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カヲルの事情 9

by WATARU 1024




 このお話は「二人のカヲル」のカヲルサイドの事情を描いたものです。「二人のカヲル」を読んでおいていただくと、解りやすいと思います。それに、もしかしたらその方が面白いかもしれません。

[「二人のカヲル」へ]




「あんたの彼氏って相当ニブくない?」
 ゆかりが率直な意見を言ってくれた。

 「あー、緊張した。ゆかりー、あたし今何話してた?」
 緊張のあまり、話の内容が断片的にしか残っていない。とにかく月曜日の放課後すぐ会う約束はしたみたいなのだけど……。

 「ねえ、カヲル、お風呂入らない、一緒に」
 あたしの返事を無視するように、ゆかりが突然、話題を変えてきた。話の進みかたが強引で唐突で、ゆかりらしいと言えばゆかりらしいんだけど。
 「お風呂?」
 「用意はしてきたでしょ、一緒に入ろうよ」
 「え?」










  五.あたしとかれ


 翌朝も忙しかった。
 いつもより早く目が覚めて朝の仕度を始めたのだけれど、慣れない環境で手間取ってしまう。半分旅先の気分ではあるのだけれど、友達の家族もいるとなると、勝手が違うというか、遠慮してしまうというか。
 その上あたしは髪の毛を短くしてから、かえって朝の仕度が面倒になった。
 短い髪にまだ慣れていないせいか、セットに迷いが出てしまって決まらない。
「早くする」
 ゆかりに急かされても思うに任せない。
「ダメだぁ。もうどうにでもして」
 ついにどうしていいか解らず諦める。開き直ってそのまま放置。
「大丈夫、ダイジョーブ」
 ゆかりの言葉にも、追い打ちを掛けられる。
「どうせ、ガキンチョ頭だもん」
「そゆこと」
 そう言うゆかりは申し分なくセットアップ完了しているわけで。
 はー。
 今日の午後のことを思うと、それだけであたしは緊張してしまうと言うのに。
 重くなりそうな気分をゆかりとのやり取りでどうにか誤魔化して、あたしはゆかりと学校へ向かった。

 当然学校では何も手が付かず、どうやって一日を過ごしたのかもロクに記憶に残らない状態で放課後になっていた。
「断頭台に向かう死刑囚の気分が解るような気がする」
「がーんーばーれ。やっぱり荷物持ってってあげようか?」
いつまでも愚図グズしそうなあたしを、ゆかりは心配してくれて。
「……うー、お願いします」
お泊まりセットをゆかりに託すことで、いよいよ、逃げられない状況に自分を追い込んで。言い訳出来る用件を一つでも減らし、やらなきゃいけない理由と気分を盛り上げて。
「さっさと済ませちゃえば、すっきりするんだから」
「……うー」
「怒って欲しい?」
「行きます」
「よろしい。じゃあ、あんたんちに届けてもいいけど、おばあちゃんいる?」
「うん、いると思うけど、いいよ、こんどとりにいくから」
「解った、じゃ、結果報告まってるからね」
「あいー」
 あたしがゆかりの言葉にそう応えると、彼女は身を返して離れていった。潔く振り返らずに。
 ゆかりと別れてからは途端に足取りが重くなる。
 けど、ダメ! 決心したんだから!
 あたしは行くって決めたんだから。
 そう思って踏みだす足も、ヒザが震えていた。
 地下鉄に乗っている間、浩ちゃんと再会してから今までのことをあれこれ思い出しては考えを巡らせる。多分大丈夫、でも、ダメかもしれない。怒らせてしまったらどうしよう、いえ、そんなことはない。きっと赦してくれる、やっぱり納得できるはずもない。
 その度に気分は上がったり下がったりして、落ち着かない。そうしている間に目的の駅に着いてしまう。
 一番長く想いが揺れていたのが昨日のことと、再会した日のこと。ばれたと自分で思ったあとに白状すればよかったのかな。そもそも、双子の妹なんて言わなければよかったのかも、でも、つい言ってしまった。本当にそうだったら良かったのにと考えていたこと。暗く過ごしていた日に想像の中で繰り返した幻想。いざという時に口から出てしまった。気がついたらそう言っていた。ほんの少しのいたずら心。それに隠れた臆病な心。やっぱりあの時本当の事は言えなかった。そう思う。


 地下鉄を降りても、まだ逃げ出したい気分は消えなかった。
 逃げ出せる訳もない。呼び出したのはのはあたし。無理やり約束した待ちあわせ。いい加減、マナイタの上の鯉になってもいいのに往生際が悪い。遅れがちな足取りを意識して前に進める。ようやく地上に出ると店はすぐ視界に入る。

 そしてあたしはこの姿で、浩ちゃんの前に立つ。

 小学生のカヲルそのままのような髪形、よく似た顔。そして浩樹君の彼女と同じ学校の制服。

 あたしは誰?

 ボクはここにいるよ。

 泣くだけ泣いてしまうとすっきりするものだということを実感してしまった。
 浩ちゃんの前で四年分の涙を全て、とは言わないけれど、今出せる分は出してしまった、そんな感じ。
 目がヒリヒリするのも仕方ないか。きっと、随分紅くなっている。羞ずかしいけど、みっともないけど、これがボクだ。
 長い間、押し込めていた、小学生のカヲル。男の子だったカヲルとようやくひとつになれるような気がした。誰かに受け止めて欲しかった。浩ちゃんに受け止めて欲しかった。けれど、受け止めてもらえる自信はなかった。最初に言えなかったから、ずっと言い出せなかった。それが重荷にもなっていた。
 だからこの言葉を口に出来たときは、莫迦みたいな解放感を感じていて、すっかりハイになっていたんだと思う。
「早坂カオルは死んでないよ……、ボクはここにいる」
 意を決して、ボクを見ている浩ちゃんの目をまっすぐ見つめ返した。
「カオルは双子じゃない。ボクがカオル、浩ちゃんの幼なじみのカオル。ボクが小学生の男の子だったあの早坂カオルなんだ」
 やっと言えた。
「言っちゃった」
 心に浮かんだそんな一言がそのまま出ていた。
 ボクは不思議な昂揚感に包まれていて、まるで雲の上にでもいる様だった。
 とにかく言えたことですっきりとしていて。
 半分上の空のような状態で、浩ちゃんと問答をしているあいだずっと、意識はふわふわと風船のように舞い上がったままだったような。
「浩樹君、あたしのこと嫌いになった?」
 ようやく気持ちが地上に戻ってきて、そう聞かずにはいられなくて。
「莫迦、そんな訳ないだろ」
 すぐにそう答えてくれた浩ちゃん。
「そう? ありがとう」
 嬉しくてまた涙が出そうになる。今度は嬉しい涙だ。
「へへへ、白状したら何だか、すっきりしちゃった」


 確かめるようなやり取りの後で、浩ちゃんはあたしを抱き寄せた。
「これからは幼なじみの恋人ってことだよな」
 あっという間に視界が涙で満たされて、滴が零れて落ちていった。


 しばらくしてようやく涙も底を尽きたと思っていた。なのに。
「ずっと好きだったのかも知れない。そんな気がするって言ったけど。本当にそうだったのかもな」
 という浩ちゃんの言葉に、また盛大に涙腺が緩んで行くのを感じる。
 この人は本当に泣かせてくれる。
 冗談事で涙をそらせていくと、なんだか余計におかしくなって、笑ってしまった。
「もうお終いねこの話は」
 ふと我に帰ると、もちろんあたりはまだ明るい。そんな中で制服姿のままあたしたちは抱きあっていて。
 慌てて身体を離そうとすると、浩ちゃんが抵抗してあたしを離さなかった。
「ダメ、勝手に離れるのは禁止」
「え?」
 途端に唇を奪われてしまった。
 もうあたしの理性はダメになってるのかも知れない。


「送ってくよ」
 その言葉に素直に首肯いていた。
 もう、限界以上の出来事の連続で、あたしの脳味噌は開店休業というか、最低限の機能を残してストライキというか、全然働かなくなったいて、言葉少なでおとなしくお淑やかになっていて、それでも気まずいと言うことはなくて、ふわふわ気分で夢見心地が続いていたというわけで。
 後でゆかりになんて言おうか。そんなことも考えてしまう。
 もしかして、バカップル?なんて自省する余裕が出てくるころには、家に着いていた。


「上がって?」
「いいのか」
「うん、もちろん。浩ちゃんだもん」
「って、どういう意味だよ」
「お祖母ちゃんもいると思うんだけど」
「あ、そうか、挨拶しとかないと」
「初対面だったよね」
「ああ、ここは、お祖父さんとお祖母さんの家なのか?」
「そ、どっちの親も、別のとこだよ」
 家の中に入ってみると、祖母は出掛けていて居なかった。祖父は平日の日中は仕事で居ない。
 あたしの部屋は散らかっているわけではないけれど、二人で寛ごうにもベッドがあるため狭い。浩ちゃんにはリヴィングに落ち着いてもらう。
 ほんの少しの間に気負ってみた途端の肩透かしで浩ちゃんは気が抜けたらしい。腰を下ろした途端に、身も心もと言う感じでソファに深々と沈み込んでしまった。
 あたしは急いで着替えて、リヴィングに戻った。セーターにジーンズ。あ、別に警戒しているわけじゃなかったんだけど。着替えてしまってから、気がついた。とは言え、いつもの格好なわけだから仕方ない。
 飲み物は希望がなかったので紅茶を淹れることにした。
 たまにはエプロンをしてみたりして。ちょっと、秘密な気分。一人で紅くなる。


 ソファに並んで落ち着くと、紅茶を飲む手を休めて浩ちゃんが尋いてきた。
「えーと、親のこと尋いていいか?」
「うん、何?」
「オレが会ったことあるのって早坂のオジサンとオバサンだけだろ。どうしてっかなと思ってさ。あと、二条って本名?ここも二条だよな」
「ああ、うん。ちゃんと説明し無きゃね」
 早坂の両親のことを考えると心が揺れる。長い間ほっておいて、この間ようやく冷静に話すことが出来るようになった。感情的にしこりを抱えて対峙するのではなく、普通に家族として接することが出来そうな気がする。
「それも、浩ちゃんのお蔭なんだ」
「なんだよ、ただ、そういう時機だったんだろう?」
「そうかもしれないけど、浩ちゃんがその時機を教えてくれたんだよ。だから、浩ちゃんのお蔭」
 そんな話をしながら、事の起こりからの成り行きを、浩ちゃんに説明した。
 昨日ゆかりに話したことが本当に役に立っている。一度言葉にした効果で、口にするのが楽になっているし、昨日よりも気持ちに余裕をもって話すことが出来た。これが初めてなら、ずっと支離滅裂になっていたと思う。
「だから、実の親が、伯父さんと伯母さんてことになるのかな、今は一応」
「大変じゃないか」
「大変って、なにが?」
「最低二カ所、もしかして三カ所に挨拶回りの必要があるって事だろ?」
「挨拶回りって」
「……何でもない」
 時々そうなるんだけど、浩ちゃんが何か言いたそうにしてこっちを見る。言いかけてやめたことや、言いだそうとして迷っていることがあるんだ思う。でも、ちょっと解らない。それをニブいというけれど、解るわけがない!と言いたいのを、グッとこらえる。ってそんなに力はいってないけど。
「ニブいかなー?」
「そうだな」
「でもチョーノーリョクないしー」
「なんだよその言い方」
「言って欲しいの!
 言葉にして欲しいよ!
 何考えているか、全部知りたいくらいなんだよ」
 少しハイになっていたことが、まだ影響していたらしい。でなければ、こんなこと言えなかったと思う。こんなふうに言えなかったと思う。
 盛大な溜め息をついてから、浩ちゃんが呟いた。
「結婚だよ、結婚の挨拶」
「へっ? 結婚!」
「例えばの話だろ。例えば、おまえが結婚するとしてさ、まあ、オレが挨拶に行くとしてだよ。例えば!」
「ハイ……た、例えば……」
「そうしたら、あれだろ、ここにまず来て挨拶して」
 ぐるぐる。
 浩ちゃんの言葉が続いているのにあたしの頭には巧く入って来なかった。
「そういう、たとえばだよ!」
 強くそう言う言葉にようやく我に返って、浩ちゃんの顔を見ると見事に紅くなっていた。
 多分あたしほどではないにしろ。


「昨日は本当にゴメンね、病気だって心配掛けてさ。嬉しかったよ」
「でも、困ってただろ」
「少しね。言い訳どうしようって焦ってた」
「はあ。それを考えるとニブイのはオレの方か?」
「そう、そう、大バカヤローサマだね」
「解るわけねーだろ、まったく。髪短かったし、まるきり昔のままだし、女の時とは全然違ってたし。大体おまえもともと美人顔だろ。双子だし」
「普通、男女の双子でそんなに似ないって。知らない?」
「知るかよ!」
「ゴメン、ゴメン、騙したのはボクだもんね」
「あ、そうか、それだ!」
 突然、浩ちゃんがほとんど叫ぶようにそう言った。


 自分でも気付いていなかったけど、今のボクは一人称が混乱していた。昨日のボクは完全に早坂カヲルであり、一人称は間違いなく「ボク」だった。浩ちゃんと会っている間、「あたし」という言葉は出てこなかった。
 逆に普段のあたし、浩ちゃんとデートしていた女の子の一人称は間違いなく「あたし」で、「ボク」と言うことはなかった。それはあの後、ゆかりと話しているときもそうだったし、中学からこっち、高校に入ってからは間違いなく日常生活でも「ボク」とは言っていない。あたしにとっては一人称は当たり前のように「あたし」だった訳で。
 今、浩ちゃんと話していても自分では全然気がつかなかった。
 ボクは何度も自分のことを「ボク」と呼んでいた。
 浩ちゃんによれば、「ボク」と言うボクと、「あたし」と言うあたしとは性格が違うらしい。
 言われてみれば何となくそんな気もする。
「全然、テンションが違う、ノリが違うんだよ、別人。そりゃ似てるさ、でも、兄弟や家族だってそのくらい似るだろうってくらいなんじゃないか?」
 浩ちゃんはここぞとばかりに力説している。本人としては戸惑うばかりなのだけれど。でも、確かにそう言われれば納得してしまうところがある。
「早坂の方のカヲルが『ボク』で、二条の方のカヲルが『あたし』なんだよな」
 説得力がある。でも、よく解らない。
「そうなのかな」
 昨日、早坂カヲルとして浩ちゃんと会っていた時は意識的に、口調や気持ちを男の子である事に疑問を持っていなかった頃のカヲルにあわせていた。それは演技しているとかフリをするというのではなくて、あのカヲルとして浩ちゃんと話そうと思うと自然と出てくる態度、立ち居振る舞いであって、個々の言葉や口調、態度や動作については限りなく無意識に近いものだった。
「早坂カヲルと二条カヲルさ、どっちが本当のおまえなんだ?」
「え?」
 ちょっと混乱していた。
「どっちって、あたしは今は二条カヲルだよ……、うん」
 そう口にしていながら、自信がなくなってきた。
 ここにいるのは、二条カヲル?
 それとも、早坂カヲル?
「浩ちゃんはどっちがいいの?」
 無意識のうちにそう呟いていた。
「え? あ、いや違う、そう言う意味じゃないんだ。オレはどっちだっていいんだ、どっちだって、おまえはおまえだろ、ちょっとぐらい性格が違うったって根っこの部分は変わらないんだからいいんだよ。オレが言いたいのはどっちがどうって言うんじゃなくて、どっちがおまえにとって自然で力が要らないって言うか肩が凝らないっていうか猫被りじゃないのかって言うか、つまりそう言うわけで、何だか解らなくなってきたけど、そう言うことなんだよ。オレにとっては早坂カヲルはあの早坂カヲルであると同時に二条カヲルなんだから。それはどっちでもいいんだよ。そりゃ早坂のカヲルだと思うと照れ臭いというのは本当だけどだからといって彼女にしたくないという訳では全然無くて、どっちにしたって美人だし、取り敢えずオレは美人は好きだし、つまりオレ的には全然オッケーというワケで」
 ちょっとすごいよね。
「ハイ、ストップ!」
 言ってることの半分も頭に入ってこないけど、大体何が言いたいかは解る。暴走パニックの浩ちゃんを目の前にして、言葉のシャワーを浴びている気分になる。
 曇り後晴れ、かな?
 言葉が暴走している浩ちゃんに待ったを掛けるのは本当に久しぶりだった。
「カヲル! オレはどっちも好きだからな」
「うん、それは解った、ありがとう」
 ありがとう。浩ちゃんのお蔭であたしはあたしでいられそうだよ。
 何だか解らない不安と、何だか解らない安心感に包まれてあたしは浩ちゃんの肩に顔を埋めるようにして抱きついた。
「おまえ、本当に悩んでたんだな。もう一人で悩むなよ、オレがいるんだからさ」
 暴走時とはまるでちがう落ち着いたトーン。浩ちゃんの声があたしの中に染み込む。考えるのはあとでいい。今はじっとこの甘い感触を味わおう。
「うん」
 あたしがそう応えてそれ以上、何も考えられずに目を瞑っていると、次の瞬間。
 何かの物音が後ろからした。
 浩ちゃんの身体が小さく激しく揺れた。
「明るいうちから、何いちゃついてんだい、アンタたちは」
「お祖母ちゃん!」
 振り向くと祖母が呆れ顔で立っていた。


 アイデンティティの問題はあたしにとって、いつもついてまわる問題なんだと思う。
 早坂カヲルと二条カヲル。
 どっちなのさ?
 どっちなんだよ?
 自分でも問い掛けずにはいられない問題。
 つい最近まで、早坂カヲルは眠っていた。あたしの中で見向きもされずに閉じ込められていた。そのせいで、あたしは過去のない不安定な状態で揺れていた、浮かんでいた、漂っていた。
 あたしの今のパーソナリティがいつから出来上がってきたのかはハッキリしている。多分数ヶ月の移行期間を経て、中学生のころに出来上がったものだ。一人称は「あたし」。
 以前のパーソナリティは「ボク」という一人称で男の子をしていて。
 「あたし」と「ボク」のあいだには明らかな断絶があって。「ボク」を封じこめることで「あたし」は「あたし」になることが出来たのだと思う。
 でも、縛めが解かれた今、「ボク」と「あたし」は正面から向き合うことになった。向き合って初めて解る違い。同じだけど違う。違うけれど同じ。まだ巧く繋がらない。それでも、確かに繋がっている。
 でも、「あたし」は確かに「ボク」でもあったのだと、そう言えるあたしがいる。
 浩ちゃんが繋げてくれた。小学生だった男の子のカヲルと今のあたしを。
 あたしの過去は紛れもなくあのカヲルであり、あのカヲルが成長して今のカヲル、ここにいるあたしになったのだと胸を張って言える、様な気がする。
 幼馴染の彼氏に感謝。


 ありがとう、浩ちゃん。


「だから、『ちゃん』は止めろって」 (あ、れ? あ、浩樹君だっけ。)

 付け加えておくと、浩ちゃんは祖父母公認の彼氏として無事その地位を確立。強制送還はなしとして、あたしは胸をなでおろした。その代わり「節度ある付き合い」を祖母に誓約させられたけど。


[ おわり ]


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