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俺が好きな人(第4章)
作:T・H






〜主な登場キャラクター〜


☆原田 徹☆


あかね編(?)でお馴染みの主人公。
もちろん!今回も主人公です。
今回は、あかねちゃんではなく、由香ちゃんと入れ替わってしまいます。
そして、しばらく由香ちゃんとして生活することとなります。
しかし前回ではあかねちゃんと由香ちゃんと結ばれています。
今回は、入れ替わってしまったことにより徹としての
あかねちゃんに対する思いはどうなってしまうのでしょうか?


☆宮沢 由香☆


今回の第2(?)の主人公的存在のキャラです。
主人公の徹と入れ替わってしまいます。
ちなみに由香ちゃん、人の心が読めます。
そして今回は由香ちゃんの謎にもせまります!
ちなみに、徹の夢の世界での彼女です。


☆河村 あかね☆


前回徹が入れ替わってしまった子。
実は昔までは男の子(河村 徹)として生きていました。
あかねちゃんは今回は一体どんな活躍をするのだろうか?
それは読んでのお楽しみです!
ちなみに、徹の現実世界での彼女です。


☆河村 茜☆
(こっちのあかねちゃんは漢字です)


徹が作り出している(?)夢の世界に存在するもう1人のあかねちゃん。
こっちのあかねちゃんは、現実のあかねちゃんとは心がつながっていますが、
別人みたいなものです。ちなみに夢の中のあかねちゃんは心が読めます。
今回も当然夢の世界で出てきます。


☆河村 徹☆


本編では名前は出たものの、直接の出番は少なかったですね。
今回はどこで出てくるのでしょう?
ちなみに、あかねちゃんの部分を見ればわかると思いますが、
昔のあかねちゃんの姿です。


☆相沢 由紀☆


今回からの新キャラです。
徹と由香ちゃんが入れ替わったことを偶然知ってしまいます。
でも、実は今回の入れ替わりを起こした張本人です。
その裏には、由紀自身も知らない秘密が・・・。


☆花岡 詩織☆


こちらも新キャラです。
偶然あかねちゃんの過去を知ってしまいます。
だが、この詩織ちゃん自身にも意外な過去が・・・。
それは・・・これも読んでからのお楽しみです!


☆天使☆


前回ではあまり出番がなかったようなおとぼけ(?)天使です。
ちなみに、本名は不明みたいです。
今回は一体どんな活躍をするのでしょう?


〜リボンの効果〜


前回とは違うリボンが今回は登場します。
でも、能力は前回と同じです。
入れ替わってしまった徹と由香ちゃんは、
このリボンを由香ちゃんになってしまっている
徹が身に付けることによって、2人の
感覚や仕草や言葉使いなどが現在の身体に
あったものに置き換えられます。
天使との通信機能もついています。
今のところ判明している効果はこれだけです。
もしかしたら他にも効果があるかも・・・?






俺の名前は原田 徹。もちろん、名前からわかるように、俺は男である。
だが、1週間前くらいは俺は女の子として生活していた。
それも、今まで大好きだった、そして・・・今は俺と両思い、
彼氏彼女の関係である河村 あかねとして・・・。
そして、俺は実は彼女がもう1人いる。その子の名前は、宮沢 由香ちゃん。
由香とは、現実での付き合いもあるが、彼女として付き合うのは
夢の中での世界のみとなっている。ちなみに、その夢の世界とは何なのか?
夢の世界とは、知らないうちに俺自身が作り出していた世界らしい。
そして、夢の中で登場する茜ちゃんは、心が読み取れる。
由香とは、その夢の世界での付き合いである。
現実では、いってみれば友達みたいなものだ。
俺はちょっと前まであかねちゃんとなっていたから、
やっとちゃんとした男として、原田 徹としての生活に
戻れたとばかり思っていた。しかし、原田 徹として
再び生活できる運命も、そう長くは続かなかった・・・。


<第31話>


朝。俺は目覚める。久しぶりに本来の姿での目覚めだ。
俺は改めてやっと戻れたことを実感してしまった。
そして、俺はいつも通り学校に行く準備をする。
準備ができたので、俺は家をあとにした。

家の前では、あかねちゃんが俺を待っていた。
「原田君・・・一緒に学校行こう」
「お・・・おう」
・・・なんだか本来のちゃんとした姿のあかねちゃんを
見るのはとても久しぶりだ。今まで俺があかねちゃんだったのだから、
俺は本来の自分の姿ばかり見てきていた。
ちゃんとした本来の姿で、あかねちゃんと一緒に学校に登校できるのは、
本当に今日が始めてかもしれない。
あかねちゃんは、ちゃんとリボンをつけていた。
今はもう能力を失っているリボンだが、このリボンには
色々とお世話になったものだよなー。
俺はあかねちゃんと歩き出す。学校に着くまで、色々な会話をした。
主に今まで入れ替わっていたことの話題が多かった。
そして、学校に着く。今まではあかねちゃんとして来ていたのだから
由香と同じクラスだったが、今日からは原田 徹として登校するの
だから、由香とは別のクラスなんだよなー・・・。ちょっと寂しいなー・・・。
「原田君、早くしないと遅れちゃうよ!」
「お!おう!そうだな」
俺はいつの間にか歩幅が遅くなっていたようだ。
焦って廊下を小走りで走り、あかねちゃんに追いついた。

あかねちゃんと途中で別れて教室に入る。
そこには、なんだか懐かしい顔ぶれがあった。
「いよーっす!原田!おはよー」
「おう!おはよー」
近くの男子どもの何人かが俺にあいさつしてきた。
俺もちゃんとあいさつを返した。
あかねちゃんと入れ替わっていた以外に、夏休みで
あったからという理由もあったからだろうか?
俺はHRまでの時間、ずっと懐かしさを感じていた。

そして授業が始まる。俺はもとの身体に戻ったせいなのか、
早速眠くなってきた。元々俺は授業が始まると自然に
眠くなるタイプなのだ。そして、俺は知らないうちに寝てしまった。

「・・・くん・・だ君・・・ら田君・・・原田君・・・」
俺は誰かに名前を呼ばれているような気がした。
俺は知らないうちに寝てしまっていたようだ。
そして授業中であることに気付き、あわてて起き上がる。
だが、俺が見た光景は授業中の教室ではなかった。
「あ!原田君!気が付いたね」
俺に話し掛けてきたのは、茜ちゃんだった。
「もしかして・・・夢の世界?」
「ピンポ〜ン!大正解で〜す!」
「授業はどうなったの!?」
「現実の原田君は授業も聞かずに寝ているよ!」
「じゃあもし突然起こされたら、俺は突然現実へ戻っちゃうんかなー?」
「う〜ん、そうねー、先生に起こされないことを祈るのね」
「と〜お〜るく〜ん!!」
「え?誰?」
俺は突然茜ちゃん以外の人から声をかけられた。
声の方を振り向いたら、声の主が誰なのかすぐわかった。
「由香!・・・って、現実の由香だよなー?」
「そんぐらい聞かなくてもわかるでしょ?」
「ということはー・・・由香も今授業中なのに寝てるってことか?」
「う〜ん、意識は起きてるけど、周りから見れば寝てるように見えるかもね?」
「・・・由香大丈夫なんかよ?今夢の世界きちゃって」
「だってさー、授業つまんないんだもん!」
「・・・それで由香も夢の世界へきたのか・・・」
「でも、徹君は茜ちゃんに呼ばれてきたんでしょ?」
「え・・・?俺は呼ばれたなんて聞いてないぞ!?」
俺は茜ちゃんに聞いてみた。
「おい!・・・俺をこの世界に呼んだのか・・・」
「うん!呼んだわよー!」
「まさか・・・また暇だからなんて言うんじゃないだろうなー・・・」
「ううん、違うよ!ちゃんと伝えたいことがあったんだよ!それだから由香にもきてもらったの!」
「ふーん、そっかー、で、その伝えたいことって何だ?」
「うん!実はね、今度は原田君が由香と入れ替わっちゃうそうよ!」
「ふ〜ん、そっかー・・・って!おい!今なんて言ったんだよ!?」
「え〜っ?聞いてなかったの?今度は原田君は由香と入れ替わっちゃうのよ!」
「本当かよ〜っ!?・・・由香は信じるか・・・!?」
由香は無言であった。だが、由香は途端に笑顔になり
「ほんと?それ?私と原田君が入れ替わっちゃうの?」
「ええ、本当よー!」
「わーい!実は私ね、あかねちゃんが原田君になってる間ずっとうらやましくって!私も原田君になってみたかったのよ!」
「由香、よかったじゃん!今度は由香が原田君になれるわよー!」
「わ〜いわ〜い」
由香はまるで無邪気な子供のように喜んでいる。
「・・・由香・・・それって・・・喜ぶようなことかよ・・・?」
「だってー!2人だけ入れ替わるなんてずるいよー!私だけ仲間はずれでー」
「いや・・・そういう問題じゃないと思うんだけど・・・」
「だって、あかねちゃんも徹君も不思議な秘密今までもってて、不思議なこともってないの私だけじゃない」
「いや・・・由香の心が読める能力は充分不思議なんですけどー・・・」
「あ、そういえば私って心読めたのよね!」
(忘れてたんかい!)
「うん、忘れてたわよー!」
由香は早速俺の心を読んでしまった。
「・・・で、茜ちゃん、今度は何で俺は由香と入れ替わっちゃうんだよ?」
「実はね、天使さんから夢の世界へ連絡があってね!感覚や言葉遣いはもうこのリボンでは変わんなくなってるけどね、天使さんとの通信機能はどうやらまだ使えるらしいんだよねー」
「で、天使は何て言ってたんだ?」
「今まであかねちゃんと入れ替わって原田君はもとに戻ったけど、ちょっとした手違いで今度は由香ちゃんと入れ替わってしまいますです〜、って言ってたよ!」
「・・・それって・・・特に入れ替わらせるための理由はないんかい!」
「そうみたいね、でも、誰にだって手違いはあると思うけどー?」
「・・・いや・・・この場合手違いと言っても規模が違いすぎるんっすけど・・・」
「あ!そういえばさー、由香に天使さんから渡すものがあるって言われて、これ天使さんから預かっていたんだよねー」
「え?天使さんから?私に渡すもの?」
「あ!あったあった!はい、これ!」
茜ちゃんは、由香にリボンを手渡した。
「え?リボン?」
「うん、天使さんがね、これから入れ替わっちゃうのでこれが必要となりますです〜、って言ってたよ!」
「じゃあ、これってあかねちゃんがつけてたリボンと同じ能力なの?」
「そうみたいね」
「ほんと?やったー!これがあれば私も原田君になりきれるのね!」
「おいおい、由香・・・喜ぶようなことかよ・・・」
「いいじゃん!どうせもう入れ替わることは決定してるんだから!どうせだから入れ替わり生活を楽しまなくっちゃ!」
「・・・本当にそれでいいんかよ・・・」
「で、茜ちゃん、今回はどうやって入れ替わっちゃうの?」
「う〜ん、それはね、夢の世界から目覚めると入れ替わっているらしいわよ!」
「ほんと?じゃあ入れ替わりももうすぐね!」
「・・・マジかよー!?」
「マジっすよ〜!天使さんがそう言ってたんだからさ!」
「・・・・・・・・・・」
「あ、そろそろ原田君、目が覚める頃ね!もう起きたら入れ替わってるはずよ!」
「じゃあ私も現実の世界へもどろーっと!」
「由香は現実世界へ戻ったら原田君になってるはずだから」
「うん!わーいわーい」
「・・・・・・・・・・」
本当に俺は由香と入れ替わってしまうのだろうか?


<第32話>


『トントン』俺は誰かに背中を叩かれたような気がした。
『トントン』『トントン』ったくぅ〜、誰だよ?うるせーなー・・・。
俺は今まで机に伏せていた顔をあげた。そして、先生と目があった。
「原田、やっと起きたかー!授業中に居眠りしちゃだめだろ!?」
「あ!先生・・・すみませんでした・・・」
「今度から気をつけろよ!」
「・・・はい」
俺は授業中の居眠りから完全に目が覚めた。
そういえば俺は由香に・・・なってないよなー。
夢の中では夢が覚めたら、と聞かされていたが、
俺はちゃんともとの身体のままであった。
ふぅ、でも、入れ替わっちゃわない方がいいし。
これはこれでいいんだろうな。一見、茜ちゃんが
聞き間違えたのか、天使が俺をからかうために茜ちゃんに
そのように伝えたのか、俺はそのように思っていた。
しかし、俺はこれからの出来事をまだ知らなかった・・・。

昼休み。廊下を歩いていたら由香と出会う。
「あ!・・・原田君、ここで話ってのもなんだから、中庭行かない?」
「え?中庭、うん、別にいいぞー」
俺と由香は、中庭へ向った。
「あれ?今の2人は・・・原田君と由香ちゃんね!どこ行くのかしら?ちょっと気になる・・・」
偶然にも俺と由香が中庭へ行こうとしている光景を目撃していた
少女が1人いた。それは、相沢 由紀ちゃんであった。
「う〜ん、2人のあとをついてっちゃおうかな?」
由紀ちゃんは、2人のあとをそーっとつけていった。

一方中庭についた俺たち。中庭に人気はなかった。あとをつけてきた由紀ちゃんに
近くで話を聞かれることになるとは知らずに、俺たちは話を始める。
「ねえ、徹君、私たち本当に中身だけ入れ替わるのかな?」
「う〜ん、どうだろ・・・って!入れ替わっちゃわない方がいいじゃんかよ!」
「でも!原田君だけあかねちゃんと入れ替わってたなんてずるいわよ!私だって原田君になってみたいんだもん!」
一方遠くでそーっと話を聞いていた由紀ちゃんの方は
(入れ替わり・・・って何のことなのかしら・・・?)
1人で考え込んでいるのだった。
「で、原田君はあかねちゃんとしての生活はどうだった?」
「う〜ん、そう悪くもなかったけどー・・・」
「そっかー、早く私も原田君として生活したいなー!」
「そうだね・・・って!ちっが〜う!!俺はそんな展開は少したりとも望んではいないぞ〜!!」
「いいじゃん!徹君も私になってみるのは嫌なの?」
「・・・いや・・・かな?」
「それは、私のことを嫌いになったってことなのね?」
「いや、だから違うって!それとこれとは別だってばぁ〜っ・・・」
「じゃ、決まりね!早速入れ替わりましょ!」
「早速っつったって、どうやって入れ替わるってんだ・・・?」
「そういえばそうねー、夢の世界から出ても入れ替わってないんじゃーどうやって入れ替わればいいのかしらねー?」
「じゃあそれなら入れ替わりはなかったってことなんじゃないの?」
俺は由香とずっと話しをしていた。
その頃俺たちをそーっと監視していた由紀ちゃんは
「原田君と由香ちゃんが入れ替わる?・・・何のことなんだろう・・・???」
やっぱり考え込んでいた。
「それって一体どういうことなのかしら?しかも原田君があかねちゃんとしての生活?」
更にますます考え込んでいた。
由紀ちゃんは自分の考えていたこと、2人の話の内容が
段々訳わからなくなってきていた。
そして、由紀ちゃんの頭の中では遂にちょっとしたショートが起こった。
「原田君と由香が入れ替わるってどういうことなのよ〜!!!」
由紀が強くそう思った瞬間、俺と由香に異変が起こった。
「え?何これ?何か変な感じ・・・」
「あれ?私も何だか・・・?」
俺と由香は2人共変な感覚に襲われていた。
そして、俺と由香はそのまま中庭に倒れ込んでしまった。
今までそーっと監視していた由紀ちゃんが、俺たちのもとへ飛び出してきた。
「原田君!?由香ちゃん!?どうしたの!?」
由紀ちゃんは、ひたすら倒れ込んだ俺たちに言葉をかけていた。

(う〜ん・・・こ、ここは!?)
意識が戻ったので、起き上がった。
(由香は大丈夫だろうか?)
目の前で一緒に倒れたはずの由香の姿を確認する。
しかし、由香の姿は確認できなかった。そのかわり、
目の前には自分、原田 徹の姿が確認できた。
「ええ〜っ!?何で私が目の前に・・・え?私・・・それに何だか感覚が・・・」
「う〜ん、一体何があったんだー・・・あ!徹君になってる!」
「へっ?・・・ってことは私たち・・・本当に入れ替わっちゃったんかよー!!」
「そうみたいだな!わーい!徹君になれた〜!」
「・・・しかも、今回はもうすでに由香がリボンつけてたからいきなり女の子の感覚でスタートなの・・・?」
「そうみたいだな、俺もちゃんと男の感覚になってるし!」
「・・・あのー、2人とも大丈夫?」
突然由紀が私たちに話し掛けてきた。今まで、私は由紀の
存在には気付いていなかったから、私は驚いた。
「うわぁ〜っ!!・・・って・・・由紀ちゃん・・・かー」
「おう!由紀、どうしたんだ?」
「あれ?2人共どうしたの?なんだか私の呼び方がいつもと違うような気が・・・」
「え?・・・あ・・・いつも由紀って呼び捨てにしてたっけ・・・?」
「そうだったわよ・・・2人共本当に入れ替わっちゃったの?」
「ええ〜っ!!何で由紀ちゃんがそれを!?」
俺は由紀の一言で驚いてしまった。
俺になってしまった由香は、由紀の心を読み取った。
「どうやら由紀は俺たちのあとをこっそりとつけてきていたみたいだな」
「あ・・・バレちゃった?」
由紀は由香の心の読める能力を知らないので、普通に
バレてしまったと思っていた。
「由紀、本当に入れ替わっちゃったこと知ってるの?」
「うん、さっきそこで2人の話を聞いちゃって・・・」
「このことは誰にも言っちゃダメ!由紀、約束できる?」
「う・・・うん、約束するよ」
「よかったー、これで俺は心配もなく徹君になれるよー!」
「おいおい・・・由香、あんまり喜ぶなって」
「何だか由香ちゃん、嬉しそうね?」
「おうよ!だって男の子になれたんだよー!」
「で、私はまた女の子になっちゃった・・・2回目・・・」
「・・・私も男の子になってみたいなー」
「おいおい、由紀ちゃんまで何言い出すんだよー」
「由紀もそのうちなれるといいな!」
「うん!」
「・・・って、少しは私の話も聞いてよ・・・」
結局私は本当に由香と入れ替わってしまった。
そして、恐らくこの瞬間から今までとは違う生活が待っているのだろう・・・。

私は由香になったまま授業をうけた。
そして部活の時間。
「あれ?由香、なんだか元気ないよ?」
「え、そうかしら?」
「うん、何かあったの?」
「え・・・何か?」
う〜ん、あかねちゃんには今私が由香と入れ替わってることを
伝えた方がいいのだろうか?
「あっかねちゃ〜ん!」
「あ!原田君!」
「え〜っ?原田君?あ、そっかー、今は俺が徹君だもんな!」
「あ・・・由香、言っちゃった・・・」
「え?・・・もしかして・・・」
「うん、そうだぞー!俺は徹君と入れ替わっちゃったの!」
「え?じゃあ・・・私のところにさっきからいた由香は・・・?」
「うん、由香だけど、中身は徹君だよー!」
「ええ〜っ!?何でまた入れ替わっちゃったの?」
「うん、それはねー・・・」
由香はあかねちゃんに今までのことを話した。
「なるほどねー、それでまた入れ替わっちゃったのね」
「そうなのー、周りの人には言わないでねー」
「うん、わかってるよ」
「ありがとー!これで心配なく徹君になれるぞー!」
「・・・由香、さっきも同じようなこと言ってなかった?」
「でさ、このことはね、由紀ちゃんだけは知ってるから」
「え?由紀ちゃんって・・・相沢 由紀ちゃん?」
「そう、偶然入れ替わったことを聞かれちゃってねー」
「ふ〜ん、なるほどねー」
俺になってしまった由香と、あかねちゃんはしばらく話しこんでいた。

部活も終わり、下校の時間。
私はあかねちゃんと、俺の姿をした由香と一緒に帰っていた。
あ・・・そういえば、私って由香の家どこかわからない・・・。
その時、タイミングよく由香が尋ねてくる。
「ねえ?由香ちゃん・・・あれ?何で俺、自分の名前で呼んじゃうんだ?」
「由香、これがリボンの効果だよ!」
「そっかー、なるほどな!で、由香ちゃん、俺の家は場所わかるか?」
「え・・・実はね、わからない・・・」
「やっぱりそっかー、じゃ、俺が家までついてってやるよ」
「じゃあ私も付き添うわ」
「サンキュー、徹君、あかねちゃん、助かるよ」
「今由香ちゃんが俺を徹君って呼んできたのもリボンの力なのか?」
「うん!そういうこと〜」
私は、由香とあかねちゃんに導かれながら由香の家を目指した。


<第33話>


私たちは由香の家に着いた。早速中へ入る。
由香とあかねちゃんも、中までついて来る。
「2人共帰らなくていいの?」
「俺は一応自分の家だし、ちょっと休んでから帰る」
「私は原田君(由香)に合わせるよ」
「うん、わかった」
私は、由香に部屋の場所を指示された。
部屋に入った私たち。
「ふ〜ん、結構いい部屋じゃん」
「そっかー?俺はいいとはおもわんが」
「由香結構いい部屋じゃん!あかねは初めてきたから今まで知らなかったけど」
「じゃあ早速着替えましょ」
「へ?いや、感覚は女の子になってるから1人でも平気だって」
「いや!そうじゃなくてな!色んな格好をした自分の姿を生で見たいんだ!」
「あ!その気持ちわかる!私も入れ替わった時そう思ったし」
「じゃあ決まりね、由香ちゃん、制服脱いで」
「え・・・徹君(由香)の前で・・・?」
「もちろん」
私の目の前にいるのは由香であって、自分である。
しかし、私は感覚が女の子になってしまっているために、
いくら自分の姿の人が目の前とは言っても、男の人に
着替えを見られてしまうと言う戸惑いの気持ちがあった。
「ほら!制服脱いで!」
私の姿をした由香が、無理やり私のスカートを下ろした。
「キャア〜!」
私は思わず悲鳴をあげてしまう。もちろん、
感覚が女の子になっているからだ。
「ほら、上も脱ぐんだ!」
由香は上も無理やり脱がせた。そして、
私はあっという間に下着だけの状態となってしまった。
「・・・俺って結構いいスタイルしてたんだなー」
由香は自分の身体に見とれていた。
「と・・・徹君・・・あんまりみないで・・・」
私は女の子としての気持ちで、すごく恥ずかしかった。
あかねちゃんが、いつの間にかタンスから服を出してきていた。
「はい、原田君、まずはこれを着てみて!」
あかねちゃんが持ってきたのは、シンプルなデザインの半そでと、
キュロットのスカートだった。
あかねちゃんだった時は、女の子の感覚になっているためすんなり
着れた。もちろん、今も女の子の感覚ではあるが・・・私の姿をした
由香が私を見ている。何だか異性に変な目で見られてるという感じだ・・・。
だが、私はしょうがなく服を着てスカートをはいた。
ためしに部屋にあった鏡で由香としての今の姿を確認する。
・・・結構似合ってる。
「由香ちゃん!結構似合っててかわいいぞー!」
「・・・普通自分に自分で言うものかねー・・・?」
「いいじゃん!はい、次はこれ!」
あかねちゃんがいつの間にか次の服をもってきていた。
次は・・・白色の半そでにミニスカートか。
何だか徹君(由香)に見られるのは嫌だなー・・・。
「由香ちゃん!早く着て!」
由香が私に先を促す。
「え・・・また着るの・・・?」
「もちろん!早く今着てるの脱いで!」
・・・私は戸惑ってしまったが、また由香に無理やり脱がされる
のは嫌なので、その前に自分で服を脱いだ。
そして、私はまた下着だけの姿となっていた。
「俺って、ほんとーにいいスタイルだー!!」
「・・・徹君、自分で普通言うかなー?」
「いいじゃん!早くとっとと着る!」
由香がそう言って、あかねちゃんが服を渡した。
数十秒後。鏡を見てみる。そこには、白色の半そでに
ミニスカを身に付けている由香である私の姿が映っていた。
「おお!由香ちゃんかわいいぞ〜!!」
「・・・だから自分で言うなって・・・」
「原田君、これもリボンの効果なのかもよ?」
「・・・本当にそうなのかなー・・・?」
「ま、そういうことにしとこう!気にすんな」
「・・・いや、思いっきり気にしちゃうんですけどー」
「はい、じゃあ次いってみよーう!あかねちゃん、服頼むー!」
「まかせといてー!」
あかねちゃんは、次はワンピースを持ってきた。
「わ・・・わんぴ〜すぅ!?」
私はあかねちゃんになっていた時でも、ワンピースは
着たことがなかった。なので、驚いた。
いくら感覚が女の子になっていると言っても、ちゃんと
男の子の気持ちも残っているのだから、そっちの気持ちが
反応してしまったのだろう。
「由香ちゃん!早く着て!」
「え・・・ワンピースなんて恥ずかしいよー」
「ごちゃごちゃ言わないの!」
・・・このままではどちにしろ由香に服を脱がされる。
・・・仕方が無い。脱ぎますか・・・。
私はまたまた下着姿になった。
今までワンピースなんて着たことなかったから、
ドキドキする。あかねちゃんの時にも着たことがないので、
果たしてワンピースは似合うのだろうか?という意味で
ドキドキしている。私は恥ずかしさまじりのままワンピースを身に付けた。
「・・・さいこーうにかわいい!!」
「・・・徹君、あんま見ないでよー・・・恥ずかしいよーぅ」
私はワンピースが似合っているかはっきりわからないまま、
今は男(徹)である由香に思いっきり見られていたために、
かなり恥ずかしかった。自分でも顔が赤くなっているのがわかる。
続いてあかねちゃんも私をみてくる。
「原田君!ほんと、似合ってるわよ!かわいいじゃん」
「あかねちゃん・・・今は由香の身体なんだから似合ってて当然なんじゃ?」
「あ、そうかもね、ま、細かいことは気にしなーい!!」
「・・・なーんか最近キャラの性格設定がいい加減になってきているような?」
「そうかなー?なら作者に聞いてみれば?」
「・・・それは反則行為だからやめとくよ」
「由香ちゃん、自分の姿鏡で見てみろよ」
「徹君・・・う、うん」
私は鏡で自分の姿を見た。
・・・かなり似合っている。すっごくかわいくみえる。
私は学校では由香のワンピース姿なんて見たことが
なかったので、あまりのかわいさにかなりドキドキしてしまった。
もし、今リボンの力で男の気持ちが抑えられていなかったなら、
間違いなく私は萌え状態になっていたことだろう・・・。
私がそうなったかもしれないというくらい、マジでかわいい。
だが、逆に私はこんなかわいい姿を徹である由香と、
あかねちゃんに見られているため、恥ずかしさもかなりあった。
その後は、私は由香とあかねちゃんにしばらく着せ替え人形
状態にされていたのだった。
そして、2人の気が済んだのは1時間後くらいだった。


<第34話>


あっという間に時は過ぎ、いつの間にか夜となっていた。
(はぁ〜っ、今日は疲れたなー、本当に由香とは入れ替わっちゃうし、2人には着せ替え人形にされちゃうし・・・)
私は精神的にかなり疲れ果てていた。
本当にかなり疲れていたので、今日はもう寝ることにした。
時計が11時くらいを指した時、私は眠りについた・・・。
このあと由香の本当の正体を知ってしまうことを知らずに・・・。

「原田君!やっほー!」
「え?誰?・・・あれ、茜ちゃん?」
「そうよー!毎度お馴染みの夢の中の茜ちゃんで〜す!」
「・・・茜ちゃん、何か本当に由香と入れ替わっちゃったんだけど・・・」
「知ってるわ!もうとっくに心を読んだからさ!」
「・・・そういえばさ、何で由香って心が読めるのかな?」
「え?知らない?って、そりゃ当然かー、由香自身も真実を知らないんだし」
「え?もしかして、茜ちゃんは何か知ってるの?」
「知ってるよー!余裕で!何で由香が心を読めるのか聞きたい?」
「うん、聞きたい、教えて」
「う〜ん、わかった、教えるよ〜」
茜ちゃんは真実を知っているとのことだが・・・。
「あれ?そういえば私、何で今度は夢の中でも由香のままなの?あかねちゃんだった時は夢では本来の姿に戻れたのに・・・」
「あ、それはね、由香はもとから夢の世界の人間だからよ!」
「え・・・夢の世界の人間!?」
「そう、現実の私は心が読めないけど、夢の中の私は心が読めるでしょ?」
「う、うん、そうだねー」
「由香もね、夢の中の人間だから夢の中の私みたいに心が読めるの!」
「でも、それってどういうことなの?」
「実はねー・・・由香自身も知らないことなんだけどねー・・・」
何か意外な過去でもあるのかなー・・・?
「由香は夢の中の世界の乱れによってね、現実世界に飛び出しちゃったの!」
「・・・そうなの?」
「うん、その時夢の中に居た時の記憶もなくなっちゃったらしくてね、それだから現実でも由香は心が読めるけど、記憶を失ったために何故心が読めるのか由香自身は知らないの」
「なるほどねー・・・じゃあ例えばさ、夢の中の茜ちゃんが現実世界にきたとしたら、現実でも心が読めるの?」
「うん、そういうことになるわね!でも、現実ではもう1人のあかねちゃんがいるから私は現実には行けないけどね」
「そうなんだー、由香の場合はもとから現実での存在がなかったから現実にこれるのかー?」
「そうね、でも、これると言うより今はもう現実世界の人間と同じになっちゃったけど、心が読めるってことを除いてね」
「由香って・・・本当は現実世界の人間じゃなかったんだー・・・」
「そう、それだから由香とは夢の世界での付き合いってことになったのよ!現実はあかねちゃんとの付き合い、現実にはちゃんとあかねちゃんがいるからねー」
「なるほどねー、なんとなーくわかったような気がする・・・」
「ま、簡単にいうと由香はこの夢の世界の人間だったのだから心が読めるということ!」
「でも、由香自身もそのことは知らないんだよねー?」
「うん、そうなんだよねー・・・」
「由香にはちゃんと真実を伝えた方がいいのかなー?」
「う〜ん、そのうち私が伝えとくよ」
「うん、じゃあ頼むね」
(由香にそんな秘密があったとは・・・)
「あ、そういえばさー、原田君もう気付いたー?」
「え、気付いたって?何に?」
「今原田君は由香でしょ?それだからね、現実でも心が読めるよー!」
「そうなの?でも、私になっちゃった由香も心を読めるみたいだけど?」
「うん、それはね、今は原田君が入ってても、もともと由香の身体、それだから原田君は今は由香だから心を読める、それはわかるよね?」
「うん、それはわかるけどー」
「原田君になってしまった由香はね、もともと心が読めるのは自分の本来の能力だから、原田君に入ってもその力がそのまま使えるの!」
「ふ〜ん、よくわかった」
「あ、それとね、今回の入れ替わりは天使さんの手違いじゃないみたいだね」
「え・・・そうなの!?・・・じゃあどうして?」
「覚えてる?昼休みの時のできごと、倒れ込む直前の」
「うん、覚えてるけどー・・・」
「由紀ちゃんが偶然2人の話を聞いちゃったって言ってたよね?」
「うん、言ってた・・・まさか、今回は由紀ちゃんのしわざとか・・・!?」
「実はね、そのまさかなんだよー・・・」
「でも、何で由紀ちゃんが俺たちを入れ替えたの?」
「実は由紀ちゃんはね、2人の話を聞きながらずっと考えていたのよ!由紀ちゃんからとってみれば2人は意味のわからない会話ってことだったからねー」
「そりゃそうよねー・・・でもそれとどういう関係が?」
「うん、それなんだけどー、由紀ちゃんは考えまくったあげくに訳わかんなくなってきちゃったみたいでね、自分の頭の中でちょっとしたショートを起こしたのよ!その時に由紀ちゃんから何か不思議な力が発動したらしくて・・・それで由紀ちゃんが
『原田君と由香が入れ替わるってどういうことなのよ〜!!!』
「って強く思った瞬間ね、本当に2人が入れ替わっちゃったのよ・・・由紀ちゃんの不思議な力で・・・」
「それ本当なの・・・?でも、確かに世の中には不思議なことがいっぱいあるからなー・・・由紀ちゃんのその不思議な力って何なの?」
「それはねー・・・私もわからないの、でも、由紀ちゃん自身も自分のその何かの不思議な力を知らないらしい・・・というより、自分に不思議な力があるってこと自体を知らないらしいけど・・・」
「由紀ちゃんのその不思議な力のこと、あたしが教えてあげよっか?」
「え!?誰・・・!?」
突然どこからともなく茜ちゃん以外の声がした。目線を声の方にたどると・・・そこには、同じテニス部の花岡 詩織ちゃんがいた。
茜ちゃんが口を開く。
「え?詩織ちゃん?・・・現実の詩織ちゃんかな・・・?」
「うん、あたしは現実の詩織だよー!」
「現実の人は連れてきてもらった時にしかこれないはずなのに・・・何で現実の詩織ちゃんがこの世界にいるの・・・?」
「実はね、あたしもちょっとした不思議な能力を持ってるのさ!」
「え?詩織ちゃんにも不思議な能力が・・・!?」
「うん、あたしはね、その不思議な能力のおかげで河村 徹のことも知ったんだよ!」
「ええ〜っ!?私の前の時の姿何で知ってるの・・・?」
「だから言ったじゃん!あたしも不思議な能力もってるんだし!由香ちゃんが心を読めることも知ってるし、以前原田君とあかねちゃんが入れ替わっちゃったことも知ってるし、今は原田君は由香ちゃんと入れ替わってることも知ってるし・・・あたしはその不思議な能力のおかげで何でも知ってるのよ!」
「・・・どうやら本当に何でも知ってるみたいねー・・・由紀ちゃんの不思議な能力も・・・?」
「うん、知ってるよ」
「教えてほしいんだけど・・・」
「うん!構わないわよー!2人がそれがわかんないと思ってあたしはここにきたんだし!」
「詩織ちゃん、ありがとー」
「じゃあ早速話すね・・・実はね、原田君とあかねちゃんを入れ替えちゃったあの天使がね、不思議な力を使う練習を天界でしていたのよねー・・・でも、天使が間違えてその不思議な力を地上界へとばしちゃったの!で・・・偶然その不思議な力が地上界にいる由紀ちゃんに入っちゃったって訳なの・・・」
「・・・やっぱり原因ってあの天使の手違いってことなんじゃ?」
「でね、その不思議な力はねー・・・自分が本当に強く念じた時に、その念じた通りのことを実際に起こせるって力なの!天使もその能力を使って原田君とあかねちゃんを入れ替えたの、で、今回はその力を身につけてしまった由紀ちゃんが、偶然にも2人の話を聞いちゃって、頭の中で原田君と由香ちゃんが入れ替わるってどういうことー?って強く考えちゃったの!強く考えすぎちゃったからね、不思議な力が入れ替わることを念じたってみなしてね、不思議な力が発動して2人が入れ替わっちゃったの・・・」
「・・・やっぱり、もとはと言えば天使の手違いが原因なんじゃないかなー?」
「そうかもね、でも、今回は由紀ちゃんによって入れ替えられたってことになるわね」
「で、私は由香ちゃんになっちゃったって訳かー・・・何でも知ってるんだよね?じゃあ私がちゃんと徹に戻れるか教えてくれないかな?」
「それはねー・・・ごめん、原田君、ちょっとね、先のことはわからないんだよねー・・・」
「・・・そっかー、なら仕方ないね・・・でさー、詩織ちゃん自身のその不思議な能力って言うのは?」
「え・・・それはねー・・・あたしの能力はちょっとねー・・・話すとなるとあの時のことも言わなきゃなんないし・・・」
「詩織ちゃん、言いたくないの?」
「・・・あの時のことも言わなきゃなんないからさー・・・2人にはそのうち話せそうな時に話すよ・・・あたしだって勝手にあかねちゃんの前の姿知っちゃったんだし・・・」
「う、うん、じゃあその時になったら頼むね」
私も茜ちゃんもまだ知らない。実は、詩織ちゃんにはあかねちゃんが河村 徹であったというようなことと同じくらい驚くような過去があったのだった・・・。


<第35話>


太陽の光がカーテンの隙間からわずかに入ってくる。
・・・眩しい。私は眩しさのあまり、目が覚めてしまった。
あれ?さっきまで夢の世界にいたはずじゃあ・・・?
どうやらいつの間にか現実世界へ戻っていたようだ。
いつ夢の世界から出たのか、何故かはっきり覚えていない。
そういえば、詩織ちゃんの言ってた詩織ちゃん自身の不思議な能力って・・・?
何だか、私はそのことばかり気になっていた。
あれ?そういえばまだリボンをつけていないのに、何だか妙に
女の子の感覚になっているような気がする・・・?
私はリボンを手にとってつけてみた。
・・・感覚がさっきと同じままだ。やはり、さっきも女の子の
感覚だったらしい。まさか・・・またあかねちゃんの時みたいに・・・
女性化とは違う宮沢 由香化しているとか・・・!?
そういえばこのリボン、以前と能力が同じならば天使と
通信がとれるはずだ。私は天使が何か知ってるんじゃないかなー?
と思って、天使との通信を試みた。
(天使さ〜ん、いますか〜・・・)
あかねちゃんの時もそうだったが、何故か天使を呼ぶ時は
間延びした声になってしまう・・・。
・・・天使からの応答がない。やはりあの時のリボンでないと
天使との通信はできないのかなー・・・?
そう思って、通信をあきらめかけた時、
(徹く〜ん、呼びましたで〜〜〜すか?)
いきなり天使からの反応があった。通信をすでに諦めようと
していた時にいきなり反応がきたので、私はかなり驚いてしまった。
(お・・・驚いた〜・・・ちょっと、いきなり反応しないでよ〜・・・)
(今回の用件は何ですか〜?)
・・・流された。今、確かに私のセリフを流された・・・まあいいか。
(実はねー、リボンをつけていなくても何だか感覚が女の子だったような気がするんだけど・・・)
(そうなんですか〜?)
(まさか・・・何故かわからないなんて言わないわよねー・・・)
(そのまさかですわ〜)
(結局わからないんかい!!)
(そうですわね〜・・・あ、もしかしたら〜)
(もしかしたら!?)
(昨日夢の世界に出てきた詩織ちゃんって子が知ってるかもしれませんですわ〜)
(う〜ん、確かに詩織ちゃんなら知ってるかも?でさー、詩織ちゃんの不思議な能力って知ってる?)
(それはですねー・・・知りませんわ〜)
(・・・やっぱり)
(あ、でも能力ではありませんが〜、1つだけ知ってることがありますです〜)
(え?何か知ってるの?)
(はい〜、実はですね〜、詩織ちゃんって本当は女の子じゃないんです〜)
(へ!?女の子じゃない!?)
(そうですわ〜、詩織ちゃんは女の子ではないのです〜)
(・・・それってどういうこと?)
(それはですね〜・・・そのうち詩織ちゃん自身が話してくれるはずです〜)
(そっかー・・・でも、女の子じゃないってことは・・・詩織ちゃんって男なの!?)
(そういうことになりますね〜)
(・・・どうみても女の子にしかみえないんだけど・・・もしかして!私たちみたいに誰かと入れ替わっちゃって中身には男の子が入っているとか!?)
(それは違います〜、詩織ちゃんは入れ替わりの経験はありませ〜ん)
(じゃあ一体どういうことなの?)
(それはですね〜・・・あ、そろそろ通信が時間切れです〜)
(え?時間制限があるなんてきいてないわよ!ちょっと〜)
(またしばらくしたら通信が使えますので〜)
(あ、ちょっと待って・・・)
・・・通信が途切れてしまったようだ。
詩織ちゃんは女の子じゃない・・・一体どういうことなんだろう?
何かこれには秘密がありそうだなー?
しばらくは詩織ちゃんをよく観察してみる必要があるかも・・・?
・・・そんなことしたらストーカー行為に等しくなっちゃうしなー・・・。
どうにかうまく詩織ちゃんから聞き出せないものかなー?
それとも、本当に詩織ちゃん自らそのうち話し出してくれるのかなー?

とりあえず私は学校へ行く準備をしようとした・・・が、
今頃になって今日は学校が休みの日であることに気付く。
今日は・・・第2土曜日だったのだ。
とりあえず私は下に行って、朝食だけを済ませた。
その後、私は適当に過ごした。そして午後1時くらい。
その時私は、今日は何にも予定がないから適当に過ごしてるまま
1日が終わっちゃうんじゃないかなー?なんて思っていたのだが、
『ピンポーン』 突然インターホンが鳴った。そういえば今由香の母さんは留守だったなー。
私は玄関に向った。そしてドアを開けると、そこには誰かが
4人立っていた。その4人が誰なのか確認してみる。
その4人は、あかねちゃん、徹の姿をしている由香、由紀ちゃん、
あと、詩織ちゃんだった。
(〜ここからはキャラが多くてまぎらわしいので、セリフの前に名前をつけます〜)
由紀「あ、原田君、ごめんね、急にきちゃって・・・」
由香「実はな、なんか詩織ちゃんが真実を言っておきたいだとかのことらしくて」
あかね「何か私もよくわかんないまま連れてこられちゃったんだけどー・・・」
詩織「原田君、ちょっと4人まとめて上がってもいいかな?」
徹「え・・・4人はちょっと多いかなー・・・ギリギリ大丈夫かな?上がってもいいけどー」
詩織「原田君、わるいわねー、じゃあみんな上がらせてもらうね」
急にうちにやってきた4人。詩織ちゃんが真実を伝えてくれるのだろうか?
とりあえず私は4人を部屋へ連れて行った。
私は4人を部屋に連れてってから、4人に
徹「ちょっと待っててくれないかな?」
由香「由香ちゃん?どうしたの?」
徹「あ、ちょっとね、何もださないのもなんだからさ、何か持ってくるよ」
あかね「原田君、私はできれば紅茶がいいなー」
由紀「あ、じゃあ私もそれにしてもらえないかな?」
詩織「あたしもー、紅茶でお願い」
由香「由香ちゃん、確か紅茶は台所の開きに入ってると思ったけど、場所わかるか?」
徹「う〜ん、ちょっとわかんないかも・・・」
由香「じゃあ俺がついてってあげよっか?」
徹「うん、徹君、ありがとー」
由香「じゃあ俺はちょっと由香ちゃんと下まで行ってくるな」
あかね「うん、わかった」
詩織「同じく、了解」
由紀「・・・・・うん」
私と由香は、部屋をあとにした。
一方部屋に残った3人は、
由紀「ねえ、今原田君が由香ちゃんで、由香ちゃんが原田君なのよねー?」
あかね「そうよー、由紀ちゃんは本当に知ってるんだね?」
由紀「うん、知ってることは知ってるんだけどー・・・なんて言うのかなー?・・・そのー・・・」
詩織「由紀ちゃん、もしかして何で中身は入れ替わってるはずなのに原田君は由香ちゃんを徹君って呼んでて、由香ちゃんは原田君を由香ちゃんって呼んでたのかって聞きたかったのかな?」
由紀「あ、そうなのよ!・・・何でわかったの?」
詩織「あたしには何でもわかるわよ・・・由紀ちゃんの不思議な力も・・・」
由紀「え?詩織ちゃん何か言った?今よく聞こえなかったんだけどー・・・」
詩織「え?いや、何でもないよ」
由紀「で、何で2人は入れ替わっちゃってるはずなのに、いくら相手が自分の姿になってるからって、本当の自分の名前で呼んでいるの?」
あかね「そっかー、由紀ちゃんはリボンの力までは知らないのかなー?」
由紀「え?リボンって・・・原田君が由香ちゃんとしてつけていたリボン?」
あかね「うん、実はね、あのリボンをつけるとお互い感覚が変わるのよ、要するに由香ちゃんである原田君は女の子らしく、原田君である由香ちゃんは男らしくなるのよ!それだから名前の呼び方も変わるみたいだよ」
由紀「へぇ〜っ、そうなんだー、それだから原田君は由香ちゃんに入っているとはいえ、ちゃんと女言葉で喋ってたのね」
あかね「多分今もリボンの力で女の子らしくなってると思うんだけど」
詩織「それは違うよ」
あかね「え?違うって何が!?」
詩織「今回原田君はリボンの力で女の子らしくなってるんじゃないってことだよ、仮にリボンをとったとしても女の子の感覚が残るはずだよ」
あかね「え・・・それってまさか・・・」
詩織「別に原田君があかねちゃんの時のように由香化しているって訳じゃないよ」
あかね「そっかー・・・あれ?私今口に出して言ったっけ?何で私の考えていたことわかったの?」
詩織「それはね・・・ちょっとね」
あかね「これも不思議な力ってやつなの?」
詩織「う〜ん、まあそんなとこかな?」
ちなみにあかねちゃんは、夢の中の茜ちゃんとは心が繋がっているために、
既に詩織ちゃんの不思議な力は知っていた。でも、由紀ちゃんは何も知らない。
由紀「ねえ?不思議な力って何?」
詩織「不思議な力ねー・・・それはね、それもその真実ってやつと一緒に話すからさ、原田君と由香ちゃんが戻ってきたら話すよ」
由紀「うん・・・そういえば・・・何だか原田君と由香ちゃん、戻ってくるの遅くない?」
あかね「そういえば遅いわねー・・・私が下まで行ってちょっと見てこようか?」
由紀「うん、じゃあちょっと悪いけど、見てきてもらえるかな?」
あかね「うん、じゃあちょっと見てくるね」
あかねちゃんはそう言って部屋から出て行った。
由紀「ほんと、由香ちゃんたち遅いわねー・・・」
詩織「・・・何だか嫌な予感がする・・・」
由紀「え?嫌な予感って!?」
詩織「よくわかんないけど・・・何だか嫌な予感がするの・・・」
由紀「それって・・・由香ちゃんと原田君が!?」
詩織「・・・いや、2人ではなくて・・・由香ちゃんになっている原田君の身に何かが・・・」
由紀「原田君が危ないの!?」
詩織「原田君の身に・・・何か嫌な予感が・・・」


<第36話>


一方あかねちゃんは、下の台所にきていたのだが・・・
あかね「あれ・・・原田君と由香ちゃんがいない・・・?」
あかねちゃんは試しに玄関に行って見た。
あかね「・・・2人の靴がないわ・・・どこ行ったのかしら?」
その時、突然2階から詩織ちゃんと由紀ちゃんが急いで駆け下りてきた。
あかね「あれ?詩織ちゃんに由紀ちゃん、急いでどうしたの?」
由紀「・・・やっぱり靴がないわねー・・・」
詩織「・・・原田君が危ない!!」
あかね「え?原田君が危ないって・・・?」
詩織「何だか嫌な予感がするの・・・今は原田君が由香ちゃんとして・・・由香ちゃんとしての原田君の身に・・・何かが起こる・・・何か嫌な予感がする・・・原田君が危ない!」
由紀「あかねちゃん、今はとりあえず原田君と由香ちゃんを探しに行かなくっちゃ!」
詩織「あかねちゃん、由紀ちゃん、探しにいくよ!あたしについてきて!」
由紀ちゃんは詩織ちゃんにそのままついて行ったが、あかねちゃんは突然のことでまだ状況がはっきりと把握できていないままついて行った。

その頃、私と由香は紅茶を捜し求めていた。
実は、開きを開けたら紅茶がないことに気付き、買いに行ってたのだった。
現在適当に街中を歩いている。
だが、なかなかいい店が見つからずに、私と由香はいつの間にか家から少し遠い位置にある公園まで来ていた。
何となく2人でベンチに座る。
由香「はぁ〜っ、現実の世界でも由香ちゃん(徹君)と普通に付き合えたらいいのになー・・・」
徹「それはしょうがないよ、だって、徹君(由香)は元々夢の世界の存在・・・」
由香「え?よく聞こえなかったんだけど、何か言った?」
徹「え・・・あ、いや、なんでもないよ・・・」
(そういえば、徹君(由香)にはまだ夢の世界の存在だったことを言っていなかったなー)
何となく由香としばらくベンチに座っていたのだが・・・。
突然、私はトイレに行きたくなった。
徹「あのー、徹君、ちょっとトイレ行ってきてもいいかなー?」
由香「ん?トイレ?別に構わないけど」
徹「ごめんね、すぐ戻るからそこで待っててくれないかな?」
由香「おう、わかった」
私はトイレへ向った。だが、ここの公園にはトイレが設置されていない。
距離を考えると、家に戻るより少し先に行ったところにある別の公園のトイレを使った方が近い。
よって、私はその別の公園に向っていた。
由香の居る公園を出た。そして、公園を出てから30秒も経たないうちに・・・。
徹「え・・・何!?」
私の身に何かが起こった。振り向いて見ると、誰かがそこに居た。
何だか意識がボーッとしてきた。何故突然意識がボーッとしてきたのかはわからない。だが、私は意識がボーッとしてしまったために、その誰かの顔を確認することができなかった。そして・・・その時点で私の意識は途切れた・・・。

その頃、あかねちゃん、由紀ちゃん、詩織ちゃんの3人は、詩織ちゃんの嫌な予感がするという言葉により、由香となっている原田君を探していた。
詩織「ど・・・どこにもいないわね・・・」
由紀「一通りこの付近は見終わったのに・・・」
あかね「一体どこに行っちゃったんだろう・・・?」
この3人、実は町内中をさっきからずっと探しまわっていた。
町内と言っても、この町内は結構広い。それだから3人はかなり疲れていた。
探してもなかなか見つからないので、3人は疲れたためにちょっと休もうかと思って、公園へ向っていた。

由香「由香ちゃん、遅いなー・・・」
徹君がトイレに行ってから、既に15分が経過していた。
どうせ少し先の公園のトイレに行ったんだろうなー、と言うことを由香はわかっていたが、だがその公園に行って戻ってくるだけでも5分もあれば余裕なはずだ。
しかし、徹君は15分経った今でも戻ってこない・・・。
そこで由香ちゃんは、近くにいるものの気配を探ってみた。
由香は心を読めるが、近くにいるものの気配も心を通して探ることができるのだ。
もしかしたら、徹君はもう近くに来ているかも?と思っていたが・・・徹君の気配は探れなかった。だが、さっきまで由香ちゃんの部屋にいた3人の気配は感じ取れた。
由香「あかねちゃん!由紀ちゃん!詩織ちゃん!3人ともどうしたの?」
由香ちゃんは、まだ事情を知らない。そしてこの3人は、公園を目指していたら偶然由香ちゃんの待っている公園へ着いたのだった。
詩織「はぁ・・・はぁ・・・ゆ、由香ちゃん、原田君は・・・!?」
由香「それがね、さっきトイレに行くって・・・でも、5分もあれば戻ってこれる距離なのに・・・もう15分も経ってるのにまだ戻ってこないわねー・・・」
あかね「あれ?由香、言葉遣いが本来の言葉遣いに戻ってない?」
由香「え?あれ?・・・何だか本来と同じ感覚がする?今まで男の子の感覚だったのに・・・なんでかしら?・・・本当だ、言葉が戻ってる」
詩織「原田君はあかねちゃんになっている時もそうだったけど、入れ替わっている時はほとんどリボンを外さなかった。由香ちゃんになっている今も。リボンは外さないはず・・・でも、由香ちゃんの感覚が戻っているということは・・・それは原田君がリボンを外したということを意味するけど・・・普通は外さないのに外している・・・やっぱり!?原田君の身にもう何かが起こっている!?」
由紀「そういえば、15分経ってもまだ戻ってこないのよね!?」
由香「え?ええ、そ、そうだけどー・・・何かあったの!?」
あかね「あ、そっかー、由香にはまだ今までのいきさつを話してなかったねー・・・じゃあ私が今いきさつを話すよ」
由香「うん、で、そのいきさつとは?」
あかねちゃんは、由香ちゃんに今までのいきさつを全て話した。
由香「・・・ということは、もしかしてもう既に私になっている徹君の身に何かが起こっているかもしれないのね!?」
詩織「そうなのよ・・・早く原田君を探さなくちゃ!」
あかね「由香ももちろん探すの手伝ってくれるわね?」
由香「ええ、もちろん」
詩織「あ・・・何か・・・今、更に嫌な予感が強くなったような気がする・・・」
由紀「一刻も早く原田君を探さなきゃ!」
詩織「うん」
由香「うん」
あかね「うん」
詩織「とりあえずまずは公園から出ましょ!」
4人は、公園をあとにした。


<第37話>


徹(う〜ん・・・ここは・・・どこだ!?)
私は意識が戻った。
「徹兄ちゃん、気が付いた?」
徹(・・・誰だろ・・・?)
私は突然誰かの声が耳に入った。
あれ?何かがおかしい。何故私は今由香なのに、徹で呼ばれたんだろう?
それに、名前のあとに兄ちゃんをつけていたなー・・・?
「徹兄ちゃん?意識は戻ったみたいだね」
私は声をかけてきている人の顔を確認した。
徹「その顔は・・・あかねちゃん!?」
「違うよ〜、ほらー、よくみてよー」
徹「え?あかねちゃんじゃないの・・・あれ?・・・きみは・・・」
「もうわかったね?そうだよ、僕はあかねちゃんじゃなくて河村 とおるだよ」
徹「え?でも、何でとおる君がここに?」
とおる「周りをよーく見てよ!ね?わかった?」
徹「・・・わかった。ここは夢の世界だ・・・」
とおる「そういうこと〜」
徹「でも、何で今回はとおる君が?別にとおる君に私はあってみたいと言う気持ちはなかったのに・・・?」
とおる「実はね、徹兄ちゃんの家にきたさっきの4人のなかのうちの1人が僕を必要としているんだよ」
徹「それって・・・どういうことなの?」
とおる「詩織ちゃんがね、真実を話すには僕も必要なんだよ」
徹「そうなの?でも、私だけここにきてもしょうがないんじゃないかなー?」
とおる「大丈夫!これから僕も一緒に現実世界に行くからさ!」
徹「え?現実世界に行けるの?茜ちゃんは確か夢の中の存在の人は現実世界へ行けないって行ってたけど・・・どうやって?」
とおる「それだから僕は今徹兄ちゃん・・・というより、‘由香姉ちゃん’を呼んだのさ」
徹「由香姉ちゃん!?・・・って、私のことだよね?」
とおる「そうだよ!今徹兄ちゃんは由香姉ちゃんの身体だもん!由香姉ちゃんはもともと夢の世界の存在だったことはもう知ってるよね?」
徹「うん、知ってるけど・・・で、それと関係があるの?」
とおる「おおありだよ!由香姉ちゃんは夢の世界の存在だったのに、今は普通に夢の世界と現実世界を出入りできることになる。由香姉ちゃんも夢の世界の存在だったんだから、今由香姉ちゃんである徹兄ちゃんと僕が一緒にこの世界から出ようとすれば僕も出られるってわけ!」
徹「ふーん、なるほどねー」
とおる「ただし!僕が現実世界に行くと、河村 あかねの存在が2重になっちゃうんだよねー。前まではあかねちゃんが僕だったからねー・・・」
徹「うーん、確かにそうだよねー、それでも現実世界にはこれるの?」
とおる「方法は1つだけ。一時的に現実世界のあかねちゃんに、僕が現実世界にいる間代わりに夢の世界にいてもらえればいいんだ」
徹「なるほどね」
とおる「でも、その間は河村 あかねはこの世から消えていると言う事になるんだ・・・夢の世界に代わりに行く時は、普通に夢の世界に入るのとは違ってね、タイムリミットがあってね、それまでに僕たちが夢の世界に戻ってあかねちゃんに会えないとあかねちゃんは一生夢の世界から出られなくなる・・・現実世界から見れば、それはあかねちゃんの死を意味する・・・」
徹「え?それ本当なの?とおる君が時間内に戻れなければ・・・あかねちゃんは死ぬのね・・・?」
とおる「死ぬといっても徹兄ちゃん見たいに夢の世界にこれる人なら夢の世界であえるけどね。夢の世界では生きつづけることができるからさ」
徹「あかねちゃんの命が関わるとなると・・・とおる君は現実世界に行かない方がいいんじゃないかなー?」
とおる「本当はその方がいいんだけどさ、どうしても詩織ちゃんの真実の話には僕の存在も必要なんだよ!だって、詩織ちゃんが不思議な能力を身に付けたのは・・・僕が関わっているんだから・・・」
徹「関わっているって?・・・そういわれてみれば何か関連があるような?あかねちゃんは前は男の子、つまりとおる君で、詩織ちゃんも本当は男の子?らしいけどー・・・?」
とおる「そう、それなんだよー。詩織ちゃんが男の子って言うのは本当だよ!」
徹「でも・・・詩織ちゃんが男の子ってどういうことなの?」
とおる「それはねー、詩織ちゃんが自ら話してくれるはずだよ。僕自身も話すのを手伝うだろうけど」
徹「そうかー、で、私はこれからどうすればいいのかな?」
とおる「まずは僕と一緒に現実世界へ行こう!」
徹「うん・・・あ、でも・・・あかねちゃんが・・・」
とおる「大丈夫!タイムリミットさえ守れば大丈夫だよ!」
徹「ちなみに、タイムリミットって何分なの?」
とおる「1時間だよ!」
徹「ええ〜っ!?1時間?短くない!?」
とおる「大丈夫だよー!1時間あれば足りるよー!・・・多分」
徹「あのー・・・多分じゃ困るんですけどー・・・」
とおる「じゃあ絶対!絶対間に合うよ!」
徹「でも、あかねちゃんは事情がわかんないまま急に夢の世界に入っちゃうけど・・・事情は誰が話すっていうの?」
「それなら私にまかせといて!」
徹「その声は・・・もしかして・・・」
茜「あったりー!茜で〜す!!あかねちゃんがこっちにきたら私から事情を説明しとくからさ!だから安心して行ってきて!」
徹「本当に大丈夫なのかなー?」
とおる「きっと大丈夫だよ!」
茜「行ってらっしゃーい」
私ととおる君は、夢の世界を後にした。


<第38話>


時間は私が夢の世界に入ったばかりの時にさかのぼる。
4人は、私が行こうとしていた公園の女子トイレの前付近で私が
倒れているのを発見した。
詩織「原田君!?どうしたの?しっかりして!」
由紀「・・・詩織ちゃんの嫌な予感・・・当たっちゃったのかなー?」
由香は原田君の心を読み取ってみた。だが・・・
由香「徹君の心に話し掛けてみたけど・・・まったく反応がない・・・」
あかね「そういえば・・・何だか息をしていないような気がするんだけど・・・?」
詩織「・・・本当だ。原田君息していないみたい・・・一体何が起こったの!?」
由香「徹君!?しっかりして!徹君が今の状態で死んじゃったら私の身体まで死んじゃうよー・・・」
由香は少し泣きそうな顔になっていた。
詩織「由香、諦めるのはまだ早いよ。なんとしても原田君に息をさせるのが先だよ」
由香「・・・そうね」
あかね「確か学校で人口呼吸をやったわよね?それを試してみるのは?」
詩織「うん、今は救急車を呼んでる時間もないし、それしか手段はないわね」
由紀「誰かやり方覚えてる?」
あかね「あ・・・やり方・・・かー、・・・ごめん、私は覚えていない・・・」
詩織「私も・・・覚えていなかったんだ・・・」
由紀「実は・・・私も覚えていない・・・」
詩織「もうダメだ〜・・・このままじゃあ原田君が・・・」
由香「待って!私が人工呼吸のやり方を覚えているわ!」
あかね「由香!本当に?」
由香「うん、ちゃんとしたやり方を覚えている」
詩織「じゃあ由香ちゃんがやるしかなさそうね」
由紀「でもー・・・今は中身は原田君とは言っても・・・自分の身体に人工呼吸するの?」
あかね「あ・・・そういえばそういうことになっちゃうねー・・・」
詩織「・・・確かにそういうことになっちゃうけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!早く人工呼吸をしないと!由香ちゃん、急いで!」
由香「うん、わかった・・・」
その時由香ちゃんは・・・
由香(まさか自分の身体にこんなことをすることになっちゃうなんて・・・)
などと思っていたが、由香ちゃんは原田君を地面に寝かせ、人工呼吸の準備を始めた。
『ドキドキ・・・ドキドキ・・・』
由香(何だか自分の唇に・・・キ・・・キスするみたいでドキドキが止まらないよ〜ぅ・・・)
あかね「由香!?どうしたの?早く人工呼吸しないと!」
由香「え・・・う、うん」
あかねちゃんに先を促され、由香ちゃんは遂に人工呼吸を始めた。
由香(徹君お願い!・・・ちゃんと息して・・・)
由香は懸命に人工呼吸をしている。
そしてしばらく続けていると・・・
由香「みんな!徹君が呼吸をし始めたよ!」
原田君に、呼吸能力が戻った。
詩織「呼吸が戻ったの!?・・・よかったー・・・」
あかね「とりあえず一安心だねー」
由紀「あとは意識を取り戻すのを待つだけね」
原田君に呼吸が戻ったのは、ちょうど夢の世界を脱出する直前であった。
あかね「あれ?・・・なんだか意識がボーッとする・・・」
由香「え?あかねちゃん!?どうしたの?」
あかね「何だか・・・・・・・もうダメ・・・」
『バタッ!』
原田君に呼吸は戻ったが、今度はあかねちゃんが倒れてしまった。
実はこっちに向っている河村 とおると、居る世界を交換するためにあかねちゃんは倒れたのだが、3人はそのことを知らない。
詩織「あかねちゃん!?しっかりして!」
『スーッ』その時突然、あかねちゃんの身体が消えた・・・。
由紀「え!?・・・あかねちゃんが・・・消えた!?」
この時点で、私は現実世界に戻ってきて意識を取り戻す。
徹「う〜ん・・・現実世界だ・・・」
由香「あ!徹君!目が覚めたのね?」
由紀「原田君、大変なのよ!・・・あかねちゃんが消えちゃった」
詩織「みんな、落ち着いて!どうやら騒がなくても大丈夫みたいよ」
詩織ちゃんは不思議な力で今の状況を把握した。
詩織「でも・・・まさか河村 とおる君とこっちの世界でまた会うことになるとはね・・・」
私の横には、ちゃんと河村 とおる君がいた。
由紀「あれ?誰?この子」
由香「何で!?何でとおる君がここにいるの!?今はあかねちゃんがいるんだからとおる君はこの世界には存在しないはずなのに・・・?」
とおる「僕が存在したから現実のあかねちゃんは消えたのさ!」
徹「まあここからは私が事情を説明するからさ・・・」
私は事情を話し終えた。
由香「じゃあタイムリミットは1時間なのね?あとー・・・51分くらい」
詩織「そうかー、タイムリミットがあったんだー・・・時間がなくなっちゃうと困るから・・・ここで真実を話すね」
いよいよ詩織ちゃんが真実を話す時がきた。
詩織「まず、入れ替わりのことから。これは特に由紀ちゃん、よーく聞いてね」
由紀「え・・・う、うん」
詩織「今回原田君と由香ちゃんを入れ替えたのはね、由紀ちゃんなの」
由紀「へぇー、そうなんだー・・・ええ〜っ!?私が2人を入れ替えたってどういうこと!?」
詩織「実はね、今、由紀ちゃんはね・・・」
詩織ちゃんは、夢の世界で私に話してくれたことと同じことを由紀ちゃんに話した。
詩織「・・・・・というわけなの」
由紀「・・・それって、本当なの!?本当に私にそんな力が備わっちゃったわけなの?」
詩織「本当よ・・・でも、その力の使える回数はね、実は残り1回だったの・・・」
徹「え?残り1回?そうだったの?」
私も残り1回ということは聞いてなかったので、おもわず聞き返した。
詩織「うん。だから由紀からはもうその力は消えているわ・・・今回は、天使ではなく不思議な由紀の(元をたどれば天使のだが)力で入れ替わってしまったよね?天使が使うならいいんだけど、人間から発動された力で2人が入れ替わっちゃった場合は天使の力でも元に戻せないの・・・」
徹「え?じゃあ私はもう原田 徹には戻れないの!?」
詩織「・・・どうだろう?でも・・・リボンがなくても言葉遣いが女の子のものになってきてるということは・・・」
徹「あ!?そういえばリボンは・・・!?」
詩織「リボンは今夢の世界へ行ったあかねちゃんが持ってるよ」
徹「そうなの?」
詩織「うん、私もさっき知ったんだけど、夢の中の茜ちゃんが何かの方法でリボンを回収したらしくて、それで夢の中にきたあかねちゃんに今預けているみたい。原田君にリボンがなくても感覚が女の子になってるということに気付かせるためみたいね」」
徹「そうなんだー・・・でも、本当にリボンなくても女の子の感覚になってる・・・もしかして、また完全に記憶が失われていくってことが・・・!?」
詩織「それは大丈夫よ!記憶は書き換えられないわ!」
徹「よかったー・・・でも、何で原田君(由香)は言葉遣いが女の子のままなの?」
詩織「由香はまだ、男の子になるにはリボンの力が必要なのよ!原田君はあかねちゃんの時の経験があったからすぐ感覚が女の子になってしまったのよ、でも、由香は初めてだからねー・・・」
徹「じゃああかねちゃんの時は何故私と同じくらいの時にあかねちゃんは男の子の感覚になってきていたの?あれ?それは私のあかねちゃん化が進んでいたからだったんだっけ?」
とおる「それは違うよ」
徹「え?・・・じゃああれは一体どういうことだったの!?」
とおる「あかねちゃんの場合、昔は僕、つまり男の子だったでしょ?偶然僕の時の感覚になってきたのが、ちょうど徹兄ちゃんのあかねちゃん化の時と重なっていただけなんだよ」
徹「そうだったの!?・・・今まで知らなかった」
詩織「話が少しずれちゃったから元に戻すね・・・今回2人を入れ替えたのは由紀ちゃんで、原田君と由香ちゃんは元に戻れないかもしれないってことね」
徹「・・・やっぱり私、戻れないんだ・・・一生由香として生きていくの・・・!?」
詩織「原田君!でもまだ諦めないで!原田君は前のときだって戻れたじゃない!この世には不思議なことがまだまだいっぱいあるんだから!突然戻れるかもしれないよ!?」
徹「・・・そうだね、戻れるといいなー・・・」
詩織「今度は由香へ真実を話すわね」
由香「え?私にも何かあるの!?」
詩織「由香にはね、何故心を読み取れるかってことなんだけど・・・由香はね、もともと夢の世界の存在だったんだよ」
由香「ええ〜っ!?私が夢の世界の存在?」
詩織ちゃんは、さっきの時と同じに、夢の中で私に話してくれたことと同じことを由香に話した。
由香「なるほどね。それだから私は心が読めたのね、確かに夢の中の茜ちゃんも心が読めるしねー」
詩織「由香ちゃんは真実を飲み込むのが速いね」
由香「うん、私は不思議なこととかは信じる方だからさ」
詩織「で、由香は夢の世界の人だったから、今由香である原田君を通してとおる君はこっちの世界に来れたみたいだよ」
とおる「うん、詩織ちゃんの言う通りだよ」
由香「なんだか不思議なことがどんどん起きてきているねー」
徹「私と由香が入れ替わったのも、不思議のうちの1つかー・・・」
詩織「次はあたし自身のことを話すね。原田君はもう勘付いてるみたいだけど・・・実はあたしって男の子なんだよね」
由香「へぇーっ・・・え!?詩織ちゃんが男の子!?」
由紀「・・・ほんとなの!?」
徹「やっぱり詩織ちゃん、男だったのか!?」
詩織「うん、実はね・・・このことにはとおる君が大きく関わっているのよ」
とおる「う〜ん、ここからは僕が話した方がいいかな?」
詩織「うん、その方がいいかもね」
とおる「じゃあここからは僕が話すよ。あれはあかねちゃんが自分は女の子だったってわかった時のこと・・・」


<第39話>


いよいよ詩織ちゃんの秘密が明らかになろうとしている。
詩織ちゃんはどんな過去を抱えているのだろうか?
とおる「あかねちゃんは自分が本当は女の子だって気付いた時ね、あかねちゃんは河村 あかねとなったわけだけど、あかねちゃんは僕だった時のこと、つまり男だった時のことを誰かに飛ばしてしまっていたんだよね」
徹「それってどういうことなの?」
とおる「簡単に言うとね、男だった自分の情報、僕の情報を自分でも知らないうちに誰かに受け渡していたって言うのかな?」
詩織「まあ色々あってね、あたしはとおる君とは同じクラスだったの。あたしはその時は女の子だったんだけどね・・・」
とおる「詩織ちゃんはね、僕の情報を受け取ってしまったんだよ。あかねちゃんにも不思議な力が備わっていたらしくて、その力は自分の本当の真実、要するにあかねちゃんが女の子であったということに気付いた時に発動する力でね、その力が発動すると、自分の意思では今までの姿を捨てると考えてしまうんだけど、今までの姿だった時の情報が1番仲良しだった人に受け渡されるのさ」
詩織「あたしは当時とおる君とは1番仲良しだったの。それだから、あたしはとおる君の情報を受け取ったために、男の子になってしまったんだよねー・・・でも、あたしは今までの自分を捨てたくなかったために、女の子の振りをすることにした・・・」
とおる「元々あかねちゃんは僕だった時でも既に女の子だったからね、あかねちゃんが僕だった時もあかねちゃんは女の子っぽい顔つきだったからねー、それだから情報を受け取ってしまった詩織ちゃんの方も顔つきは女の子のままで、男の子のような顔つきにはならなかったんだよねー」
詩織「顔だけでも女の子のままなら、そのまま女の子の振りをしても平気かなー・・・って思ってね」
徹「・・・なんだか不思議だけど、そのような事実があったんだね・・・驚いちゃった・・・」
由紀「・・・世の中って不思議よねー。でも、まさか詩織ちゃんが・・・男の子だっただなんて思いもしなかったよ・・・」
詩織「今まで隠しててごめんね。でも・・・あたしは本当のことがバレるのが怖かったのよ・・・みんなにバレたら・・・女としての自分の今までの存在を否定することになるような気がしてさ・・・でも、あかねちゃんは今までの自分を捨てたけど・・・それは恐らくあかねちゃんの持っていた不思議な力が発動したせいなんだと思う」
とおる「僕もそう思うよ。それだからあかねちゃんは以前夢の世界で、もう不思議な力を持っていないために、僕に身体を返してって言ってきたんだと思う。きっとあかねちゃんも本当の気持ちとしては僕に戻りたかったのだと思う」
徹「確かにそうかもしれないね。あれ?でも、あかねちゃんがもう不思議な力を持っていないってどういうことなの?」
詩織「その力は今あたしが持っているのよ」
徹「それってどういうことなの?」
詩織「うん、実はね、あかねちゃんの力が発動したのちはその力も能力を失ったために、新しく宿る場所を求めていてね、それでその力もとおる君の情報と一緒にあたしに受け渡されたの」
徹「なるほど、でも、その力って本当の自分を知った時に発動するのでは?」
詩織「宿る人の身体によってね、力の能力は変わるみたいなの・・・それだから、この力を『不思議な力』って呼んでいるのよ」
徹「そうなんだー、で、詩織ちゃんの場合はどんな能力の力になったの?」
詩織「あたしの場合ね・・・なんでも見通せる力・・・」
とおる「それだから詩織ちゃんは色々知ってたんだよ」
徹「そうだったんだー、それなら確かに詩織ちゃんが今までの色々な不思議なことを知っていてもおかしくないね」
詩織「実はね、天使が由紀ちゃんに与えてしまった力もね、それと同じものらしいんだよねー」
由紀「え?そうなの?」
詩織「うん、でも、由紀ちゃんの力は元々天使が原田君とあかねちゃんを入れ替えた時に使っていたのと同じ力だったから、由紀ちゃんの力の場合2人を、ようするに由香ちゃんと原田君を入れ替えたらその力は消え去ったってことなの」
徹「なるほどねー」
由香「詩織ちゃん、何でも見通せるんでしょ?じゃあさー、私たちって最終的には元に戻れるの?」
詩織「・・・ごめん、由香ちゃん。未来は見通せないみたいなの・・・あたしの力は現在と今までのことを見通せるみたいなの」
由香「そうなんだー、じゃあやっぱり戻れるかまではわかんないのね・・・」
詩織「うん・・・ごめんね」
由香「いや、別に詩織ちゃんが悪いわけじゃないよ」
徹「そういえば、何でとおる君は初めからその天使のと同じと力を持っていたの?」
とおる「そこまでは僕もわからないんだ・・・知らないうちに持っていたみたいなんだよね」
徹「なんだか不思議だねー・・・あかねちゃんってさ、もう原田 徹である私の彼女にはなっているけど・・・とおる君に戻りたいと思っているなら何で私の彼女になってくれたんだろう?」
とおる「あかねちゃんは今までの自分を捨てたくなかったけど、もう女の子として生きていく決心をしてしまったために、女の子の感情が目覚めて、徹兄ちゃんに恋をしたんだよ。だから、本当はあかねちゃんは戻りたくてももう戻れないのはわかっているだろうから、女の子として、徹兄ちゃんの彼女になったんだよ」
徹「あかねちゃんにも色々あったんだね・・・あ!あかねちゃんといえば・・・タイムリミットまであと何分!?」
由香「大変よ!あと5分しか時間がないわ!」
徹「ええ〜っ!?いつの間にそんなに時間が経ったんだ!?」
詩織「ごめんね・・・ちょっと長話になっちゃったみたい・・・」
由紀「原田君!今はとりあえず夢の世界にいかなきゃ!」
徹「う、うん・・・でも、今は眠くないんだけど、どうやって夢の世界へ入ればいいんだろう!?」
とおる「大丈夫!僕と一緒にいけば眠くなくてもすぐ夢の世界に行けるよ!」
徹「そうなんだー、で、私はどうすればいいの?」
とおる「これから夢の世界に飛び込むから僕にしっかりつかまって!」
徹「うん?手を握ればいいのね?」
とおる「うん、それで大丈夫だと思うよ」
徹「じゃあ私は夢の世界に行ってくるね!」
由香「いってらっしゃーい」
詩織「ちゃんとあかねちゃんを連れて帰ってきてねー!」
由紀「気をつけてねー」
徹「うん、じゃあまたあとで!」
とおる「じゃあ夢の世界へ入るよー!そのまま目をつむってー!」
徹「うん、わかった」
1秒、2秒、3秒、『バタッ』。私はその場で意識を失った。
そして、河村 とおるは現実世界から消えていた。
詩織(原田君・・・タイムリミットが近いわ・・・がんばってね)

徹(・・・う〜ん、ここは・・・)
とおる「時間がないよ!起きてよー!早くしないとあかねちゃんが・・・」
徹「え?あ!そうだった!時間がないんだったね」
私は瞬間的に意識を正常にした。
徹「いつも思うんだけど、何でこの世界へ来ると必ず意識が薄い状態で始まるんだろう・・・?」
とおる「それは元々徹兄ちゃんは夢の世界の人間じゃないからだよ!まあこの世界を作り出したのは徹兄ちゃんだけど、この世界は一応別世界とでも思ってくれればいいのかな?」
徹「そういうものなのかなー?」
とおる「そういうものなの!」
徹「とりあえずあかねちゃんを探さないとね」
とおる「うん、そうだね」
私ととおる君は、あかねちゃんを探し始めた。


<第40話>


タイムリミットまであと4分。
私ととおる君は茜ちゃんの元へ着いた。
徹「茜ちゃん!・・・あれ?現実の方のあかねちゃんは?」
茜「それがねー・・・みかんがないからって文句言って近くのスーパーにみかんを買いにいっちゃったんだよねー・・・」
徹「なんでみかんなんだよ!?」
茜「よくみてみてよー」
私はよく見渡してみた。すると、近くにコタツがあった。
徹「・・・今は夏のはずなのになんでコタツなの・・・」
茜「作者の世界はそろそろ冬だから・・・じゃなくって!あかねちゃんが何だかコタツに入ってみかん食べたーいって言ってこの世界を勝手に冬に変えちゃったんだよねー・・・」
徹「でも、確かに冬の定番と言ったらコタツにみかん・・・なんて言ってる場合じゃないのー!!!」
とおる「でも、この世界にスーパーなんてあったっけなー??」
茜「あかねちゃんが時期を冬に無理やり変えたために、この世界の作りが現実世界の作りに少し似ちゃったらしいんだよねー・・・」
徹「・・・何だかよくわからなくなってきたんですけどー・・・」
茜「まあ、それはどうでもいいよ!とりあえずあかねちゃんを探さなきゃなんないんでしょ?」
徹「うん、そうなんだけどー・・・」
茜「あと2分ほどすればスーパーから戻ってくるよ!」
徹「2分ほどねー・・・って言っても、残りが3分しかない・・・」
とおる「大丈夫なんじゃないの?3分以内に夢の世界から出なきゃいけない訳じゃないしー、タイムリミット以内に徹兄ちゃんがあかねちゃんを発見すればちゃんと夢の世界からは出られるからさー」
徹「え?そうなの!?私はてっきりタイムリミット以内にあかねちゃんを現実世界まで連れていかなくちゃいけないと思ってたよー」
とおる「もう忘れちゃったの?夢の世界では僕とあかねちゃんが一緒に存在できるんだったよね?」
徹「あ、そうだったね。それだからあかねちゃんを発見できればいいんだね」
とおる「そういうことー」
茜「ということでこの世界は今冬だしー、寒いだろうからさ!ささっ、遠慮せずにコタツに入って〜!女の子は冷えに弱いからよーくあったまって行くといいよ!」
徹「・・・そういえば何故か忘れてたけど、私って今女の子だったんだ・・・」
とおる「あかねちゃんのことで頭がいっぱいだったからじゃないんかなー?」
徹「・・・そうかも」
とおる「じゃあ遠慮せずにコタツにはいらさせていただきますー」
徹「じゃあ私も」
茜「あとはあかねちゃんが戻ってくるのをまとう!」
徹「うん」
私はコタツにあたることにした。
私がコタツにあたってから・・・1分経過。
・・・2分経過。・・・2分と10秒経過。・・・2分と15秒経過。
あかねちゃんはいっこうに姿を表さない。
茜「あかねちゃん、時間がないのにまだこないねー・・・」
徹「・・・私ちょっと近くまで見てくるよ!」
茜「う〜ん、じゃあそれなら私も」
とおる「僕もついて行くよ」
私たちは残り約30秒の時点であかねちゃん探しを開始した。
徹「残り30秒だよ〜・・・間に合うのかなー?」
茜「・・・無理って言ったらどうする?」
徹「ううっ・・・かなり困ります」
茜「本当は冗談!・・・って言いたいけど・・・本当に間に合わないかもよ?」
とおる「とにかく間に合うことを祈るしかないね」
徹「う・・・うん」
残りの30秒間、私たちは周辺を探した。だが、あかねちゃんは見つからなかった・・・。
徹「・・・もうタイムリミット過ぎてない・・・?」
茜「あ・・・過ぎちゃったね」
とおる「あかねちゃんは、もう夢の世界から出られなくなっちゃったねー・・・」
徹「そ・・・そんな・・・」
茜「原田君、気を落とさないで!原田君の場合は夢の世界で会えるわよ」
徹「で・・・でもー・・・」
あかね「あれ?みんな揃ってそんなとこでどうしたの?」
突然あかねちゃんが現れた。
徹「あ!あかねちゃん・・・大変だよー!あかねちゃんが間に合わなかったからもうタイムリミット過ぎちゃって、あかねちゃんは夢の世界から出られなくなっちゃったよー・・・」
あかね「え?そういえばそうだったっけー?」
徹「忘れてたんかい!」
あかね「そうみたいっすねー」
徹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
茜「あかねちゃんはもうこの世界から出れないんだよー」
あかね「ふーん、そうなんだー」
徹「・・・あかねちゃん、なんか冷静だなー」
あかね「別にいいじゃん!死ぬって訳じゃないんだしー」
茜「あれ?言ってなかったっけ?夢の世界から出れないってことはねー・・・現実世界では死んだと言う事になるんだよ・・・」
あかね「ええ〜っ?そうなの!?じゃあ私死んじゃったの?」
茜「現実世界では死んでしまったってことになるわねー・・・」
徹「あかねちゃん・・・これからどうするの?」
あかね「まあ時間過ぎちゃったものはしょうがないし、茜ちゃんのいたところに戻ってコタツに入りながらみかんでも食べようよー!」
徹「・・・そんなことしている場合なのかなー?」
あかね「だって夢の世界からどうせもう出られないんだからしょうがないじゃん?」
徹「・・・ま、まあ・・・それはそうだけどー・・・」
あかね「決定!!じゃあみんなでコタツにあたりながらみかんでも食べようよ〜」
とおる「みかん早く食べたいなー!」
徹「と・・・とおるくんまで・・・」
茜「元々どっちも同一人物だからねー・・・考えていることはほとんど同じみたいだよ」
徹「な・・・なるほどー・・・どうりで」
あかね「早くコタツのとこに戻ろー!」
とおる「早くみかん食べたいなー!」
徹「ちょっと・・・2人共・・・」
茜「多分止めても無駄ね・・・それより、早くコタツに戻ってみかん食べようよー!!!」
徹「あ、茜ちゃんまでー・・・」
茜「私もあかねちゃんと考えが同じだから・・・どうしても同じことを考えちゃうみたい・・・それより、早くみかん食べようよ!」
徹「みかんかー・・・」
あかね「早くコタツのとこまで戻ろうよー!」
・・・私はしょうがなくコタツに戻ることにした。

私たちはコタツに戻ってコタツに入った。
あかね「わーい(^0^)みかんだ〜!」
とおる「早速食べよう!」
茜「みかん〜みかん〜♪」
3人はいきなりみかんを食べだした。
あかね「ねえねえ、ちょっとテレビつけてくんない?」
徹「え?テレビなんてあったっけ?」
茜「今あかねちゃんが出したみたいだね」
徹「・・・本当だ、いつの間に・・・」
あかね「まあ夢の世界だからねー」
徹「ほんとだ・・・コタツの上にちゃんとリモコンまであるし・・・」
あかね「じゃあ12チャンお願いしまーす!多分フルーツバス○ットがやってるはずだからさー!」
徹「・・・もう6時だったんだー・・・え?6時?」
確かにタイムリミットは1時間だから、6時5分までだったはずだ。一旦現実に戻ったのは5時5分だったのだ・・・。
徹「何か・・・タイムリミットに間に合ってません・・・?」
茜「あ、本当だ!私の腕時計がずれていたのかな?」
徹「え・・・じゃあ始めっからもうあかねちゃん発見していたし・・・始めっからタイムリミットに間に合っていたんかい!」
茜「そうみたいねー」
徹「じゃあ何で徹君(由香)も残りがあと5分しかないって言ってたんだろう・・・?」
茜「由香の時計も時間がずれていたみたいね」
徹「・・・何それ・・・今までの苦労は一体なんだったの・・・」
あかね「まあ現実世界に戻れるっていうんじゃいいじゃん!」
とおる「あかねちゃん、よかったねー」
茜「また今度もきてねー!」
あかね「うん!あ、でも、みかんあと30個くらい食べてから帰るよ!」
徹「30個も・・・あ、そういえばあかねちゃんっていっぱい食べるんだっけー・・・?」
あかね「うん!家ではいつもご飯を4杯くらいおかわりするしねー」
徹「そう言えば・・・そうだったね」
その後、あかねちゃんはみかんを食べまくった・・・なんとたったの10分で30個も食べ終えてしまったのだった・・・。
そのあとは、茜ちゃんととおる君に見送られて現実世界へと帰った。

徹「う〜ん・・・現実世界に戻ってこれたのかなー?」
詩織「あ!原田君!おかえりなさーい」
由香「無事戻ってこれたんだね」
由紀「よかったー」
由香「あれ?でもあかねちゃんは?」
徹「え?あかねちゃんがいない・・・さっきまで一緒だったのに・・・」
由紀「まさか・・・タイムリミットに間に合わなかったの・・・?」
徹「タイムリミットには間に合ったんだけど・・・あかねちゃんも多分現実世界にもうきてると思うんだけどー・・・」
あかね「みんなー!ここだよー!」
木の裏側からあかねちゃんが出てきた。
由香「あかねちゃん!ちゃんと戻ってこれたんだー」
由紀「これでまるくおさまったのかなー?」
徹「うん、そうだねー」
詩織「本当にそうかなー?原田君まだ本来の姿に戻れていないんでしょ?」
徹「ううっ・・・そうでした」
由香「じゃあしばらくは私は徹君のままねー」
徹「あ、あかねちゃん、私のリボン持ってる?それじゃあないと由香が困っちゃうし・・・」
あかね「リボン?うん、持ってるよー!」
あかねちゃんは私にリボンを渡した。私はリボンをつける。
徹「・・・感覚、変わらないなー・・・」
詩織「もう原田君の感覚は完全に女の子のものだからねー・・・」
由香「俺は感覚が変わったみたいだ」
由紀「でもこのリボンは何だか不思議ねー」
あかね「私の時は男の子だった時の感覚を取り戻してくれたのよねー」
徹「本当に不思議だねー・・・」
詩織「もう真実もみんなに話したし、もう時間も遅いからそろそろ帰りましょうか?」
徹「うん、そうだね」
詩織「あ・・・あたしが本当は男だってこと・・・みんなには内密に頼むね・・・」
徹「うん」
あかね「うん」
由香「うん」
由紀「うん」
その後、私たちはそれぞれに帰って行った。
私は・・・由香の家に帰った。まあ今は私が由香なんだから当たり前なんだけど。
これからの私には、由香としての生活が待ち受けている。
それに今回は本当に戻れないってことにもなるかもしれない・・・。
とりあえず・・・今はこのままでもしょうがないかなー?




☆あとがき☆

どうも!T・Hです。・・・最近この出だしがいつものパターンになっているみたいです・・・。
『俺が好きな人(第4章)』はいかがでしたか?
何だか後半展開がごちゃごちゃしてきて少しわかりにくかったかもしれませんねー・・・。
もとはといえば、本当は第3章で完結だったはずなのにまだ続くなんてかなりの反則技ですねー(^^;
とりあえず、第3章までは『あかね編』ということになりますね・・・。
で、今回は『由香編』ってことですね。
結局、また続くという形になってしまいました。
一体このあと、由香ちゃんになってしまった原田君には何が待っているのでしょうねー?
今回はリボンがなくても原田君は女の子の感覚になっちゃったし・・・そういうことはもしかして戻れないまま終わるのかなー?
それは、作者自身でもまだわかりませんね。
戻れないっていうのも結構ありがちなパターンみたいですし・・・そういえば、今回ではあかねちゃんとの関係はどうなるのか?とか言っておいてそっちにあんましふれていなかったような気がします・・・。
とりあえず、『萌え萌え少女の日常(第2章)』や、『少女として(第1章)』などの作品も作っていますので、もしかしてこの『俺が好きな人(第5章)』は完成が多少遅れるかもしれません。(すみません・・・)
では!今回はこの辺で!読んでくださった方。感想書き込んでもらえるとありがたいです!


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