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納涼i伝説

作:BAF


−納涼ToSi伝説 VIII−



《第二十二夜》

 これは本当にあった話です。
 ある10代の少年が、肌を小麦色に焼くために日焼けサロンに通っていました。
 とにかく早く肌を焼きたかった彼は、何件もの店を掛け持ちでまわったり、サロンの決めた限度時間を無視して一日に何時間も日焼けマシンにさらされたり・・・と努力を重ね、見事に小麦色の肌を手に入れることができました。
 ・・・ところが、このころから彼の体に異変が起きました。
 何日ものあいだ体調がすぐれず、さらには身体からはうっすらと甘い匂いがするのです。
 この匂いは、身体をいくら洗っても取ることができませんでした。
 彼は病院へ行くことにしました。
 検査を終えると、医者は驚いた様子で彼にこう尋ねてきました。このような症状になってしまったことに、何か心当たりはないかと・・・
 彼が全てを正直に話すと、医者は悲しそうな顔でこう告げました。
「それでわかりました。あなたの内臓は日焼けサロンでじりじりと焼かれたために変化してしまったのです。わかりますか? 今のあなたの内臓は、女性のものに作りかえられているのですよ」
 驚いた彼は、「僕は治るのですか」と恐る恐る医者に尋ねました。しかし・・・
「無理です」
 医者は溜息まじりに答えました。

「あなたは一度焼いたステーキを、生の状態に戻すことができますか?」

 ・・・結局、彼は数週間と待たずに、完全な小麦美人になってしまいました。







《第二十三夜》



漫画:T−コミ(Trans sexual Communication Company)








《第二十四夜》

 これは本当にあった話です。
 それはある少年が、友人にインターネットにまつわる噂話を聞いたことから始まります。

「普段ネットを見ていると何気なく見かけるポップアップ広告の中に決して画面をクリックしてはいけない広告がある。その広告をクリックした者の姿を二度と見たものはいない」

 友人が語ったのは、そんな噂話でした。
 友人は、少年がよくネットサーフィンをすることを知っていたので、もし見つけたらアドレスを教えてくれと言いました。
 少年もそんな噂を信じていたわけではありませんが、物は試しと快諾し、自宅に帰りネットサーフィンを始めました。
 最初は検索エンジンなど使いながら、いろいろなサイトを回ってポップアップ広告を探していましたが、そのうちサイトの巡回に夢中になり、気がつけばお気に入りの小説サイトの新作小説に夢中になり、小説を堪能していました。
 最後まで読み終えると、『感想はこちらに』のリンクが貼られていました。
 久々に面白いものを見たという思いから感想を書こうとリンクをクリックすると、いつもの感想掲示板と一緒に見慣れぬポップアップ広告が現れました。

『あなたを・・・します』

 何のことだか意味がわかりません。
 でも何かただならぬものを感じました。
 いつもは出てくることのなかった広告。もしや、これがうわさの広告かも。
 一瞬怖くなりましたが興味のほうが勝り、震える手でマウスを動かし、画面をクリックしました。

 カチッ!

 マウスをクリックしましたが反応がありません。いや、よく見ると何か真ん中あたりに点のようなものが増えました。
 何だろうと思い二度三度とクリックしていきます。
 すると、だんだんそれは文字の姿を表していきました。最初は『コ』、そして『ロ』の文字。

『あなたを コ ロ します』

 少年は何かに見られているような気配を感じました。
 それ以来、その少年の姿を見たものは誰もいません。


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