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萌え萌え少女の日常(第1章)
作:T・H






私の名前は、早野 美幸(はやの みゆき)。
私は中学3年生の少女ということになっている。
‘今’、私は女の子としての人生を送っている。
それも、女の子としての不思議な人生。
ところで、普通は‘今’何て言い方はしないが、私の場合には‘今’なのである。
何故今なのか?それには、ある深い訳があった。
そう・・・あれは1年前のこと・・・。



『ジリリリリリリリリリ!!』
目覚まし時計が鳴り渡る。
カチッ。(ふぅ〜っ、今日も学校か〜。ったく〜、土曜まで学校なんてだるいなー)
なんて思いながら、俺は目を覚ました。

俺の名前は高見 光一(たかみ こういち)。
現在高校3年生なのである。
俺は、今日のある事件によってこれからの人生が大きく変わるということをまだ知らない。
とりあえず、俺はいつも通りに学校へ行く準備をした。
家を出て、しばらく歩く。
そして、いつも家を出てから5分くらいのところで、俺は幼馴染の渡辺 潤(わたなべ じゅん)と出会う。
潤は、顔は結構カッコイイ方である。
「いよーっす!今日も1日がんばろうぜ!」
「おう!そうだな!」
俺はいつも通りの会話を繰り広げながら、潤と学校へ向かった。

学校へ着く。
俺と潤は、いつも通り教室を目指す。
そして、いつも通り教室に入り、席に着く。
そして、その後は何気なくいつも通りに授業が繰り広げられていた。
だが、俺はその時、かなり眠かった。
授業中眠くなるのはいつものことと言えばそれまでだが、今日は何だか意識が遠くなるほど眠い。
俺は、ほとんど寝たままの状態で授業をうけた。
そして時間は瞬く間に過ぎ、放課後。
俺は潤と一緒に下駄箱へ向かっていた。
だが、俺はまだかなり眠かった。
さっきと同様に、意識が遠いような感じだった。
そして、俺と潤が階段にさしかかった瞬間
『クラ〜ッ』
俺は急に意識が途切れてしまい、思いっきり階段から落ちてしまった。
俺は思いっきり体や頭を地面に叩きつけてしまった。
そして、とどめに一番下まで転がって地面におもいっきり頭をぶつけた。
「お!おい!光一?大丈夫か!?」
あわてて俺の元へ駆け寄ってきた潤が俺に言う。
(いてててて、潤、なんとか大丈夫みたいだ)
俺は潤に言った。だが
「おい!光一!しっかりしろ!!」
潤はさっきとかわらず俺に話しかけてる。
(潤、頭はまだ痛いけど大丈夫だって!)
俺はまた潤に言ってみた。だが
「おい!光一!まさか・・・死んじまったのか!?」
潤の反応はかわらなかった。
とその時、俺は自分の体の異変に気付いた。
俺は今までまだ頭が痛くて目をつむっていたのだが、ようやくここで目を開けたのだった。
目をあけると・・・俺が自分の下の方にいた。
そして、自分の体はやけに透き通っていた。
(俺・・・一体どうしちまったんだ!?)
ここでやっと自分が異常であると判断した。
(まさか・・・体と魂が分離したとか・・・?)
俺はまさかとは思っていたが、実はそうだった。
ようするに、これは生の世界の人間から言ってみれば死ぬと言うことになる。
(俺・・・死んじまったのか・・・?いやだ!まだ俺は死にたくないぞ!!)
だが、俺がそう思ってもむなしく俺は自分の体から離れていくのだった。

(う〜ん・・・私は一体!?)
私は意識を取り戻した。だが、何だかおかしい。
何かいつもと違う感じがする。
周りの景色もみたことがない。
私は知らない誰かの部屋にいたのだった。
窓から見える外の景色はもうすっかり暗くなっていた。
私のいた部屋は、やけに女の子っぽい部屋だった。
そして、私はこの時点でやっと気付く。
「え?私・・・何で胸があるの・・・!?ええ〜っ?わ・・・わたし!?そ・・・それに、声が高い・・・!?」
私は、俺と言おうとしても何故か俺と言う言葉が出なかった。
そして、私は床に転がっていたあるものに気付く。
それは、大量の睡眠薬だった。
そして、床には何かのノートが落ちていた。
そのノートには・・・さ・よ・う・な・ら、と書かれていた。
私は、まさかとは思ったが、これだけ証拠が揃ってて否定ができるわけもない。
以前、私の今いる部屋が誰の部屋だか知らないが、この部屋にいたと思われる人は、恐らくこの睡眠薬を大量に飲んで自殺したのだろう。
そして、その人は今はもう死んでる・・・。
その時、突然誰かが部屋のドアを開けてきた。
現れたのは、30代くらいに見える女性だった。
「美幸、どうしたの?さっきから部屋にこもりっぱなしで・・・え?美幸!?この床に落ちてる睡眠薬は何!?ええ?このさようならって書いてあるノートは!?」
(美幸?誰のことだ!?)
と私は思ったが、間違いなくその女性は私に向かって美幸と言ってきていたことに気付く。
私はとりあえず
「あなたは・・・どちら様でしょう?」
とたずねてみたが、
「美幸、誤魔化すのはよしなさい!母さん、信じたくはないけど、美幸自殺しようとしたんじゃないの!?」
「そ・・・それは・・・?」
私は、何故かこの女性の言葉に戸惑ったように答えてしまった。
「美幸、母さん、美幸が色々辛い目にあっているのは知ってるわよ!でも、死んでしまったらもう終わりなのよ!?だから・・・もう自殺しようなんてよしてちょうだい!」
「・・・・・・・」
私は黙ってしまった。
そして、母さんと言っていた女性は部屋を出て行った。
そして、私は今の状況からある答えを導き出した。
(さっきあの女性は母さんって言ってて、私には美幸って言ってきて・・・そして私には今胸がある・・・それに、自殺だとかって言ってきた・・・ということは・・・)
結論は次の通りである。
この美幸という子は、何かと色々つらいことがあったらしく、睡眠薬を大量に飲むことによって自殺した。
ちょうど自殺したのは、光一が階段から落ちた頃だった。
そして、光一は階段から落ちて死んでしまったのだ。
だが、光一は死んでしまったと言っても、魂はちゃんと生きていた。そして、光一の知らない間に魂はこの自殺した美幸という子の身体に入り込んでしまう。
何故この美幸という子だったかというと、それはちょうど死んだ時間がほぼ同時であったからということらしい。
そして、今光一はこの美幸という子として目を覚ました。
それだから光一は今は美幸、女の子として、胸の膨らみがあるのだった。
その後は、上で示したような出来事があり、現在にいたる。
(私・・・いきなり女の子になっちゃってこれからどうすればいいんだ・・・!?)
光一はもうすっかり暗くなってしまった部屋の中、1人で考えこむのであった。



窓のカーテンの隙間から光が漏れてきている。
もうすっかり朝である。私は目覚めた。
(あ?あれ!?私・・・知らないうちに寝ちゃったの!?)
私は、昨日いきなり女の子、美幸という子になってしまい、これからどうすればいいのかと考えているうちに、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
いつの間にか私はベットの上にいたのだった。
昨日が土曜日だったから、今日は日曜日。
今日は学校も会社も普通は休みの日である。だが
「美幸ー、起きたー?部活に遅れちゃうわよー」
突然、下の階から声が聞こえてきた。
昨日部屋に入ってきて、母さんと言っていた女性の声だ。
私は、今は何故か女の子になってしまっているが、ちゃんと光一の意識も持っている。よって、私は女の子の身体を見ることにためらいを感じてしまい、着替えずにパジャマのまま下の階へ降りて行った。
でも、光一の意識を持っているはずなのに、何で女言葉になってしまうのだろう?

「あ!美幸やっと起きてきたわね」
私は下の階でリビングらしきところに入ってみるなり、女性に声をかけられた。
やはり、どうやらこの人は美幸って子の親みたいだ。
そして、何故だか原因はわからないが、今は私が美幸って子になっている。
私は、今美幸としてこの家にいるのだ。
とりあえず私は朝ご飯を済ませた。
「ごちそうさまー」
何だか気まずい食事だったような気がした。
何故なら、知らない女性、美幸って子の母さんと2人で食事をしていたのだから。
なので、私はすぐに食事を済ませたのだった。
その後、2階のさっきまでいた部屋、多分美幸って子の部屋だと思う、に戻り、私は部活の準備をしようとした。
が、私は今日いきなり美幸って子になってしまったために、この子の日常の生活を知らなかった。
部活に行く時の服がどこにしまってあるのかも知らない。
その時、突然この子の親が入ってきて、
「あれ?美幸、体育着ならそこに入ってるでしょ?早く着替えちゃいなさいよ!あとテニス着もその中よ」
と言って、1番上のタンスを指差した。
その後、この子の親は部屋から出て行った。
私は無言で1番上のタンスを開ける。
そこには、確かに体育着とテニス着が入っていた。
私は体育着とテニス着を取り出し、何も考えずにパジャマを脱いで体育着に着替えようとした。
だが、ここで私は光一としての意思がはっきりと目覚める。
「わ・・・私は一体・・・なにをやって・・・いるんだ・・・」
私はパジャマを脱いだために、そこには今女の子の下着しか身に着けていない自分の身体があった。
私は光一としての意思で、このままではまずいと思い、とりあえず何かを着ることにした。
そして、私は少しためらいながらも急いで体育着に着替える。
そして、私は体育着姿となった。もちろん、女子の体育着姿である。
私は自分の体育着姿を、部屋にあった鏡で見てしまった。
そこには、足がほっそりとしたかわいい少女が立っていた。
私は、この時初めて今の自分の顔をみたのだった。
「・・・こ・・・これが・・・私!?・・・でも、けっこうかわいいよ〜」
私は、体育着である上に、けっこうかわいい自分の姿をみてしまったために、かなりの萌え状態になっていた。
分類としては、今の私はかなりのかわいい少女系であった。
そして、私は自分を見てしばらく萌え萌えになっていたが、ようやく我に返り
「・・・私・・・一体何やってるんだよ・・・」
と思わず言ってしまう。
そして、私はさっきタンスからテニス着を出したことから、
今の私はテニス部であると判断した。
実は、私は光一としての時もテニス部だったのである。
それだから、大体感を働かせてクローゼットを開けてみる。
やっぱり。私の感は当たった。多分私自身も光一としての頃もテニス部だったから感が当たったのだと思う。
クローゼットの中には、ちゃんとテニス道具がしまってあった。
(大体ラケットってのはクローゼットにしまうもんだよねー)
私は、ラケットが入ってた袋にさっきタンスから出したテニス着を詰め込んで、そのまま部屋にいた。
私はテニスの準備をした時点で、この子がどこの学校かも知らないので、何もすることができなかったのだ。
だが、数分後に
「美幸ー、真由子ちゃん迎えにきたわよー!」
と、美幸ちゃんの親が言った。
う〜ん、どうやらこの迎えにきたらしい真由子って子と一緒に行けばわかるかなー?
私は、テニス道具を持って玄関へ向かった。



私は家から外へ出てみた。
そして、自分の出た家の表札には、『早野』と書いてあった。
どうやら、今の私の正式名称は早野 美幸というようだ。
「あ、美幸ちゃん!おはよー!今日もテニスがんばろうね!」
突然、近くにいた少女が私に話しかけてきた。
多分、この子が迎えにきてくれた真由子ちゃんだろうか?
私は確認のために
「あ、あのー・・・いつも迎えにきて・・・くれるの?」
と聞いてみる。すると、
「え?何で?日曜日で部活の日はいつもそうでしょ?」
と言う返事が返ってきた。
私は、この子が真由子ちゃんであると認識した。
そして、私は真由子ちゃんについていくかのように歩き出す。
よく景色を見てみたら・・・そこは私が光一として学校へ行く途中の道だった。
実は、光一の家と、今の少女としての私の家は結構近く、大体歩いて10分くらいの位置にあった。
よって、私は今の私の家がどの辺りなのか大体見当がついた。
などと考えているうちに
「あれ?美幸ちゃんどうしたの?早くこないとおいてっちゃうよ〜」
私は、いつの間にか歩くペースがゆっくりになっていたようだ。
「ま、待ってよ〜!真由子ちゃ〜ん」
私は少し戸惑いながらも、真由子ちゃんの元へ走った。

そして真由子ちゃんと歩いていて数分後、学校についた。
そこは、高校でもなく小学校でもなく、中学校だった。
ということは、今の私は高3から一気に中学生に逆戻りしてしまったということである。
しかもこの中学校、私の母校であった・・・。
そういえば、今の私は一体何年生なんだろう?
「先輩たちもう来ているかな?」
突然真由子ちゃんが私に話しかけてきた。
「え?う〜ん、どうだろー?」
私は美幸ちゃんらしいしぐさで返事をした。
今真由子ちゃんは確かに先輩と言った。
ということは、すくなくとも今の私は3年生ではないようだ。ということは、1年生かな?
それとも、2年生なのかな?
「美幸ちゃん!行こ!」
「あ、うん」
私と美幸ちゃんは校庭に入って行った。
そして、テニスコートを目指す。
私は、光一だった頃はテニス部と言ったが、中学校の時もテニス部であった。
よって、大体コートの位置はわかる。
女子のコートは、男子のコートのすぐ隣だったっけなー?
私は大体のことは知っていた。何しろ母校であるのだから。
だが、今私は早野 美幸としてこの場にいるのだから、
真由子ちゃんについて行くという形で行動していた。
そういえば、確か男子の方はいい加減だから更衣室なんてなかったが、テニス部は女子の方は女子更衣室でテニス着に着替えるんだったよなー・・・え?女子更衣室で!?
私はかなり焦った。多分このまま真由子ちゃんについていくと、女子更衣室へ行かされるだろう。
私は焦りながらも、急に早野 美幸になってしまった自分には今は真由子ちゃんが欠かせないような存在に感じたので、
真由子ちゃんから離れることもできず、そのまま遂に女子更衣室へときてしまった。
周りはみんなテニス部だと思われる女子だらけであった。
(へぇ〜、今年のテニス部はこんなにいっぱいいるんだー・・・なんて思ってる場合じゃない!早く何とかしなくっちゃ!)
私はこの時が1番焦っていたと思う。だが、私はそれほどあせらなくても大丈夫であったことに気付く。
何故なら、この更衣室では女子の裸や下着姿を見ることも無く、体育着の上にテニスの服とスカートを重ね着するだけであった。
私は少しほっとしながらも、さっきテニスラケットの袋に詰め込んできたテニス着の上をきた。
その時、手が自分の胸をかすれてしまう。
「いいっ!!!」
私は思わず声に出してしまった。
「美幸ちゃん!?どうしたの?」
真由子ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「な・・・何でも・・・ないよ」
私はその場を誤魔化した。
しかし、今の不思議な感触は一体・・・!?
少し自分の胸に手がかすれただけなのに、
かなり敏感に何かを感じてしまった。
(これが・・・女の子しかしらない感じってやつなのかな・・・!?)
私は女の子しか知らない感じを知ってしまった。
そして私はその後、テニス用の白いスカートを取り出した。
が、私はそこでためらってしまった。
私は女の子、早野 美幸になってしまった時から下着は身に付けていたから自分で身に付けることはなくて済んだが、体育着の時は下着姿よりかはマシということで一気にためらいもなく着れたが、今は周りに女子がたくさんいる上、しかもためらっている状態で女子用のテニスのスカートをはかなくてはならない。
私はもちろん、スカートなんて1度もはいたことがない。
よって、私はかなり心臓がドキドキしてきた。
「美幸ちゃん?早くスカートはいて行こうよー!!」
真由子ちゃんが先を促す。
「え・・・う、うん・・・」
「美幸ちゃん?どうしたの?なんか元気ないような感じだけど、調子でも悪いの?」
「え、べ、別に大丈夫だよー!」
私は必死に誤魔化した。その甲斐あって、その場は誤魔化せた。
「うん、ほんとだ、元気そうだね」
真由子ちゃんが言ってきた。
(ふぅ〜、なんとかこの場はしのげたぞ〜・・・でも、あとはこのスカートをどうするかだなー・・・)
「ほら!美幸ちゃん!早くしないと時間なくなっちゃうよ!」
「え・・・う・うん、そうだね」
私は、自分に決心して一気にスカートを自分の又の辺りまではきあげた。
ドキドキ・・・ドキドキ・・・私の心臓の鼓動は止まらない。
さっき鏡で体育着姿の今の自分、早野 美幸としての姿をちょっと見ただけであんなに萌え萌えになってしまったのだから、今女子のテニスの格好なんかをしている自分の姿を見てしまったら、萌え状態が止まらなくなるかもしれない。
なので、私は今の女子のテニスの姿をしている自分を想像してしまっていて、しばらくは鼓動が止まらなかった。
「美幸ちゃん!それじゃあ行こー!」
「え・・・あ、う、うん・・・」
私は少し萌えっぽくなっている顔のまま返事をした。



私と真由子ちゃんは、女子更衣室をあとにして女子のテニスコートへと向かっていた。
「あ!渡辺先輩、おはようございます」
真由子ちゃんが元気にあいさつをする。
「あ、真由子ちゃんに美幸ちゃん!おはよー、今日も練習がんばってね!」
「はい!がんばります」
あれ?今真由子ちゃんと私にあいさつしてきた人って?
確か近くに住んでいたような・・・?
渡辺って苗字の人か〜。
う〜ん、誰だろう・・・あ!確かあの人!
私の幼馴染の潤の妹だ!確か潤の家に行った時何度か見たような気がしたなー。
何と、ここにいる先輩は潤の妹であった。
そういえば、潤今頃どうしているのかなー?
「美幸ちゃん!練習始めよ!」
「え、うん」
真由子ちゃんが私に言ってきて、テニスコートの逆側に移動した。
私は真由子ちゃんとは逆の方に立たされた。
真由子ちゃんが、私目掛けて玉を打ってきた。
(これは恐らく、簡単なラリーかな?)
そう判断した私は、真由子ちゃんの玉をラケットでしっかり受け止め、そして真由子ちゃんに打ち返した。
私は光一の時からテニスをやっていたため、すっかり慣れた感覚でラリーを続けた。
そして、数分後10分間休憩が入った。
およそ時間にして1時間くらいの間、私は真由子ちゃんとラリーをしていたのだった。
いつもは1時間くらいならちょろいラリー。
しかし、私はかなり疲れていた。
(な・・・何で1時間くらいなのに私こんなに疲れちゃうのかしら・・・)
私は息をはぁはぁやったまま考えていた。
答えはすぐにわかった。私は今女の子の身体になっているのだから、男の時より息が切れやすくなっているのだった。
(そ・・・そうかー、私、今女の子だったんだ・・・)
私は急にドキドキしてしまった。今までテニスをやっていたため、男の時と同じような感覚でラリーをやっていたのだが、今のことで改めて自分は今女の子だということを再確認してしまったのだった。
そのため、私は自分に対して萌え状態になりかけてしまっていたのだった。
そんな時に、
「美幸ちゃん!ジュース買いに行かない?」
と急に声をかけられた。
萌え状態になりかけてた時に急に声をかけられてしまったために、私はかなり驚いてしまった。
「な!?なに!?」
「え?美幸ちゃん?そんなに驚いてどうしたの?早くジュース買いに行こーよ〜う!」
「う、うん・・・そうだね・・・」
私は真由子ちゃんと校内の自販でジュースを購入しようとした。
一般的にスポーツドリンクと言われているやつである。
真由子ちゃんがさきにボタンを押してジュースを買った。
そして、私もお金を放り込んで・・・そういえば、私は今お金を持っていなかったんだ。
「あれ?美幸ちゃんは買わないの?」
「う、うん。実は、お金置いてきちゃってね・・・」
「な〜んだ!そういうことかー!じゃあ私の分けてあげるよ!はい!どうぞ!」
(!!!!!!!)
真由子ちゃんは、無邪気げな表情で、私にジュースを渡してきた。
だが、私はまたまたためらってしまった。何故なら、真由子ちゃんは今私に差し出してきたジュースにもうすでに口をつけてしまっていたのだ。
(これって・・・間接キス・・・だよね・・・?)
私は、まだ中学生の発育のよい少女からの間接キスを、男の光一の意思としては受け止められなかった。
「あれ?美幸ちゃん、ジュースいらないの?」
「わ!私は喉乾いてないから・・・いいよー」
といったのだが、
「美幸ちゃん、すごいはぁはぁしてるじゃん!ほんとーは喉渇いてるんでしょ?ほら!遠慮しなくていいよ〜!」
「だ、だから、喉なんか渇いて・・・」
と言いかけた瞬間、何かが私の口元に当たった。
「美幸ちゃん!ほら!飲んでいいよ〜!」
と真由子ちゃんは言う。
真由子ちゃんは、自分の一旦口をつけたジュースを、私の口元に無理やり当ててきたのだった。
この状態ではジュースが落ちてしまう。
私は、一旦真由子ちゃんが無理やり口に当ててきたジュースを一旦手に持った。
(か・・・間接キス〜!!!)
私は間接キスをしてしまったことにより、かなりの萌え状態になってしまっていた。
顔がかなり赤くなっているのが自分でもわかる。
「美幸ちゃん?どうしたの?そんなに赤い顔して、まるで異性の人とキスでもするかのように赤いよ?」
「え・・・赤い・・・かな?」
「うん、ほんと、異性の人とキスする時みたいにね」
(実際私は異性の人と間接キスをしてしまっています)
私は真由子ちゃんにそう言われたので、萌え状態を直そうとしたが、直そうと思って萌えは直るものではない。
私は今真由子ちゃんの間接キスに対して萌えになっているため、真由子ちゃんの顔をまともに見ることができなかった。
なんだか真由子ちゃんをやけに意識してしまう。
「美幸ちゃん?ほんとに大丈夫?」
真由子ちゃんがかわいげな表情で私を覗き込んでくる。
よくみると、真由子ちゃんはつぶらな瞳をしていた。
私はそんな真由子ちゃんのかわいいつぶらな瞳を見てしまったため、私の萌え状態は全開になっていた。
「ま!真由子ちゃん!だ!大丈夫だよ!ね!この通り!」
私は萌えが全開になっているため、勢いのある口調で真由子ちゃんに言葉を返してしまった。
「美幸ちゃん、大丈夫そうね」
真由子ちゃんは安心したようだったが、私の萌え状態はしばらく直らなかった。



私はその後、10分休みが終わってスマッシュや打ち込みなどの練習が始まっても、まだ萌えMAX状態であった。
そして、やっとテニスの練習が終わる。
「ふぅ〜、美幸ちゃん、やっと今日も終わったね」
「・・・・・・・」
私はまだ萌え状態だったので、すでに真由子ちゃんと会話不能状態となっていた。
「あれ?美幸ちゃん?」
「・・・・・・・」
「美幸ちゃん!どうしたの!?」
「・・・・・・・な、何ですか・・・?」
私はこれだけの反応で精一杯であった。
「あ、美幸ちゃんやっと反応した!ねえ、いつも通り一緒に帰ろ−!]
「え・・・ええ〜っ!?」
「・・・本当に一緒に・・・帰る・・・の?」
「え?何?いつも一緒に帰ってるじゃない?」
私は真由子ちゃんの帰りの誘いにより、萌え度の数値がすでに限界を超えてしまった。
(も・・・萌え―――――――――っ!!)

私は今真由子ちゃん、1人のかわいい少女と帰っている。
私は、真由子ちゃんのことを意識し過ぎてしまっていた。
(ま・・・真由子ちゃん・・・とってもかわいいよ〜ぅ!)
私は始めにくる時は、急に女の子になってしまったためにドキドキする暇もなかったが、今はある程度落ち着いて暇ができていたので、真由子ちゃんに対してドキドキしていた。
ドキドキ・・・ドキドキ・・・私の鼓動は止まらない。
「美幸ちゃん、今日もテニス楽しかったね!」
真由子ちゃんが笑顔で話しかけてきた。
その真由子ちゃんのとてもかわいい笑顔を見てしまった私は
「ま・・・真由子ちゃ〜ん!とってもかわいいよ〜ぅ!!」
思わず声に出して言ってしまった。
だが、私はここでようやく我に返る。
(わ・・・私ったら・・・今一体真由子ちゃんに何を言ったんだ!?)
今の状態はすごくまずいと判断した。だが、
「え?美幸ちゃん、今何かいった?」
と聞いてきた。実は、真由子ちゃんは周りの車の音で今の私のセリフが聞こえていなかったのだった。
私はそれに気付き、
(ふぅ〜、危ない危ない・・・)
そう思っていたが、私に真由子ちゃんが
「美幸ちゃん!これからもテニスがんばろうね!」
と、またまたかわいい笑顔で言ってきた。
(も・・・萌え――――――――――――っ!!!)
私はまたまた萌え状態になってしまった。

その後、私は自分の家に帰宅・・・せずに、私が今日出てきた家、早野 美幸の家へ帰宅した。
結構周りは見覚えのある景色だったので、家の位置はもう覚えてしまった。
真由子ちゃんは、早野 美幸の家よりも距離が遠いらしい。
よって、私の家の前までは一緒に帰ってきた。
真由子ちゃんが私の家の前で、私と別れる直前に
「ねえねえ、美幸ちゃん!今日、午後暇?」
と聞いてきた。私は何も考えずに
「う〜ん、暇・・・かな?」
と答えてしまった。
「それならさ、午後美幸ちゃんの家へ遊びに来てもいいかな?」
「う〜ん、大丈夫じゃないんかなー?」
私は、何故か何も考えずに言ってしまった。
「じゃあさ、1時に美幸ちゃんちへ行くね!じゃーねー!!」
そう言って真由子ちゃんは帰っていった。
(・・・え!?真由子ちゃんがうちにくる!?それって・・・も・・・萌え―――――――っ!!!・・・で・・・でも、よく考えてみたら・・・私・・・元男なのに・・・真由子ちゃんなんか連れてきちゃって・・・いいのかなー・・・?)
私は、この時何故さっきは何も考えずに返事をしたんだろう?と考えていた。

とりあえず私は家に入る。
「た・・・ただいま〜・・・」
私は、少し弱々しく言った。
「おかえりなさーい」
美幸ちゃんの親の声が返ってきた。
私は、美幸ちゃんの部屋へと行く。
ドアを開けて、美幸ちゃんの部屋へ入る。
(ふぅ〜、これから真由子ちゃんがくるのかー・・・とりあえず着替えないと!)
私はまず体育着を脱いで、下着姿になった。
少し慣れてきたせいか、すんなり服を脱げた。
だが、私の萌えはかわらない。
私は自分の下着姿を見て
(も・・・萌え―――――――――――――っ!!!)
思わず萌え状態になってしまう。
私は、萌え状態になってしまいながらも、タンスから美幸ちゃんの普段着を探した。
私は、1番近くにあった服を適当に出した。
私が出した服は、シンプルなデザインの半そでと、キュロットのスカートだった。
とりあえず、その服とスカートを身に着ける。
私は、体育着の時と同じような感じで、部屋の鏡で服とスカートを身に着けた姿を見てみた。
(も・・・萌え――――――――――――――――――――っ!!!)
私は、相変わらず萌え状態であった。
そしてしばらくして、やっと私の萌え状態はおさまった。
「美幸ー、お昼ご飯できたわよー」
どうやらもうお昼の時間のようだ。
「はーい」
私は美幸ちゃんらしく返事をして、下の階へ降りていった。



リビングにて、これからお昼ご飯を私は食べようとしている。
だが、朝と同様、私が一方的にそう思い込んでいるだけなのか、
今の私からすれば知らない女性と食事をするという状態であったので、気まずい雰囲気だったような気がした。
私は、すぐにお昼ご飯を食べ終えた。
そして、美幸ちゃんの部屋へ戻る。
私は、今朝テニスラケットをとった時に開けたっきりでそれ以後はまだ開けていないクローゼットを開けてみた。
何となく、中を探ってみる。何となくとは言っているが、あえて言うなら好奇心と言ったところだろうか?
私はクローゼットの中からあるものを発見した。
それは、美幸ちゃん宛ての大量のラブレターが入った箱だった。
やはり好奇心のせいなのか、1つ適当にラブレターを手に取り、ラブレターの中を読んでみる。

早野 美幸さんへ

僕は、ずっと前から君のことが大好きでした。
僕は、君以外に他に好きになれる人がいないのです。
僕は、君だけが生きがいなのです。
僕は、是非あなたと付き合いたいです。
僕は、あなたの気持ちを待っています。

誰からのものか、名前は書いていなかった。
と言っても、名前が書いてあった時点でそれが
誰なのかはわからないだろうが。
昨日美幸ちゃんの親がしまったのか、
クローゼットからは他に昨日床に置いてあった
さ・よ・う・な・らとかかれてあったノートも出てきた。
私は、そのノートの他のページを見てみた。
う〜ん、どうやらこれは日記として使ってたみたいだ。
そのノートには美幸ちゃんが死ぬ日までの日記が書いてあった。
今日は6月25日。よって、日記には6月24日までの
出来事が書いてあった。
試しに、日記のページに目を通してみた。

6月19日

私は毎日男子からのラブレターをもらってしまう。
私が存在しているから、恐らくこんなことに
なってしまうのだろう。
私は男子にばっかこんなに好かれてしまって
かなり迷惑であるのに、誰も気付いてくれない・・・。

6月20日

今日も私の下駄箱の中は男子からの
大量のラブレターで溢れていた。
私は、こんな学校生活はもう嫌。
なんだか生きていること事態が辛くなってくる・・・。

6月21日

今日も男子からのラブレターはおさまらない。
私は、もうこんな人生は嫌になってきた。
かわいい私がここに存在しているから
いけないのであろう。
それなら、私はいっそいなくなった方が・・・。

6月22日

もうこんな人生は嫌だ。
何で私ばかり多くの男子から
変な目などで見られなきゃいけないの?
私がかわいく生まれてきたからいけないんだ・・・。
やっぱり・・・私はこの世にはいたくない。

6月23日

もう全て何もかも嫌だ。
明日にでも死んでしまいたい。
私は・・・明日、この世を去ります。

そして、6月24日のページには、
さ・よ・う・な・らと書いてあるのだった。
(どうやら、美幸ちゃんは学校でもてすぎる自分が嫌になって自殺を試みた・・・ってことなのかな・・・?)
私には、美幸ちゃんの本当の気持ちはよくわからなかったが。
自分なりに考えをまとめてみた。
そして、日記を元あったクローゼットのなかにしまう。その時、
『ピンポーン』
インターホンが誰かによって鳴らされた。
私には、そのインターホンに心当たりがあった。
きっと真由子ちゃんだ。
試しに、下に行って玄関を開けてみる。
そこには、真由子ちゃんの姿が・・・なかった。
そこにあったのは、高見 光一、まぎれもなく、死んだはずの今までの自分の姿があったのだった。



「君が早野 美幸さんだね?」
光一が私に聞いてくる。
私は、目の前の本来の私に驚きながらも、
「は・・・はい、そうですが・・・何か用でしょうか?」
と尋ねてみた。
「ちょっと上がってもいいかな?」
「は・・・はぁ、お構いなく・・・」
突然の光一の来客。私は戸惑いながらも、光一を私の部屋へ連れていった。

「さて、俺は何で君の家へきたかと言うと・・・」
どうやら早速本題に入ったようだ。
目の前の光一が話し出す。
「君は、早野 美幸さんだよね?」
光一は、確認するかのように聞く。
「は、はい、そうですが」
「でも、中身は俺、光一だよな?」
私は、目の前の私が今の私を知っていることに少しビックリしたが、本来の自分から放たれた言葉なので、
「は、はぁ・・・まあ・・・そうですが・・・」
と返事を返した。
「さて、今の状況について事情を説明するね」
「は・・・はい」
「今の美幸ちゃんからしてみれば、中身の自分はここにいるのに、何で目の前に本来の自分がいるの?見たいな感じになってるんだよね?」
「え・・・ま、まあそうですが・・・」
「では、まずは俺が誰なのか説明します、君は、昨日学校の階段から落ちて、おもいっきり頭をぶつけたために意識を失い、魂の1部が外に出てしまったんだ、その時、偶然同じ時間に死んだ少女がいた、それが誰だかわかる?」
「それは・・・美幸ちゃん・・・ですか?」
「そう!その通り!偶然にも、俺が階段から落ちた時間と同じ時間に死んでしまったために、ちょうど死んだ時間と同じ時間に飛び出した俺の魂の1部が、美幸ちゃんの身体へ導かれるように入って行ったんだ」
「あ、あのー・・・その1部の魂って・・・何?」
「あ、それは今説明するね、人間は本来魂は1つしか持っていないよね?でも、突然の色んな現象により、魂が分離しちゃうってことは実際に存在するんだ、それで、俺、光一の魂は階段から落ちた時に頭をおもいっきりぶつけたために、俺は気絶して、その時に魂は分離してしまったんだ!ようするに、今、俺の目の前にいる君、中身は光一の美幸ちゃんと、俺、今まで俺たちはその魂があわさった状態で光一の中に宿っていたんだ」
「あの・・・よくわからないんですけど・・・」
「うーん、そういうのも無理はないんだけどね、分離したうちの片方の魂、今美幸ちゃんの中にある俺の魂は、自分の身体から離れてしまったため、自分は死んでしまったと勘違いしてしまったのさ、魂で分離してしまって、片方の方は別の人の身体に入ってしまって、もう片方の方の魂は、元の自分の中に残るんだよねー、だから、今の俺の中にあるのが残った俺の魂で、もう1つの魂が、今の美幸ちゃんさ」
「ようするに・・・目の前にいる光一の魂と今の私の魂があわさったのが・・・以前の魂ってこと・・・?」
「うん、まあそういうことだね、で俺は光一の中に残った方だから光一としてそのまま生きるが、分離して美幸ちゃんの方に入ってしまった俺のもう1つの魂、つまり、今の君はこれからは美幸ちゃんとして生きることになるね」
「え・・・じゃあ、私・・・もう光一には戻れないの・・・?」
「う〜ん、多分ね、実際に、まだ光一の心は残っていても、言葉遣いなどはもう女の子のものになってきてるでしょ?」
「う・・・うん・・・そうだねー・・・」
「それは明らかにこれからは美幸ちゃんとして生きるということになるという証拠だよ!光一の意思はあっても、男言葉は出てこないんじゃないかな?」
「う・・・うん・・・じゃあ私・・・一生美幸ちゃんとして生きていくの・・・?」
「うん、そうだね、これからは女の子として生きるんだね、もう今まで光一だった頃のことは忘れた方がいいよ、光一のこと考えても、分離した魂は元に戻らないんだから」
「そ・・・そんなー・・・」
私は泣きそうな顔をしてしまった。
それをみて、目の前の光一は少し同様しているようだが、
「泣きそうな顔をしたって、戻れないものはしょうがないよ、でも、今の俺だって美幸ちゃんの中の光一と同じ魂なんだ!元々くっついていた魂なんだから、ただ、それが分離してしまったために、君は美幸ちゃんになってしまっただけさ、だから、ちゃんと光一は光一として生き続ける、だから、君は君で美幸ちゃんとして生きるんだ!」
「・・・私・・・もう光一には戻れないのね・・・」
私の目からは涙がこぼれてきていた。
「おいおい、そんないかにも俺が萌え状態になっちゃいそうなかわいい泣き方するなよ・・・」
そう言われても、私の涙は止まらない。
確かに光一は・・・今、私の目の前で生きている。
だが、これは私であって、私でないような気がする。
確かに魂は私のものなんだろうが、実際今の私は光一ではなく美幸ちゃんだ。私は、今まで光一だったことの全てを失ってしまった気持ちでいた。
「ま、まあ、これからは美幸ちゃんとしてがんばって生きるんだ・・・ということで、俺は美幸ちゃんの泣き顔をみているのはつらいので・・・この辺で失礼するよ・・・」
光一は、少し申し訳なさそうに、私の部屋から出て行った。
確かに、こういういい加減な終わらせ方は、私が光一だった時のものそのものだった。確かに今の光一も、本当の光一らしい。しかし、私はもう光一に戻れない。
私は、しばらくは涙が止まらなかった。



『ピンポーン』
再びインターホンが鳴ったのは、それから数分たってからのことであった。
多分真由子ちゃんがきたのだろう。
私はさっきまでずっと泣いていたが、涙をぬぐい玄関へ出る。
玄関のドアをあけると、そこには真由子ちゃんがいた。
「あ!美幸ちゃん!上がっていいかな?」
「う・・・うん、いいよ・・・」
真由子ちゃんは家に上がり、私は真由子ちゃんと私の部屋、美幸の部屋へと向かった。
私は、さっき聞かされた真実を考えてしまうとまた涙が出そうになってしまうので、しばらくはさっきの真実を忘れることにした。
そしたら、大分気分が楽になってきた。
それと同時に、私はこれからは美幸ちゃんとして生きるという決心をした。
もう光一のことは忘れることにした。
私はこれからは新しい道を歩んで行こう。
「美幸ちゃん?始めは何する?」
「え?う〜ん、何しようかねー?」
私の仕草は、この時からすっかり本物の美幸ちゃんそのものの仕草となっていた。
「う〜ん、じゃあいつものやる?」
「え・・・いつものって何だっけ!?」
「ほら!あれだよー!573の音ゲーの矢印を踏むっていうゲーム!」
「あ!もしかして、DDE?」
「そう!それ!DDE!]
DDEとは、573という会社が出している音ゲー(音楽ゲーム)である。
通称:Dance Dance Evolution、略してDDE。
現在ゲーセンとかでは、6thまで出ていて、家庭用は5thまで出ている。何故こんなに詳しいかというと、私は光一だった頃には、毎日のようにゲーセンでDDEをやり込んでいたのだ。
DDEのレベルも、かなり高い。
「確かそこの押し入れの中にゲームしまってあるんでしょ?早く出してやろうよー!」
私は押し入れと言われたので、押し入れを開けてみた。
そこには、PS2とDDE専用コントローラー、それとDDEのゲームがあった。ゲームをみたところ、どうやらDDEは全種類持ってるらしい。
私はその中から、家庭用最新作である5thMIXを手にとった。早速準備をして起動する。
まずは真由子ちゃんが
「私からやってもいいかな?」
と言ってきたので、真由子ちゃんからプレイをする。
真由子ちゃんは、初心者用の曲、18才と言う曲のBASICレベルを選んでプレイを始めた。
BASICレベルは簡単なのだが、いきなりBASICを選ぶやつはたいていはうまくないことが多い。
しかし、真由子ちゃんはBASICを選んだ割には結構それなりに上手であった。
曲の後半くらいにきたところで、私の視線は真由子ちゃんに向いていた。
真由子ちゃんは、かわいい身体を豪快に振ったりしながらステップを踏んでいる。
(真由子ちゃ〜ん、かわいいよ〜ぅ!!)
私は、知らないうちに萌え状態になっていた。
私は確かに光一のことは忘れようとして、これからは美幸として生きる決心をしたものの、やはり元は男であるために、私の萌え状態になるということだけはなおらなかった。
(萌え〜〜〜っ!!)
私は完全に萌え状態になっていた。
そして、数分してようやく真由子ちゃんのプレイが終わった。要するに、曲をクリアした。
「次、美幸ちゃんの番だよ〜!」
「う!うん!」
(萌え〜〜〜っ!!)
真由子ちゃんは笑顔で私に言ってきた。
私は萌え状態でありながらも、専用コントローラーの上に乗って曲を選択し始める。
(なんの曲にしよーかなー?)
私は、曲セレクトに迷ったが、HARANOiA ETERNAL という曲に決定した。
DDEをやり込んでいる私からとってはかなり簡単な曲であるが、一般では結構難易度の高い曲だと言われている。私はMANIACレベルに合わせた。
MANIACレベルは、難しさが最高で9まであるうち、難易度はその9である。だが、私からとってはせいぜい7くらいというところであった。
私は曲をセレクトして、矢印が上がってくるのを待つ。
「美幸ちゃん、MANIACでこの曲できるの?9だから難しいよ?」
「任せて!私DDEはかなりやり込んでるからさ!」
「でも、前やった時は18才のBASICもクリアできなかったんじゃないかなー?」
どうやら本当の美幸ちゃんはDDEはうまくないらしい。
だが、今この場にいる美幸ちゃんは、とてもDDEが上手な美幸ちゃんとなっていた。
「あ!矢印上がってきたよ!」
私は矢印が上がってきたのに気付き、ステップを始める。
いつも通りの慣れた足取りである。
「美幸ちゃん!すごいじゃん!いつの間にこんなにうまくなったの?」
真由子ちゃんが私に尋ねてきた。
「ちょっとね、色々あってね」
私はプレイしながら答えた。
私はコンボ数が300を超えた。
そして、曲をクリアした時のダンスレベルはAA、要するにフルコンボであった。
「美幸ちゃん!すっごいじゃん!フルコンボだね!」
実は、私は確かにDDEはやり込んでいたが、この曲でフルコンボを取ったのは今日が始めてであった。
「うん!フルコンボ!やったよ〜ぅ!」
私は汗を垂らしながら言った。
「美幸ちゃん、すっごい汗だねー」
と言ってきた。だが、真由子ちゃんも汗まみれである。
「美幸ちゃん、私ペットボトルで飲み物もってきたんだ!DDEやったあとはやっぱり飲み物だよね!」
と言いながら、真由子ちゃんは自分のもってきた荷物からペットボトル、500ミリのを1本とりだした。
真由子ちゃんが、ペットボトルに口をつけてある程度飲んだ。
「はい!美幸ちゃん!どうぞ!」
真由子ちゃんは、今まで自分が口をつけていたペットボトルを私に渡してきた。
「え?私真由子ちゃんの分飲んじゃっていいの?」
「うん、DDEやったあとは飲み物ないとつらいじゃん!だから、私の少し分けてあげるよ!」
「う、うん、ありがとー」
私はそう言って真由子ちゃんの飲み物を手にとって、真由子ちゃんが口をつけたペットボトルに口をつける。
なんだかジュースがいつもよりおいしいような気がする。
気のせいだろうか。だが、私はここで今の状態に気付く。
何故今まで気付かなかったのだろう。
私はまぎれもなく、真由子ちゃんとまた間接キスをしていた。
「萌え〜〜〜っ!!」
私は大声で叫んでしまい、真由子ちゃんが
「美幸ちゃん?急に大声出すからビックリしたよー!一体どうしたの?」
と聞いてくる。
「ま!真由子ちゃん!私!真由子ちゃんと間接キスしちゃったね!!」
「え?間接キス?」
「だって!真由子ちゃんが口つけたペットボトルを私!飲んじゃったんだよ!」
「え?別に女の子同士なんだからいいじゃん?」
この時点で完全なる萌え状態から少し萌えが和らぎ
「あ・・・そうだね・・・女の子・・・同士だもんね」
「そうだよ!女の子同士なんだからいちいち気にすることないよ!」
真由子ちゃんが気にすることないと言ってきたが、私はかなり気にしてしまった。
真由子ちゃんはずっと笑顔である。
私はそんな真由子ちゃんを見ていたら、遂に自分の気持ちの抑えのガマンの限界がきてしまった。
私は自分の気持ちがコントロールできなくなり、次の瞬間には思いっきり真由子ちゃんに抱きついていた。
「み!美幸・・・ちゃん!?」
驚いたように真由子ちゃんが言う。
だが、気持ちのコントロールがきかなくなった私は、抱きつき状態を解除しない。
さらに抱きつきを強くしていく。
「真由子ちゃん!やわらかくて気持ちいいよ〜ぅ!」
「み!美幸ちゃん!?どうしちゃったの!?」
私は完全に気持ちのコントロールが不能となっていた。
そして、手を真由子ちゃんの胸の方にそーっとまわす。
「いいっ!!!み・・・美幸ちゃん・・・や、やめてよ〜ぅ!」
真由子ちゃんはやめてとは言っているものの、何だか気持ちよさそうに言ってくる。
私は、もう片方の手を下の方にまわす。
もう片方の手は、真由子ちゃんのとてもやわらかいおしりにタッチしていた。
「きゃあ!み・・・美幸ちゃ〜ん・・・やめてぇ〜!」
真由子ちゃんは、やめてとは言うが、またまた気持ちよさそうに言ってくる。
だが、私はこの時点で真由子ちゃんのやめてと言う声に反応して、我に返る。
(わ・・・私ったら・・・一体真由子ちゃんに今何を・・・して・・・しまったんだ〜!?)
私はすぐに真由子ちゃんから離れた。
真由子ちゃんは何だか赤い顔をしている。
私も赤い顔をしていた。
「み・・・美幸ちゃん・・・どうしちゃったの・・・!?」
真由子ちゃんが不思議そうに聞いてくる。
「ま・・・真由子ちゃん・・・急にこんなことしちゃって・・・ご・・・ごめんね・・・わざとじゃないんだ・・・でも・・・何だか自分の心から・・・その・・・何て言うか・・・わかんないんだけど・・・何か込みあがってくるものが・・・あってさ・・・」
真由子ちゃんは赤い顔のまま私を見ている。
「美幸ちゃん・・・男の子にいっぱいすかれちゃっていたから、感覚がおかしくなっちゃって女の子に急に抱きついちゃったんだね・・・!?」
私は真由子ちゃんの以外な反応に驚いた。
「そ・・・そうなのよ・・・!でも・・・ごめんなさい・・・」
「いいよ〜!別に私は怒ってないよ〜ぅ!」
何とか事態はおさまった。
だが、私は何故気持ちが抑えられなくなったのか?
それは、簡単に言うと萌え状態を通り過ぎてしまったからである。
私は、美幸になった以上これからは真由子ちゃんとの付き合いも多いだろう。少なくとも、萌え状態になるのはしょうがないとしても、気持ちは抑えられるようにしなければならない。
また今日の事態みたいになってしまったら大変だ。
萌えにも・・・少し気をつけなきゃなー・・・。



「じゃあね!美幸ちゃん!また明日学校でね!」
「うん、真由子ちゃん、じゃーねー」
「いつも通り学校行く時むかえに行くからねー!」
「うん、わかった」
(美幸ちゃん、いつも真由子ちゃんと学校行ってたんだなー)
真由子ちゃんがうちから帰ったのは時計が5時をまわった頃だった。
私は真由子ちゃんが帰ってしまったので、1人で部屋にいた。
(・・・今頃もう1人の私自身はどうしてるんだろうなー・・・?)
私は、遂今までの自分のことを忘れようとしても、考え込んでしまう。
(・・・もう忘れよう・・・今私は早野 美幸なんだし・・・)
私は必至に今までの自分を忘れようとした。

次の日。今日は月曜日。
今日は普通なら学校がある日である。
もちろん、私も学校があるのだが・・・美幸ちゃんになってからは、部活には行ったものの、美幸ちゃんとして普通の学校生活が繰り広げられる学校に行くのは今日が最初であった。
とりあえず、真由子ちゃんがむかえにきてくれるらしいので、学校までは真由子ちゃんと一緒に行けば大丈夫だな。
(確か制服はクローゼットだったっけなー?)
私はクローゼットを開ける。そこには、女子用の制服があった。今の学校は自分の母校なので、毎日のように見慣れていた女子の制服。
だが、まさかそれを自分が着るということになるとはなー・・・。
私は、これも運命だからしょうがないと思った。
そしたら、すんなりと制服に着替えることができた。
だが、私はお約束として自分の部屋の鏡で自分の姿を見てしまう。
私は、やはり萌え状態になってしまっていた。
(わ・・・私・・・かわいい!!萌え萌え〜っ!!!)
その後、朝ご飯を済ませて、学校へ行く準備をして、しばらく部屋で待っていると
『ピンポーン』
突然インターホンが鳴った。
母さんは忙しそうだったので、私は玄関に出た。
私は、ある予想をしていた。
だが、予想は外れた。
玄関には、高見 光一の姿があった。
私の予想では、真由子ちゃんがむかえにきたとばかり思っていたのだが・・・。
「いよ!元気してたー?」
「な・・・何でもう1人の私がここにいるのよー・・・?」
「いや、美幸ちゃんがお世話になっている真由子ちゃんって子、どんな子なのか見てみたくてね」
「別に・・・私はお世話になんかなってないわよー・・・」
「でも、美幸ちゃんが萌え萌え〜ってなっちゃうんでしょ?ってことは、結構かわいいんだよな?」
(この口調といい、この性格といい、やっぱりこれは私だ・・・)
「ま・・・まあ、それなりにはかわいいけどね・・・」
「で、学校はどうしたの?こんなところにいていいの?」
「大丈夫だって!今まで俺として高校に通ってたんだからわかるだろ?高校に行くには俺の母校の中学校を通るだろ?」
「あ、じゃあ大丈夫だね・・・そういえばさ、潤はどうしてるのかな?」
「やっぱり親友の潤のことが気になってたかー、潤はいつも通りだぞ」
「ふ〜ん、そうなんだー・・・」
「美幸ちゃん?この人誰?」
いつの間にか真由子ちゃんがきていた。
「あ、君が真由子ちゃんだね?ふ〜ん、結構かわいいねー」
(お、おい・・・真由子ちゃんの前で何言ってるんだよー・・・でも・・・これは・・・確かに光一そのものだな・・・周りから見ると・・・私って・・・こんな奴だったんだな・・・)
「ねえ、美幸ちゃん?この人だれなのー?」
「あ、この人はねー・・・えーっとね、なんて言うんかなー・・・」
「俺はね、美幸ちゃんとはちょっとした知り合いなんだよ!」
「あ・・・うんうん、そうそう!ちょっとした知り合いなの!」
「ふ〜ん、そうなんだー」
「まあ今は俺は2人ってことになっていてー・・・」
(わ!バカ、言うなよ〜!!!)
私は慌てて光一のセリフを止めた。
「???」
真由子ちゃんは、それを見て不思議そうにしている。
「あ、もう時間だ!俺は先に学校行かなきゃな!じゃーなー!」
「・・・う、うん・・・じゃーねー・・・」
光一は、行ってしまった。
そして、私たちも家をあとにして学校へ向った。
「ねえ、今の人ってどんな知り合いなの?」
真由子ちゃんが聞いてくる。
私は、適当に答えを作った。
「あの人はね、私はテニス部でしょ?あの人もテニス部なんだー、家が近かったからまだ私が小さかった頃にテニスを教えてくれる人がいたんだ、それがさっきの人なの・・・」
「なるほどねー、そういう展開もいいもんだね?それにしても、さっきの人!結構かっこよかったよねー!!」
「え・・・それ、本気で言ってるの・・・!?」
「うん!もちろん!本気だよー!」
(光一って・・・そんなにかっこいいか!?)

私はいつの間にか学校に着いていた。
下駄箱へ向う。そして、下駄箱にて。
真由子ちゃんはすんなりと靴を履き替えたが、私は美幸ちゃんの下駄箱がどこなのか知らない。
よって、なかなか靴を履き替えられなかった。
「あれ?美幸ちゃん?立ち止まっちゃってどうしたの?」
「う、うん、実はね・・・下駄箱の場所忘れちゃって・・・」
本当は知らないだけなのだが、ややこしくならないように私は場所を忘れたということにしておいた。
「え?美幸ちゃん、ボケの前兆・・・って、そんなわけないよね、ちょっともの忘れしただけかな?」
そう言って、真由子ちゃんは早野 美幸の下駄箱を指さした。
「さーて?今日はどのくらい入っているかなー?」
真由子ちゃんが呟く。
私は、何のことかわからなかった。
しかし、下駄箱を開けた途端、『ドサ〜ッ!!!』大量の紙が私目掛けて飛び出してきた。
「な・・・何!?これ」
「美幸ちゃんは相変わらずかわいいね!今日もこんなに男子からのラブレターきているね!」
「え・・・ラブレター!?」
私は美幸の日記の内容を思い出していた。
確かに、本当にラブレターがすごい入っていた。
「こんなにたくさんのラブレター・・・どうしよう?」
「今日もいつものように全部家に持ち帰れば?」
「う・・・うん、そ・・・そうだね・・・」
私は朝からうんざりしてしまった。
いくら自分がかわいいからって、毎日こんなに大量のラブレターが自分の下駄箱から飛び出してくるんじゃ、確かにいやだよなー・・・今はもういないけど・・・、自殺した美幸ちゃんの気持ちがよくわかるような気がする・・・。

私と真由子ちゃんは教室へと向う。
そしてドアを開けた瞬間、みんなの視線が私の方へと集まる。
私は、あっという間に注目の的となってしまった。
「あ!美幸ちゃんに真由子ちゃん!おはよー!」
1人の女生徒が元気よく私たちにあいさつしてきた。
「うん、おはよー!」
真由子ちゃんが返した。
直接私自身には話しかけてはきていないものの、何だか多くの男子の視線を感じる・・・気のせいかな?
だが、気のせいでもなかった。クラスの男子の大半が私に見とれていた。
・・・何だか皆さん・・・そろって萌えていません・・・?
男子生徒は、ほとんどが萌え状態になっていた。
「美幸ちゃん・・・あ、あの・・・お・・・おはよー・・・」
「えっ!?」
私は急に声をかけられた。振り向くと、そこには1人の男子生徒がいた。
私は少し戸惑いながらも
「お・・・おはよう・・・」
と返した。目の前の男子はまともに私と目があわせられないらしく、しばらく俯いている。だが、ようやく顔をあげ、
「きょ・・・今日も1日がんばろう・・・ね・・・」
「う・・・うん」
何だか失恋したカップルが再開した時のような会話だった。
その男子は私の前から立ち去ったが、その後多くの男子生徒に囲まれていた。男子からの声がわずかに漏れてくる。
『お前って奴は!いつも美幸ちゃんに話しかけやがって!』
『俺たちは話しかけられないのに!この裏切り者目!』
『な・・・ちょ・・・ちょっと待ってよ・・・みんなだって話かけられなくても』
『いつもラブレターを下駄箱に入れているじゃん・・・』
『うっ・・・そ、それは・・・』
それ以上は会話がよく聞こえなかった。
・・・何だか私、クラスの大半ではなくクラス全員の男子から意識されているようだ・・・。そして、クラスの女子全員と友達みたいだな・・・。
その事実は、急に美幸ちゃんとなってしまった光一の時の意思からしてみれば、とても大変な事実であったのだった・・・。
そして、萌え萌え少女美幸ちゃんとなった光一の、これからの学校生活、日常が今始まろうとしている・・・。




どうも!『俺が好きな人』をきっかけに、この文庫に作品をこれからも寄せることにした、T・Hです。
今回は、魂分離というネタを使ってみました。
そして、光一君は萌え萌え少女となってしまいましたね。
次回では、学校の途中のシーンからスタートです!
一体どんなことが美幸ちゃん(光一)に待っているのでしょうか?
そして、次回ではもう1人の光一は一体何をしでかすのでしょう??
それは・・・次回のお楽しみです!
でも、実は作者自身萌えの本当の意味をよくわかっていなかったりします(^^;
萌えって、こんな使い方でいいのかなー?
なんだか、萌え―――――っ、とかって場所がさ○らとかぶってるような・・・?
あと、途中で出てきたDDE(笑)の部分はマニアな方じゃないとわかりませんね(^^;
とりあえず、読んでくださってありがとうございます!
これからもこの作品、そして色々な作品でがんばろうと思います。

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