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絆 〜ライナ〜
作:樹遠零



・・・愛するもの・・・ もし、貴方の愛する者の命が危険に曝された時 貴方は、決断出来るでしょうか? ・・・自分の大切な一つを捧げ、彼女を救う事を・・・ そして、捧げられるでしょうか? ・・・貴方と彼女の絆を・・・ そう・・・この指輪は、それを貴方に問い掛けます ・・・真実の愛・・・ それが本当に存在するのかを確かめる為に さあ・・・貴方は・・・捧げられますか?

 薄暗い部屋・・・狭き部屋。  そこに一つの机を挟み、向かい合う二人の人物。  ・・・二人の女性・・・  香の焚かれたその部屋に、二人の会話のみが響きつづける。 「私には愛を語る資格は無いんです。  ・・・いえ、誰かを愛する資格が無いんです」  それは女性・・・成人してまだ間もないであろう女性。  腰に下げた剣と身に着けた鎧が、彼女が剣士である事を知らしめる。  そして純粋な美しさに満ち溢れた女性。 「ライナさん・・・でしたね。  理由を・・・話してくれる?」  女性・・・外見からでは年齢の判別のつかぬ、神秘的な美しさを秘めた女 性が、剣士の女性の言葉を受ける。 「私には女性ならば、毎月当然あるべき物がありません。  幼いころの病気が原因・・・らしいです」 「月の物が無い・・・つまり、子供が産めないって事?」  目の前の女性の言葉に、ライナと呼ばれた女性が大きく頭を垂れる。 「はい・・・」 「愛する人との子供を産むことが出来ない。  だけど、貴方は男性を愛してしまった。  ・・・だから、辛い、苦しい・・・と?」 「・・・はい」 「そして、それ以上に、その男性に全てを伝えていない事が、辛いのね?」 「・・・は・・・い」  ライナが、微かに嗚咽しているのが分かる・・・  その肩は震え、涙が頬を濡らして行く。 「ミドが・・・全てを知ったミドが、私を捨てていくのが怖いんです。  そして、それ以上に・・・ミドを騙してる・・・ことが・・・」  ライナは、机の上に伏せ、声を押さえて嗚咽を繰り返す。  止めど無く流れる涙が、ゆっくりと机の上を濡らして行く。 「・・・真実の愛とは、その程度の障害で壊れるのもではないわ。  でもね・・・それを信じることは難しいこと。  だから、一つだけ貴方に良いものをあげましょう」  ことり・・・  言葉と共に机の上に何かが置かれる。  ライナは顔を上げ、その開かれた箱の中身を見、そして呟く。 「指輪・・・ね?」 「そう・・・指輪よ。  魔力の付加された、古のカースアイテム」  カース・・・「呪い」の言葉に、ライナは過敏に反応する。 「呪い・・・それで何を!?」 「確かにこれは呪われた指輪よ。  でもね、この指輪は、持ち主の願いを一つだけ叶えてくれる。  ・・・持ち主の愛する人を救う為の願いをね」 「ミドを救う為・・・?」 「そう、そして願いを叶えるために指輪は砕け、同時に貴方から大切なもの 一つを奪って行くの。  その一つとは、貴方の愛する人との絆・・・」 「つまり・・・使ったら、ミドとは・・・」 「えぇ・・・結ばれることも、共に居ることも出来なくなるでしょう。  ・・・それがこの指輪の「呪い」だから・・・」  最後まで話を聞き、ライナの心に戸惑いの表情が生まれる。 「これを・・・私に?」 「えぇ・・・その指輪に聞いてみると良いわ。  愛とは何なのか・・・信頼とは何なのか・・・をね」  ライナはゆっくりと頭を上げ、そして意を決した様に言葉を発する。 「貰ってゆきます・・・これからの私を考えるためにも」  ライナは指輪を手に取り、ゆっくりと自分の指へと嵌めてゆく。  それを受け、目の前の女性はやさしくライナに微笑みかけ、そして一束の 巻物をライナの前に差し出す。 「一つ・・・貴方に、頼みたい仕事があるの」
「・・・次の依頼が終わったら話したい事があるわ」  ・・・昨日の朝、私はミドにそう言い残して、宿を飛び出した。  ミドには、「遺跡」へと進入する為の装備調達・・・そう言っておいたが、 実際には違う。  話とは、ミドに私の身体の事全てを話すこと。  ミドと一つになれないこと、私が子を産めないことを。  自分のその言葉が、何を指しているのかが分かっていたから。  そして、ミドと一緒にその場に居ることが辛かったから、私は逃げる様に 宿を飛び出した。  ・・・全てを話した時、ミドがどう対応するかは分からない。  もしかしたら、私の身体のことは許してくれるかもしれない。  そんな私でも、「愛してる」と言ってくれるかもしれない。  ・・・でも、私が「偽りの理想」をミドにぶつけ、自分を、ミドを騙して いたことは、とても許されることだとは思えない。  愛する女性を守れるような男。  私よりも強い男。  私は、それを「私の理想」として、ずっとミドを騙し続けてきた。  魔導師であるミドが、それを叶えられる筈の無いのを分かっていながら・・・  不可能であるのを分かっていながら・・・  私は、それを押し付け、ミドを苦しめていた。  ・・・だから、これで終わり。  ミドは決して許してはくれない。  ミドへのこの感情も、今までの記憶も、全て残らず捨てなくてはならない・・・  何となく、手元の指輪へと視線を落とす。  私には、ミドを・・・人を愛する資格なんて無い・・・  ・・・無駄になるね・・・この指輪。  ふと、目に涙が浮かび、慌ててそれを拭う。  私は、ミドに涙を流すな、と言ってきた。  軟弱だ、弱みを見せるな、と、ミドにいつも言っていた。  だけど・・・それも、今日で終わり・・・  一人になったら、思いっきり泣こう・・・  涙が枯れ、ミドを忘れられるその時まで・・・
「ミィ〜ド!!先に行くわよ」  涙を押さえ、後方を歩くミドに声をかける。  私よりも頭一つ小さな身長、ローブに身を包み、少女の様に華奢な身体。  綺麗な瞳、そして少年の面影を多分に残した綺麗な顔・・・  ・・・私が、こういう男を好きになるとは思わなかった。  昔は、私を包み込んでくれる様な、強い男が好みだった。  でも、ミドに出会ったとき、それが嘘だと、虚構だと直感した。  ミドこそ私の理想だと、全てだと、一瞬で理解した。 「待ってよ、すぐ行くから!!」  もう、1年になる・・・  私が遅れるミドを急かし、ミドが私を追いかける。  そんな、姉弟のような関係も・・・ 「ほらっ、大した仕事じゃないんだからね。  目的の物を手に入れて、とっとと帰るわよ」  ミドが、私に恋愛感情を抱いていたことは何となく分かった。  そして、私もミドに対し、押さえきれないほどの感情が膨れ上がってゆく のが分かっていた。  だから、私を偽り、ミドを偽りながら、その感情を殺そうと努力した。  ・・・でも、ミドはそんな私についてきた・・・  私の示した、偽りの理想に届こうと、必死で努力を続けてくれた。 「うん・・・分かってる」  目の前に「遺跡」の入り口が口を開けている。  私は、ミドの「明かり」に照らされながら、ゆっくりと「遺跡」に足を踏 み入れていった。
「ふ・・・ん?  何か、罠もないし、大した事無い依頼だったわね」 「うん、出会ったモンスターも、棲みついた奴ばっかりだったしね」  ここまでのあまりの手応えの無さに、思わず不機嫌になる。  今、居る場所は宝物庫の一番奥。  私達がここに来るまでに出会ったのは、後からここに棲みついたであろう と思われるモンスターのみで、遺跡の番人や、トラップなどには一切出会っ ていない。  こういう未だ踏み荒らされていない遺跡で、そういう事はまず有り得ない。  一瞬、依頼者の女性に騙されたのかと思ったが、この遺跡がまだ人の分け 入ってない場所だと言うのが確かであるのを思い出し、その考えを頭から追 い出す。  ・・・だとしたら、この手応えの無さそのものが罠である可能性があり、 それ故に気を緩めることが出来ない。 「まあ、いいわ。  取りあえず、考えてても仕方ないから、用を済ませましょう」  そう言って、祭壇の上の女神像に手をかける。  今回の依頼は、この女神像の回収。  これを持ちかえる事が依頼の全てであり、その他の宝物などは、私達の自 由にしていいそうだ。 「・・・分かったよ、僕は袋を用意するから・・・」  ミドがそう言って、荷物を下ろして宝物を入れるための袋を取り出そうと する。 「ん、お願・・・えぇっ?」  女神像に手をかけながら、ミドに肯き返そうとした瞬間に、それが起こる。  手に持った女神像が、呆然と見守る私の手の中で、見る間にその形を崩し てゆき、最後には塵一つ残さず、その場から消え去ってしまう。 「・・・それ、偽者っ!?」  どっがあぁぁぁぁぁん!!  ミドが叫ぶのと、その音は、全く同時だった。  四方の部屋の隅で壁に半ば埋め込まれた形で佇んでいた石像が、一斉に生 命を持ち、壁を崩しながらゆっくりと動き出している。 「出口を・・・しまった!!」  吐き捨てるように叫び、現状を認識する。  ゴーレムの動きに合わせ、私達の入って来た入り口は岩に塞がれてしまっ ている。  でも・・・横道ならある。  それを確認し、駆け出しながらミドに声をかける。 「横道か・・・ミド、行くよ!!」 「うんっ」  私の後方でミドが同意し、同時に「火球」の呪文を、私の前方に立ちふさ がるゴーレムに炸裂させる。  傷は付かなかった様だが、ゴーレムは僅かに体勢を崩す。 「・・・よしっ!!」  気合を入れ、腰の剣を抜き放ちながら、一気にゴーレムへと接近する。  ゴーレムの目の前まで移動し、身体に捻りを入れながら、渾身の力でゴー レムの膝裏を強打する。  かくん・・・  流石のゴーレムの膝を折ってバランスを崩し、私はその折った膝を足場に して一気に跳躍する。  そして、ゴーレムの頭の辺りまで上昇し、剣をゴーレムの首筋に叩きつけ、 さらに後頭部を蹴り飛ばして、ゴーレムの後ろに回る。  ごごうぅぅぅ・・・ん  私がゴーレムの後方に着地すると同時に、大きな音を立て、そのゴーレム が前のめりに倒れたのが分かる。  私は、ミドがついてきているのを気配で確認し、そのまま横道に飛び込む。  ごがっ!!  ミドの気配が通路に飛び込んだのを確認したすぐ後に、背後で何かが砕け たような音が響く。  ふと、振り向くと、ゴーレムたちがその巨体で持って、通路を破壊しなが ら、ゆっくりと前進しようともがいている。 「・・・これなら、暫くは時間が稼げるね・・・」  ミドの呟きに同意しようと口を開きかけた私の背筋に、冷たいものが走る。  ・・・敵だ・・・それも強力な・・・ 「駄目・・・嵌められたわ」  吐き捨てるように呟き、その場に留まって剣を構える。  と、すぐに前方の通路の影から、後方のよりは二周り小さなゴーレムが進 み出てくる。  鈍く光る金属製のゴーレム・・・か。  そして、少なくとも後方の奴よりは確実に強い。 「仕方ないわね・・・叩き潰すわよ!!」  それ以外の選択肢が無いことを確認し、声に出して気合を入れる。  同時に、ミドの「火球」の呪文が私の後方から飛んでゆき、私はそれを確 認すると、一気にゴーレムへ向かって駆け出す。  先行する「火球」が、一斉にゴーレムに襲い掛かり、そして炸裂する。  ぴきぃぃぃぃ・・・ん!!  瞬間、爆音及び爆炎に備え身を固める私の耳に、甲高い金属音が響く。  ・・・何? 「ライナ!!  そのゴーレム、魔法が効かない!!」  私が心の中で疑問を持つと同時に、ミドの説明が届く。  魔法が効かない・・・か。  ならば!!  心の中で叫び、ゴーレムの足元に一気に飛び込む。  しかし、ゴーレムの懐に飛び込み、剣を叩きこもうと構えた瞬間、私の目 の前にゴーレムの拳が出現していた。  ・・・速い!?  そう思ったときには、既に私の身体にゴーレムの拳がめり込んであり、私 は骨の砕ける音を聞きながら、痛みを感じる前に意識を失った。
「うぁっ・・・くぅ!!」  全身を激痛が駆けぬけ、思わずうめき声を上げる。  口の中に血の味が広がり、その味に思わず顔をしかめる。  助かった・・・の?  命を拾ったことに安堵し、ふと、辺りを見渡すと目の前にミドが立ってい るのに気がつく。 「ミ・・・ド・・・ここは?」 「すぐに「治癒」が効いて楽になるから黙ってて」  ・・・満足に言葉を発することも出来ない。  「治癒」を受けていて、これだけのダメージを受けている・・・それは、 つまり、死んでもおかしくないだけのダメージを受けたと言うこと。  それを考え、思わず背筋が冷たくなる。  「本物の死」・・・それに直面したと言う恐怖が、私の心の像を鷲づかみ にする。  ・・・と、気付いた。  私の身体をミドが運べるはずが無い。  魔法の効かないゴーレムをミドが倒せるはずが無い。  ならば・・・?  僅かに身体を起こし、辺りを見渡してみる。  すると、私を守る様に立つミドのすぐ傍で、例のゴーレムが見えない壁に 向かって必死に拳を打ちつけている。  そして、私のすぐ後ろに宝物庫のゴーレムが見える。 「これは・・・「障壁」!?  それに「治癒」・・・ミド、なんて無茶を!!」  自分の身体のことも忘れ、一気に身体を起こすと、ミドに向かって叫ぶ。  身体に耐えがたい激痛が走るが、それをも無視して、ミドに叫ぶ。 「ライナは死にかけてたし、動かしてる時間も無かった。  これしか無かったんだ・・・」  ミドは笑いながらそう言うが、幾ら魔法に疎い私でも、「障壁」と「治癒」 の二つの魔法を同時に行使すればどうなるか位分かっている。  平行して魔法を使えば、各々を単独で使う場合の数倍の「魔力」を消費す ることに加え、「障壁」の魔法は、「壁」への衝撃に比例して、術者の「魔 力」を吸い取っていく。  そして、魔法の源と言われる「魔力」は「生命力」に密接に関係し、「魔 力」が枯渇することは「生命力」が枯渇することに等しい・・・  つまり・・・ミドが死ぬ?  私の目の前で死んでしまう?  それは、捨てられるのではない、会えなくなってしまうのではない。  ミドという私の掛け替えの無い存在が、この世から居なくなってしまう事。  そう考えたとき、私の中で何かが弾けた。  涙が溢れ、頬を濡らす。  ミドへの数々の想いが、せき止める事も出来ずに次々と溢れ出してゆく。 「ミド・・・やめて・・・」 「大丈夫・・・ライナだけは、僕が守るから」  ミドが「障壁」を解いた場合の結果も考えずに、私の口から言葉が漏れる。  そんな私に微笑み、ミドは確かに私に答える。  しかし、同時にミドの瞳から光が失われてゆくのが分かる。 「ミド?・・・ミドっ!?」  ミドの返事は無い・・・動きも無い。  既にミドの瞳は何も写してはいない。  ミドの耳には何も届いてはいない。  ・・・「死」・・・  ミドの目の前にそれがやってきていることが分かる。  そして、それでもミドは「障壁」と「治癒」を解いてはいない。  私の為に、命を捨てようとしている。  そんなの・・・駄目。  私の為に・・・私なんかの為に・・・  誰か・・・私の命ならあげる・・・だから・・・誰か・・・  既に涙でぐちゃぐちゃになった視界に、例の指輪が飛び込んでくる。  同時に、指輪の「力」を思い出す。 (この指輪は、持ち主の願いを一つだけ叶えてくれる。  ・・・持ち主の愛する人を救う為の願いをね)  それを思い出したとき、私は迷わずに指輪に向かって叫んでいた。  喉が張り裂けんばかりに叫んでいた。 「私は全てを失っても良い。  だから・・・だから、ミドを助けて!!」  ピキィンッ!!  瞬間、何かが砕けた音が脳裏に響き、視界を真っ白な光が覆っていった。
 ・・・ここは?  何やらぼやけた意識の中で呟く。  薄暗い部屋・・・冷たい石畳・・・かび臭い空気・・・  そして・・・私の手を握り締める柔らかい・・・手。  身体を起こし、辺りを見渡す。  小さな部屋・・・本当に小さな部屋・・・  ここは・・・どこかの建物の一部屋・・・遺跡の・・・  ・・・遺跡・・・?  その単語と同時に、溢れるように記憶が蘇る。  ゴーレムのこと、「障壁」のこと、ミドのこと。 「・・・そうだ、ミド!!」  慌てて辺りを見渡す。  と、ミドは、私のすぐ傍で横たわり、私の手を握り締めて静かに呼吸を繰 り返している。  ・・・命に別状はない・・・  助かったんだ・・・二人とも・・・  それを確認し、安堵と共に疑問が持ちあがる。  今、この部屋が何処かは分からない。  ・・・しかし、例のゴーレムはここにおらず、私達二人は生きている。  見ると、私のつけていた指輪は、宝石の部分が綺麗に無くなっている。  ・・・でも、何で私も助かったの?  指輪の効力は、ミドだけのはず・・・  疑問には思うが、答えが返ってくるはずも無い。  そして、あれほど身体を駆け巡っていた激痛も消えている。  胸に手を当て、痛みの全く無いことを不思議に思う。 「・・・え?」  そのときに、大きな違和感を感じ、首を傾げる。  そして、たっぷり十は数えたところで、ようやくその意味を悟り、さらに 混乱する。  何で・・・胸が・・・  自分の自慢だった胸が小さくなっている。  ・・・いや、胸が無くなっている。  まるで、男の胸板の様に。  そして、同時に股間の部分が妙にきついことに思い当たり、そろそろとそ の部分へと手を持って行く。  ・・・と、ありえない感触をその手に感じ、硬直する。 「ま・・・まさか・・・」  必死に否定しようと頭を振るが、現実は変わってはくれない。  自分の胸・・・そしてこの股間・・・  間違い無い・・・ 「・・・男・・・?」  その事実を口に出し、絶望する。  そして、同時に、その意味を理解する。  ・・・指輪・・・  恐らく、一つだけ持っていくと言う「絆」が、その事。  確かに、男同士では結ばれるはずが無い。  男になった私が、ミドの前に出られるはずが無い。  ・・・それが「指輪」の「呪い」・・・  ミドを見つめ、ようやく理解できた事実を反芻する。  ミドから、去らなくてはならなくなった事を確認する。  ・・・でも、結果は同じ・・・  そう、結局は私は捨てられるんだ・・・だったら、結局は同じ・・・か。  ・・・これで踏ん切りがついた。 「さよなら・・・」  再び溢れ出す涙を押さえながらそう呟き、私の手を握り締めるミドの手を 外す。  ・・・と、その時に気がついた。  ミドの手、ミドの指に、私の物と同じ指輪がはめられていることを。  私の指輪と同じように、その宝石が砕け散っていることを。  そして、同時にとある可能性に思い当たる。  それが、どう言うことであるかを認識する。  ・・・もしかして、私と同じように、ミドの身体も・・・・
 ミドの顔を穴が開くほどに見つめつづける。  自分の考えが正しいのか、そして、それがどう言うことなのかを、私の中 で何度も繰り返す。 「・・・行くよ」  小さく呟き、そろそろと手を動かして行く。  そして、仰向けに横たわるミドの胸に、私の手を当てる。  ・・・むにぃ・・・  そんな柔らかい感触が、私の手に届く。  そして、その感触の意味を、何度も何度も自分の中で反芻する。  ・・・女になってる・・・  結論を出し、自分を納得させる。  そして、その結論の意味に、私の顔がほころんで行く。  ・・・一つになれる・・・  それが最初に思い浮かんだ結論。  私が男でミドが女・・・何の問題も無い。  ミドの胸を触ったことで、自分の下半身に血が集まっているのが分かる。  それが、私にミドを愛することを可能にしてくれていることが分かる。  ミドに捨てられなくて済む。  愛し、愛されることが出来る。  そう考えたとき、ミドを見ているだけのことが、このまま黙っていること が我慢できなくなった。  ミドが欲しい・・・一つになりたいという欲求を我慢できなくなった。 「ミド・・・」  ミドの名を呼び、そしてゆっくりとミドの唇へと顔を近づけてゆく。  と、それに答える様に、ミドの瞳が僅かに開く。 「ミド・・・」  もう一度、ミドの名を呼び、二人の唇を接触させる。  ・・・とうとう・・・ミドと・・・  形は違えど、ずっと待ち望んでいた儀式の始まりに胸が高鳴る。  そして、その感情に流されるまま、私は更なる行動に出る。  にゅるり・・・  ゆっくりとミドの口腔へと舌を侵入させ、ミドの口の中を存分に味わう。  そして、ミドの顔が熱を持つことに、ミドの身体が私の舌の動きに合わせ て、びくびくと反応することに、私の身体を良い様のない快感が突き抜けて ゆく。  そして、十二分にミドの口の中を味わい、ミドの反応が小さくなったとこ ろで、ゆっくりと唇を離す。  ・・・美味しい・・・ 「はふぅ・・・」  大きく息を吐き、小さな胸で大きく空気を吸い込むミドを見つめながら、 ミドの口腔の味をゆっくりと反芻する。  ミド・・・ミド・・・ミドっ!!  私の中でミドの名が反響する。  その名が反響する度に、その名が心に染み渡る度に、ミドへの想いが膨れ 上がり、それが堪えられない快感となって、私の体を突き抜ける。  再び、ミドの胸に手を当て、ゆっくりと揉みしだく。  小さな・・・少女のものとも言える、その胸が・・・  私の手の動きに合わせ、様々に形を変える、その胸が・・・  小さく身体を跳ね上げ、淫らにくねるミドの姿が、堪らなくいとおしい。  全てを・・・ミドの全てを・・・見たい・・・  内なる欲求の求めるままに、ミドの服に手を当てて、一枚一枚服を剥いで ゆく。  上着を全て脱がせ、そしてミドの可愛らしい胸を脳裏に焼き付ける。  さらに、ミドの位置を変え、全てを脱がせようとした所で、自分の鎧が腕 に引っかかり、私の動きを中断させる。  邪魔・・・  自分の、女物の服が、女物の鎧が、邪魔に感じる。  ・・・ならば、脱いでしまえばいい・・・  と、その考えに同調するように次々と服を脱ぎ捨ててゆく。  鎧を、服を脱ぎ、生まれたままの姿になる。  男の・・・男としての私・・・ライナの姿になる。  ・・・力強く張りのある筋肉・・・  ・・・強く、衝撃を吸収してしまうであろう胸板・・・  ・・・力一杯屹立した男性の象徴・・・  それらが全てが、自分を男だと認識させる。  ミドを・・・女となったミドを、愛する事が出来る存在だと認識させる。  何より、自分が、女であって、女でなかった存在であった過去を忘れさせ てくれる。  再び、ミドの服を剥いでゆく。  ズボン・・・下着・・・それら全てを剥ぎ、ミドを生まれたままの姿に変 えてゆく。  ・・・奇麗・・・可愛い・・・  ミドの全てを見、そして感嘆する。  華奢な身体が、白い肌が、幼い容貌が、それら全てのパーツが、ミドを他 に並ぶものの無い、可憐な少女へと変えている。  汚してしまう事を躊躇われるかのような、純粋な存在に変えている。  ・・・でも、だからといって私の動きは止りはしない。  ・・・いや、止められはしない。  ミドと一つになる事・・・それが、今の私の全てだから・・・  そして、自分の本能の命ずるままに、次なる行動に出る。  ミドの腰に手を当てて抱きかかえ、二人が向かい合うようにミドの身体を 持ち上げる。  ・・・と、そこで、動きを止める。  いや、動けなくなる。  私は、ミドの意志を無視している・・・  自分の欲望のままに、ミドを汚そうとしている・・・  ミドを騙していた・・・私が・・・  それら思いが私の動きを止める。  その事実が、私の心を包み込んでいた歓喜を、欲望を霧散させる。  自分を押えねばならない、先へ進んではならないと、最後の理性が悲鳴を 上げる。  ・・・ミドを求める私と。  ・・・それを許さない私が。  それぞれ私の心を掴み、引き裂こうとする。  身体が、心が悲鳴を上げ、涙が溢れそうになる。  ・・・と、その時、私の腕の中のミドが、軽く身動ぎする。 「い・・・・いよ・・・」  微か・・・ほんの微かにその言葉が届く。  同時に、私は弾かれるようにミドを見つめ、そしてゆっくりと肯く。  ミドの意識があった事が・・・  ミドも私を求めてくれた事が・・・  ミドと一つになる事実よりも・・・  二人が一つになれる、今のこの身体の事よりも・・・  そう、それが何よりも私には嬉しかった。  そして、その喜びのままに、私は身体を動かした。  二人が一つになる為の、最初の一つを踏み出した。  ぷちん・・・  自分の物が何かに包まれるような感触に続いて、何かを破った感触が、私 の背中を突き抜ける。  それが何なのかを理解すると同時に、私の腕の中のミドが身体を小さく痙 攣させ、呼吸を乱す。  ミドの流した涙が肩に滴るのを感じながら、私はミドを優しく抱きしめた まま、動きを止める。  ・・・はぁ・・・  ミドと私が同時に肺の中のものを吐き出してゆく。  そして、私はゆっくりとミドの中を往復を繰り返し、そしてミドの中に全 てを吐き出していった。  私はミドの名を叫びながら、同時に、ミドが確かに私の名を呼んでくれた 事を感じていた。  空気を震わせる音ではなく。  一つになった二人のみが為し得る、心の繋がりによって・・・
「ふふふ・・・無事に戻ってこれたようね」  ここは街・・・私がたびたび訪れる魔法師の館。 「えぇ・・・私も、ミドも無事に戻ってこられました」  あの後・・・私はミドを抱いて、この街まで戻ってきた。  宝物庫に戻る事も、宝を持ち帰る事も出来なかった。  実際、ミドを抱きかかえて運ぶだけの体力しか、私には残されておらず、 そして、その時は、ミドを助ける事・・・それが私の全てだった。  そして、街に戻ってからも、ミドは何時覚めるとも分からぬ眠りについて いる・・・魔力の使いすぎによる、消耗だそうだ・・・  ・・・そして、二日が経った。 「それで・・・?」 「依頼ですが・・・失敗しました」 「そう・・・なら仕方ないわね。  依頼料は無しだけど・・・良い?」 「・・・えぇ」  それ位は当然・・・依頼を遂行出来なかったのだから。  それと・・・今は・・・ 「で・・・何を聞いてもらいたいの?」  目の前の女性が、優しく問い掛ける。 「・・・ミドと、私の事です」 「はい・・・それで?」 「貴方から貰ったあの指輪・・・ミドも持っていました」  心の中にわだかまった問いをゆっくりと目の前の女性にぶつける。  その問いに、その女性は優しく微笑み、言葉を返す。 「えぇ・・・私があの子にあげたものだからね」 「・・・何故!?」 「あの指輪は二つで一つ・・・真の絆を持つ二人が持つべきものだから。  その力も効果も・・・貴方は分かっているでしょう?」 「・・・」 「ふふふ・・・そうね。  昔ね・・・あなた方二人と同じ悩みを共有した男女がいたの。  そして、その二人は指輪を作り、そして後世にその指輪を残したのよ」  指輪を残した・・・? 「何故・・・その二人は自分で使わなかったんです?」 「人の身体そのものを変革させる程の魔動器・・・それは、指輪を作った人 物の生命全てを必要とした。  ・・・だから、指輪はここにある・・・いえ、あった、と言うべきね」 「・・・そんな貴重なものだったんですか・・・」 「ふふ・・・いえ、ただの言い伝えよ・・・  遥か昔・・・魔法王国の残っていた時代の話だから・・・」 「そう・・・ですか・・・」  ・・・そう・・・か、でも、気持ちは分かる。  その二人の気持ちは・・・ 「それで・・・?」 「えぇ、それでミドと私は一つになる事が出来ました。  ・・・でも、私はミドの前から去ろうと思います」  結局、私の身体の問題は解決されたが、ミドを騙していたという事実は消 えてくれはしない。  そして、この先もミドを騙し続ける事など、私には出来はしない。  ならば・・・ミドに全てを話し、ミドの元を離れる事が・・・ 「ミド君・・・を、騙してたから?  だから、ミド君の元から逃げるの?」 「えぇ・・・そうです」 「・・・なら、貴方はミド君を愛してはいなかった・・・って事ね?」  ・・・違う!!それは・・・ 「・・・ちが・・・」 「違わないわ・・・貴方はミド君を信じているんでしょう?」 「勿論・・・信じています」 「なら、ミド君が、貴方を許してくれるとは信じられないのかしら?  全てを受け入れてくれると信じられないのかしら?」  ・・・信じる・・・? 「・・・そう、信じる事。  逃げるのではなく、ぶつかってみる事」 「逃げないで・・・ミドを信じる・・・?」 「えぇ・・・あなた方なら大丈夫。  そうでなければ、指輪は力を貸してはくれなかった筈だからね」  ・・・信じる事。  私を・・・ミドを・・・? 「さあ、行きなさい・・・貴方の大切な人、最も愛する人の元へね」 「・・・はい」  私の意識せぬままに、私の口からは言葉が零れ出ていた・・・
 ミドの枕元に座り、ミドの覚醒を待つ。  すでに五日・・・ミドは一時も目を開ける事無く、こんこんと眠り続けて いる。  そして、私はそんなミドが目を覚ますまで、この場で待ち続ける事にした。  全てを話し、ミドにその判断を委ねる為に。  そして、五日目の早朝・・・たった今、この時に、凍り付いた時間が動き はじめた。 「う・・・うん」  小さな声・・・女の子になったミドの声。  その声と同時に、まどろみの中にあった私の意識は覚醒する。  私の目の前で、ミドの目が開き、そしてゆっくりと瞳に光が宿る。 (・・・そうか、僕、助かったのか・・・)  と、そんなミドの言葉が聞こえたような気がする。  そして、私は何の疑問を持つ事も無く、ミドのその言葉に返事を返す。 「そう・・・助かったのよ。  おはよう・・・ミド」  私の声に反応し、ミドがこちらに視線を移す。  これが・・・女の子になったミドとの最初の会話。 「あ・・・ライナも無事だったんだ・・・」 「えぇ・・・ミドのおかげでね」  ミドのおかげ・・・間違い無い。  ミドが私の為に指輪の力を使ってくれなかったならば、私はここに居ない。  そして、ミドと一つになっていた事も無い。 「あはっ、良かった」  ミドが弾けるような笑顔と共に私に言葉を返す。  女の子になったミドの笑顔・・・それは、自分のイメージした、どんなミ ドの顔よりも愛らしかった、可憐だった。  そして、私の頬に一瞬にして血が上り、私の頬を真っ赤に染めていく。 「・・・どうしたの?」  ・・・その私の顔を見て、ミドが不思議そうに問い掛けてくる。 「あ・・・いや、何でもない・・・よ」 「・・・そぅ?」  辛うじて返事を返した私の言葉に、ミドは小首を傾げながらも、それ以上 の追求はしてこない。  ・・・でも、そんな小さな仕種も、ミドの可憐さを助長させている。  ミドを見つめる私の男の象徴に、血液が集中していくのが分かる。  ミドの一挙一動に、私の理性が悲鳴を上げていくのが分かる。  ミドの顔を見ている事が、ミドの仕種を見ている事が、あまりに恥ずかし く、私は目を合わせている事すら出来なかった。 「変なの・・・?  んでさ、ライナ・・・何で僕たち助・・・かった・・・の・・・」  と、ミドと顔を合わせないように、俯いていた事が仇となった。  私が「それ」を隠す前に、ミドが身体を持ち上げ、私の全身を見てしまう。 「・・・な、何・・・それ?」 「あ・・・あはは・・・」  ミドが、呆然とした感じで、私の「それ」を指差して問う。  そんなミドに、私は、乾いた笑いを返す事しか出来ない。  ミドの顔が一気に紅く染まり、私の目を楽しませる。  女の子となったミドの一挙一動が、過去の私には持ち得なかった、可憐な 少女の姿を投影してゆく。  男である私の理想の少女を構成してゆく・・・ 「あ・・・もしかし・・・て」  そして、ミドが何かに気付いたのか、自分の上着を覗き込む。 「・・・あ、あるぅ・・・」  そして、瞳を潤ませながら呟き、そして暫くそのままで固まった後、自分 の股間へとその手を導いてゆく。  ・・・自分が、女である事を認識した・・・  そう、私の意識の何処かで、誰かが説明していたが、私はその言葉を聞い てはいなかった・・・いや、聞こえてはいなかった。  ミドが上着を覗き込んだ時に覗いた乳房が、ミドが股間に手を持っていっ たその行為が、僅かに残る私の理性を掻き乱していた。 「ラ・・・ライナぁ・・・」 「・・・はっ!!  あ・・・あぁ・・・何?」  ミドの言葉に、慌てて我に返る。 「あの・・・あの、何で僕が女の子なの・・・それにライナも・・・」 「ええと・・・あの遺跡でミドが気を失った後にね・・・その・・・」  ・・・なんて言えば・・・?  と、私が躊躇しているうちに、ミドの顔が「ぼんっ!!!」と音を立てて 真っ赤に染まる。 「あ・・・あの・・・もしかして・・・  遺跡で・・・ライナ・・・僕の事を・・・もしかして・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」  ミドの言葉が、「例の行為」を指している事を悟り、暫くの沈黙の後、ゆ っくりと肯定する。  と、同時に、ミドが弾けるように顔を背ける。  ・・・殆ど無理矢理・・・だった・・・  それに・・・まだ、謝ってない・・・ 「ごめん・・・寝てるミドを見てたら我慢出来なくなって・・・」 「良い・・・僕が「いいよ」って言ったんだし」 「・・・分かった」  ミドの許しが出るが、どんな言葉をかけて言いか分からずに、沈黙する。  ・・・でも、言わなけりゃいけない。  ミドを騙してた事・・・そして、私の本当の気持ちを・・・  勇気を振り絞り、ゆっくりと口を開く。 「そうだ・・・今回の依頼が終わったら、私が話したい事があるって言った よね。  あの事だけど・・・」 「・・・嫌!!」  全てを話そうと、最初の一言を発した瞬間、ミドがこちらを振り向き、そ して叫ぶ。  その瞳には大粒の涙を溜め、小さく肩が震えているのが分かる。  私には、ミドのその行動が分からなかった。  ミドが私の言葉を聞きたくないのは分かる、でもミドは怒るのではなく泣 いている。  ・・・その理由が、私には分からない。 「・・・ミ・・・ド?」 「嫌・・・嫌なの。  別れるなんて、一緒にいられないなんて、そんなの・・・嫌・・・なの」 「・・・」  別れる・・・一緒にいられない?  どういう・・・事? 「国の「掟」なんて無視して・・・む・・・し・・・」  ・・・「掟」?  そういえば、そういう物があったような気がする・・・  ・・・たしか・・・ 「ねえ・・・ライナっ!!」  と、「掟」を思い出しそうになった所で、ミドに呼ばれる。  ほんの数瞬前までと違い、顔一杯に笑顔を浮かべ、良く通る声で話し掛け ている。 「・・・・・・・・・は?」  そして、そんなミドの変化に私は付いて行けず、まともに返事をする事す ら出来ない。 「ライナの国の掟って、「男は女を守り、女は男を補佐せよ」だよね?」 「う・・・ん・・・そうだけど?」  ・・・そう、そうだ・・・確かそんな内容だった・・・  でも・・・ミドには一度しか言ってないはずなのに、良く覚えてる・・・ 「んで、今は僕は女で、ライナは男だよね!!」 「・・・うん」  そう、私は男で、ミドは女。  ・・・だから、二人は一つになれた・・・  でも・・・それが「掟」と何の関係が・・・?  と、そこまで考えた時、ミドの全ての言葉の意味が理解出来た。  ミドの涙の意味が理解出来た。  ミドは、自分自身が「掟」を守れない事を悔やんでいた。  ミドは、私の「理想」に届けない自分を悔いていたんだ。  だから、私がミドを捨てるんだと思ってたんだ。  ・・・私がミドに捨てられる事を恐れていた様に。  ・・・ミドも私に捨てられる事を恐れていたんだ。  ・・・ミドは私を捨てやしない・・・  ・・・私もミドを捨てる訳が無い・・・  ・・・私が馬鹿だった・・・  ・・・ミドを信じていれば・・・  ・・・最初からミドに全てを話していれば・・・  こんな・・・こんな、悲しい思いはしなくて良かったんだ・・・  感情が爆発し、涙が溢れそうになる。  しかし、その瞬間に、ミドが微笑みながら、私に口付けする。  そして私の目の前で、決定的な一つの台詞を吐く。 「だ・か・ら、責任・・・取ってね!!」  その言葉に、私は溢れる涙を止めもせずに、大きく肯いていた。  ・・・ミドと本当に一つになれた事を心の中で噛み締めながら・・・
・・・愛するもの・・・ もし、貴方が愛する者の命が危険に曝された時 貴方は、決断出来るでしょうか? ・・・自分の大切な一つを捧げ、彼女を救う事を・・・ そして、捧げられるでしょうか? ・・・貴方と彼女の絆を・・・ そう・・・この指輪は、それを貴方に問い掛けます ・・・真実の愛・・・ それが本当に存在するのかを確かめる為に さあ・・・貴方は・・・捧げられますか? ・・・そして・・・ 貴方の彼女も捧げられるでしょうか? 二人が共に、己を捨て、愛する者を救う事を決断出来るでしょうか? ・・・それが出来る二人ならば・・・ ・・・互いの為に己を捨てられる二人ならば・・・ 如何な障害も越え、結ばれる事が出来るでしょう だって、この指輪の真実の名は ・・・「永久なる絆」なのですから・・・


<後書き>  二度目の投稿になります、樹遠零(きおん・れい)です。  前作、のもう一つのストーリー、ライナからの視点のお話になります。  これで、前作の疑問点の殆どは解消できたと思いますが、如何でしょう?  ええと、もし、次回がありましたら、「冒頭の女性」のサイドからの作品 展開になります。  あと、要望があれば、その後のミド君の生活を書いた、外伝なんかも計画 しています。  さて、ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。  −樹遠零−



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