朝、純子の髪をセットしてあげた。髪をいじられることは快感だった。
しなやかに変わった髪をブラッシングして少しずつ女性的に変えていったのだ。
最初のうちはサイドにピンでとめるヘアスタイルだった。
純子の固かった表情は次第に可憐な姿に変わっていった。
そのうちに自分で長く伸びた髪を動きやすいように後ろで無造作に結ぼうとすると
バレッタでまとめたり時には高い位置でポニーテールに結んであげたりした。

拒んでいた化粧も母と美穂から「女のたしなみ」であると言われた。
テンプレートを使って眉を書く練習をさせられ色の薄いベージュ系の口紅をつけさせられた。
また作業で手が荒れるということで薄い色のマニキュアもつけだしていた。
目に見えて純子の外見は女らしく変わってきたのだ。

純子の体内には今では女性ホルモンが身体の隅々まで浸透している。
感情も思考も女性のようになってきた。
女性を同性と思い次第に男性を異性として意識するようにまでなってしまったのだ。
タンスの中のスカートを手に取り、はいてみたい欲望に駆られた。
鏡台にのっている化粧道具を使って綺麗になってみたい衝動もあった。
しかし、生真面目な性格の純子は「男時代の最後の行事」である慰霊が済むまでは
心の底から女になってしまいたい自らの感情を押さえつけていた。
そんな純子の気持ちを母も美穂も不憫に思っていた。

「隣の国」に出かける前日、純子は亡き父の墓参りに来ていた。
「お父さん、僕は男でいることに疲れちゃった。
 男らしく振る舞うことが苦痛になってきたよ。
 笑わないでね・・・もうスカートがはきたくてたまらなくなっちゃった。
 慰霊が済んだら僕は女の世界に仲間入りさせてもらっていいいかな?
 僕は生まれ変わってお父さんの娘になるんだよ?
 これからは優しくて、か弱い女の子として生きて行きたいの。
 次に来るときはきっとスカートをはいてくると思うから驚かないでね。
 僕は・・・あたしは娘としてお母さんと仲良く暮らすから安心していいわよ・・・。」
墓参りを済ませた純子は空を見上げ天国にいる父に向かって可憐に微笑んだ。
それは美しい少女に変わろうとしている純子の内面から沸き上がってくる女らしさが
込められていた。その笑顔は澄み切った空に似ていた。

(CHAPTER-9)

「隣の国」へは、高倉教官が同行してくれることになった。
また新婚旅行がふいになったことを不憫に思った智恵子は美穂を連れて同じ時期に
香港旅行に出かけた。慰問が終わったら純子たちも香港で合流する予定だ。
そこで気持ちの整理をさせてあげたいと思ったのだ。
戸籍上の性別はまだ男のままである純子は最後の「男性の服」を着て旅立った。

慰霊は純子にとって気が重く辛いものであった。
純子は慰霊塔の前で亡くなった人へ追悼の涙を流しいつまでも手を合わせこの世界に
永久の平和がくることを心から願った。
泣きじゃくる純子の肩を抱きしめながら高倉はそっと言った。
「純子、これで気持ちの整理はついたね?きっと亡くなった人たちもお前の気持ちは
 わかってくれたと思う。さあ、お母さんと美穂さんが待つ香港へ行こう。」
「はい、教官・・・。」
純子はいつまでも高倉の胸の中で泣きじゃくっていた。そして朴訥で口数も少ないが
優しさにあふれる高倉に亡き父の姿を重ね合わせていた。

香港に到着した純子たちは智恵子と美穂が待つホテル「カオルーン」に
チェックインした。このホテルは地下鉄チムサアチョイ駅のすぐ横にあり
買い物や観光には最適らしい。また美容室やレストランの施設が充実しており
女性に人気があるホテルであると美穂から聞かされていた。

純子は受付の女性たちが自分の姿を見て「ハンサムな少年が来た」と噂しているのが
聞こえた。ローリーという新人のフロント係から宿泊リストに記帳するように言われた
純子は無用な混乱を避けるために「jun asaka」と男性名で記帳した。
この名前を使うのことはもう何度もないだろう。
「ジュンさんですね?日本のアイドルタレントみたいにステキですね。」
記帳したノートを受け取ったリーリーは純子の笑顔を見て、顔を赤らめていた。
背広姿の純子は受付から去る時に苦笑いをしていた。
「まだ僕は男性として見られているんだね・・・。」

やがて先にホテルにチェックインしていた智恵子たちが部屋から降りてきた。
「お疲れさま。辛かったろう、純子?これからはあんな思いをしなくてもいいんだよ。
 お前はもう女なんだからね。今夜はこのホテルのレストランで豪華なお食事を
 予約しているの。でも純子にはその前にしてもらうことがあるのよ。
 美穂ちゃん、お願いね。」
智恵子の言葉にウインクで返した美穂は純子の手を引いてエレベーターに消えていった。
「いったい何をするのですか?」
「ふふふ、今夜はあの子が女性デビューする記念日よ。」

「美穂、僕をどこへ連れて行く気なの?」
「男の最後のイベントが終わったら女になるって宣言したでしょう?
 戦場の勇士はこれから可憐なお姫様に生まれ変わるのよ。」
純子は一瞬、びっくりして戸惑ってしまった。しかしそれはずっと心の中で
待ち望んでいたことだったのだ。純子は覚悟を決めてうなずいた。

美穂はホテルの専用メイクアップルームに純子を案内した。
「男の時間はもう終わったわ。さあ、着ていた服をお脱ぎなさい?」
純子は言われるまま着ていた背広を脱いだ。今では純子の身体に重く感じる
男性の服を早く脱ぎ去りたいと思っていたのだ。

Yシャツとネクタイも取り去ると純子はスリップ姿になった。
「下着も全部脱いでちょうだい。今夜は肩を出したパーティドレスを着るのよ。」
純子は不安と興奮が入り乱れながら裸になると、美穂から妖艶なランジェリーを
受け取った。それは赤のスリー・イン・ワンであった。
見慣れない下着に戸惑ってる純子に美穂は付け方を教えて上げた。
言われたとおり股間の部分を合わせて上に引き上げブラの中に乳房を寄せると
女らしいプロポーションが出来あがった。
美穂から渡された黒いシームの入ったストッキングを伸ばしてガーターに固定すると
まるでハリウッドの女優になったような錯覚を覚えた。

「さあ、お化粧をしてあげる。ここに座ってね。」
イスに座らされた純子の顔を冷たい化粧水のついたコットンが肌を引き締めていく。
白身の強いファンデーションをスポンジに取り純子の顔に伸ばしていくと、
純子の肌は、きめ細やかで透明感のあふれる美しい肌に生まれ変わった。
一本づつ植えるように描かれていった眉は細くてアーチ型になった。
眉尻を伸ばして描かれた眉はとても女らしい形であった。

ビューラーで何度もクセをつけたマツゲは綺麗にカールされその上に塗られた
繊維の入ったマスカラで長いマツゲに変わった。
瞬きをするたびに音がしそうな素敵なマツゲになったのだ。
目元にパープルのアイシャドーを塗ってからピンクのシャドーでグラデーションを
つけていくと目元は立体的になった。リキッドのアイライナーがひんやりとした感触で
目の縁を彩った。

ルージュが紅筆にとられて、唇が赤く染められていった。
リップグロスで強調された赤い唇は純子の女らしさをアップさせてくれた。
オレンジのチークがブラシで頬に色を付けると顔色も自然な感じになった。
「うーん、とっても綺麗。惚れ惚れしちゃうわ・・。」

美穂は続いてヘアーのセットに取りかかった。入念に根本から毛先に向かって
ブラッシングしてから前髪をサイドで分けた後に、用意しておいたボリュームのある
ヘアーピースを頭の高い部分にピンで留めた後に何本か髪を引き抜き耳元に垂らした。

「ドレスを着る前にペチコートを着けましょう。
 スカートが足にまとわりつかないし、スカートのボリュームを出す効果もあるのよ。」
ペチコートをつけると純子はまるで自分がバレリーナになったような気分になった。
肩が露わになった妖艶で可愛らしい赤いミニのパーティドレスを取り出した美穂は
純子にドレスに足を入れさせてゆっくりと引き上げた。
背中のファスナーを上げてもらうと見事にしなやかなカーブが生まれ、
胸の膨らみやウエストのくびれも強調されていた。
裾の部分にふんだんとギャザーを使い胸ぐらも大胆にカットされた赤いドレスは
純子の女らしさを高めていた。
始めてのスカートは動く度にふわふわと揺れて純子の心を魅了してしまった。

「仕上げはアクセサリーでかわいらしさを演出しようね。」
銀色のイヤリングを耳元に付けてから美穂は箱からチョーカーを取り出した。
それは見覚えのある1/2の形をしたハートのペンダントが下がっていた。
「これは・・・あの時のペンダントだね?」
「純子が戦場から帰って来たときに手の中に握られていたの。
 鎖は切れてしまったのでチョーカーに加工してもらったのよ。」
今ではほっそりとした首にチョーカーを巻いてもらった純子は早く鏡を見たくてたまらなかった。

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