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状体変化 <第1話>

作:T・H


<第1話> 〜俺が女の子!?〜




 私の名前は河村 有利(かわむら ゆり)。
 私は『有利』という名前ではあるけど、実は男なのである。
 でも、まわりのみんなから見れば、どう見たって私はただの小学1年生…。
 それもそのはずである。私は今、男の心を持った女の子ということになっている。
 しかも、今まではちゃんとした普通の高校3年生の青年であった。
 私が今この状態になってからもう1年くらい経つのかなー?
 1年前くらいに私はあることによって女性化し、中学3年生の女の子となってしまった。
 こういう状態になってからしばらくしたら私は中学3年生の女の子から中学2年生になってしまい、時が経つに連れてどんどん私は中学1年生、小学6年生、小学5年生、小学4年生…そして、今に至ってはしまいには小学1年生まで逆戻りしてしまった。
 小学1年生はだいたい自分の一人称、例えば男の子なら『僕』、女の子なら『私』っていう言葉がちゃんと備わってくる時期だ。
 私もそのせいなのか、小学1年生の今となっては『俺』と言う言葉が出てこなくなった。
 私は、もしかしたらこれからもこの状態が続くのかもしれない。
 もうそろそろ私は幼稚園児くらいの年齢になってしまうかもしれない。
 そうなってしまえばもう完全な幼女である。
 あの日、あの出来事がなければ私は今頃大学に行って、将来の進路を目指し…就職先を見つけたりしていたのかなー? あの日にあの出来事さえなければ…。



 時は約一年前にさかのぼる。四月の朝、まだ少し肌寒い中、俺はいつも通り高校へ向っていた。
 俺の名前は河村 祐(かわむら ゆう)。
 俺はその日に限って一人で登校していた。いつもなら友達と一緒なのだが…。
 そして学校に着くと、いつも通りすぐに靴を履き替え、教室に入っていく。
 俺の行動は日常的なパターンそのものであった。
 だが、いつも一緒にきている友達は今日はいない。
 理由はのちにわかった。どうやら熱を出して今日は学校を休む、とのことである。
 ちなみにその友達の名前は、中嶋 雅紀(なかじま まさき)という。
 でも、いつも元気な雅紀が熱を出すなんてただ事じゃないだろうなー…。
 俺は雅紀は本当に熱を出して休んだと思っていた。しかし、真実は…。

 その日は、いつも通り特に変わった事もなく学校が終わった。
 そして下駄箱にくる。そこで、俺はいつもと違う事に遭遇する。
 なんと、下駄箱の中に何かの手紙が一通入っていたのだ。
 普通男ならこの展開でラブレター以外のものは考えないだろう。
 予想は…見事に的中。中身はラブレターらしきものだった。
 早速読んでみる。ラブレターらしきものにはこう書かれていた。

『祐…今日の放課後、中央広場にきて下さい…。
 …必ずくること。もしこなかったらその時は…。
 どっちにしろ祐がきてくれたとしても…。
 …絶対きて! …約束してください…。
 ちゃんときてくれれば…祐の何かが変わる…』

 と、書かれていた。…何故か俺は少し警戒心を持った。
 文章の書いてある紙は確かにラブレターっぽい便箋。
 なのに、文章の内容は、いきなり祐って呼び捨てで書かれているし、命令口調っぽいような気がするし、いきなり何かが変わるって書いてあったり…何か妙なラブレターであった。
 名前はもちろん書いていなかった。ラブレターのお約束だろう。
 だけど…俺のことを『祐』って呼ぶやつは雅紀以外にはいない…ということは、この手紙は雅紀からの…そんなわけないよな。
 雅紀は今日は学校を熱で休んでるし、それに雅紀がわざわざ俺を手紙、しかもこんなラブレターみたいな方法で呼び出すはずがない。
 ということは、この手紙は一体誰からなのだろう…?
 …まあ少し妙だけど、その場所に行ってみればわかるかな?

 俺はラブレターの指定されている通り、学校の帰りがけに中央広場にと立ち寄った。
 だが、そこには誰一人ですらいなかった。
 いつも誰かしら人がいるのにおかしいなー。
 手紙の主は、どうやらまだきていないようである。
 俺は中央広場内のベンチに腰掛け、しばらく待つことにした。
 …。…。…。…。…………………。
 …あれっ? …そー言えば手紙くれた子まだかなー?
 そう思って時計を見ると、何ともう6時だった。
 俺が中央広場にきた時は確かに5時だった。
 ということは…俺は約1時間もの間寝てしまっていたのかー!
 もしそうだったとしたら…手紙くれた子はもう帰っちゃったとか? …うん、そうだよな、もう1時間も経っちゃったし、もうこないだろうなー。
 という結論を出したので、俺はベンチから立ち上がって帰ろうとした。
 だがその瞬間…俺は何かを感じ、急に意識が薄れてきた。
 …一体何が起こったんだ? …俺はそれを考えるだけで精一杯であった。

(…祐、ちゃんときてくれたんだ…これから大変だけど…がんばれ…)

 俺は意識が薄れるなか、誰かの声を聞いていた。
 しかしそれが誰の声であったかまでは、わからなかった…。



 ……う〜ん、こ、ここはどこだ!?
 俺は意識が戻ると同時に勢いよく起き上がった。
「あ! 有利ちゃん気が付いた?」
 突然どこからか声が聞こえた。俺は何故か病院にいた。
 そして、俺の聞いた声は聞き覚えがあるような、ないような声。
 その声の方を向いたら、そこには一人の女の子が立っていた。
 見た目から言って中学生くらいだろうか? …何かどこかで会っているような…会っていないような…?
 でも、何で知らない女の子が俺のいる病院のこの部屋にいるんだ?
 しかも有利ちゃんって…誰のことなのだろう?
「有利ちゃん覚えてる? 中央広場で急に倒れちゃってさー…」
 え!? 今この子は何て言った? …確かに中央広場で倒れたって言った。
 しかも明らかに俺に向って言ってきている。しかも、俺のさっきあった出来事とこの子の言っていることが一致している…。
 でも、有利ちゃんって言うのは一体…? 俺はとりあえずこの子に聞いてみることにした。
「ねえ、きみさー、その有利ちゃ…」
「ん? 有利ちゃん? 何〜?」
 俺は喋るのを咄嗟にやめた。何故か俺の声はいつもより高めだったのだ。
「有利ちゃん大丈夫? まだボーッとする?」
「ねえ…有利ちゃんって…もしかして…?」
 俺はそう言いながら自分を恐る恐る指差した。
 女の子の反応は、
「え? 有利ちゃん何言ってるの? 有利ちゃんは有利ちゃんでしょ?」
 …俺の頭の中は整理がつけられなかった。だが、俺は何とか質問を続行する。
「きみさー…なんで俺の病室にいるのかなー?」
「え? 何でって、私が有利ちゃんが倒れてるのを発見したからだけどー」
 この子は、俺が倒れているのを発見したらしい。
「もう大変だったよ〜、近くの大人になんとかしてもらって救急車呼んだりしてさー…」
「…ところできみ、俺とどこで知り合ったのかなー?」
「有利ちゃん何言ってるの?…あ、もしかしてさっき急に倒れてそのまま記憶喪失とか…?」
「え・・・俺が記憶喪失!?」
 俺は今までのことを思い起こした。…確かに俺の記憶は残っている。
 でも、どう考えてもさっきから声が高いのは何故なのだろう?
「と、ともかく! どこで俺と知り合ったのか教えてくれないかな…」
「う〜ん、本当に記憶喪失なの? 私たちは小さい頃からの幼馴染じゃない!」
 幼馴染…かー。…でも、俺はこの子はどこかで会ったような気はするけど知らないぞ!
 俺は次の質問を言おうとした。
「ねえ…俺ってさー、カッコよく見える?」
 何故か突然そのような質問をしてしまった。
「…有利ちゃん、カッコよく見える? …って何で?」
 そりゃ普通はそう答えますわな…。
「有利ちゃんは女の子なんだからさ、カッコいいと言うよりかわいいよ!」
 …今確かにこの子は、俺に向って女の子なんだから、と言った…。
 それに、さっきから俺にずっと有利ちゃんって言ってきている…。
 …一体どういうことなんだ!? とその時、急に自分のアソコにちょっとした痛みを感じた。
「イタタタタ…」
「有利ちゃん? どうしたの!? 大丈夫?」
 俺は痛さに耐えられず、おもわず目の前に女の子がいるにも関わらず、ついついアソコに手を運んでしまった。
 俺は自分のアソコに、ズボンごしに確実に手がふれた…はずだが、何故か手ごたえがない。
 俺はこのことから、今痛むところが自分のアソコではないことを確信した。
 なので、痛むところを手で探っていたのだが…あることに気付いた。
ここら辺を手で探ると絶対アソコに手が行き届くはずなのに、アソコの感触をまったく感じなかったのだ…。やっと俺は今の状況を把握した。
 何と、俺の男の象徴がなくなっていたのだ…。しかも高くなっている声。
 よくまんべんなく調べると、俺には胸の膨らみもあったのだ…。
 しかも俺の目の前にいる女の子は俺を有利ちゃんと呼んでいる。
結論…何故か俺は女の子になっていた。しかも、目の前の女の子に聞いたら俺は今中3らしい…。何で高3で男の俺が、中3の女の子になっているんだ…。
 …しばらく考えているうちに、いつの間にかアソコから感じた痛みは治まっていた。
 女の子にきいたら俺は何故倒れたのかは原因不明、そして今日から一週間くらい入院するということになっていたらしい。
 そして、あとで知ったことだが今の俺の名前は…『河村 有利』と言う名前であった。
 有利…女の子が俺に向って言っていた名前だ…。
 俺は今まで気付かなかったが、俺は女子の中学生の制服を着ていた。
 しばらくして女の子は帰って行った。その後、看護婦が何度か入ってきて、それ以外は、特に何もなく気が付けば夜になっていたと言う感じであった。
 俺は…これから一体どうなってしまうんだろう…?
 俺は不安だった。しかし、俺はこれはまだ始まりに過ぎないと言う事に気付かなかった。
 その後、更なることが待ち受けていると言う事に…。



 病院の入り口をくぐり抜けた女の子は、自分の家を目指していた。
「ふぅ〜、何とかかまずに言い切れた〜。台本覚えるの結構大変だったし〜!」
 女の子は、ひたすら自分の家を目指していたのだ。
「ふぅ、女の子の振りをするのも馴れていないと大変だなー、でも有利ちゃんにはバレずに済んだからなー」
 女の子は、ひたすた自分の家を目指していた。
「…有利ちゃんはこれからが大変になるな…まだ自分が時間と共に幼児化して行くことには気付いてないだろうなー…」
 女の子は、ひたすら独り言を言いながら自分の家を目指していた。
 もちろん、この女の子のこれらの発言は有利ちゃん(祐)には届いていない…。
「有利ちゃん…大変だろうけど、自分のため…がんばれ」
 女の子は最後に一言呟いたのだった。




☆ あとがき ☆

 どうも! 久々に投稿のT・Hです!
 今回は、有利ちゃんとなってしまった祐君がどんどん幼児化していく話です。
 幼児化とは言っていますが、簡単に言えば少しずつ年齢がさがっていくと言うことです。
 今回はとりあえず原因不明のTSを起こしただけでしたが、第2話では有利ちゃんがついに自分が幼児化していくと言うことに気付くということです。
 有利ちゃん、最終的には幼女くらいの年齢になっちゃうのかなー?
 それとも男の、今までの自分に戻れるのかなー?
 有利ちゃんの意識が戻った時に病室にいた女の子は、何かいかにも秘密を持っていそうですねー。次回ではその秘密は明らかになるのでしょうか?
 T・Hは受験生なので最近受験が近いということもあって、話を作る時間というのも今の時期は恐らく減ることでしょう。なので、今回は1話ずつで投稿します。
 1話ずつならある程度はなんとかなると思うんです。
 では! 今回はこの辺で!

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